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アメリカン・ドリーマー 理想の代償 A Most Violent Year (2014)

正当な方法で石油業界での成功を夢見る青年実業家の苦闘を描く、製作、監督、脚本J・C・チャンダー、主演オスカー・アイザックジェシカ・チャステインアレッサンドロ・ニヴォラデヴィッド・オイェロウォアルバート・ブルックス他共演の犯罪ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

ジェシカ・チャステイン / Jessica Chastain / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:J・C・チャンダー
製作
ニール・ドッドソン
アナ・ゲルブ
J・C・チャンダー
製作総指揮
グレン・バスナー
ジョシュア・ブラム
ケリー・オレント
ジェフ・スコール
ジョナサン・キング
脚本:J・C・チャンダー
撮影:ブラッドフォード・ヤング
編集:ロン・パテイン
音楽:アレックス・イーバート

出演
アベル・モラレス:オスカー・アイザック
アナ・モラレス:ジェシカ・チャステイン
ピーター・フォレンテ:アレッサンドロ・ニヴォラ
ローレンス:デヴィッド・オイェロウォ
アンドリュー・ウォルシュ:アルバート・ブルックス
ルイーザ:カタリーナ・サンディノ・モレノ
ラング:アシュレー・ウィリアムズ
ジュリアン:エリス・ガベル
ジョセフ・メンデルソーン:ジェリー・アドラー
ルイス・サーヴィディオ:クリストファー・アボット
ローズ夫人:エリザベス・マーヴェル
ビル・オリアリー:ピーター・ゲレッティ
アーノルド・クライン:グレン・フレシュラー
ソウル・レフコヴィッツ:デヴィッド・マーギュリーズ
ローレイン・レフコヴィッツ:アニー・ファンケ
アレックス:ベン・ローゼンフィールド
インストラクター:パトリック・ブリーン
ジョン・ドミンスク:マシュー・マー
イアン・トンプソン:ジェイソン・ラルフ

アメリカ 映画
配給 A24
2014年製作 125分
公開
北米:2014年12月31日
日本:2015年10月1日
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $5,749,130
世界 $12,007,070


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1981年、ニューヨーク
若き実業家アベル・モラレス(オスカー・アイザック)は、石油会社”スタンダード・ヒーティング・オイル”を経営し、新たにターミナルを取得する準備を進めていた。

そんな中アベルは、頻発するタンクローリー強奪事件に頭を悩ませていた。

アベルに雇われる運転手ジュリアン(エリス・ガベル)は、銃を持った二人組ルイス・サーヴィディオ(クリストファー・アボット)とジョン・ドミンスク(マシュー・マー)に襲われて殴られ、タンクローリーを奪われる。

現金を持参し、弁護士のアンドリュー・ウォルシュ(アルバート・ブルックス)と共に、イースト・リバー沿いの石油ターミナルの所有者であるハシディズムの指導者ジョセフ・メンデルソーン(ジェリー・アドラー)と交渉したアベルは、30日以内に契約を完了することを約束して手付金を払う。

その後、病院に向かったアベルは、妻アナ(ジェシカ・チャステイン)が付き添っていたジュリアンを気遣う。
...全てを見る(結末あり)

