1937年に公開された「スター誕生」の3度目のリメイク。 歌手を夢見る女性がスターであるミュージシャンとの出会いと皮肉な運命を描く、製作、監督、脚本、主演ブラッドリー・クーパー、レディー・ガガ、サム・エリオット、ラフィ・ガヴロン他共演のミュージカル・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ブラッドリー・クーパー
製作
ビル・ガーバー
ジョン・ピーターズ
ブラッドリー・クーパー
トッド・フィリップス
リネット・ハウエル・テイラー
製作総指揮
ラヴィ・メータ
ベイジル・イヴァニク
ニーヤ・クイケンドール
スー・クロール
マイケル・ラピーノ
ヘザー・パリー
原作
”スター誕生”(1937)
ウィリアム・A・ウェルマン
ロバート・カーソン
”スター誕生”(1954)
モス・ハート
”スター誕生”(1976)
ジョン・グレゴリー・ダン
ジョーン・ディディオン
フランク・ピアソン
脚本
エリック・ロス
ブラッドリー・クーパー
ウィル・フェッターズ
撮影:マシュー・リバティーク
編集:ジェイ・キャシディ
出演
ジャクソン“ジャック”メイン:ブラッドリー・クーパー
アリー・メイン:レディー・ガガ
ボビー・メイン:サム・エリオット
レズ・ガヴロン:ラフィ・ガヴロン
ロレンツォ:アンドリュー・ダイス・クレイ
ジョージ“ヌードルス”ストーン:デイヴ・シャペル
ラモン:アンソニー・ラモス
カール:ロン・リフキン
ポーレット・ストーン:ドレナ・デ・ニーロ
フィル:グレッグ・グランバーグ
ウルフィー:マイケル・ハーネイ
リトル・フィート:バリー・シャバカ・ヘンリー
ゲイル:レベッカ・フィールド
エメラルド:ウィリアム・ベリ
ドラァグ・バーのMC:シャンジェラ
牧師:エディ・グリフィン
レジ係:ルネル
ジャクソンのバンド:ルーカス・ネルソン&プロミス・オブ・ザ・リアル
本人:アレック・ボールドウィン
本人:マーロン・ウィリアムズ
本人:ブランディ・カーライル
本人:ホールジー
本人:ドン・ロイ・キング
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2018年製作 136分
公開
北米:2018年10月5日
日本:2018年12月21日
製作費 $36,000,000
北米興行収入 $215,288,870
世界 $436,188,870
■ アカデミー賞 ■
第91回アカデミー賞
・受賞
歌曲賞”Shallow”
・ノミネート
作品
主演男優(ブラッドリー・クーパー)
主演女優(レディー・ガガ)
助演男優(サム・エリオット)
脚色・撮影・録音賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
アルコールと薬物依存症のカントリー・ロック・シンガーのジャクソン“ジャック”メイン(ブラッドリー・クーパー)は、ライブを終える。
レストランのウエイトレスのアリー(レディー・ガガ)は、シンガーソングライターとして成功する日を夢見ていた。
ライブ会場からフィル(グレッグ・グランバーグ)の運転で街に向かったジャックは、車を降りてバーに向かう。
そこが”ドラァグ・バー”だと知ったジャックは、”エディット・ピアフ”の”ラ・ヴィ・アン・ローズ”を歌うアリーに興味を持つ。
ショーの後、楽屋に向かったジャックは、大スターとしてドラァグクイーンに歓迎され、女にも拘わらず出演させてもらっているアリーと話し、彼女を飲みに誘う。
