アーネスト・ヘミングウェイ自身の体験を基に1929年発表された小説”武器よさらば”の映画化。 第一次大戦を舞台に、アメリカ人の志願兵と赤十字のイギリス人看護師のロマンスと悲劇を描く、製作デヴィッド・O・セルズニック、監督チャールズ・ヴィダー、ジョン・ヒューストン、主演ロック・ハドソン、ジェニファー・ジョーンズ、ヴィットリオ・デ・シーカ、マーセデス・マッケンブリッジ他共演の文芸大作。 |
・ジェニファー・ジョーンズ / Jennifer Jones / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督
チャールズ・ヴィダー
ジョン・ヒューストン
製作総指揮:デヴィッド・O・セルズニック
原作
アーネスト・ヘミングウェイ(小説/武器よさらば)
ローレンス・スターリングス(戯曲)
脚本:ベン・ヘクト
撮影
オズワルド・モリス
ピエロ・ポルタルピ
編集
ジョン・M・フォリー
ジェラルド・ウィルソン
音楽:マリオ・ナシンベーネ
出演
フレデリック・ヘンリー:ロック・ハドソン
キャサリン・バークレイ:ジェニファー・ジョーンズ
アレッサンドロ・リナルディ少佐:ヴィットリオ・デ・シーカ
エメリッヒ医師:オスカー・ホモルカ
ヴァン・キャンペン:マーセデス・マッケンブリッジ
ヘレン・ファーガソン:エレイン・ストリッチ
看護師:ジョーン・ショウリー
ガリ神父:アルベルト・ソルディ
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1957年製作 152分
公開
北米:1957年12月14日
日本:1958年4月5日
製作費 $4,353,000
北米興行収入 $11,000,000
世界 $25,000,000
■ アカデミー賞 ■
第30回アカデミー賞
・ノミネート
助演男優賞(ヴィットリオ・デ・シーカ)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
第一次大戦末期、イタリア北部、オルシノ。
イタリア陸軍の志願兵である、アメリカ人フレデリック・ヘンリー中尉(ロック・ハドソン)は、休暇を終えて所属する救急隊に戻る。
フレデリックは、軍医のアレッサンドロ・リナルディ少佐(ヴィットリオ・デ・シーカ)が、ある女性に夢中である話を聞かされる。
翌日フレデリックは、リナルディに、イギリス・赤十字の看護師キャサリン・バークレイ(ジェニファー・ジョーンズ)を紹介される。
婚約者を亡くしたキャサリンと話をしたフレデリックは、彼女に心を寄せるようになる。
その夜フレデリックは、リナルディの忠告も聞かずにキャサリンの元に向かう。 キャサリンを誘ったフレデリックは、、病院の中庭で彼女に迫り、頬を殴られてしまう。 謝罪したキャサリンは、フレデリックが翌日進軍することを知り、知り合うことを焦る彼に、戸惑いながらもキスしてしまう。 その時、雨が降り出し、それが怖いと言うキャサリンは、何かを心に秘めながらフレデリックを求める。 キャサリンは、フレデリックに亡くなった婚約者を投影させながら愛し合ってしまい、彼と夜を明しそれを伝える。 動揺するキャサリンは、愛を伝えるフレデリックを振り切りその場を去る。 しかし、出撃するフレデリックを捜したキャサリンは、彼に必ず戻ってくるよう伝える。 その後、部隊は山岳地帯で敵と交戦し、フレデリックは負傷してしまう。 リナルディがいる病院に運ばれたフレデリックは、ミラノに移送されることになるが、彼はそれを拒みキャサリンの元に戻ろうとする。 フレデリックの考えを察したリナルディは、キャサリンをミラノに移すことを約束して彼を安心させる。 ミラノ。 患者はフレデリックしかいないため、看護師は二人だけで、彼は、キャサリンが到着する予定だと知らされる。 そしてキャサリンは病院に到着し、フレデリックは、待ち焦がれていた彼女を誘い、二人は愛し合う。 その後の診察で、半年は静養する必要があると診断されたフレデリックは、キャサリンの献身的な看護を受けながら手術を受ける。 男は結婚など望まないとヘレンに言われたキャサリンは、それを気にすることもなく、フレデリックと満ち足りた日々を過ごす。 やがてキャサリン妊娠し、それを知ったフレデリックは結婚を決意するが、帰国させられることを恐れる彼女だった。 しかし、イタリア軍の戦果を聞き歓喜する人々の中で、二人は誓いの言葉を交わす。 そんな時キャンペンが、病室で酒を飲み、逢引までする二人に気づき、フレデリックが任務に復帰できるという連絡をしてしまう。 フレデリックは部隊に戻ることになり、キャサリンと出発の前にホテルで過ごし、必ず戻ることを約束して彼女に別れを告げる。 オルシノに戻ったフレデリックは、リナルディとガリ神父(アルベルト・ソルディ)に再会し、辛い戦闘を体験した彼らと話をする。 