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死の谷間 Z for Zachariah (2015)

放射能汚染を免れた谷間で暮らす生存者の女性と現われた2人の男性の関係を描く、製作総指揮、監督クレイグ・ゾベル、主演マーゴット・ロビーキウェテル・イジョフォークリス・パインによるSFドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


SF

マーゴット・ロビー / Margot Robbie / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:クレイグ・ゾベル
製作
ソール・シグルヨンソン
スクーリ・マルムクィスト
ソフィア・リン
マシュー・プルーフ
トビー・マグワイア
シガージョン・サイヴァッツォン
製作総指揮
スティーヴ・バナティン
クレイグ・ゾベル
クローディア・ブリュームフーバー
ロバート・ウィリアムズ
ティモシー・クリスチャン
ライアン・ジョンソン
バリー・ブルッカー
スタン・ワートリーブ
ジム・セイベル
ビル・ジョンソン
アラ・ケシシアン
原作:ロバート・C・オブライエンZ for Zachariah
脚本:ニサール・モディ
撮影:ティム・オアー
編集:ジェーン・リッツォ
音楽:ヘザー・マッキントッシュ

出演
アン・バーデン:マーゴット・ロビー
ジョン・ルーミス:キウェテル・イジョフォー
ケイレブ:クリス・パイン

アイスランド/スイス/ニュージーランド/アメリカ 映画
配給
ロードサイド・アトラクションズ
Lionsgate Films
2015年製作 95分
公開
北米:2015年8月28日
日本:2018年6月23日
製作費 $7,500,000
北米興行収入 $121,460
世界 $381,840


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
核戦争後の生存者アン・バーデン(マーゴット・ロビー)は、放射能に汚染されていない丘陵地にある、家族が所有する谷間の農場で豊富な地下水に恵まれながら、愛犬ファロと共に暮らしていた。

ある日アンは、放射線防護服を着て機材をワゴンに積み移動する者を目撃して監視する。

防護服を脱いで水浴びをする黒人の男(キウェテル・イジョフォー)に水から出るようにと伝えたアンは、彼に銃を向けられる。

興奮して発砲する男に、水は谷の外から来ているので安全ではないと伝えたアンは、水から上がりガイガーカウンターで放射能を測定した彼に頼まれて注射を打つ。

自己紹介したジョン・ルーミスはアンの家に向かい、身体を洗ってもらう。
...全てを見る(結末あり)

