ボブ・ケインが創造した、DCコミック及び”バットマン”に登場するキャラクター”キャットウーマン”の誕生にまつわる陰謀を描く、 監督ピトフ、主演ハル・ベリー、ベンジャミン・ブラット、ランベール・ウィルソン、フランセス・コンロイ、シャロン・ストーン他共演のサスペンス・アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ピトフ
製作
デニーズ・ディ・ノヴィ
エドワード・L・マクドーネル
製作総指揮
ブルース・バーマン
マイケル・フォトレル
ロバート・カービー
ベンジャミン・メルニカー
マイケル・ウスラン
原作:ボブ・ケイン”キャットウーマン”(キャラクター創造)
原案
テレサ・レベック
ジョン・ブランカトー
マイケル・フェリス
脚本
ジョン・ブランカトー
マイケル・フェリス
ジョン・ロジャース
撮影:ティエリー・アーボガスト
編集:シルビー・ランドラ
音楽:クラウス・バデルト
出演
ペイシェンス・フィリップス/キャットウーマン:ハル・ベリー
トム・ローン刑事:ベンジャミン・ブラット
ジョージ・ヘデア:ランベール・ウィルソン
オフィーリア・パワーズ:フランセス・コンロイ
ローレル・ヘデア:シャロン・ストーン
サリー:アレックス・ボースタイン
アーマンド:マイケル・マッシー
ウェスリー:バイロン・マン
イワン・スラヴィッキー:ピーター・ウィングフィールド
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2004年製作 104分
公開
北米:2004年7月23日
日本:2004年11月3日
製作費 $100,000,000
北米興行収入 $40,202,380
世界 $82,102,380
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
化粧品会社”ヘデア・ビューティー”のグラフィック・デザイナー、ペイシェンス・フィリップス(ハル・ベリー)は、平凡な日々を送っていた。
老化した肌を隠すのではなく若返らせる新製品”ビューリン”を発表するジョージ・ヘデア(ランベール・ウィルソン)は、妻ローレル(シャロン・ストーン)がイメージモデルを退き新しいモデルを起用することで皮肉を言われる。
同僚のサリー(アレックス・ボースタイン)に励まされながらキャンペーンを成功させたいペイシェンスは、ジョージのオフィスに向かう。
皆の前で恥をかかされたことでローレルを非難していたジョージは、現れたペイシェンスのデザインが不満であることを伝える。 解雇も考えるジョージは、ペイシェンスの服装のセンスなどについても意見するが、ローレルが彼女の優秀さを語り、チャンスを与えるよう説得する。 翌日の夜までにやり直すようにと言われたペイシェンスは、ジョージに感謝する。 翌朝、アパートでデザインを考えていたペイシェンスは、現れた猫(エジプシャンマウ)を捕まえようとして窓の外に出る。 車で通りがかった刑事のトム・ローン(ベンジャミン・ブラット)は、ペイシェンスが自殺しようとしていると考え、思い留まるよう説得する。 ペイシェンスが落ちそうになり、部屋の窓に向かったトムは彼女を助ける。 猫を助けようとしたことをトムに伝えたペイシェンスは、急いで出社する。 トムは、ペイシェンスが落した財布を拾い、それを届けて彼女をカフェに誘う。 ビューリンの開発者であるイワン・スラヴィッキー(ピーター・ウィングフィールド)は、副作用があることを知りながら販売しようとするローレルの考えに反発する。 工場にデザインを届けに来たペイシェンスは、害があるビューリンの秘密を知ってしまう。 物音に気付いたローレルの部下アーマンド(マイケル・マッシー)とウェスリー(バイロン・マン)は、侵入者を探して始末するようにという指示を受ける。 廃液パイプに逃げ込んだペイシェンスは出口で行き場を失い、噴出した廃液に押し流されて海に落下して死亡する。 岩場に打ち上げられたペイシェンスの遺体に猫が集まり、エジプシャンマウのパワーにより彼女は生き返る。 人間離れした身体能力に気づきながら、ペイシェンスはアパートに戻る。 翌朝、サリーからの電話で目覚めたペイシェンスは、カフェで待っていたトムからのメッセージも聞く。 ペイシェンスは、その場にいた猫の首輪にあった、飼い主の”オフィーリア・パワーズ”の住所と電話番号を知る。 オフィーリア(フランセス・コンロイ)の家を訪ねて猫を渡したペイシェンスは、その場に多くの猫がいることに気づく。 連れて来た猫は”ミッドナイト”という名前のエジプシャンマウで、神殿の猫であり不思議な力があると言われる。 