石油採掘に人生を賭ける2人の男の生き様を描く、監督ジャック・コンウェイ、主演クラーク・ゲーブル、スペンサー・トレイシー、クローデット・コルベール、ヘディ・ラマー、フランク・モーガン、チル・ウィルス他共演のドラマ。 |
・ドラマ
・クラーク・ゲーブル / Clark Gable / Pinterest
・ヘディ・ラマー / Hedy Lamarr / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジャック・コンウェイ
製作:サム・ジンバリスト
原作:ジェームズ・エドワード・グラント”A Lady Comes to Burkburnett”(COSMOPOLITAN)
脚本:ジョン・リー・メイヒン
撮影
ハロルド・ロッソン
エルウッド・ブレデル
編集
ブランチ・スーウェル
ポール・ランドレス
音楽:フランツ・ワックスマン
出演
”ビッグ・ジョン”マクマスターズ:クラーク・ゲーブル
”スクエア・ジョン”サンド:スペンサー・トレイシー
ベッツィ・バートレット・マクマスターズ:クローデット・コルベール
カレン・ヴァンミア:ヘディ・ラマー
ルーサー・アルドリッチ:フランク・モーガン
ハリー・コンプトン:ライオネル・アトウィル
ハーモニー・ジョーンズ保安官補:チル・ウィルス
ホワイティ:マリオン・マーティン
イーヴィー:ミナ・ゴンベル
エド・マーフィー:ジョー・ユール
トム・マーフィー:ホレス・マーフィー
”マック”マクリーリー:ロイ・ゴードン
地方検事補:リチャード・レイン
ジャック・マクマスターズ(幼少期):ケーシー・ジョンソン
ジャック・マクマスターズ(乳児期):ベイビー・キンタニヤ
判事:ジョージ・レッシー
バーンズ:サラ・ヘイデン
理髪師:フランク・オース
ディーコン:フランク・マクリン・シニア
フレディー:クルト・ボウワ
マクリーリーの同僚:ハワード・ヒックマン
アメリカ 映画
配給 MGM
1940年製作 119分
公開
北米:1940年8月30日
日本:1947年11月25日
製作費 $1,614,000
北米興行収入 $3,664,000
■ アカデミー賞 ■
第13回アカデミー賞
・ノミネート
撮影(白黒)・特殊効果賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1918年、テキサス州、バークバーネット。
石油採掘を考える”スクエア・ジョン”サンド(スペンサー・トレイシー)は、かつて世話になったルーサー・アルドリッチ(フランク・モーガン)から機材を借りようとして7000ドルを請求され、石油が出てからと払おうとしたために断られる。
同じ採掘者”ビッグ・ジョン”マクマスターズ(クラーク・ゲーブル)と出会ったサンドは、不躾な彼と仲良くする気はなかった。
酒場に向かったマクマスターズは、イーヴィー(ミナ・ゴンベル)やホワイティ(マリオン・マーティン)に声をかけて体の汚れを落とそうとする。
その場にいたサンドは、現れたマクマスターズがまとまった金を持っていることに気づき、態度を一変して投資を勧める。 カリフォルニアに行くためにそれを断ったマクマスターズは、50キロ南の土地で石油が出ると言うサンドから機材を借り採掘して利益を折半することを提案される。 マクマスターズは、その話には乗らなかったものの、サンドを誘い酒場に向かう。 マクマスターズとサンドは、言いがかりをつけてきた男3人を叩きのめして意気投合し、南の土地を見に行くことにする。 現地に向かったマクマスターズは、地面からガスが噴出していることを確認し、サンドと共にその場で採掘を始めるか検討する。 慎重に考えるマクマスターズは、50セント硬貨でどちらがボスになるか決めて、自分がボスになることを確認して試掘を始める。 所持金のことを訊かれたマクマスターズは、800ドルはホワイティに渡したと答える。 7000ドルあると思っていたサンドは驚くが、マクマスターズは、機材は用意すると彼に伝えて作業を始めようとする。 ルーサーに機材の運搬を頼まれたマクマスターズは、護衛のハーモニー・ジョーンズ保安官補(チル・ウィルス)と共に出発する。 