2006年に公開された「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」の続編。 アメリカのペンス副大統領に貢ぎ物を届けることを命ぜられたボラットが娘と共に巻き起こす騒動を描く、監督ジェイソン・ウォリナー、製作、脚本、主演サシャ・バロン・コーエン、マリア・バカローヴァ他共演のモキュメンタリー・コメディ。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェイソン・ウォリナー
製作
サシャ・バロン・コーエン
モニカ・レヴィンソン
アンソニー・ハインズ
製作総指揮
バディ・エンライト
ニコラス・ハットン
ピーター・ベイナム
ダン・メイザー
スチュアート・ミラー
原作:”Borat Sagdiyev”サシャ・バロン・コーエン
原案
サシャ・バロン・コーエン
アンソニー・ハインズ
ダン・メイザー
ニーナ・ペドラド
脚本
サシャ・バロン・コーエン
アンソニー・ハインズ
ダン・スウィマー
ピーター・ベイナム
エリカ・リヴィノジャ
ダン・メイザー
ジーナ・フリードマン
リー・カーン
撮影:ルーク・ガイスビューラー
編集
ジェームズ・トーマス
クレイグ・アルパート
マイク・ギアンブラ
音楽:エラン・バロン・コーエン
出演
ボラット・サグディエフ:サシャ・バロン・コーエン
トゥーター・サグディエフ:マリア・バカローヴァ
ヌルスルタン・ナザルバエフ首相:ダニ・ポペスク
本人:トム・ハンクス
ヤマック博士:マヌエル・ビエル
ミロスラフ・トリ:ヌルスルタン・トゥリヤクベイ
ヒュー・ルイス/ジェフリー・エプスタイン:アリン・ポパ
ビラック・サグディエフ:イオン・ゲオルゲ
ビラム・サグディエフ:ニコラエ・ゲオルゲ
クチェク村人:マルセラ・コドレア
クチェク村人:ルカ・ネル
バブスカ:ニコレタ・チョバヌ
本人:ルドルフ・ジュリアーニ
本人:マイク・ペンス
本人:リタ・ウィルソン
シドニーの傍観者:ジェイソン・ウォリナー
アメリカ 映画
配給 アマゾン・スタジオ
2020年製作 96分
公開
北米:2020年10月23日(Amazonプライム・ビデオ)
日本:2020年10月23日(Amazonプライム・ビデオ)
製作費 $10,000,000-20,000,000
■ アカデミー賞 ■
第93回アカデミー賞
・ノミネート
助演女優(マリア・バカローヴァ)
脚色賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
カザフスタン。
ニュースレポーターのボラット・サグディエフ(サシャ・バロン・コーエン)は、国家に恥をかかせた罪で終身刑となり、強制労働を課せられていた。
14年後。
ヌルスルタン・ナザルバエフ首相(ダニ・ポペスク)の元に連れて行かれたボラットは、ある任務を命じられる。
アメリカ大統領オバマが国家を堕落させるものの、トランプが大統領に就任して威信を回復した。
ロシアのプーチンをはじめ、各国首脳と友好関係を築くトランプに、自分への敬意を示させるため、ナザルバエフは、アメリカへの貢ぎ物を届けるようボラットに指示する。
前回の渡米の際にボラットは、”トランプ・インターナショナル・ホテル&タワー”の造園で排便したことでトランプに近づくことができんさいため、女好きで知られるマイク・ペンス副大統領に、文化大臣でポルノスターの”おサルのジョニー”を渡すよう命ぜられる。
ナザルバエフからチョコレートケーキを土産に持ってくるようにと言われたボラットは、出発の準備をして”予防接種”をする。
旅立つ前に故郷の村に戻ったボラットは、隣人に息子たちを含めすべてを奪われていることを知る。
ボラットは、残った15歳の娘のトゥーター(マリア・バカローヴァ)にアメリカに行くことを伝え、同行を希望する彼女を置いて旅立つ。 輸送されるジョニーとは別行動のボラットは、貨物船で世界各地を回りながら、22日後にテキサスのガルベストンに到着する。 ジョニーの到着を待つボラットは、アメリカでは有名だったために任務が遂行できないと考え、変装することを考える。 不思議な”計算機”スマートフォンをセールスマンのブライアン・パトリックから手に入れたボラットは、到着したジョニーを受取ろうとするものの、箱の中からトゥーターが現れたために驚く。 食われたジョニーを確認したボラットは、箱を元に戻して送り返し、ナザルバエフにFAXで報告する。 現れたトゥーターを追い払ったボラットは、貢ぎ物を届けられなかった場合は死刑だという連絡を受け、新しい貢ぎ物を見つけようとする。 アメリカの権力者が女好きだと知ったボラットは、トゥーターを貢ぎ物にすることをナザルバエフに提案する。 