「バットマン」シリーズの第4作。 バットマン/ブルース・ウェインがジョージ・クルーニーに代わり、スーツのデザインなども変更され新たにバットガールも登場する。 監督ジョエル・シュマッカー、主演アーノルド・シュワルツェネッガー、ジョージ・クルーニー、クリス・オドネル、ユマ・サーマン、アリシア・シルヴァーストーン共演。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョエル・シュマッカー
製作:ピーター・マクレガー=スコット
原案:ボブ・ケイン
脚本:アキヴァ・ゴールズマン
撮影:スティーヴン・ゴールドブラット
編集:デニス・ヴィルクラー
音楽:エリオット・ゴールデンサール
出演
ヴィクター・フリーズ博士/Mr.フリーズ:アーノルド・シュワルツェネッガー
ブルース・ウェイン/バットマン:ジョージ・クルーニー
ディック・グレイソン/ロビン:クリス・オドネル
パメラ・アイズリー/ポイズン・アイヴィー:ユマ・サーマン
バーバラ・ウィルソン/バットガール:アリシア・シルヴァーストーン
アルフレッド・ペニーワース:マイケル・ガフ
ジェームズ・ゴードン警視総監:パット・ヒングル
アントニオ・ディエゴ/ベイン:ジープ・スウェンソン
ジェイソン・ウッドルー博士:ジョン・グローヴァー
ジュリー・マディソン:エル・マクファーソン
ノーラ・フライズ:ヴェンデラ・カーセボム・トメソン
B・ヘイブン:ヴィヴィカ・A・フォックス
ガーティー:エリザベス・サンダース
科学者:マイケル・ポール・チャン
アメリカ/イギリス 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1997年製作 124分
公開
北米:1997年6月20日
日本:1997年8月2日
製作費 $125,000,000
北米興行収入 $107,285,000
世界 $238,207,120
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ジェームズ・ゴードン警視総監(パット・ヒングル)からのバット・シグナル発信を受けて、ブルース・ウェイン(ジョージ・クルーニー)はバットマンに変身し、ロビン(クリス・オドネル)と共にゴッサム美術館に急行する。
この世に存在する全ての物を凍らせて、街を氷の世界にすることをと企むMr.フリーズ(アーノルド・シュワルツェネッガー)が、手下を従えて美術館のダイアモンドを奪おうとしていた。
バットマンとロビンは、奪われたダイヤを一旦は取り戻したものの、あらゆる物を凍らせるフリーズ・ガンで反撃を始めたMr.フリーズに、再びダイヤを奪われて逃亡を許す。
一方、南米では、ジェイソン・ウッドルー博士(ジョン・グローヴァー)が、植物の絶滅の危機を救おうと、研究を重ねていた植物学者パメラ・アイズリー(ユマ・サーマン)の実験を悪用しようとする。 ウッドルーは、その実験で改造人間のベイン/アントニオ・ディエゴ(ジープ・スウェンソン)を創りだし、使用した薬品で巨万の富を得ようとしていた。 それを知ったアイズリーは、ウッドルー博士に殺されそうになり、実験用植物の中に埋もれながら、毒液を浴びせられる。 ブルース・ウェイン(バットマン)とディック・グレイソン(ロビン)は、Mr.フリーズことヴィクター・フリーズ博士のことを調べ上げた、執事アルフレッド・ペニーワース(マイケル・ガフ)からの報告を受ける。 フリーズ博士は、オリンピック選手にしてノーベル賞を受賞した分子生物学者で、不治の病の妻を、極低温保存しようとして実験に失敗し、体に異変をきたしてしまったのだった。 その頃、アイズリーは、フェロモンと毒を含有する”ポイズン・アイヴィー”に変身してしまい、ウッドルーを毒殺してベインを伴いゴッサム・シティに向う。 Mr.フリーズは、生き延びるために極低温を保つスーツが必要で、それにはダイヤが必要だった。 