漫画家ハロルド・グレイが1924年に創作した”Little Orphan Annie”を題材にしたミュージカルの映画化。 孤児ではあるが天真爛漫で快活な少女アニーが大富豪のイメージアップに利用されながら奮闘する姿を描く、製作レイ・スターク、監督ジョン・ヒューストン、主演アルバート・フィニー、キャロル・バーネット、アン・ラインキング、ティム・カリー、バーナデット・ピータース、アイリーン・クイン他共演のミュージカル。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・ヒューストン
製作:レイ・スターク
製作総指揮:ジョー・レイトン
創作:ハロルド・グレイ”Little Orphan Annie”
脚本:キャロル・ソビエスキー
撮影:リチャード・ムーア
美術
デール・ヘネシー
マーヴィン・マーチ
編集:マイケル・A・スティーヴンソン
音楽:チャールズ・ストラウス
出演
アルバート・フィニー:オリバー”ダディ”ウォーバックス
キャロル・バーネット:アガサ・ハニガン
アン・ラインキング:グレイス・ファレル
ティム・カリー:ルースター・ハニガン
バーナデット・ピータース:リリー
アイリーン・クイン:アニー・ベネット
ジェフリー・ホールダー:プンジャブ
ロジャー・ミナミ:アスプ
エドワード・ハーマン:ルーズベルト大統領
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1982年製作 128分
公開
北米:1982年5月21日
日本:1982年12月4日
製作費 $50,000,000
北米興行収入 $57,059,000
■ アカデミー賞 ■
第55回アカデミー賞
・ノミネート
美術・音楽賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1930年代半ば、大恐慌時代のニューヨーク。
孤児院に預けられていたアニー・ベネット(アイリーン・クイン)は、いつか必ず両親が迎えに来てくれると信じていた。
気の強いアニーは、泣き虫の子供達をいじめっ子達から守り、優しく接していた。
アル中の院長アガサ・ハニガン(キャロル・バーネット)は、子供達に過酷な労働をさせる、口うるさく罵る意地悪な女だった。
ある日、洗濯物に隠れて孤児院を脱走したアニーは、街角で少年達に追われている老犬を助ける。 アニーは、保健所に連れて行かれそうになった犬を再び救うが、警官に見つかり孤児院に連れ帰されてしまう。 老犬を、孤児院に連れ込むことに成功したアニーは、サンディという名前を付けて、他の子供達と一緒に可愛がることにする。 しかしサンディは、あえなくハニガンに見つかってしまい、ソーセージ工場行きを宣告されてしまう。 そんな時、億万長者であるオリバー・ウォーバックス(アルバート・フィニー)の秘書グレイス・ファレル(アン・ラインキング)が、孤児の中から、一人を屋敷に招待するため孤児院を訪ねる。 アニーは、自分をグレイスに売り込み、彼女もアニーが気に入り、サンディと共に屋敷に連れて行くことになる。 ハニガンはそれが気に入らなかったが、アニーは、子供達に見送られてウォーバックス邸に向かう。 大豪邸に着いたアニーは、魔法も使う、異様な雰囲気のウォーバックスのボディーガード、プンジャブ(ジェフリー・ホールダー)に迎えられる。 使用人に紹介されたアニーは、屋敷内を飛び回りながら、夢のような世界を満喫する準備を始める。 そこにウォーバックスが帰ってくるが、成金で粗暴なイメージを払拭するために連れて来られたアニーが、男の子でないことが気に入らず追い出そうとする。 アニーは素直に帰ることにするが、グレイスの説得でウォーバックスから一週間の滞在許可が出る。 その夜、過激派の爆弾攻撃に遭ったウォーバックスをサンディが救う。 少々、女の子が気に入り始めたたウォーバックスは、アニーに丸め込まれ、ラジオシティ・ミュージックホールを借り切り、グレタ・ガルボとロバート・テイラーの”椿姫”を観に行くことになる。 眠ってしまったアニーを、ウォーバックスは抱きかかえて帰宅する。 グレイスは、アニーを悲惨な孤児院に戻したくないことをウォーバックスに伝える。 そんなグレイスを、ウォーバックスは愛しく思うようになり、彼はアニーを引き取る決意をする。 