現場に着いたマクマスターズは、強盗に扮したサンドに馬車を盗まれたことにする。 機材を手に入れたマクマスターズとサンドは、試掘を始めるものの、塩水しか出てこなかった。 2人は機材を盗んだことをルーサーに知られてしまい、何とかdその場から逃れる。 その後マクマスターズとサンドは、各地の採掘現場を回り、作業員として働きながら資金を貯める。 マクマスターズがギャンブルで2000ドル勝ったために、サンドはルーサーの元に向かう。 2人から2000ドルを渡されたルーサーは、7000ドルの借金だと言って憤慨するが、ビジネスに加わることで納得して機材を貸す。 最初の場所で見つけた牛の頭部を骨を飾り、マクマスターズと試掘を始めたサンドは、”美しき最愛のベッツィ”という名前を付ける。 マクマスターズは、料理が趣味のハーモニーにコックを頼んでいたが、毎日ウサギ料理だったために町に向かう。 ハーモニーと町に着いたマクマスターズは、到着したばかりの女性(クローデット・コルベール)に惹かれてしまう。 マクマスターズと簡単な会話を交わした女性は、ホテルに泊まろうとする。 女性はサンドの恋人のベッツィで、彼が南部で採掘をしていることを知る。 食事をしようとしたベッツィは、現れたマクマスターズの名前を知り、サンドから聞いていたために驚く。 マクマスターズに本名を教えなかったベッツィは、食事を済ませて彼と共にロデオを見に行く。 ベッツィにおだてられてロデオに参加したマクマスターズは、見事に乗りこなすものの、皆に挨拶した瞬間に落馬してしまう。 町に戻ったマクマスターズは、採掘夫仲間の兄弟エド・マーフィー(ジョー・ユール)とトム(ホレス・マーフィー)に出くわし、試掘を始めることを知る。 酒場や石油を掘る教会にも寄ったマクマスターズとベッツィは、様々な話をして意気投合する。 ホテルにベッツィを送ったマクマスターズは、明日、発つという彼女に恋人がいることを知る。 ベッツィが自分に惹かれていることを知ったマクマスターズは、彼女に一目惚れしたことを伝えて一夜を過ごす。 翌早朝、石油が噴出したことに気づいたサンドとハーモニーは驚く。 サンドはハーモニーと共に油まみれになって町に向かい、ホテルにいたマクマスターズにそれを知らせる。 サンドが来たことを知ったベッツィは動揺し、マクマスターズにすべてを話そうとする。 ベッツィは、サンドが書いていた手紙の相手が自分だとマクマスターズに話す。 それを知ったマクマスターズは、サンドがプロポーズする気だと言うベッツィと、互いの気持ちを確認する。 マクマスターズとベッツィは、部屋に入っていたサンドに自分たちのことを正直に話す。 2人の気持ちを一応理解したサンドは、油井に戻る。 その後、サンドとルーサーと共に成功して富豪になったマクマスターズは、ベッツィと結婚する。 マクマスターズは、エドとトムもアリゾナで石油を掘り当てたことを知り喜ぶ。 マクマスターズがエドとトムに会いに行っている間、油井で火事が発生する。 それをサンドから知らされたベッツィは、使用人になっていたハーモニーと共に町に向かい、酒場でホワイティらと騒いでいたマクマスターズに火事のことを伝える。 サンドと油井に向かったマクマスターズは消火活動に加わり、ニトログリセリンを使って火を消すことに成功する。 作業を続けながらベッツィのことで争いになったマクマスターズとサンドは、コインで油井の所有権を決めようとする。 それに負けたマクマスターズは帰宅し、出て行こうとするベッツィを引き止めなかった。 ベッツィは、ハーモニーに町まで送ってもらうものの、マクマスターズがサンドに油井を譲り財産を失ったことを知り、彼の元に戻る。 マクマスターズとベッツィは町を去り、サンドは、1人で仕事をすることに喜びを感じることができず、酒におぼれる日々を過ごす。 その後、マクマスターズとベッツィは各地の採掘所を回り、作業員として働きく。 南米の油田で働こうとしたマクマスターズは、オーナーがサンドだと知りその場を去る。 マクマスターズの家を訪ねたサンドはベッツィとの再会を喜び、息子ジャック(ベイビー・キンタニヤ)が生まれたことを知る。 サンドはマクマスターズの協力を求めようとするが、ベッツィは現状の生活で満足し、幸せを感じていると伝える。 