さらに、ゴッサム・シティを凍らせる冷凍エンジンを完成させるために、奪った巨大ダイヤの他に、もう一つを狙っていた。 長年ウェイン家に仕えた執事アルフレッドは、体調不良を感じ、自分の後継者として弟を探そうとする。 そこに、アルフレッドの姪バーバラ・ウィルソン(アリシア・シルヴァーストーン)が彼を訪ねてくる。 アイヴィーは、ベインを伴いゴッサム・シティに現れ、街を滅ぼして緑の楽園に変えてしまおうと企み、植物学者としてブルースに接触する。 ブルースは、Mr.フリーズを誘き出すために、ダイヤの貸出しオークションを開催する。 そこにアイヴィーが現れ、フェロモンで、出席者の男性やバットマンとロビンまで誘惑してしまう。 そして、Mr.フリーズが乱入してダイヤを奪ってしまうが、後を追ったバットマンに捕らえらる。 その時、ロビンは追跡を止めるようバットマンに強制されたため、二人の信頼関係に亀裂が生じてしまう。 その後、Mr.フリーズは精神病院”アーカム・アサイラム”の低音域に監禁される。 同じ頃ブルースは、恋人のジュリー・マディソン(エル・マクファーソン)から結婚を迫られるが、アイヴィーのことが頭に浮かんでしまい、答えを保留する。 夜な夜なバイクで出かけるバーバラを追ったディックは、彼女が亡くなった両親のことを忘れるために、レースでスリルを味わっていることを知る。 さらにバーバラは、自分のために学費を出してくれた伯父のアルフレッドに、惨めな生活をさせないため、レースで賞金を稼いでいたこともディックに伝える。 そして、ディックはアルフレッドが病気だということも知らされ、彼が死にかけていることをブルースが付け加える。 アイヴィーはMr.フリーズと手を組むため、彼を病院から救い出し、その連絡を受けたバットマンとロビンは街に向かう。 バットマンとロビンの前に、アイヴィーとベインが現れ、Mr.フリーズは、スーツの低温を維持するためにダイヤを補給する。 アイヴィーはフェロモンでロビンを誘惑し、彼は正気を取り戻させようとするバットマンと対立してしまう。 その後、アイヴィーは、仮死状態だったMr.フリーズの妻の生命維持装置を外して、それをバットマンの仕業だとMr.フリーズに報告する。 アルフレッドが、Mr.フリーズの妻と同じ病気だということが分かり、バーバラは彼から、自分の父に使命を託した秘密のディスクを渡される。 ウェインの寄付した天文台の献呈式で、アイヴィーは警視総監ゴードンにフェロモンを吹きかけて骨抜きにし、バットシグナルの鍵を手に入れてしまう。 その頃、バーバラは見ることを禁じられた、アルフレッドのディスクを見てしまい、”バットケイヴ”の存在とバットマンやロビンの秘密を知ってしまう。 Mr.フリーズは、ブルースの天文台を改造して街全体を凍らせようとする。 アルフレッドは、バーバラが秘密を知ることを承知していたため、彼女用の装備が用意されていた。 ロビンは、アイヴィーが改造した自分を呼び出すシグナルを見て、ブルースの制止を振り切り街に向かう。 アイヴィーに誘き出されたロビンは、彼女の罠にはまったかに見えたが、それは見破られて、バットマンもその場に姿を現す。 バットマンは、植物のツルに巻かれてしまうが、そこに、”バットガール”に変身したバーバラが現れてアイヴィーを倒す。 天文台に向ったバットマン、ロビン、そしてバットガールは、Mr.フリーズが凍らせてしまった街を、人工衛星の反射鏡を使い溶かそうとする。 ロビンとバットガールはベインを倒して、バットマンはMr.フリーズを捕らえ、彼にアイヴィーが罠にかけたことを知らせ、妻を救ったことを伝える。 そしてバットマンは、アルフレッドを救うため、Mr.フリーズに協力を求めて、彼はそれに同意し治療薬を渡す。 アイヴィーは精神病院に監禁されるが、Mr.フリーズが彼女の前に現れ、裏切りに対する復讐を果たす。 やがて、アルフレッドは回復し、バットマンとロビンは、バットガールを新たなパートナーとして迎える。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「バットマン」(1989)