廊下でアナと話したアベルは契約のことを伝え、ギャングの娘である彼女から、兄ピーター・フォレンテ(アレッサンドロ・ニヴォラ)に相談することを提案される。

正当な道を歩むことが信条のアベルは、検事のローレンス(デヴィッド・オイェロウォ)に会い、会社の被害の件で話をする考えをアナに伝える。

病室に戻り、傷つき気落ちするジュリアンを励ましたアベルは、その場を去る。

タンクローリーが発見された現場に向かったアベルは、6000ドル分の灯油が奪われたことを確認する。

アンドリューと共にローレンスに会ったアベルは、頻発する被害の件を話す。

警察の管轄だと言われたアベルは、運転手が危険にさらされていることを訴える。

ローレンスから、自分の会社を調査中だと言われたアベルは、犯人の見当がつかないか尋ねる。

業界の汚職を調査しているが、襲撃は常識化していると言われたアベルは、自分は誰のものも奪っていないと伝える。

会社は法を犯していると率直に話すローレンスは、来週、起訴する考えをアベルに伝える。

それは間違った考えであり、証明できると言い切るアベルは、その場を去る。

会社に戻り、アナに起訴の件を伝えたアベルは、経理を任せてある彼女から問題はないと言われ、納得するしかなかった。

床屋で同業者のアーノルド・クライン(グレン・フレシュラー)と話したアベルは、彼を牽制する。

その後アベルは、アナと三人の娘と共に郊外の豪邸に引っ越す。

夜中に、愛犬の様子がおかしいために家の中を見回ったアベルは、玄関の外にいた男に気づき追いかける。

逃げられたアベルは家に戻り、怪我をした足の裏の手当てをアナにしてもらい、ただの物取りだと考える。

翌日アベルは、営業を担当するアレックス(ベン・ローゼンフィールド)らに、暴利をむさぼる他社とは違う、正当な方法で契約を取る秘訣を教える。

回復したジュリアンをアパートに送ったアベルは、営業に異動させてほしいと言われるものの、それはできないと伝える。

帰宅したアナは、娘のキャサリンが、玄関の脇で見つけた拳銃を持っている姿を見て驚く。

会社に向かい銃をアベルに見せたアナは、対処すると言うだけの彼の答えに納得できない。

父と兄に話す考えもあるアナに、何もしなくていいと伝えたアベルは、現れたアンドリューに銃のことを伝える。

明日、検察局から14件で起訴されると言うアンドリューは、収益を過少申告したと思われていることをアベルとアナに伝える。

銀行の協力が必要であり、彼らとの会食の場を手配したと言うアンドリューは、二人で出席して率直に話をするよう指示する。

組合長のビル・オリアリー(ピーター・ゲレッティ)と話したアベルは、運転手を守るために自衛させることを提案されるものの、それに反対する。

運転手に銃を持たせるべきだとアンドリューに伝えたビルは、考えを変えようとしなかった。

ギャングである義兄ピーターに会ったアベルは、タンクローリーと拳銃の件を話し、黒幕を知りたいと伝えるものの、解決には至らない。

アベルに指示されたアナは、家で帳簿をチェックする。

運転手に武装させるべきだとアンドリューから説得されたアベルは、すべてを失う可能性があるために納得しない。

アンドリューは、あくまで正当性にこだわるアベルの考えが理解できない。

アナとアンドリューと共に、銀行のアーサーとイアン・トンプソン(ジェイソン・ラルフ)に会ったアベルは、会社に問題ないことを主張する。

土地に執着する理由を訊かれたアベルは、原油搬入の利便性、備蓄量、価格の安い夏に仕入れて、高値の季節に顧客や競合他社に売れると答える。

本当の理由は、チャンスを逃すべきではないと伝えたアベルは、アーサーから、自分たちは味方だと言われ満足する。

帰り道に街道でシカを轢いてしまったアベルは、アナから、苦しむシカを楽にさせてあげるべきだと言われ、タイヤレンチで殴り殺そうとする。

躊躇するアベルだったが、アナは容赦なくシカを射殺する。

帰宅したアベルはアナと話し合い、自衛すると言う彼女に、銃の不法所持で逮捕されたらすべてを失うと伝えて非難する。

銃を取り出したアベルから、この家では許さないと言われたアナは、それならば自分たちを守ってほしいと伝える。

数日後、客を招き娘の誕生パーティーを開いていたアベルとアナは、ローレンスらが家宅捜査に来たことに気づく。

アナに時間を稼がせたアベルは、書類を家の外に運び出し隠そうとする。

客を帰したアナは、外で待つローレンスと話し、夫は高潔であり、やましいことはないので、後悔することになると伝える。

ローレンスから父を知っていると言われたアナは、夫は父とは違うので敬意を払うべきであり、そうしなければ破滅させると伝えて家に戻る。

翌日、営業に出るアレックスを励ますアベルは、出社したジュリアンと話し、何があっても動じない強い心を持つようにと伝える。

ローズ家を訪問したアレックスは、男に襲われて殴られる。

