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カラミティ・ジェーン Calamity Jane (1953)

男勝りのカラミティ・ジェーンとガンマンのワイルド・ビル・ヒコックの恋を描く、監督デヴィッド・バトラー、主演ドリス・デイハワード・キールアリン・アン・マクレリーフィリップ・キャリー他共演のウエスタン・ミュージカル。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル

ドリス・デイ / Doris Day / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:デヴィッド・バトラー

製作:ウィリアム・ジェイコブス
脚本:ジェームズ・オハンロン
撮影:ウィルフリッド・M・クライン
編集:アイリーン・モラ
音楽:レイ・ハインドーフ

出演
カラミティ・ジェーンドリス・デイ
ワイルド・ビル・ヒコックハワード・キール
ケイティ・ブラウン:アリン・アン・マクレリー
ダニエル・ギルマーティン:フィリップ・キャリー
フランシス・フライヤー:ディック・ウェッソン
ヘンリー・ミラー:ポール・ハーヴェイ
ラトルスネーク:チャビー・ジョンソン
アデレイド・アダムス:ゲイル・ロビンス
探鉱者:トム・ロンドン

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1953年製作 101分
公開
北米:1953年11月4日
日本:1955年6月21日


アカデミー賞
第26回アカデミー賞

・受賞
歌曲賞
・ノミネート
音楽賞(ミュージカル)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ダコタ準州デッドウッド
駅馬車で到着したショットガン・メッセンジャーカラミティ・ジェーンドリス・デイ)は、御者のラトルスネーク(チャビー・ジョンソン)と共に町の人々に歓迎される。

ヘンリー・ミラー(ポール・ハーヴェイ)の劇場兼酒場に向かった男勝りのカラミティは、旅の自慢話をする。

カラミティは、友人のワイルド・ビル・ヒコックハワード・キール)から、男たちが騒いでいる女優アデレイド・アダムス(ゲイル・ロビンス)の話を聞く。

自分が惹かれているダニエル・ギルマーティン中尉(フィリップ・キャリー)は、アデレイドなど見向きもしないと言うカラミティは、姿が見えない彼を捜そうとする。

女優の到着を待っていたミラーは、代わりにフランシス・フライヤー(ディック・ウェッソン)という男優が来てしまったことを知り驚き、ショーを予定していたために何とかしようとする。

先住民に襲われた男たちが戻り、ダニエルが殺されたかもしれないことを知ったカラミティは、彼を捜しに行く。
...全てを見る(結末あり)

