前作「ビバリーヒルズ・コップ」(1984)を上回るスピード感などパワーアップされた続編でアクション満載のコメディの快作。 製作ドン・シンプソン、ジェリー・ブラッカイマー、監督トニー・スコット、主演エディ・マーフィ、ジャッジ・ラインホルド、ジョン・アシュトン、ロニー・コックス、ユルゲン・プロホノフ、ブリジット・ニールセン、ディーン・ストックウェル共演。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:トニー・スコット
製作総指揮
ロバート・D・ワックス
リチャード・ティエンケン
製作
ドン・シンプソン
ジェリー・ブラッカイマー
脚本
ラリー・ファーガソン
ウォーレン・スカーレン
撮影:ジェフリー・L・キンボール
編集
ビリー・ウェバー
クリス・レベンゾン
マイケル・トロニック
音楽:ハロルド・ファルターメイヤー
出演
アクセル・フォリー:エディ・マーフィ
ウィリアム“ビリー”ローズウッド刑事:ジャッジ・ラインホルド
ジョン・タガート刑事:ジョン・アシュトン
アンドリュー・ボゴミル警部:ロニー・コックス
マックスウェル・デント:ユルゲン・プロホノフ
カーラ・フライ :ブリジット・ニールセン
チャールズ・ケイン:ディーン・ストックウェル
ジャン・ボゴミル:アリス・アデーア
ハロルド・ルッツ署長:アレン・ガーフィールド
ジェフリー・フリードマン刑事:ポール・ライザー
ニコス・トモポリス:ポール・ギルフォイル
ダグラス・トッド警視:ギルバート・R・ヒル
シドニー・バーンスタイン:ギルバート・ゴットフィールド
テッド・イーガン市長:ロバート・リジェリー
本人:ヒュー・ヘフナー
”プレイボーイ・マンション”の駐車係:クリス・ロック
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1987年製作 103分
公開
北米:1987年5月20日
日本:1987年7月
製作費 $28,000,000
北米興行収入 $153,665,040
世界 $299,965,040
■ アカデミー賞 ■
第60回アカデミー賞
・ノミネート
歌曲賞
“Shakedown” ボブ・セーガー
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロサンゼルス。
高級宝石店に現れた、長身のブロンド美女カーラ・フライ(ブリジット・ニールセン)と窃盗団は、手際よく宝石を奪って逃亡する。
一方デトロイトでは、2000ドルの高級スーツとフェラーリに乗り、アクセル・フォリー刑事(エディ・マーフィ)が、偽造カードの囮捜査を進めていた。
ビバリーヒルズ警察のアンドリュー・ボゴミル警部(ロニー・コックス)は、宝石店襲撃事件を担当していたため、約束していた、アクセルとの釣りをキャンセルする。
新署長ハロルド・ルッツ(アレン・ガーフィールド)に、署員は次々と首を切られ、古株となっていたジョン・タガート(ジョン・アシュトン)とローズウッド(ジャッジ・ラインホルド)と共にボゴミルは署長に呼ばれる。 ルッツ署長は、ローズウッドが、宝石店襲撃犯から届いた手紙をFBIに鑑定依頼したことに噛み付き、部下をかばおうとするボゴミルを停職処分にし、タガートとローズウッドを交通課に転属させる。 その後、ボゴミルは、カーラと一味に襲撃され、重傷を負ってしまう。 偽造カードの囮捜査を進めていたアクセルは、ボゴミルの件をニュースで知り、ローズウッドと連絡を取る。 囮捜査を諦めたアクセルは、3日間の潜入捜査で結果を出すと、ダグラス・トッド警視(ギルバート・R・ヒル)に言い残し、フェラーリを同僚ジェフリー・フリードマン(ポール・ライザー)に預け、ビバリーヒルズに向かう。 病院でタガートとローズウッドと再会したアクセルは、ボゴミルの娘ジャン(アリス・アデーア)を慰める。 アクセルは、家主がハワイ旅行中の大邸宅に、改装中の建設業者を騙して、滞在することに成功する。 