体調を崩したジョンは、アンの献身的な看病で回復に向かう。

アンは、何があっても農業は続けるようにと父から言われていたことをジョンに話し、この谷だけが無事だった理由を彼と考える。

ジョンは、他の生存者を探すために谷を離れたが、戻ってこなかったアンの両親と弟の話を聞く。

その後ジョンは、トラクターの燃料がないと言う彼女のために、近所のガソリンスタンドのディーゼルオイルを手動で取り出す方法を教える。

汚染が始まった際の話をしたジョンは、地下1.6キロの政府の施設のエンジニアであり、防護服の設計チームだったために、それを着て生き延びたことをアンに伝える。

地下にいるのに嫌気がさし、地上に上がったと言うジョンは、アンから、薬を探していた際にワゴンで見つけた妻の写真のことを訊かれ、妻ではないと答える。

冬の大雪で大変な目に遭った話をアンから聞いたジョンは、発電機があることを知る。

発電機が壊れていることを確認したジョンは、滝を利用して水力発電装置を作ることを考える。

教会の木材を使おうとしたジョンは、父が建てたと言うアンを説得することができない。

その後、店のビールを飲んだジョンは酔ってしまい、世話を焼くアンに酷いことを言ってしまう。

翌朝、ジョンから謝罪されたアンは、気にしていないと伝える。

ファロと共に教会に向かったアンは、オルガンを弾く。

誰かの気配を感じたアンはジョンだと思い、家に戻りそのことを話す。

何のことか分からなかったジョンは、適当に話を合わせる。

その夜、食事をしてワインを飲んだアンは酔ってしまう。

アンに迫られたジョンは、これ以上、親密になると二人の関係が変わると言って、もっと時間が必要だと彼女に伝える。

翌日、アンから教会を使ってほしいと言われたジョンは、他の計画があるので忘れてほしいと伝える。

森に向かったアンは、生存者の青年ケイレブ(クリス・パイン)に出会い、家に連れて帰る。

警戒するジョンを落ち着かせたアンは、数日前に卵がなくなっていたことに気づいてために、ケイレブの話を聞く。

80キロ先の鉱山から来たと言うケイレブが、南に向かうために明日、旅立つことを知ったジョンは、被爆していると思われる彼に、数日、休むことを提案する。

アンはケイレブを家に招き入れ、三人で食事をした際にジョンは、放射能に侵された少年に遭遇し死を望んだため、その場に置き去りにしてしまったことを話す。

ケイレブも、紳士的だった男の一人が突然、豹変して外に出ると言いだし、止めようとする仲間と揉めて殺し合いを始めた話をする。

男に殺されると思ったが、睨み返したら自分から離れたと言うケイレブは、倒れた男が数時間後に死んだことを話す。

ケイレブを信用し過ぎるアンを非難するジョンは、孤独に耐えて辛い思いをした彼女の話を聞く。

生きる希望を与えてくれたのは自分だと言われたジョンは、見捨てた少年は弟だと思うと伝えて、アンに謝罪する。

ジョンから農場について説明されたケイレブは、七面鳥を狩りに行き、どちらが仕留めるかで、アンを賭けることを提案する。

ジョークだとジョンに伝えて笑うケイレブは滝に向かい、発電に利用する計画があることを知らされる。

南の町アンソンのことは忘れろと言われたケイレブは、計画を実行しないのは資材が足りないためで、アンの父親の教会を壊す提案をされたが、彼女が悲しむだろうというジョンの考えを知る。

七面鳥を仕留めた二人は家に戻り、それを料理する。

夕食の際、教会の話になったジョンは、直ぐには水車を作る必要がないと言うものの、他には方法がないという結論で三人の意見は一致し、教会を取り壊すことになる。

翌日から三人は教会を取り壊し、水車を作る準備をして、滝から家に電線を引く作業を始める。

承諾はしたものの、教会が解体されて悲しい思いをしているアンの気持ちを察するケイレブは、彼女を散歩に誘い、信仰についてなどを話す。

ジョンは、そんな二人の関係が気になるものの、人種的な問題を取り上げて、邪魔はしないことをアンに伝える。

ジョンの考えが理解できないアンは、何も言わずにその場を去る。

その後、滝で水車の設置が始まる。

お祝いのディナーの後で泉に向かった三人は楽しみ、ジョンは、帰り道でアンに愛を伝える。

家に戻ったアンは、ジョンの部屋に向かうものの、酔った彼を起こすことができない。

バスルームに向かったアンは、その場にいたケイレブと愛し合う。

翌朝、おかげでアンに対する気持ちに気づいたとケイレブに伝えたジョンは、彼と二人で水車を完成させる。

滝をロープで登るケイレブは、二度滑って落ちそうになり、ロープを握るジョンを見つめる。

一人で家に戻ったジョンは、謝罪するアンの話を聞く気になれない。

どうしてこうなったのか分からないと言うアンに、ケイレブがアンソンに向かったことを伝える。

ケイレブを追ったアンは、彼を見つけることができない。

二人の沈黙する日々は続き、やがてジョンは、発電した電気を家に送電することに成功する。

冷凍庫が作動してランプが点くことを確認したアンは、納屋に向かい、愛用していた教会のオルガンと装飾品が運ばれていることに気づく。

アンはオルガンを弾き、現われたジョンはその場に座り、静かに彼女の演奏を聴く。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
核戦争後の生存者アン・バーデンは、放射能に汚染されていない谷間の農場で、愛犬ファロと共に暮らしていた。
ある日アンは、現われた黒人のジョンが汚染された滝の水を浴びていることに気づき、体調を崩した彼を看病する。
回復したジョンがエンジニアだったことを知ったアンは、滝を利用した水車による水力発電を提案される。
その材料として教会を壊すと言われたアンは、父が建てたものであるために反対する。
そんな時、もう一人の生存者ケイレブが現れ、アンとジョンは、警戒しながらも彼との共同生活を始めるのだが・・・。
__________

1974年に発表された、ロバート・C・オブライエンのSF小説”Z for Zachariah”を基に製作された作品。

核戦争後の荒廃した世界が映し出されないことに注目したい。
放射能汚染と孤独と闘う男女を描く物語はシンプルではあるが、共同生活を始めることになった男女の関係を深く描き、観る者に訴える内容に仕上がっている。

物事の結論を明確に表現しないシーンが印象に残り、クライマックスで南に向かったという青年の同行も曖昧に描かれ、観客の捉え方を試す心理的な描写が多い演出も興味深い。

自給自足の孤独な生活を続けていた、少女から大人になる女性という設定に近い主人公を演ずるマーゴット・ロビー、彼女を愛するようになる純真な心の持ち主であるエンジニアのキウェテル・イジョフォー、少々、謎めいた雰囲気のある旅の途中の青年クリス・パインが共演している。


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