悲惨な状況を多く見たリナルディは、精神的に限界に近く疲れ果てていた。 敵が”カポレット”(現スロベニアのコバリード)を占領して迫る中、リナルディは、患者を見捨てて撤退する命令を受けるが、ガリ神父はその場に残る。 撤退の途中、軍を侮辱したリナルディは憲兵に捕えられ、スパイと判断され、自ら望んで銃殺刑に処される。 それを止められなかったフレデリックも、外国人であるために処刑されそうになるが、彼はその場から逃走する。 フレデリックは川に飛び込み難を逃れ、貨物列車でミラノに向かう。 駅でヘレンを見つけたフレデリックは、キャサリンがホテルにいることを知る。 しかしフレデリックは、キャンペンに脱走したことを知られて逃げ去り、キャサリンの元に向かう。 キャサリンと再会できたフレデリックは、戦争に耐えられなくなったことを伝える。 その後、フレデリックは指名手配されるが、キャサリンと湖畔で過ごし、自由を手にするためスイスに向かうことになる。 ボートで湖を渡ることを考えた二人は、力を合わせて前進する。 二人はスイスに到着し、警察官に紹介されたホテルに滞在する。 キャサリンはエメリッヒ医師(オスカー・ホモルカ)の診察を受け、体調は順調であり、やがて二人は新しい年1918年を迎える。 そして、キャサリンは出産の日を迎えるが長引き、彼女は苦しむ。 フレデリックとエメリッヒ医師はキャサリンを励まし、危険な状態のまま帝王切開手術をすることになる。 雨が降っていることを気にしながら、キャサリンは無事に手術を終える。 フレデリックは男の子が生まれたことをキャサリンに伝えるが、エメリッヒから死産だったことを知らされる。 キャサリンが大丈夫だということを確認したフレデリックは、エメリッヒと共にカフェに向かう。 多くの死を目の当たりにしてきたフレデリックは、死のことしか考えられなくなり病院に戻る。 出血したキャサリンは危険な状態となり、フレデリックは彼女を救うために、神に祈るしかなかった。 キャサリンの元に向かったフレデリックは、子供が死んだことを察する彼女の傍らで泣き崩れる。 そしてキャサリンは静かに息を引き取り、フレデリックは、自分が死ぬまで離れないことを約束する。 キャサリンに口づけしたフレデリックは、彼女が冷たくなっていることに気づき、その場を離れる。 街に出たフレデリックは、キャサリンの面影を胸に、呆然としながら通りを歩き続ける。
...全てを見る(結末あり)
病院に到着したフレデリックは、院長のヴァン・キャンペン(マーセデス・マッケンブリッジ)とヘレン・ファーガソン看護師(エレイン・ストリッチ)に迎えられる。
*(簡略ストー リー)
第一次大戦末期、イタリア北部、オルシノ。
イタリア陸軍に志願したアメリカ人フレデリック・ヘンリー中尉は、軍医リナルディに、赤十字のイギリス人看護師キャサリン・バークレイを紹介される。
フレデリックは、一目でキャサリンに惹かれ、二人はその夜、愛し合ってしまう。
婚約者を亡くしたキャサリンは、フレデリックを彼と想いながら夜を過ごしたのだった。
しかし、進軍するフレデリックを見送り、必ず戻ってくるようにと、キャサリンも彼への気持ちを伝える。
その後、フレデリックは戦場で負傷してしまい、ミラノの病院に移送される。
リナルディの計らいで、キャサリンもミラノに向かい、二人は愛を確かめながら、満ち足りた日々を過ごすのだが・・・。
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1932年公開、監督フランク・ボーゼイジ、主演ゲイリー・クーパーの「戦場よさらば」のリメイク。
大プロデューサー、デヴィッド・O・セルズニックが、妻であるジェニファー・ジョーンズと人気絶頂のロック・ハドソンが共演した作品。
当初ジョン・ヒューストンの監督で撮影は始り、ロケはイタリア他、各地で行われ、当時としては巨費となる400万ドル以上の製作費がかけられたスケール感のある大作。
大流行していた、メロドラマ・タッチの内容は大いに受け、北米興行収入は約1100万ドル、全世界では約2500万ドルの大ヒットとなった。
第30回アカデミー賞では、ヴィットリオ・デ・シーカが、助演男優賞にノミネートされた。
際立つ長身、端正なマスク、この時代を象徴するスター、ロック・ハドソンと、人間を超越している美しさとでも言うか、芸術作品のようなジェニファー・ジョーンズ、これでもかと見せる、二人の幸せな生活を映し出す映像の数々とクライマックスの悲劇、涙なしでは見られない作品だ。
主人公達と共に、戦争の悲劇を象徴する存在、軍医のヴィットリオ・デ・シーカ、産婦人科医のオスカー・ホモルカ、病院長マーセデス・マッケンブリッジ、看護師エレイン・ストリッチ、同じくジョーン・ショウリー、従軍神父アルベルト・ソルディなどが共演している。