先住民のキャンプを見つけたカラミティは、発砲しながら彼らを追い払い、拘束されていたダニエル救出する。

酒場に戻ったカラミティの武勇伝を聞いたワイルド・ビルは、その話を信じない。

ショーの時間となり、ミラーは、フランシスに女装をさせて舞台に上がらせようとする。

いやいやながら仕方なく舞台に登場したフランシスは、男たちに歓迎されるものの、カツラが取れて男だとバレてしまう。

弁解したミラーだったが、男たちは帰ろうとする。

ミラーを気の毒に思ったカラミティは、彼を助けるために、人気のアデレイドを連れて来ることを男たちに約束する。

自慢ばかりするのでアデレイドを連れて来れると言うワイルド・ビルに侮辱されたカラミティは憤慨し、シカゴにいる彼女の元に向かうことになる。

翌日、シカゴで少しは女らしくなれとワイルド・ビルに嫌味を言われたカラミティは、駅馬車で出発する。

シカゴ
カラミティは、ヨーロッパに向かうアデレイドの最終公演が上演されている劇場に向かう。

舞台を終えたアデレイドは、歌手志望の付き人ケイティ・ブラウン(アリン・アン・マクレリー)に衣装を譲る。

アデレイドの楽屋に向かったカラミティは、彼女の衣装を着て歌っていたケイティを本人だと思う。

ケイティに男と思われたカラミティは本題に入り、呆気なくデッドウッド行きを承諾してもらう。

カラミティは、帰りの駅馬車で先住民に襲われるものの、何とかそれを逃れる。

無事に町に戻ったカラミティは、男たちにアデレイド(ケイティ)を紹介し、ワイルド・ビルとダニエルは、美しい彼女に挨拶する。

ミラーに歓迎されたケイティは、見覚えがあるフランシスを紹介され、去年同じショーに出たと言われたために戸惑う。

ワイルド・ビルとダニエルのケイティに対する態度が気になるカラミティは、男たちからシカゴのことを訊かれ、大都会の話をする。

ショーを前に、ケイティがアデレイドではないことを知っていたフランシスは、それをミラーに話すことができない。

楽屋で準備をするケイティも、ウソをついたことを後悔する。

アデレイドを連れて来れないと言っていたワイルド・ビルは、賭けに負けたために先住民の女に扮し、男たちやカラミティに笑われる。

ミラーに紹介され、フランシスに”ケイティ”と言われて戸惑いながら、ケイティは舞台に上がり歌い始める。

カラミティは、シカゴで聴いた歌声と違うことに気づく。

まともに歌えず踊れないケイティは泣き出してしまい、アデレイドでないことを皆に伝える。

カラミティは信じることができず、ワイルド・ビルや男たちの非難を浴びる。

しかしダニエルは、ケイティのような美人なら騙されてもいいと言って彼女をかばう。

騒ぐ男たちに銃を発砲して黙らせたカラミティは、女優になりたい一心でウソをついたケイティにチャンスを与えるべきだと言って、男たちを納得させる。

再び歌い始めたケイティは皆を魅了し、彼女とカラミティは喝采を受ける。

しかし、納得しないワイルド・ビルは、カラミティをロープで吊るして恥をかかせる。

翌日、ワイルド・ビルは、町に滞在することになったケイティが、友達になったカラミティと暮らすことを知り思わず笑ってしまう。

そんなワイルド・ビルは、美しいケイティに恋する。

カラミティのボロ小屋に着いたケイティは驚く。

ケイティは、喧嘩ばかりしているワイルド・ビルとの関係をカラミティに尋ね、からかい合って楽しんでいるだけで、本当は親友だということを知る。

ボロ小屋でケイティを失望させてしまったカラミティは後悔し、彼女を町に送ろうとするが、ここで構わないと言う彼女と話をする。

小屋を修理して、女らしさを教えると言うケイティは、カラミティと共に掃除を始める。

部屋はきれいになり、服装を変えたカラミティは、ケイティに作法を教わり、女らしさを学ぶ。

その後、ダニエルがケイティに惹かれていることを知ったワイルド・ビルは、カラミティの家に先回りする。

ダニエルは、ケイティがカラミティの家に居ることをミラーから知らされて驚く。

ワイルド・ビルに追いついたダニエルは、先を争いながらカラミティの家に向かう。

ポッターの子供が病気だと知ったカラミティは、様子を見に行くとケイティに伝えて出かける。

ケイティは、訪ねて来たワイルド・ビルとダニエルを歓迎する。

カラミティが留守だと知った2人は、見違えるようにきれいになった部屋に驚く。

ワイルド・ビルに薪を頼んだケイティはダニエルと話し、自分に惹かれている様子の彼に、カラミティが恋していることを伝える。

ダニエルから、カラミティはただの友達だと言われたケイティは、恩人の彼女を裏切ることはできないと彼に伝える。

ダニエルと、戻ったワイルド・ビルは薪があることに気づき、砦で行われるスターク将軍歓迎パーティーの話をして、ケイティを誘おうとする。

ケイティはカラミティを含めた4人で行くことを提案し、ダニエルに彼女を誘うことを勧める。

男勝りで美しくもないカラミティに興味がないワイルド・ビルは、クジ引きで相手を選ぶことにするが、それに勝ったダニエルがケイティを誘うことになる。

カラミティが戻る様子が窓から見えたケイティは、2人が、きれいなドレスを着て変貌した彼女に驚くだろうと考える。

ところが、カラミティが川で転んで泥だらけで帰って来たために、いつもと変わらない彼女を見たワイルド・ビルとダニエルは笑ってしまう。

2人が自分を誘いに来たことを知ったカラミティは、相手がワイルド・ビルだったために残念に思うが、ケイティを気遣い、彼女を誘ってあげてほしいとダニエルに伝える。