タガートとローズウッドに、署で待ち合わせたアクセルは、密かに証拠品を検証し、現れたルッツ署長には超能力者だと偽る。 アクセルは、タガートとローズウッドと共に、内密に捜査を始め、強盗現場の銃弾の薬莢を手がかりに、会員制の射撃クラブに向かう。 ローズウッドのビタミン剤の紙袋を爆発物と偽り、クラブに侵入したアクセルは、支配人カーラと顔を会わせる。 カーラは、アクセルが持参した薬莢を確認して、ボスのマックスウェル・デント(ユルゲン・プロホノフ)に報告する。 その薬莢は、デントの部下チャールズ・ケイン(ディーン・ストックウェル)用に作らせた弾丸の物で、彼がクラブの銃を宝石店襲撃に使ったことが分かる。 ケインを呼んだデントは、その不手際の責任をとらせるために、アクセル抹殺を命ずる。 アクセルが長身のカーラのことを話すと、宝石店強盗一味にも、ブロンドの長身女がいたことを、ローズウッドは思いだす。 ボゴミルの自宅の資料から、アクセルは、デントの件を調べていたボゴミルが、何かを掴んだために襲われたと考える。 滞在する邸宅に、タガートとローズウッドを呼んだアクセルは、ボゴミルが目を付けていたナイトクラブに向かう。 タガートが元大統領”ジェラルド・フォード”だと偽り、クラブに入ったアクセルらは、オーナーが、有名な武器商人のニコス・トモポリス(ポール・ギルフォイル)だということを確認して店を出る。 三人は、クラブから出てきたところをデントの部下に襲撃されるが難を逃れ、犯人の車からマッチをみつける。 しかし、現場に現れたルッツ署長に追及され、アクセルは正体を明らかにして、タガートとローズウッドは停職させられそうになる。 ローズウッドの家に向かった三人は、マッチから指紋を見つけ、署のコンピューターでそれがケインの指紋だということが分かる。 三人は射撃クラブに侵入し、ケインの部屋から、ある場所の座標を見つける。 ラッツ署長に、組織犯罪の連邦捜査だと言ってしまったアクセルは、デトロイトのジェフリーに、上司トッド警視に成りすますように連絡を入れる。 トッドを騙し、ジェフリーは、ラッツ署長からの連絡を受けて質問をかわし、その場を逃れる。 ケインの部屋の座標を調べたアクセルらは、それが準備銀行(シティ・デポジット)の住所だということを知り、次の犯行がそこだと突き止める。 既にカーラ一味は準備銀行襲撃を開始し、アクセル達も現場に到着するが、一味は逃亡する。 逃走した車を、ローズウッドとアクセルがミキサー車で追い、ヒュー・ヘフナー邸”プレイボーイ・マンション”にたどり着く。 プール掃除業者を装い、屋敷内のパーティー会場でデントに声をかけたアクセルは、彼が警官を殺したと言ってヒュー・ヘフナーの前で叫んでしまう。 デントの財布を奪い動向を探ったアクセルは、彼の会計士シドニー・バーンスタイン(ギルバート・ゴットフィールド)の元に向かう。 アクセルは、バーンスタインを騙してデントの情報を入手し、保険会社に勤めるジャンの協力で、彼の中米との関係と資金難だということを知る。 そしてアクセルは、デントが自分の経営する競馬場を、保険金目当てで部下に襲わせ、自らは中米に逃亡しようとしていることに気づく。 カーラとケインらは競馬場を襲い、度々しくじっていたケインはカーラに射殺される。 ルッツ署長は、ケインが主犯だと発表するが、アクセル達はデントの油田に目を付けて現場に向かう。 ボゴミルもその油田を調べていたことが分かり、それで彼が襲撃されたことを知る。 破産寸前のデントは、中米の武器密売に関与していて、その資金を集めていたのだ。 アクセルら三人は、武器の取引が始まっている油田に侵入して武器を発見する。 三人はデントの手下達と銃撃戦になり、武器商人トモポリスらは観念し、やがて警察が到着する。 アクセルはデントを倒し、カーラがアクセルを追い詰めるが、タガートが彼女を射殺する。 そして、ローズウッドは得意気に一味を取り押さえる。 