| 亡命作家と風変わりで初心な女性が階級社会を嗤うロマンチック・コメディ。 製作、監督エルンスト・ルビッチ、主演シャルル・ボワイエ、ジェニファー・ジョーンズ、ピーター・ローフォード他共演。 |
・ジェニファー・ジョーンズ / Jennifer Jones / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:エルンスト・ルビッチ
製作:エルンスト・ルビッチ
原作:マージェリー・シャープ”Cluny Brown”
脚本
サミュエル・ホッフェンスタイン
エリザベス・ラインハルト
撮影:ジョセフ・ラシェル
編集:ドロシー・スペンサー
音楽:シリル・J・モックリッジ
出演
アダム・ベリンスキー:シャルル・ボワイエ(クルーニーと意気投合する作家)
クルーニー・ブラウン:ジェニファー・ジョーンズ(アダムに関わる小間使)
アンドリュー・カーメル:ピーター・ローフォード(クルーニーが勤める屋敷の御曹司)
ベティ・クリーム:ヘレン・ウォーカー(アンドリューが惹かれる女性)
ヒラリー・エイムズ:レジナルド・ガーディナー(クルーニーが配管を修理する家の主人)
ヘンリー・カーメル卿:レジナルド・オーウェン(アンドリューの父親)
レディ・アリス・カーメル:マーガレット・バナーマン(アンドリューの母親)
チャールズ・ダフ・グラハム大佐:C・オーブリー・スミス(ヘンリーの隣人)
ジョナサン・ウィルソン:リチャード・ヘイドン(クルーニーと付き合う薬剤師)
マイリー夫人:サラ・オールグッド(カーメル邸の家政婦)
シレット:アーネスト・コッサート(カーメル邸の執事)
エイムズのパーティーのゲスト:フローレンス・ベイツ
ウィルソン夫人:ウナ・オコナー(ジョナサンの母親)
アーン・ポリット:ビリー・ビーヴァン(クルーニーのおじである配管工/クレジットなし)
バーキンス巡査:チャールズ・コールマン(クレジットなし)
ジョン・フリューエン:マイケル・ダイン(ベティに惹かれる青年/クレジットなし)
マスター・ロナルド・スナッフル:クリストファー・セヴァーン(ジョナサンの知人の息子/クレジットなし)
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1946年製作 100分
公開
北米:1946年6月2日
日本:1950年12月2日
■ ストーリー ■
1938年6月、ロンドン。
ヒラリー・エイムズ(レジナルド・ガーディナー)は、カクテル・パーティーを控えていたが、家のキッチンのシンクが詰まり、配管工が見つからないために困っていた。
そこに、チェコの一流作家であるアダム・ベリンスキー(シャルル・ボワイエ)が現れ、エイムズはシンクのことを話す。
しばらくすると、クルーニー・ブラウン(ジェニファー・ジョーンズ)が、配管工のおじアーン・ポリット(ビリー・ビーヴァン)の代わりに現れ、エイムズは、女性の彼女には修理は無理だと考える。
しかし、アダムに説得されたエイムズは、クルーニーに修理を任せる。
無事に修理が終わったクルーニーは、カクテルを飲んで気分が良くなり、アダムは、風変わりな彼女が気になる存在になる。
クルーニーを迎えに来たアーンは、彼女が酔っていたために憤慨してエイムズを非難し、クルーニーを連れて帰る。
その後、エイムズの家で開かれたパーティーで、自己中心的な女性ベティ・クリーム(ヘレン・ウォーカー)は、若者アンドリュー・カーメル(ピーター・ローフォード)とジョン・フリューエン(マイケル・ダイン)に言い寄られるものの相手にしない。
ベティは、別の部屋で眠っているアダムに気づき、アンドリューとジョンを呼ぶ。
アンドリューとジョンは、アダムが著名な反ナチス作家で教授であることに気づく。
目覚めたアダムは、自分を尊敬するアンドリューらに挨拶され、ホテルに送ってもらう。
アーンは、クルーニーの振る舞いを恥じて、アンドリューの両親ヘンリー・カーメル卿(レジナルド・オーウェン)とアリス(マーガレット・バナーマン)の小間使として働かせることにする。
クルーニーは、カーメル邸に向かう列車で、親切な紳士チャールズ・ダフ・グラハム大佐(C・オーブリー・スミス)に出会う。
グラハムがカーメル家の隣人であり友人だと知ったクルーニーは、彼に送ってもらえることになる。
その頃、実家に向かったアンドリューは、アダムの安全のために、屋敷に彼を滞在させてほしいと両親に頼む。
クルーニーを連れてカーメル邸を訪れたグラハムは、ヘンリーとアリスに彼女を紹介してその場を去る。
グラハムの知人だと思いクルーニーを歓迎したヘンリーとアリスは、彼女が新しい小間使だと知り戸惑う。
恥をかいたクルーニーは、執事のシレット(アーネスト・コッサート)と家政婦のマイリー夫人(サラ・オールグッド)に軽蔑される。
アダムが屋敷に到着し、ヘンリーとアリスは、彼を歓迎して夕食が始まる。
夕食の席に食事を運んだクルーニーは、アダムに再会して驚く。
食事の皿を床に落としてしまったクルーニーは、下がるようシレットに指示されてその場を去る。
アダムは、戸惑うヘンリーに話しかけ、クルーニーの失態を擁護する。
その後、クルーニーの部屋に向かったアダムは、気落ちする彼女を慰める。
感謝するクルーニーはアダムに抱きついてしまい、その態度を謝罪する。
アダムは、自分たちが屋敷内では場違いな存在であることを確認し、友人として付き合う約束をするのだが・・・。
■ 解説 評価 感想 ■
“Elegantly effervescent and injected with the irrepressible ‘Lubitsch touch,’ Cluny Brown is a brilliantly witty satire that skewers British class snobbery through the whimsical romance of a plumbing-obsessed maid and a charming Czech refugee.”
(エレガントでシュワシュワと弾け、抑えきれない「ルビッチ・タッチ」が注入された『小間使』は、配管マニアの小間使と魅力的なチェコ人亡命者の奇想天外なロマンスを通して、イギリスの階級社会の気取りを見事に風刺したウィットに富んだ名作コメディである。)
1944年に発表された、マージェリー・シャープの小説”Cluny Brown”を基に製作された作品。
製作、監督エルンスト・ルビッチ、主演シャルル・ボワイエ、ジェニファー・ジョーンズ、ピーター・ローフォード他共演のロマンチック・コメディ。
エルンスト・ルビッチにとっては、彼が1947年に亡くなる前に製作された最後の作品となった。
*遺作は、ルビッチが撮影途中に亡くなったためにオットー・プレミンジャーが引き継いだ「あのアーミン毛皮の貴婦人」(1948)。
物語の舞台は第二次大戦前夜であり、台頭するナチやイギリスの階級社会を痛烈に皮肉る、エルンスト・ルビッチの演出手腕が最高に冴える作品に仕上がっている。
風変わりで憎めないヒロインに魅了される、著名な作家を愉快に演ずるシャルル・ボワイエの変幻自在の演技と、配管修理好きや小間使というキャラクターが、魅力的過ぎてどうもミスマッチに思えるジェニファー・ジョーンズなのだが、ルビッチの”魔法”と、演技派女優としての才能を発揮し、チャーミングなヒロインを見事に演じている。
主人公の2人に関わる、貴族の御曹司ピーター・ローフォード、彼が惹かれる女性ヘレン・ウォーカーなどが共演している。