パーティーの夜、カラミティは、カスター将軍からもらったコートを着てスカーフを被り、ワイルド・ビルと共に馬車で砦に向かう。

砦のダンス・パーティーは始まり、ワイルド・ビルは、コートを脱ぎスカーフを外した、美しく変貌したカラミティを見て驚く。

ケイティと踊るダニエルや他の兵士たちも、カラミティの美しさに見とれてしまう。

兵士たちからダンスを申し込まれたカラミティだったが、ダニエルがケイティと踊る姿を見て嫉妬する。

ダニエルと外に出たケイティは、カラミティのことを気にしながらも、彼の愛を受け入れてしまいキスする。

それを見てしまったカラミティは憤慨し、ケイティのパンチグラスを銃撃して、ワイルド・ビルと共にその場を去る。

小屋に戻ったカラミティは、ドレスとハイヒールを脱ぎ捨ててケイティを非難し、ダニエルは彼女にたぶらかされたと思う。

ケイティの荷物を外に放り投げたカラミティは、ワイルド・ビルが去った後で泣き崩れる。

その後、町の劇場に向かったカラミティは、フランシスと舞台に立つケイティに対し、明日の駅馬車に乗り遅れるなと言って警告する。

客の銃を借りたケイティは、バーにいたカラミティに、酒のグラスをかざすよう指示して、それを撃とうとする。

ケイティの前にワイルド・ビルがグラスを撃ち、彼女が命中させたと思う男たちはそれを称える。

屈辱を味わったカラミティは外に出るが、ワイルド・ビルに呼び止められて、強引に馬車に乗せられる。

暫く走り馬車を止めたワイルド・ビルは、愚かな行為をしたカラミティを責めて、グラスを撃ったのは自分だと伝える。

ケイティを脅して追い出しても、ダニエルに愛されないと言われたカラミティは、泣きながら彼が好きだったことをワイルド・ビルに伝える。

自分もケイティに惹かれていたと伝えたワイルド・ビルは、時間が解決してくれると言ってカラミティを励ます。

ダニエルと共に歩む人生を考えていたと話すカラミティは、彼のような人は二度と現れないだろうとワイルド・ビルに伝えながらキスされる。

ワイルド・ビルをずっと愛していたことに気づいたカラミティは、ダニエルは忘れたと彼に伝える。

翌日、カラミティは爽やかな気分で目覚める。

町に向かったカラミティは、町の人々に無視されてしまう。

ショーの垂れ幕を外すミラーも口をきいてくれないため、カラミティはフランシスに声をかけ、ケイティがシカゴに戻ったことを知り驚く。

カラミティは、ケイティに出て行けと言ったからだとミラーに非難され、謝罪しに来たことを伝える。

ダニエルは、ケイティがレディだから出て行ったのであり、彼女は君のように人を傷つけたりしないと言ってカラミティを責める。

自分は身を引くのでカラミティと幸せになって下さい・・・という内容のケイティの置手紙を読むダニエルや、ミラーと男たちが彼女を求めていることを知ったカラミティは、必ず連れ戻すと言って駅馬車を追う。

出くわしたワイルド・ビルにキスしたカラミティは、駅馬車に追いつき、ラトルスネークに止まるよう指示する。

駅馬車に飛び乗ったカラミティは、ケイティにワイルド・ビルと結婚することを伝えて和解する。

2人はデッドウッドに戻り、ダブルウェディングが行われる。

カラミティと旅立つワイルド・ビルは、ウェディングドレスに隠していた銃を見つける。

女優が来たら追い払うと言うカラミティは、人々に祝福されながら、ワイルド・ビルと共に駅馬車で旅立つ。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ダコタ準州デッドウッド
駅馬車のショットガン・メッセンジャーカラミティ・ジェーンは、人気女優ではなく男優を呼んでしまった劇場主のミラーを助けようとする。
カラミティは、人気女優アデレイドをシカゴから連れて来ることを、親友のワイルド・ビルや男たちに約束して旅立つ。
シカゴに着いたカラミティは、アデレイドの付き人である歌手志望のケイティを本人だと思い、彼女を連れて町に戻るのだが・・・。
__________

サイレント時代から活躍し、様々なジャンルで話題作を手掛けたデヴィッド・バトラーの監督作品。

歌唱力を活かしスターとなったドリス・デイハワード・キールが、主人公のカラミティ・ジェーンワイルド・ビル・ヒコックを演じ、彼が出演したMGMの「アニーよ銃をとれ」(1950)の成功を受けてワーナー・ブラザーズで製作された作品であり、楽曲と脚本は、舞台の同名ミュージカルの基となった。

第26回アカデミー賞では、ドリス・デイがしっとりと歌う”Secret Love”が歌曲賞を受賞した。
・ノミネート
録音、音楽賞(ミュージカル)

男勝りのカラミティ・ジェーンを熱演するドリス・デイが、その中性的な魅力で見事に主人公を演じている。
ボーイッシュなウエスタンスタイルも似合い、また、ドレス姿の美しさも際立つ彼女の演技は見ものであり、素晴らしい歌声も十分に披露してくれる。

カラミティとはからかい合う仲の親友ではあるが、互いに愛し合っていたことに気づくワイルド・ビル・ヒコック役のハワード・キールも、持ち味を活かしたスケール感のある演技で好演している。

カラミティに人気女優と間違えられてトラブるものの、騎兵隊中尉フィリップ・キャリーとの愛が芽生えるアリン・アン・マクレリー、女優と間違えられて町に招かれる男優ディック・ウェッソン、彼を呼んでしまった劇場主のポール・ハーヴェイ、駅馬車の御者チャビー・ジョンソン、人気女優のゲイル・ロビンス、探鉱者のトム・ロンドンなどが共演している。


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