ジャックは、アリーが支度をする間に、ドラァグクイーンにリクエストされて一曲歌う。 アリーは、スターの歌声に聞き惚れる。 アリーと別のバーに向かったジャックは、自分に自信が持てない彼女に、誰にでも才能はあると言って励ます。 客と揉めたアリーが相手を殴り手を痛めたために、コンビニに向かったジャックは、冷凍豆を買い彼女の手を冷やす。 家族のことや生い立ちを話したジャックは、即興で歌うアリーの詞が気に入る。 その才能に驚いたジャックは、曲が書けると言って、アリーと一夜を過ごす。 翌朝、アリーを送ったジャックは彼女をライブに誘うものの、仕事があると言われ、電話をすることにして別れる。 帰宅したアリーは、父ロレンツォ(アンドリュー・ダイス・クレイ)から、友人のウルフィー(マイケル・ハーネイ)が誕生日だと言われ、それを祝う。 ロレンツォは、ウルフィーやリトル・フィート(バリー・シャバカ・ヘンリー)の前で、才能があるアリーが報われないことを嘆く。 聴覚障害でも悩んでいたジャックは、リハーサルの準備をする。 異母兄でマネージャーのボビー(サム・エリオット)は、ジャックを心配してイヤーモニターを使うことを勧めるものの、話を聞いてもらえない。 フィルが迎えに来たものの、アリーはそれを断ってしまう。 ロレンツォからチャンスを逃がすなと言われたアリーは、ジャックはただの酔っ払いだったと伝える。 レストランに向かったアリーは、上司から嫌味を言われてキレてしまう。 仕事を辞めたアリーは、同僚で友人のラモン(アンソニー・ラモス)と共にフィルの車で空港に向かう。 ライブ会場に向かう二人は、用意されたプライベートジェットで飛び立つ。 到着したアリーはゲイル(レベッカ・フィールド)に迎えられ、ステージに向かう。 大観衆の前で歌い終えたジャックは、ステージの袖にいたアリーに気づき、共に歌うと言って彼女を誘う。 怖気ずくアリーのことを気にせず、ジャックは彼女の曲”Shallow”をアレンジして歌い始める。 驚き感激したアリーも歌い、ジャックとデュエットした彼女の歌声は人々の心を捉える。 ライブを終えたジャックは、アリーと共にホテルの部屋に向かう。 しかし、ジャックは眠ってしまい、彼を気遣うボビーは、弟が女をステージにあげたのは初めてで、あんな演奏は久しぶりだとアリーに伝える。 その後アリーは、目覚めたジャックと愛し合う。 翌朝、ロレンツォらはネットでアリーのパフォーマンスを確認し、帰宅した彼女とも、その映像を何回も見直す。 アリーの家に向かったジャックは彼女を驚かせ、故郷アリゾナのステージに誘う。 アリーとバイクでアリゾナに向かったジャックは、途中で寄ったダイナーで彼女と話をする。 故郷には行くつもりがないと言うジャックは、育った農場を買ってボビーに譲ったことをアリーに話す。 アリーに説得されて農場に向かったジャックは、その場が風力発電所に変わっていたために驚く。 ボビーの元に向かい、農場を売った彼を殴り非難したジャックは、父親の墓もなかったことを伝えて責める。 話はしたが、その時、酔っていたと言うボビーは、息子を飲んだくれにしただけの父を恨んでいることをジャックに伝える。 これ以上、世話をする気はないと言い残したボビーは、ジャックを見限りその場を去る。 ジャックと共にツアーで各地を回ったアリーは、夢のような日々を過ごす。 アリーの才能に目をつけたレコード・プロデューサーのレズ・ガヴロン(ラフィ・ガヴロン)は、スターにすることを彼女に約束する。 感激したアリーはジャックにそのことを話し、何も答えないでいる彼が嫉妬していると思う。 そんなジャックは、アリーのレコーディングに付き合い、彼女を励まし愛を確かめる。 ステージをこなすアリーは喝采を受けるものの、ダンスなども取り入れた、マネージャーとなったレズの指示に従わなかったために責められる。 歌をメインにしたいアリーは納得できず、連絡がとれないジャックが気になる。 メンフィス。 ジャックを迎えに来たアリーは、ライブが成功したことを伝える。 ヌードルスと妻ポーレット(ドレナ・デ・ニーロ)や子供たちと食事をしたアリーは、ギターの弦で作った指輪を用意したジャックからプロポーズされる。 