帰宅したマクマスターズは、サンドの話を聞く気になれず追い払い、ベッツィに旅立つ準備をさせる。 その後、サンドはオクラホマからのベッツィの手紙を受け取り、マクマスターズが試掘を始めることを知る。 革命が起きてサンドは油田を失い、破産してしまう。 一方、先住民の土地を手に入れたマクマスターズは、その場で石油を掘り当てて大成功する。 マクマスターズは、取引先のハリー・コンプトン(ライオネル・アトウィル)と話し、ニューヨークに進出する可能性を伝える。 コンプトンからアドバイザーのカレン・ヴァンミア(ヘディ・ラマー)を紹介されたマクマスターズは、美しい彼女の魅力に惹かれる。 カレンは、コンプトンと争うことになる可能性があるマクマスターズと話しながら、彼を牽制する。 放浪の旅をつづけていたサンドはオクラホマに着き、身なりを整えて町に向かい、石油業者の大会に参加するフリをして、ホテルでマクマスターズと再会する。 サンドが破産したことを知っているマクマスターズは、復活したと言う彼を仕事に誘う。 それを断ったサンドは、その場で出くわしたエドとトムから採掘の話を聞き、ルーサーがいることも知る。 3人が気になるマクマスターズは、彼らの話を盗み聞きする。 サンドはルーサーの元に向かい、昔のよしみで機材を貸してもらえることになるが、その場にマクマスターズがいることを知る。 マクマスターズが手を貸そうとしていることを知ったサンドは、機材を借りるのをやめて、現れた彼と言い争う。 ニューヨークに移ったマクマスターズは、”マック”マクリーリー(ロイ・ゴードン)らと組み事業を拡大していた。 ベッツィは、マクマスターズがカレンをアドバイザーとして使っていたことを気にし、2人の関係を疑っていた。 マクマスターズは、カレンの助言でマクリーリーに指示を出あう。 オクラホマで成功したサンドがニューヨークに来ていることを知ったマクマスターズは、競馬場にいる彼の元に向かう。 マクマスターズは、ルーサーとその場にいたサンドに偶然会ったように見せかけ、コンプトンと組もうとする彼と話をする。 サンドがルーサーと組むことを知ったマクマスターズは、彼らをオフィスに連れて行き、飲みながら楽しい時間を過ごす。 そこにカレンが現れ、マクマスターズは、再びパートナーとなったサンドを紹介する。 サンドは、マクマスターズとカレンの関係が気になる。 サンドを連れて帰宅したマクマスターズは、彼に成長した息子ジャック(ケーシー・ジョンソン)を紹介し、ベッツィを驚かせる。 ベッツィはサンドとの再会を喜ぶが、彼に悩み事を話せず涙してしまう。 翌日サンドは、ベッツィとルーサーと共にマクマスターズの場を案内してもらう。 マクマスターズとカレンがオフィスに向かったため、サンドは、ベッツィの様子を気にしながら約束があると言ってその場を去る。 離婚を決意したベッツィは、心配するルーサーに考えが変わらないことを伝える。 カレンを訪ねたサンドは、ベッツとマクマスターズの仲を壊さないために、彼女に求婚する。 カレンは全財産を渡してもいいと言うサンドが、今でもベッツィを愛していることに気づくが、望みを叶えることを提案し、自分はマクマスターズと結婚すると伝える。 諦めたサンドは、このことはマクマスターズには話すなと警告してその場を去る。 その後、マクマスターズとカレンの関係が新聞記事になり、サンドは、ベッツィが睡眠薬を飲み自殺を図ったことを知る。 サンドは助かったベッツィの元に向かい、何とか方法を考えると彼女に伝えて、何もなかったように振る舞うことを指示する。 医師にも口外しないようにと指示したサンドは、ハーモニーに後を任せる。 マクマスターズは、コンプトンと合併したサンドが自分を破産させようとしていることに気づき、対抗策を考える。 それを知ったコンプトンは、政治家に相談しようとする。 マクマスターズは原油を買占め、コンプトンはの企業連合は倒産する。 サンドが面会に来たことを知ったマクマスターズは、カレンも部屋から出し話し合う。 カレンは隣りの部屋で、2人の話を盗み聞きする。 マクマスターズは、ベッツィのことを考えて離婚するべきだと言うサンドと決着を付けるために、ドアに鍵をかけて殴り合いを始める。 