それを許可されたボラットは、トゥーターが持っていた”娘の飼い主用マニュアル”を参考にして、檻などを手に入れる。 翌日、ボラットと共にインスタグラマーのメイシー・シャネルの元に向かたトゥーターは、女性の心得を教えてもらう。 トゥーターの髪をブロンドに染めメイクをしてドレスを買ったボラットは、女性が経営や仕事などをすることに驚く彼女に、よくないことだと説明する。 首相のためにチョコレートケーキを手に入れたボラットは、カップケーキを欲しがるトゥーターのために仕方なく買ってあげる。 ケーキを食べたトゥーターは飾りの赤ちゃんの人形を飲み込んでしまい、ボラットは危機妊娠センターに向かう。 ボラットとトゥーターはジャナサン・ブライト牧師に話を聞いてもらい、お腹の”赤ちゃん”を取り出したいと伝える。 牧師と話が食い違うボラットは諦め、ガソリンスタンドのトイレでトゥーターに排便させて人形を取り出す。 その後ボラットは、トゥーターを社交界デビューさせるために、デビュタント・コーチのジーン・シェフィールド博士にマナーなどを教えてもらう。 舞踏会に出席したボラットとトゥーターは、ダンスで大恥をかいてしまう。 ボラットは、落ち込むトゥーターを慰める。 翌日ボラットは、”CPAC/保守政治活動協議会”でペンスが演説をすることを知り、トゥーターと共に会場に向かう。 トランプに扮したボラットは、トゥーターをかついで会場に向かい、コロナ・ウィルス感染について演説するペンスの前で騒ぎを起こしたために追い出される。 任務失敗をナザルバエフに知らせたボラットは、死刑になることを知りショックを受ける。 ボラットは、トランプの顧問弁護士ルドルフ・ジュリアーニに自分を貢ぐことをトゥーターから提案され、それをナザルバエフに伝えて、成功すれば生き延びられることを知り喜ぶ。 ジュリアーニが巨乳の女性が好きだと知ったボラットは、トゥーターに整形手術を受けさせることを考え、チャールズ・ウォレス医師の元に向かい相談する。 2万1751ドルかかる手術費用が不足したため、ボラットは、ベビーシッターのジェニス・ジョーンズにトゥーターを預け、理髪店でアルバイトする。 トゥーターと話をしたジェニスは、彼女のマニュアルを見せてもらい、性器に触るとそれに食べられるという物語の内容に驚き、真実ではないと彼女に伝える。 ジェニスと車で外出したトゥーターは、女性が運転したために取り乱しそうになる。 アラン”ランディ”ナイトの髪をカットしたボラットは、手術代金の不足分を手に入れて医療センターに向かう。 ジェニスから豊胸手術など必要ないと言われたトゥーターは、考えることが必要だと言われ、医療センターには向かわずに、”ヒルズボロ共和党女性クラブ集会”に参加する 女性たちと話したトゥーターは、性器に触れても何も起きないと言っていたジェニスが正しいことをトイレで確認し、皆の前でスピーチする。 興奮しながら性器を触る話をしたトゥーターは参加者を驚かせ、満足して会場を出る。 トゥーターは、自分に気づいたボラットに今のままでいいと伝え、マニュアルに書いてあることはすべてウソで、真実は”Facebook”で調べられると伝える。 ”ホロコースト”も作り話だったと言うトゥーターは、その証拠であるFacebookページをボラットに見せる。 トゥーターは、立派なジャーナリストになると言ってマニュアルを投げ捨て、車を運転してその場を去る。 すべてを諦めたボラットは自殺することを決意し、ユダヤ人に扮してシナゴークに向かう。 二人の老婦人に歓迎されたボラットは、これまでに起きたことを話す。 ホロコーストの生存者ジュディス・ディム・エヴァンスから、それが真実だったと言われたボラットは喜び、二人に感謝してその場を去る。 トゥーターを捜すものの見つけられないボラットは、ウイルスで外出禁止令がでている街でジェリー・ホレマンに出会い、彼の家に案内される。 ジェリーから同居人のジム・ラッセルを紹介されたボラットは、”Qアノン”について語る陰謀論者である二人の話を聞き、様々なことを知る。 ネットを見ていたボラットは、トゥーターがリポーターになり、ワシントン州のオリンピアで行われるロックダウン反対集会を取材することを知る。 変装したボラットは、ジェリーとジムと共に集会に参加し、飛び入りでステージに上がり歌うことになる。 ボラットの歌は大いに受けて、会場は盛り上がる。 トゥーターを見つけたボラットは、ジェリーとジムにそれを知らせる。 ジェリーとジムはトゥーターと話し、ジュリアーニに会わなければボラットが処刑されてしまうことを伝える。 