今日、結婚式を挙げるべきだと言うヌードルスの提案で、彼のいとこ(エディ・グリフィン)が牧師をする教会に向かったジャックとアリーは、永遠の愛を誓う。 スターとなったアリーは、アレック・ボールドウィンがホストを務める”サタデー・ナイト・ライブ”の出演が決まったことをレズから知らされて驚く。 これからの人生に期待するアリーは、厳しい世界で生き抜く方法をジャックから教わる。 サタデー・ナイト・ライブ。 ジャックは、その場に現れたボビーと和解する。 その後アリーは、新人賞を含む3部門で、グラミー賞にノミネートされたことをレズから知らされて感激し、スタッフに祝福される。 帰宅したアリーは、朝から飲んでいるジャックと口論になり、侮辱した彼を罵る。 ジャックから失言を謝罪されたアリーは、飲んでいないと言う彼を許して抱きしめる。 グラミー賞授賞式当日、”ロイ・オービソン”のトリビュートを披露するジャックは、先に会場に向かうとアリーに伝えてバーに向かう。 酔ってドラッグを飲んだジャックは、耳の異変を感じながらステージに上がる。 ジャックが酔っていることに気づいたアリーは、彼のことを心配する。 何とか演奏をこなしたジャックはステージを降りる。 最優秀新人賞が発表され、受賞したアリーは、ジャックを伴いステージに向かう。 階段でジャックと別れたアリーは、プレゼンテーターのホールジーからトロフィーを受け取り、スピーチを始める。 よろけながら近づくジャックに戸惑いながらも感謝したアリーだったが、彼は失禁して意識を失う。 アリーに恥をかかせたジャックを非難しながら家に連れて行ったロレンツォは、彼にシャワーを浴びせる。 その後、施設に入りアルコール依存症のリハビリプログラムを受けたジャックは、カウンセラーのカール(ロン・リフキン)らと話をする。 ジャックを苦しめたことを後悔するロレンツォは、アリーからいつも自分を支えてくれたと言われ、世界一の娘だと伝える。 2か月が過ぎ、回復したジャックは、長い間、耳鳴りがしていることをカールに伝える。 ジャックは、13歳の時に首つり自殺を図るものの失敗し、酔った父はそれに気づかなかったとカールに話す。 面会に来たアリーと話したジャックは、自分には君が必要だと伝え、授賞式のことを謝罪する。 アリーは、ロレンツォや皆に恥をかかせたことを後悔し涙するジャックを気遣う。 ジャックを救おうとしたアリーは、ヨーロッパ・ツアーに参加させることをレズに提案するものの拒まれたために、それをキャンセルしてほしいと伝える。 退院したジャックはボビーに自宅まで送ってもらい、自分が尊崇していたのは父ではなく兄だと彼に伝える。 ジャックの言葉を嬉しく思ったボビーは、目に涙をためながらその場を去る。 アリーに迎えられたジャックは、彼女と愛犬チャーリーと共に過ごす日々を楽しむ。 アリーが留守中に訪ねて来たレズと話したジャックは、施設にいた間に自分の尻ぬぐいに苦労し、アリーの将来にを狂わせていると言われて戸惑う。 アリーは自分を愛しているものの、夫婦でいること自体がおかしなことであり、直に酒を飲むようになるので別れてほしいと言うレズに、ジャックは言葉を返せない。 その後、アリーから、ヨーロッパ・ツアーをキャンセルして一緒に過ごすと言われたジャックは、今夜が”ザ・フォーラム”での最終公演だと知る。 ステージで一緒に”Shallow”を歌ってほしいと言われたジャックは、それを約束する。 その夜、チャーリーにステーキを与えたジャックは、ガレージのピックアップトラックを外に出しドラッグを飲む。 トラックから降りたジャックは、朦朧としながらベルトを持ってガレージに戻り、考え込みながらシャッターを閉める。 ザ・フォーラム。 ステージで歌うアリーは、観客席に向かいジャックへの拍手を求める。 自殺したジャックのことを考えるアリーは抜け殻となり、家に閉じこもり悲しみに耐える日々を過ごす。 同じ様に苦しむボビーはアリーを訪ね、ジャックのことを語り、最後にウソをついてしまったと後悔する彼女を慰める。 その後、ジャックの追悼公演が行われ、”アリー・メイン”としてステージに立ったアリーは、ジャックが書き終えなかった、自分への愛の曲を涙を堪えながら歌う。 ジャックを想い涙しながら歌い終わったアリーは、天を仰ぐ。
