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ズール戦争 Zulu (1964)

大英帝国南アフリカズールー王国との間で起きたズールー戦争中の”ロルクズ・ドリフトの戦い”を描いた作品。
圧倒的な数的不利の状況下でズールー族の攻撃に耐え抜いたイギリス軍兵士の戦いを描く、製作、監督、脚本サイ・エンドフィールド、製作、主演スタンリー・ベイカーマイケル・ケインジャック・ホーキンス他共演の歴史ドラマの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(戦争)


スタッフ キャスト ■
監督:サイ・エンドフィールド

製作
スタンリー・ベイカー

サイ・エンドフィールド
製作総指揮:ジョーゼフ・E・レヴィーン
原作:ジョン・プレブル
脚本
ジョン・プレブル

サイ・エンドフィールド
撮影:スティーヴン・デイド
編集:ジョン・ジンプソン
音楽:ジョン・バリー

出演
ジョン・チャード中尉:スタンリー・ベイカー

ゴンヴィル・ブロムヘッド中尉:マイケル・ケイン
オットー・ウィット牧師:ジャック・ホーキンス
マルガレータ・ウィット:ウラ・ヤコブソン
ヘンリー・フック二等兵:ジェームズ・ブース
フランク・ボーン軍曹:ナイジェル・グリーン
ナレーター:リチャード・バートン

イギリス/アメリカ 映画
配給
パラマウント・ピクチャーズ(世界)
Embassy Pictures(北米)
1964年製作 138分
公開
イギリス:1964年1月22日
北米:1964年6月17日
日本:1964年6月10日
製作費 $3,500,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1879年1月、南アフリカナタール州
ズールー戦争が始まり、イギリス陸軍ズールー族に大敗する。

スウェーデン人牧師オットー・ウィット(ジャック・ホーキンス)は、娘マルガレータ(ウラ・ヤコブソン)と共にズールー王国国王のセテワヨ・カムパンデの歓迎を受けて、集団結婚の場に立ち会う。

その時、国王にある報告が入り、ウィットは、1000名以上のイギリス兵が殺害され戦争状態になったことを知る。

ウィットは、伝道所のイギリス軍駐屯地である砦への攻撃予定も知り、その場から馬車で逃げ去る。

架橋工事に従事していたイギリス軍中尉ジョン・チャード(スタンリー・ベイカー)は、現地の砦の指揮官ゴンヴィル・ブロムヘッド(マイケル・ケイン)から協力を要請される。
...全てを見る(結末あり)