ボラットと話す気はないがジュリアーニに会うつもりのトゥーターは、ジムからマニュアルを受け取りその場を去る。 それを知ったボラットは、ジェリーとジムに感謝する。 ジェニスに会ったボラットは、トゥーターが置いて行った赤ちゃんの人形を渡され、自分に改造してあることを知る。 トゥーターを貢がせたことで心が痛むボラットは、ニューヨークに向かう。 マンハッタン。 興奮するトゥーターは、ジュリアーニにマニュアルをプレゼントして、愉快な彼との会話が弾む。 音声スタッフに扮して現れたボラットを追い出したトゥーターは、死んでほしくないのでやり遂げると彼に伝える。 ジュリアーニを寝室に誘ったトゥーターだったが、戻って来たボラットが自分の体を提供しようとする。 その場から追い出されたボラットとトゥーターは、走って逃げる。 ボラットが息子たちより自分を愛していることを知ったトゥーターは、帰国して裁きを受けると言う父を抱きしめる。 トゥーターと共に帰国しナザルバエフに会ったボラットは、遺書を渡してすべてを娘に託すことを伝える。 首相から死刑にはしないと言われたボラットは安堵するが、自分が保菌者として世界を回り、アメリカでウィルスを拡散する復讐計画に利用されたことを知る。 ボラットは、シドニーでトム・ハンクスからサインをもらった際に咳込み、同じようにジュリアーニらにも接したことを思い出す。 ナザルバエフを呼び止めたボラットはウイルス拡散計画を認めた彼に、スマートフォンを見せる。 今の会話をブライアンに聞かせたボラットは、相手はアメリカ技術省の大臣だとナザルバエフに伝える。 納得したナザルバエフは、ボラットとトゥーターの望みを聞く。 3ヶ月後。 ボラットは、カザフスタンの脅威はユダヤ人ではなくアメリカだったことに気づいた。 伝統の”ユダヤ人追い祭り”は廃止され、”アメリカ人追い祭り”が開催される。 トランプ支持者の仮装人形が、ウィルスを拡散しながら免疫学者”アンソニー・ファウチ”の人形に襲い掛かり殺害し、ボラットとトゥーターはその様子を実況する。
...全てを見る(結末あり)
風船で胸を膨らませたトゥーターは、ジュリアーニとのインタビューを始める。
ニュースレポーターに復帰したボラットは故郷の村に戻り、同僚となったトゥーターと共に取材を始める。
*(簡略ストー リー)
カザフスタン。
国家を世界の笑い者にした罪で強制労働を課せられていた元ニュースレポーターのボラット・サグディエフは、ナザルバエフ首相に呼ばれる。
アメリカの目を自分に向けさせようとするナザルバエフは、ペンス副大統領に、文化大臣でポルノスターの”おサルのジョニー”を貢ぎ物として届けることをボラットに命ずる。
世界各国を回りながらテキサスに着いたボラットは、到着したジョニーが、箱に忍び込んだ娘のトゥーターに食べられてしまったことを知る。
それをナザルバエフに知らせたボラットは、ジョニーの代わりにトゥーターを貢ぎ物にすることを許可されるのだが・・・。
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2006年に公開された、「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」の続編。
アメリカのペンス副大統領に貢ぎ物を届けることを命ぜられたボラットが、娘と共に巻き起こす騒動を描くモキュメンタリー・コメディ。
”ボラット”の引退宣言をしたはずのサシャ・バロン・コーエンが、製作と脚本を兼ねて再び主演した作品として注目され、アマゾン・スタジオが配給権を獲得して、2020年10月23日に全世界一斉にインターネット配信された。
モキュメンタリーであるために、サシャ・バロン・コーエンは、ペンスが演説する”保守政治活動協議会”にトランプに扮して押しかけ、ワシントン州のオリンピアで行われたロックダウン反対集会にも飛び入り参加し、ジュリアーニとの偽のインタビューを行い警察に通報されるというハプニングもあった。
コメディとは言え、その過激で政治的な内容は問題となるもの、前作同様に好評価を得た作品でもある。
第93回アカデミー賞では、助演女優(マリア・バカローヴァ)、脚色賞にノミネートされた。
主演のサシャ・バロン・コーエンは、生死を懸けた任務を遂行する男を、今回も捧腹絶倒の演技で熱演し大いに笑わせてくれる。
貢ぎ物としての役目を果たそうとする主人公の娘を愉快に演ずるマリア・バカローヴァ、主人公を復讐計画に利用するカザフスタンの首相ダニ・ポペスク、シドニーで主人公に接触するトム・ハンクス、妻リタ・ウィルソン、その様子を傍観するジェイソン・ウォリナー、ルドルフ・ジュリアーニとマイク・ペンスは演技者としてではない状況で登場する。