出社したペイシェンスは、デザインを届けなかったことでジョージに罵倒され、意見したために解雇される。 後悔したペイシェンスだったが、独裁者のようなジョージに逆らったことで同僚から称えられる。 荷物をまとめて退社したペイシェンスは、手伝ってくれたサリーが、街角で失神したために病院に連れて行く。 サリーが気を失った原因は不明で、ペイシェンスは、約束を破ってしまったトムに会うようにとサリーに言われる。 学校にいたトムに会ったペイシェンスは謝罪し、バスケットボールを楽しむ。 サリーから電話を受けたペイシェンスはトムのことを聞かれ、やったこともなかったバスケを楽しんだことを伝え、体の変化についてを話す。 その後、向いのアパートのロッカー達が騒いでいるため眠れないペイシェンスは、その場に向い彼らを脅して黙らせる。 ヘアースタイルを変えて、サリーからプレゼントされたレザースーツを着たペイシェンスは、バイクに乗り街に向かう。 宝石店の二人の強盗に気づき、彼らを叩きのめしたペイシェンスは、翌朝、その店の宝石がベッドにあることに気づき、それを返そうとする。 襲われた宝石店を調べていたトムは、紙袋に入れられて戻された宝石に気づく。 ”キャットウーマン”のことについてネットで調べたペイシェンスは、女神”バスト”とエジプシャンマウが関係することを知る。 オフィーリアを訪ねたペイシェンスは、エジプシャンマウは聖なる猫で、バストの使者であることを知らされる。 事件の夜のことを聞かれたペイシェンスは覚えていないと答え、オフィーリアから、自分がその場で死んで生まれ変わったと言われる。 ミッドナイトが自分を試し、そして、殺されたため新たな命を与えたと、オフィーリアはペイシェンスに伝える。 今までにも何人もいたキャットウーマンについての話をされたペイシェンスは、視覚、聴覚、嗅覚が発達した超人的な能力が備わったことを知る。 ペイシェンスでありキャットウーマンでもあるとオフィーリアに言われたペイシェンスは、新たな人生を受け入れ、誰が自分を殺したのかを知ろうとする。 身体能力を確認したキャットウーマンは、工場で自分を襲ったアーマンドを尾行する。 アーマンドを痛めつけて締め上げたキャットウーマンは、廃液を流して殺せと命ぜられただけで、ビューリンと関係があると言われ、それがジョージの指示だったと考える。 工場の研究施設に侵入したキャットウーマンは、スラヴィッキーが殺されていることを知り、職員に見つかったためにその場から逃れる。 翌日、サリーを見舞ったペイシェンスは、キャットウーマンがスラヴィッキーを殺害したというニュースを確認する。 事件はビューリンの発売に影響ないというジョージの声明も聞いたペイシェンスは、サリーの使っていたビューリンが、彼女の体調不良と関係していることに気づき、それを捨ててしまう。 その頃トムは、ペイシェンスから渡されたコーヒーカップの文字と、宝石店の紙袋の謝罪する文字の筆跡が似ていることに気づく。 その筆跡を調べたトムは、二つは似ているが、違う人格の人間が書いたと分析官に言われる。 安心したトムは、ペイシェンスと遊園地でデートする。 回転ゴンドラが故障してしまい、トムが降りて対処しようとする。 その間にペイシェンスは、落下しそうになった少年を助ける。 トムは、ペイシェンスの運動能力に驚く。 その夜、ヘデア邸に侵入したキャットウーマンは、ローレルに襲われる。 ジョージが不在だと知ったキャットウーマンは、ビューリンに毒性があると伝えるが、ローレルにそれを否定される。 スラヴィッキー殺害も口封じのためだと言うキャットウーマンはジョージを疑い、彼がショーを観に行っていることをローレルから知らされる。 劇場の桟敷席にいたジョージに襲いかかったキャットウーマンは、ビューリンの秘密を知っていることとペイシェンス殺害の件を問い詰める。 そこに通報を受けたトムが駆けつけ、キャットウーマンはその場から姿を消す。 ビューリンの発表前に問題が発生したためジョージは焦るが、ローレルは、彼を相手にせず無能呼ばわりする。 トムと食事をしたペイシェンスは、秘密を話そうとするものの、雨が降ってきたために濡れるのを嫌い、思い止まってアパートに向い彼と愛し合う。 夜中に目覚めたトムは、カーペットに落ちていたネイルチップを見つけて、それがキャットウーマンのものであると考え、その場にあったグラスを持ち帰る。 ローレルからの電話で目覚めたペイシェンスは、ビューリンの件が正しかったため、翌日、それを発表するジョージを止める必要があると言われる。 署に向かったトムは、キャットウーマンに付けられた頬の口紅とグラスのものが、ほぼ一致することを知る。 ローレルに会ったキャットウーマンは、ジョージが殺されていることを知る。 