この騒動を知り、がなり立てるだけのルッツ署長に、怒りをぶちまけるタガートとローズウッドだった。 ルッツの態度にあきれ果てたテッド・イーガン市長(ロバート・リジェリー)は、彼をクビにしてアクセルに感謝する。 回復したボゴミルは署長に昇進し、潜入捜査の嘘がトッド警視にばれたアクセルだったが、それを責められることはなかった。 そしてアクセルは、別れを惜しむタガートとローズウッドのに見送られ、デトロイトに帰っていく。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・ビバリーヒルズ・コップ(1984)
・ビバリーヒルズ・コップ2(1987)
・ビバリーヒルズ・コップ3(1994)
*(簡略ストー リー)
ロサンゼルスで謎のアルファベット強盗事件が起きる。
デトロイト市警のアクセル・フォリーは、事件に関わっていたボゴミル警部が銃撃されたと聞きビバリーヒルズに向かう。
現地でアクセルは、タガートとローズウッド両刑事に再会し、彼らの協力で射撃クラブなどを経営するデントに目を付けて捜査を開始する。
アクセルは命を狙われながらも、武器密売の資金難に苦しむデントの狙いに気づき、タガートとローズウッドと共に決着をつけようとする・・・。
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前年の「トップガン」(1968)でブレイクしたトニー・スコットの軽快な演出と、派手なアクションで見応え十分の娯楽大作に仕上がっている。
第60回アカデミー賞では、ボブ・セーガーの“Shakedown”が歌曲賞にノミネートされた。
前作のみすぼらしい身なりや車から、冒頭、囮捜査とはいえ、今回はフェラーリのハンドルを握り、高級スーツを着込んだ、エディ・マーフィのセンスの良さが際立ち、相変わらずのマシンガン・トークもパワーアップされ、凄まじいほどの迫力を見せる。
ややドジなところもあるが、好感度抜群のジョン・アシュトンとジャッジ・ラインホルドの凸凹コンビも健在で、前作以上に活躍場面も多く、エディ・マーフィとの駆け引きも最高に楽しい。
当時のシルヴェスター・スタローン夫人ブリジット・ニールセンは、長身が目立つだけでミスキャスト気味だ。
スーパーモデルのような見栄えはする女優だが、どうもスクリーン上では、浮いた存在に見えてしまう。
実は、前作の「ビバリーヒルズ・コップ」(1984)はスタローン出演の企画であり、タイトルも”コブラ”だった。
そして、スタローンのギャラが折り合わず、エディ・マーフィ主演になったというい経緯がある。
その後、再企画されたのがスタローンの「コブラ」(1986)で、本シリーズとは、似ても似つかぬ作品になったのはご承知の通り。
本作の日本公開当時、シネコンの指定席などない時代、立見まででる満杯の劇場内が、大喝采と笑い声でどよめき、大人しい日本人も変わったものだと、その興奮を満喫したのを懐かしく思い出す。
興行収入も1作目に迫る健闘をみせて、全世界で約3億ドルという大ヒットとなった。
*
北米興行収入 $153,665,040
前作、ブルース・サーティースの、上品さのある美しい映像から、ワイルドな内容に合わせ、イメージが変わった雰囲気になっている。
前作同様、ハロルド・ファルターメイヤーの音楽も素晴らしい。
今回は負傷して登場場面が少ないが、ラストで署長に昇進するロニー・コックス、武器取引の資金難のため犯罪を繰り返すクールな黒幕ユルゲン・プロホノフ、その部下兼愛人ブリジット・ニールセン、犯人にされる部下ディーン・ストックウェル、ボゴミル(R・コックス)の娘アリス・アデーア、怒鳴り通しの署長アレン・ガーフィールド、主人公の同僚ポール・ライザーと上司ギルバート・R・ヒル、黒幕の会計士役ギルバート・ゴットフィールド、本人役のヒュー・ヘフナーと、彼の屋敷”プレイボーイ・マンション”の駐車場係の端役でクリス・ロックも出演している。