ウォーバックスは孤児院に出向き、アニーを養女にすることをハニガンに伝える。 しかし、男好きのハニガンは、ウォーバックスを誘惑しようとする。 ようやく養女の手続きを済ませたウォーバックスは、アニーに、自分が父親になることを告げるのだが、彼女は、両親が必ず現れ、2人と一緒に暮らすのが夢だということを伝える。 ウォーバックスはアニーの言葉に感激して、5万ドルの懸賞金で、アニーの両親を捜そうとする。 不況ということもあり、アニーの両親と名乗り出た者がウォーバックス邸に殺到する。 ルーズベルト大統領(エドワード・ハーマン)は、国民に希望を与えるために、ウォーバックス、そしてアニーの力を借りようとする。 腹黒いハニガンは、刑務所から出てきたばかりの弟ルースター(ティム・カリー)と、その愛人リリー(バーナデット・ピータース)と手を組んで、2人がアニーの両親に扮し5万ドルを手に入れようとする。 ハニガンは、実は既に死亡しているアニーの両親の遺品のロケットを持っていたのだった。 3人の企みに気づいた子供達が、アニーを助けるために孤児院から脱走しようとするが、それは失敗に終わる。 両親が見つからずに、落胆していたアニーの元に、ルースターとリリーが現れて、証拠のロケットを見せる。 ウォーバックスは、仕方なく2人に小切手を渡して、グレイスは悲しさを堪えながらアニーと別れる。 孤児院から脱出した子供達が、途中車から逃げて来たサンディを見つけ、ウォーバックスの屋敷に案内される。 子供達は、アニーを連れて行った両親が偽者だということをウォーバックスに伝え、彼は早速、FBIなどに連絡を入れて大捜査を始める。 アニーは、ハニガンらの隙を見て車から逃げ出し、奪った小切手を破り捨てて、吊橋の橋桁に上り始める。 それに気づいたプンジャブがアニーを助け出し、ハニガンらは逮捕される。 そして、ウォーバックスの屋敷に戻ったアニーのために、盛大なパーティーが催され、彼女は正式に養女となる。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「ANNIE/アニー」(2014)
*(簡略ストー リー)
大恐慌時代、ニューヨーク。
孤児院のアニー・ベネットは、いつか両親が迎えに来てくれると信じていた。
ある日、億万長者オリバー・ウォーバックスの秘書グレイスが、孤児の中から、一人を屋敷に招待するために現われる。
グレイスに自分を売り込んだアニーは気に入ら、ウォーバックス邸に向かうことになる。
大豪邸に着いたアニーは、魔法も使うボディーガード、プンジャブに迎えらる。
そこに帰宅したウォーバックスは、成金で粗暴なイメージを払拭するために連れて来られたアニーを見て、男の子でないことに腹を立て、彼女を追い出そうとするのだが・・・。
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ミュージカルは1977年の4月にブロードウェイで初演され、同年のトニー賞では、作品賞をはじめ7部門を受賞した。
*1978~1980年のアニー役は、サラ・ジェシカ・パーカーが務めた。
第55回アカデミー賞では、美術と音楽賞にノミネートされた。
5000万ドルという、当時としては破格の製作費をかけたミュージカル大作であり、巨匠ジョン・ヒューストンの作品らしく、スケールの大きMeiryo UIい見応えある作品に仕上がっている。
もちろんキッズムービーではなく、大邸宅や街並みのセットなども見事で、特に広い屋敷内での、ダンサーのパフォーマンスなどは迫力十分だ。
大富豪を演ずるアルバート・フィニーのスキンヘッド姿の拝金主義者役が話題となり、8000人の中から選ばれたアニー役のアイリーン・クインの可愛らしさも印象的だ。
但し、ラジー賞では、アイリーン・クインの受賞をはじめ、作品、監督などに多数ノミネートされてしまったのも事実で、評価が意外に低かった作品でもある。
悪役ではあるが、出色の好演を見せる孤児院の院長キャロル・バーネット、アニーに情が移る富豪の秘書アン・ラインキング、懸賞金5万ドルを狙う院長の弟ティム・カリーとその愛人バーナデット・ピータース、魔法を使う富豪のボディガード、ジェフリー・ホールダーなど、個性派や舞台の実力者が脇を固めている。