ビューリンの発売を阻止させないために、ジョージとスラヴィッキーを殺したのがローレルだと知ったキャットウーマンは、凶器の銃を渡される。 自分が殺害したように見せかけられたキャットウーマンはその場から逃れ、ペイシェンスに戻る。 キャットウーマンがジョージに殺害されたという報道を知ったペイシェンスはアパートに戻り、その場にいたトムに逮捕される。 警察署で尋問されたペイシェンスは、ローレルがスラヴィッキーを殺したことをトムに話すものの、信じてもらえない。 状況証拠からペイシェンスが犯人としか言えないトムだったが、自分を信じてほしいとペイシェンスは彼に伝える。 留置場に入れられたペイシェンスは、鉄格子をすり抜けて現れたミッドナイトのようにその場から脱出し、窓から道路に飛び降りて着地し、通りがかった車を奪って逃走する。 翌日、ローレルは、ビューリンが発売されることを発表する。 その場に現れたトムは、ローレルと共にオフィスに向かう。 キャットウーマンは、出荷されるビューリンが積み込まれたトラックを走行不能にする。 トムに疑われたローレルは、彼を銃撃して止めを刺そうとする。 そこに現れたキャットウーマンは、トムを助けてその場を逃れ、信じるべきだったと彼に言われる。 誰かと勘違いしていると伝えたキャットウーマンは、ペイシェンスだとトムに言われる。 キャットウーマンは追ってきたウェスリーを倒し、、トムがアーマンドを叩きのめす。 キャットウーマンと格闘になったローレルは、ビューリンを使うのを止めれば肌が崩れ、使い続ければ、傷みも感じない大理石のような固い肌になると伝える。 割れたガラスで傷つけられたキャットウーマンは、ビルから突き落とされそうになる。 反撃したキャットウーマンは、ローレルの頬を傷つける。 ガラスに映った自分の顔を見たローレルは、ショックを受けて落下死する。 現れたトムは、ペイシェンスが朝までに留置場に戻れば、キャットウーマンは疑われないと伝える。 その後、ビューリンの販売は中止され、キャットウーマンが多くの女性を救ったと報道される。 ペイシェンスは、感謝の気持ちを込めた絵とカードをオフィーリアに贈る。 トムは、自分の生きる世界には居場所がないと言う、ペイシェンスからの手紙を受け取る。 そしてキャットウーマンは、飼い慣らされずに自由に生きることを選択して、新たな旅に出る。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
化粧品会社”ヘデア・ビューティー”のグラフィック・デザイナー、ペイシェンス・フィリップスは、平凡な日々を送っていた。
社長ジョージ・ヘデアに依頼されたキャンペーンのデザインを届けに行ったペイシェンスは、新製品に副作用があることを知ってしまい、社長夫人のローレルの命令で殺されてしまう。
アパートに現れていた猫(エジプシャンマウ)のパワーで生き返ったペイシェンスは、並外れた身体能力に気づき驚く。
猫の飼い主だったオフィーリアを訪ねたペイシェンスは、エジプシャンマウは聖なる猫で、女神バストの使者であり、死んだ自分を生き返らせたことを知らされる。
”キャットウーマン”となったペイシェンスは、刑事のトムとの親交を深めながら、自分を殺した者を探そうとするのだが・・・。
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DCコミックの”バットマン”に登場する”キャットウーマン”を主人公にした作品。
「バットマン」(1989)とそのシリーズとの関係はなく、スピンオフとも言えない作品で、中途半端な製作主旨がファンを失望させる結果となった。
魅力的なキャストにも拘らず、その個性も生かしきれず、期待のアクションなども全くキレがない。
製作費に1億ドルをかけた超大作ではあるが、CGなども平凡で、ビッグネームの出演がなければB級作品程度の出来栄えに、批評家、観客からも酷評された。
ラジー賞では、ワースト作品、監督、女優(ハル・ベリー)、脚本賞を授賞してしまい、他にもランベール・ウィルソン、シャロン・ストーンなどがノミネートされた。
「チョコレート」(2001)でアフリカ系アメリカ人女性初のアカデミー主演女優賞を受賞して作品にも恵まれていたハル・ベリーは、それなりの魅力で熱演するものの、上記のように、アクション・シーンなどに物足りなさを感じる。
主人公と恋に落ちる刑事ベンジャミン・ブラット、主人公が務める化粧品会社社長ランベール・ウィルソン、その妻シャロン・ストーン、主人公に”キャットウーマン”の秘密を教えるフランセス・コンロイ、主人公の親友で同僚のアレックス・ボースタイン、社長夫人の部下マイケル・マッシーとバイロン・マン、製品開発者ピーター・ウィングフィールドなどが共演している。