...全てを見る(結末あり)
路上で寝ていたジャックは、親友のジョージ“ヌードルス”ストーン(デイヴ・シャペル)に起こされ、彼の家に向かいアリーの才能などについて話す。
アレック・ボールドウィンに紹介されたアリーのパフォーマンスは始まり、ジャックはそれを見守る。
会場内が盛り上がる中、姿を現さないジャックのことを心配しながら、一人で”Shallow”を歌うようレズに指示され。
参考:
「スター誕生」(1937)
「スター誕生」(1954)
「スター誕生」(1976)
「アリー/スター誕生」(2018)
*(簡略ストー リー)
アルコールと薬物依存症で苦しみながら活動を続ける、スターであるカントリー・ロック・シンガーのジャクソン“ジャック”メインは、バーでショーに出演していた、歌手を目指すアリーに興味を持つ。
アリーの歌の才能を認めたジャックは、彼女と共にステージで歌い、生活を共にするようになる。
マネージャーである異母兄ボビーが故郷の農場を売ったことを知ったジャックは激怒し、彼と別れる。
その後、レコード・プロデューサーのレズの目に留まったアリーは、彼の誘いでレコーディングし、スターの道を歩み始めるのだが・・・。
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1937年に公開された”スター誕生”の3度目のリメイク。
歌手を夢見る女性が、スターであるミュージシャンとの出会いで成功する様と皮肉な運命を描くミュージカル・ドラマ。
本作を含め、3作共に名作として知られる物語であり、最初の2作がハリウッドを舞台としているのに対し、本作と前作はミュージシャンが主人公として描かれている。
製作、監督、脚本を兼ねて主演するブラッドリー・クーパーの意欲作でもあり、ミュージシャンとしての彼の才能が確認でき存分に楽しめる、ファンを満足させてくれる作品。
深い内容のドラマに加え、ミュージカル映画としても非常に質の高い作品に仕上がっている。
何かと話題を振りまく、ヒロインを演ずるレディー・ガガの演技も注目され、好意的に思っていなかった人々の見る目を変えさせた、彼女の好演は光る。
第91回アカデミー賞では、作品賞以下8部門にノミネートされ、歌曲賞(Shallow)を受賞した。
・ノミネート
作品
主演男優(ブラッドリー・クーパー)
主演女優(レディー・ガガ)
助演男優(サム・エリオット)
脚色・撮影・録音賞
本作は批評家から絶賛され、北米興行収入は約2億1500万ドル、全世界では約4億3600万ドルの大ヒットとなった。
主人公の異母兄でありマネージャーを深く演じオスカー(助演賞)にもノミネートされたサム・エリオット、ヒロインのマネージャーとして彼女をスターにするラフィ・ガヴロン、ヒロインの父親アンドリュー・ダイス・クレイ、主人公の友人デイヴ・シャペル、その妻ドレナ・デ・ニーロ、ヒロインの友人アンソニー・ラモス、主人公が入所するリハビリ施設のカウンセラー、ロン・リフキン、主人公の運転手グレッグ・グランバーグ、ヒロインの父親の友人マイケル・ハーネイとバリー・シャバカ・ヘンリー、主人公のスタッフ、レベッカ・フィールド、ドラァグクイーンのウィリアム・ベリ、ドラァグ・バーのMC、シャンジェラ、牧師のエディ・グリフィン、レジ係のルネル、主人公のバンド、ルーカス・ネルソン&プロミス・オブ・ザ・リアル、本人役でアレック・ボールドウィン、マーロン・ウィリアムズ、ブランディ・カーライル、ホールジー、ドン・ロイ・キングなどが共演している。