・「バットマン・リターンズ」(1992)
・「バットマン・フォーエヴァー」(1995)
・「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」(1997)
・「バットマン ビギンズ」(2005)
・「ダークナイト」(2008)
・「ダークナイト ライジング」(2012)
*(簡略ストー リー)
バットマンとロビンは、ゴッサム・シティを氷の街にしてしまうことを企むMr.フリーズとの戦いを繰り広げていた。
植物学者アイズリーは、植物に埋もれながら毒液を浴びせられ、フェロモンと毒を含有する”ポイズン・アイヴィー”に変身する。
ゴッサム・シティに向ったアイヴィーは、Mr.フリーズと手を組もうとする。
その頃、ブルース・ウェインの執事アルフレッドは、死の病を患うが、そこに姪のバーバラが現れる。
バットマンとロビンは、低温維持のためにダイヤを必要とするMr.フリーズを誘き出そうとするが、現れたアイヴィーに誘惑されてしまう。
そして、バットマンとロビンは、お互いがアイヴィーの虜になりかけたことで信頼関係に亀裂が生じ始める。
死が迫ったアルフレッドが、弟に託したディスクの内容で、バーバラは、バットマンらの秘密を知ってしまい、バットガールに変身し、バットマンとロビンの微妙な関係を修復する。
そして、三人は協力し、Mr.フリーズとアイヴィーに立ち向かう・・・。
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斬新さを求めてか、ダークなイメージから滑稽とも思えるような敵役Mr.フリーズを登場させた。
コミカルな雰囲気で、マンネリ化を防ぐための努力をしているようにも見える。
しかし、批評家やファンから酷評されてしまい、前作の「バットマン・フォーエヴァー」(1995)に比べて、全世界では1億ドル近い興収減になってしまった。
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製作費 $125,000,000
北米興行収入 $107,285,000
世界 $238,207,120
それでも、2億ドル以上(世界)を稼ぎ出しているのだから、このシリーズの人気の高さが窺える。
色彩感覚や造形物のセンスは悪くはないのだが、ミスキャストと言うよりは、ミス・キャラクターという感じのMr.フリーズをはじめ、”おもちゃの王国”のような子供だまし的な雰囲気が、”ダーク”なイメージには合わない。
異様なメイクと意味不明な重装備のアーノルド・シュワルツェネッガーは、奮闘はするものの、見るに耐えないと感じた方は多いはずだ。
初登場のジョージ・クルーニーは、無難に主人公を演じ、なかなか役柄にははまっていたが、彼自身も本作には失望したようで、これ一度きりの出演になってしまった。
Mr.フリーズよりは、ややましなユマ・サーマンは、背が高過ぎて(181cm)シュワルツェネッガーよりも大きく見えてしまったりするところも、ちぐはぐな怪人Mr.フリーズの描写にもつながっているように思える。
クリス・オドネルのロビンがアイヴィーに誘惑されてバットマンと対立し、それを大人のバットマン/ブルースがどう対処し克服するかというところは興味深いが、その修正役のように登場する、新キャラクター”バット・ガール”のアリシア・シルヴァーストーンも、ややインパクトに欠ける。
今回は、マイケル・ガフ演ずるアルフレッドの病気がもう一つのキーポイントとなり、彼の存在はかなり大きい。
警視総監のパット・ヒングルは、アイヴィーに骨抜きにされる情けなない姿も見せる。
アイヴィーに付き添う怪物ベインのジープ・スウェンソン、彼女を陥れる科学者のジョン・グローヴァー、ブルースの恋人のエル・マクファーソン、前作に続きゴシップ記者役で登場する、原作者ボブ・ケインの妻エリザベス・サンダース、科学者マイケル・ポール・チャンなどが共演している。