ルーサーらが押し入り2人を制止し、満足したサンドは、船でヨーロッパに向かおうとする。 カレンは、ベッツィに対する愛に気づいたマクマスターズのことを諦め、彼にキスして手を引く。 ベッツィの元に向かおうとしたマクマスターズは、独占禁止法違反で起訴されることになる。 一旦、帰宅したマクマスターズは、ベッツィに別れないことを伝える。 マクマスターズの裁判は始まり、地方検事補(リチャード・レイン)は彼を追及し、ベッツィが証人として呼ばれる。 ベッツィはマクマスターズとカレンのことを訊かれるものの、自分には関係ないことで夫を愛していると検事補に伝える。 船上で裁判のことを知ったサンドは、法廷に向かい、それを見守る。 その後、サンドも証人として呼ばれ、マクマスターズの行ったことは石油業界の者にとっては誇りである、立派な採掘人だと証言する。 休廷となり、サンドに声をかけたマクマスターズは、勝訴したらカリフォルニアでの試掘に誘う。 それを断ったサンドは、石油業界はこりごりだと言ってその場を去る。 すべてを失ったマクマスターズは、ベッツィとジャックと共にカリフォルニアに向かい、ハーモニーも協力してもらい試掘を始める。 そこにルーサーと共にサンドが現れ、マクマスターズに誘われて試掘をすることになる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストーリー)
1918年、テキサス州。
石油採掘人の”ビッグ・ジョン”マクマスターズは”スクエア・ジョン”サンドと出会い、ルーサーの機材を盗み試掘を始める。
ルーサーに見つかり逃亡したマクマスターズとサンドは、各地の油田で作業員として働き、資金を貯めて再び試掘を始める。
そんな時マクマスターズは、町で出会ったベッツィと成り行きで一夜を共にするものの、彼女がサンドの恋人だと知り驚く。
石油が噴出して喜ぶサンドは、マクマスターズとベッツィが関係したことを知りショックを受ける。
2人の気持ちを確認して一応理解したサンドは、マクマスターズと共に事業を拡大して富豪になるのだが・・・。
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”COSMOPOLITAN”に掲載された、ジェームズ・エドワード・グラントの物語”A Lady Comes to Burkburnett”を基に製作された作品。
サイレント時代(1912年~)から活躍し、1925年にMGMに移籍していたジャック・コンウェイの監督作品。
激動の時代に逞しく生きる、2人の採掘人の男の生き様を描く、ジャック・コンウェイの軽快でスケール感のある重厚な演出が見どころの作品。
本作は、1940年の最高のヒット作となった。
第13回アカデミー賞では、撮影(白黒)・特殊効果賞にノミネートされた。
苦難の末の成功と失敗を繰り返し、反発し合いながら友情で結ばれる、決して人生を諦めない2人の男の生き抜く姿が力強く描かれている。
主演のクラーク・ゲーブルとスペンサー・トレイシーは、「桑港」(1936)と「テスト・パイロット」(1938)に続く共演であり、息の合った演技を見せ、衝突もするものの互いのことを思いやり共に人生を歩む男を熱演している。
2人の男性との関係に人生を賭ける女性を好演するクローデット・コルベール、主人公のアドバイザーとなり深い関係となる、美しさ際立つ妖艶なヘディ・ラマー、主人公らの採掘に協力させられて共に成功するフランク・モーガン、主人公と手を組む石油業者ライオネル・アトウィル、主人公らの協力者となる保安官補チル・ウィルス、主人公が親しくする酒場の女マリオン・マーティンとミナ・ゴンベル、主人公らと同じく成功する採掘人の兄弟ジョー・ユールとホレス・マーフィー、主人公の部下ロイ・ゴードン、その同僚ハワード・ヒックマン、主人公を裁判で追及する地方検事補リチャード・レイン、判事のジョージ・レッシー、主人公の息子で幼少期のケーシー・ジョンソン、乳児期のベイビー・キンタニヤ、主人公の秘書サラ・ヘイデン、他フランク・オース、フランク・マクリン・シニア、クルト・ボウワなどが共演している。