タンクローリーに乗り出発したジュリアンは、マンハッタンに向かう途中、”クイーンズボロ橋”でルイスとジョンに襲われる。

許可なく所持していた銃を手にしたジュリアンは抵抗し、発砲してしまう。

警察が駆け付け、ルイスから逃げろと言われたジュリアンは走り去る。

ルイスを追い逃げ道を知ったジュリアンは、姿を消す。

トラックで運ばれたアレックスは、ゴミ捨て場で降ろされる。

その頃アベルは、ジュリアンが発砲事件を起こしたことを知る。

ローレンスの元に向かったアベルは、自分たちは無関係だと伝えるものの話を聞いてもらえず、姿を消したジュリアンが見つかったら連れてくるようにと指示される。

会社に戻ったアベルは、待ち構えていたアーサーに融資を断られてしまい、納得することができない。

重大な訴訟を抱え、運転手に銃を所持させて撃ち合いになった状況となった今、協力はできないと言われたアベルは、何とかするとしか答えられなかった。

アーサーはその場を去り、戻って来たアレックスが傷つけられたことを知ったアベルは、彼を気遣う。

帰宅したアベルは、状況を気にするアナに、銀行から融資を断られたことを伝える。

翌日、ジュリアンの妻ルイーザ(カタリーナ・サンディノ・モレノ)と話したアベルは、ジュリアンを捜していることを伝える。

その場にジュリアンが隠れていることに気づいたアベルは、窓から逃げた彼を捕まえるよう、外にいたアンドリューに指示する。

アンドリューがジュリアンを捕えたことを確認したアベルは、ウソをついついたことは理解できるが、愚かしい好意だとルイーザに伝えてその場を去る。

その後アベルは、ジュリアンを警察に引き渡そうとする。

アンドリューは、ジュリアンに解雇することと、弁護士の費用はアベルが払うことを伝える。

アベルは、謝罪して動揺するジュリアンを気遣う。

警官の元に向かうジュリアンは逃亡してしまい、アベルは嘆く。

同業者のソウル・レフコヴィッツ(デヴィッド・マーギュリーズ)と後継者である孫娘のローレイン(アニー・ファンケ)に会ったアベルは、150万ドルの融資を求める。

年利20%で50万ドルを貸すことを伝えたローレインは、5年間の卸売契約と年間25万ガロンを新施設で保管する条件を出し、アベルはそれに同意する。

アンドリューは、ローレンスと検事補のランゲ(アシュレー・ウィリアムズ)から、今回の件を裁判の前に解決できれば自分たちに有利になると言われ、提案書を渡される。

ジョセフと話したアベルは、支払いに3日の猶予を与えてくれた彼に感謝する。

アンドリューとビルと共に、ピーターも同席する同業者との会合の場に向かったアベルは、自社に対する嫌がらせをやめてほしいと伝える。

ピーターから、この場にいる者は誰も雇っていないと言われたアベルは納得できず、自分の仕事に誇りを持てと伝えて席を立つ。

帰宅して状況をアナに話したアベルは、100万ドル不足していることを伝える。

明日、弟のエリアスとピーターに会うことを伝えたアベルは、暫く顔を見ていない娘たちのことを気にする。

アベルは、娘たちにうまく話しているアナに感謝する。

翌日、大学生のエリアスと話したアベルは、厳しい状況であることを伝えて、共同所有のアパートを抵当に入れるためのサインを求める。

21万ドル程度の話で悩むアベルのことを心配するエリアスは、追い詰められていると言われサインをする。

その後、運転手が襲われたことを無線で知ったアベルは、近くにいたために現場に向かい、奪われたタンクローリーを追う。

横転したタンクローリーから逃げたルイスを追うアベルは、落ちていた拳銃を拾い、もう一人のジョンが死んでいることを確認する。

地下鉄に逃げ込んだルイスを追い詰め、停車駅でホームに突き倒したアベルは、彼を殴り痛めつけ、誰に雇われたか聞き出そうとする。

銃を向けて脅すアベルは、何も話そうとしないルイスを解放する。

誰にも雇われていないと言うルイスは、奪った燃料をクイーンズファー・ロッカウェイで売ったことをアベルに伝えてその場を去る。

床屋にいたアーノルドと話したアベルは、半年の間に自分から奪った21万3000ドルを請求する。

シラを切るアーノルドに、所有するファー・ロッカウェイの施設が自分の燃料を購入したとことを伝えたアベルは、納得した彼に支払いを約束させる。

ルイスらから買っていたことを認めたアーノルドは、破滅することを恐れ、追放されるのも近いと伝えたアベルはその場を去ろうとする。

買っていたのは自分だけではないと言われたアベルは、その者たちに差額を払わせろとアーノルドに伝える。

金は明日までに払えと指示したアベルは、できない場合はFBIを送り込むと伝えて立ち去る。

ピーターに会ったアベルは、ターミナルを担保に60万ドル借りたいことを伝え、自分たちから借りるのはリスクが大きいと言われるものの考えを変えない。