そこにウィットが現れ、ブロムヘッドは、年上のチャードが指揮官であることを伝え話を聞く。

ズールー族の戦士が攻め込んでくることをチャードに伝えたたウィットは、病人らと共に避難しようとする。

しかしチャードは、4000名の敵を相手に役100名で戦いを挑むことを考え、ウィットの意見を聞かずに、怪我人にも銃を持たせようとする。

作戦を立てたチャードは、土嚢などを積み上げて防壁を作るようブロムヘッドに指示する。

仮病を使う傲慢なヘンリー・フック二等兵(ジェームズ・ブース)にも、銃が与えられて見張りをするよう命ぜられる。

病人を介抱するマルガレータだったが、彼らにも戦わせようとすることに不満を訴える。

暫くして、砦には馬に乗った義勇軍が現れるものの、彼らは協力を拒み立ち去る。

ウィットの言葉で、現地人もその場から逃げ出してしまう。

チャードはウィットの身柄を拘束し、その行為を批判するマルガレータを軍医に預ける。

その後、フランク・ボーン軍曹(ナイジェル・グリーン)の報告を受けて、見張りが敵、数千名を確認したことを知らされたチャードは、戦闘準備を兵士に命ずる。

ズールー族の大軍は姿を現し、銃器を持たない彼らは一斉射撃で次々と倒れる。

反撃しない敵は、相手に攻撃をさせて勢力を確認しようとしていた。

酒を飲み戦いを非難するウィットを、チャードはマルガレータと共に馬車に乗せ砦から追い払う。

ズールー族は牧師には手を出さず、銃を手にして南北から攻めてくる。

銃撃が始まり、チャードは、敵が倒したイギリス軍の銃を手に入れたことを知る。

遂に犠牲者も出て、敵は砦に押し入り、負傷したチャードブロムヘッドに指揮を執るよう命ずる。

チャードは軍医の元に向かい治療を受け、非戦闘員まで死傷する姿を見て責任を感じる。

戦闘に戻ったチャードは、防衛の指示を出して一気に攻勢をかけて敵を退却させる。

兵士が疲労困憊であるにも拘らず、チャードは防御壁を増設させ、再び攻め入る敵を迎え撃つ。

病院も襲われて火事となり、フックは勇敢に戦い何人もの仲間を助ける。

その夜も戦闘は続くが、砦を守り抜いたチャードは朝を迎え、自分を信頼してくれたブロムヘッドに感謝する。

再び戦いの時が来るが、チャードは敵の歌声に対抗して、兵士に”Men of Harlech”歌わせる。

攻撃は始まり、総力をあげて反撃したイギリス軍は、敵を全滅させる。

ボーンは、兵士を整列させて点呼を取り生存者を確認する。

チャードは、ブロムヘッドの初めての戦いを労い、自分もこの場には橋を造りに来たことを告げ、初めての戦いだったことを伝える。

そこにズールー族が姿を現すが、チャードブロムヘッドは、彼らが、自分達の勇気を称え敬意を表していることを知る。

ズールー族は去り、その姿をチャードはいつまで見つめる。

イギリス最高の戦功章”ヴィクトリア十字章”は、100年で1344名に授与されただけだったが、”ロルクズ・ドリフトの戦い”では11名が受章した。

その中には、フランク・ボーンヘンリー・フックゴンヴィル・ブロムヘッド、そして指揮官ジョン・チャードが含まれていた。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1879年1月。南アフリカナタール州
ズールー戦争が始まり、イギリス陸軍ズールー族に大敗する。
スウェーデン人牧師ウィットは、伝導所を砦とするイギリス陸軍が攻撃を受ける危険性を、指揮官に伝えようとする。
架橋工事に従事していたジョン・チャード中尉は、砦の指揮官ブロムヘッド中尉に協力を要請され、年上ということで指揮官となる。
現れたウィットから、1000名以上の兵士が殺された現状を考え、病人らを連れて避難すると言われたチャードだったが、彼はそれを許さずあくまで戦うことを伝える。
その後、怪我人などにも銃を持たせ、防衛態勢を整えたチャードは、現れたズールー族の大軍を迎え撃つのだが・・・。
__________

物語の内容とは少々違うものの、ジョン・チャード中尉率いる守備隊の実際の兵力はわずか139名、対するズールー族は4000名という劣勢下の戦いの様子が、生々しく描かれる力作である。

それだけの不利な状況で、イギリス軍は死者13名、負傷14名に留まり、近代兵器をまともに持たない相手との戦いとは言え、その勝利は奇跡的であり、正に歴史に残る出来事だ。

ナレーターのリチャード・バートンがラストで語るように、100年間で1344名が受章しただけのイギリス英連邦の軍人の最高戦功章”ヴィクトリア十字章”が、この戦いの兵士11名に授与されたことからも、その戦功がいかに偉大なことであったかが分かる。

また、単なる戦いではなく、勇者を称える敵の姿は美しくも見える。

各兵士それぞれの立場の考えや行動を、脚本も兼ねるサイ・エンドフィールドは細やかな演出で描き切り、臨場感のある南アフリカ現地ロケ、ジョン・バリーの音楽も素晴らしい。

架橋工事の責任者から、歴史的戦いの指揮官となるジョン・チャード中尉のスタンリー・ベイカー、彼を補佐するエリート士官ゴンヴィル・ブロムヘッド役の若き日のマイケル・ケイン、牧師ジャック・ホーキンス、その娘ウラ・ヤコブソン、仮病を使いながらも勇敢に戦う二等兵ヘンリー・フック役のジェームズ・ブース、厳格な軍曹フランク・ボーンナイジェル・グリーンなど、イギリスを代表する名優の競演も見ものだ。


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