帰宅したアベルは、アナからエリアスのことを訊かれる。

アベルは、ピーターら3人から借りて、金は何とかなると話すものの、人生最悪な状況だと伝える。

メモに書いた口座番号を渡し、自分たちの金があると話すアナは、これでピーターから借りなくて済むとアベルに伝える。

危険を恐れ、最初から会社の利益を隠していたと言われたアベルは、自分を陥れようとしている者たちの前で使っても問題ない金かをアナに問う。

問題ないと言われるものの使う気はないアベルは、自分で何とかするとアナに伝える。

成功したのは自分が汚い仕事を引き受けたからだと声を荒げるアナは、自分から盗んだ金だと言われ、この状況で騒ぐのはやめてほしいとアベルに伝える。

翌朝、金を使うことをアナに伝えたアベルは、アンドリューと共にジョセフに会い、契約を済ませる。

アベルから隠し金のことを訊かれたアンドリューは、知っていたと答える。

自分に話すべきだと言われたアンドリューは、アベルに謝罪する。

アナとアンドリューと共にイースト・リバーの対岸のマンハッタンを眺めるアベルは、拳銃を持って現れたジュリアンに気づく。

動揺して自分を責めるジュリアンを説得するアベルは、家族を頼むと言われ、それを約束する。

ジュリアンは自殺し、アベルは、弾丸が当たりタンクから流れ出る原油を、ハンカチで穴を塞いで止めて警察を呼ぶ。

その後、現れたローレンスと話したアベルは、ジュリアンのことを話す。

重罪を認める提案書の取引には応じられないと言うアベルは、今後のことを話し、正当な闘いは歓迎するが、別の方法を検討したいとローレンスに伝える。

手に入れたターミナルのことを話すローレンスは、稼働すれば、政治的な影響力が増すので、協力関係を結ぶことが得策だとアベルに伝える。

それに同意したアベルは、短期間に成功したと言われ、そうとは思っていないが、常にベストな方法で正しい道を選んできたとローレンスに伝える。

自分にとって結果は問題ではないと言うアベルは、どのように正しい道をたどり、それに達するかが重要だと話し、ローレンスを納得させる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1981年、ニューヨーク
若き実業家アベル・モラレスは、石油会社”スタンダード・ヒーティング・オイル”を経営し、新たにターミナルを取得しようとする。
そんな中アベルは、頻発するタンクローリー強奪事件に頭を悩ませていた。
手付金を払いターミナルの契約を済ませたアベルは、それを経理を担当する妻アナに伝える。
30日以内に残りの150万ドルを調達することになったアベルは、タンクローリー襲撃の件で検事のローレンスに相談するものの、逆に会社の不正を指摘され起訴されることになる。
襲撃や起訴に対処しなけらばならないアベルは、そのことが原因で銀行からの融資も断られ、窮地に追い込まれる・・・。
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マージン・コール」(2011)で長編デビューして高い評価を得たJ・C・チャンダーが、製作と脚本を兼ねて監督した作品。

正当な方法を使い、競争が激しい石油業界での成功を夢見る青年実業家の苦闘を描く犯罪ドラマ。

暴力や汚職がはびこる犯罪都市ニューヨークの厳しい社会の中で、正当な方法で事業を拡大していこうとする実業家が、同業者の妨害や権力と闘う姿がリアルに描かれた見応えある作品であり、批評家他、各方面で絶賛された。

主演のオスカー・アイザックは、犯罪組織も絡む業界で孤軍奮闘する主人公を熱演し、成功者の資質を持つ実業家を見事に演じ、ギャングの娘である立場を利用することを主人公である夫に拒まれながらも、可能な方法で協力する妻を演ずる、ジェシカ・チャステインの好演も見逃せない。

ギャングである主人公の妻の兄アレッサンドロ・ニヴォラ、主人公の会社を調査し起訴する検事のデヴィッド・オイェロウォ、その助手である検事補アシュレー・ウィリアムズ、主人公の会社の弁護士アルバート・ブルックス、主人公に雇われている襲撃に遭うタンクローリーの運転手エリス・ガベル、その妻カタリーナ・サンディノ・モレノ、主人公に石油ターミナルの土地を売るジェリー・アドラー、タンクローリーを襲撃する犯人クリストファー・アボットマシュー・マー、主人公の会社を裏切る夫人エリザベス・マーヴェル、主人公の会社の組合長ピーター・ゲレッティ、主人公から奪った燃料を買い取る同業者グレン・フレシュラー、同じく同業者で主人公に融資するデヴィッド・マーギュリーズ、その孫娘アニー・ファンケ、主人公に雇われているセールスマンのベン・ローゼンフィールド、同じくインストラクターのパトリック・ブリーン、銀行家のジェイソン・ラルフなどが共演している。


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