超人的な能力を持つイスラエルの諜報員がアメリカに渡り同胞とパレスチナ人が共存する街を守ろうとする姿を描く、監督、出演デニス・デューガン、製作、脚本、主演アダム・サンドラー、ジョン・タトゥーロ、エマニュエル・シュリーキー、ロブ・シュナイダー他共演の大爆笑コメディ。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督:デニス・デューガン
製作
アダム・サンドラー
ジャック・ジャラプト
製作総指揮
バリー・ベルナルディ
ロバート・スミゲル
脚本
アダム・サンドラー
ロバート・スミゲル
ジャド・アパトー
撮影:マイケル・バレット
編集:トム・コステイン
音楽:ルパート・グレグソン=ウィリアムズ
出演
アダム・サンドラー:ゾーハン・ドヴィル/スクラッピー・ココ
ジョン・タトゥーロ:ファントム・ハクバラー
エマニュエル・シュリーキー:ダリア・ハクバラー
ニック・スウォードソン:マイケル・ガンダース
レイニー・カザン:ゲイル・ガンダース
ロブ・シュナイダー:サリム
イードゥー・モセリ:オーリ
アレック・マパ:クロード
マイケル・バッファー:グラント・ウォルブリッジ
デイヴ・マシューズ:ジェームズ・オスカンロン
シャーロット・レエ:グリーンハウス夫人
ダウド・ヘイダミ:ナジ
サイード・バッドレヤ:ハムディ
ケヴィン・ニーロン:ケヴィン
ロバート・スミゲル:ヨシ
シェリー・バーマン:ドヴィル
クリス・ロック:タクシー運転手
ヘンリー・ウィンクラー:本人
マライア・キャリー:本人
ジョン・マッケンロー:本人
ジョージ・タケイ:本人
ブルース・ヴィランク:本人
デニス・デューガン:ホームレス
ジョン・ポール・デジョリア:ポール・ミッチェル
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
2008年製作 112分
公開
北米:2008年6月6日
日本:未公開
製作費 $90,000,000
北米興行収入 $100,018,840
世界 $199,740,200
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
イスラエルの情報機関の諜報員ゾーハン・ドヴィル(アダム・サンドラー)は、休暇中を呼び出される。
捕らえられていたはずのテロリスト、ファントム(ジョン・タトゥーロ)が、スパイ情報などを得るために取引で釈放され、ベイルートで目撃された。
ファントムを再び捕らえる作戦に自ら志願したゾーハンは
超人的な能力を持つ凄腕の情報員だったのだが、実は、ヘアー・スタイリストになるのが夢だった。
両親にそれを告白したゾーハンだったが、全く信じてもらえないまま、ファントムを捕らえる任務に就く。
そこでゾーハンは、ファントムと一対一の対決で殺されたように見せ掛け、密かにニューヨークに向かう。
市内に向かったゾーハンは、タクシーの運転手(クリス・ロック)に、いきなり夢など叶わないと吐き捨てられる。 ”ポール・ミッチェル”のヘアー・サロンに着いたゾーハンは、”スクラッピー・ココ”と名前を変えて自分を売り込むのだが、時代遅れのヘアースタイルやセンスをバカにされてしまう。 路上で事故に巻き込まれたマイケル・ガンダース(ニック・スウォードソン)を救ったゾーハンは、彼の家に招待される。 マイケルの母親ゲイル(レイニー・カザン)に”歓迎”されたゾーハンは、ディスコでイスラエル人のオーリ(イードゥー・モセリ)に声をかけられる。 母国イスラエルでは有名人のゾーハンは、オーリにヘア・スタイリストになることを告げるのだが、またしても、それを信じてもらえない。 翌日から、ヘアサロン回りを始めたゾーハンだったが、自分の腕試しが空回りして、全く職にありつけない。 仕方なくゾーハンは、オーリの電器店を訪ね仕事をもらおうとする。 しかし、オーリはゾーハンを呼んでおきながら、電器店は夢を壊すところだと忠告し、パレスチナで夢を叶えているファントムの近況を知らせ、ヘア・スタイリストを目指すよう彼を励ます。 そしてゾーハンは、パレスチナ人のダリア・ハクバラー(エマニュエル・シュリーキー)の店”サロン・ラファエラ”の下働きとして雇われることになる。 髪の毛を掃除する無給の仕事から始めたゾーハンは、それに命がけで取り組む。 スタイリストのクロード(アレック・マパ)から、カットを伝授してもらいながら、ゾーハンは、夜はリムジン運転手をして生活費を稼いだ。 ある日、サロンのスタイリストが辞めてしまい、得意客のカットをゾーハンが担当することになる。 ゾーハンの”サービス過剰”な過激な仕事振りは、女性達の心を捉えて”体”を満足させ、大評判になる。 やがて、ポール・ミッチェル(ジョン・ポール・デジョリア)から直々のオファーがゾーハンにあるが、彼はそれを断ってしまう。 ゾーハンの店で客を降ろした、パレスチナ人のタクシー運転手サリム(ロブ・シュナイダー)は、店内の彼を見て、かつて祖国で、彼にヤギを奪われ侮辱されたことを思い出す。 サリムは、ニューヨークに居る同胞ナジ(ダウド・ヘイダミ)とハムディ(サイード・バッドレヤ)に連絡を取り、ファントムがゾーハンを殺していないことを伝える。 そして、ゾーハンを捕らえて、イスラエルとの取引の材料にして英雄になろうと考える。 サロン周辺の開発を計画する、グラント・ウォルブリッジ(マイケル・バッファー)は、テナント家賃を上げて住民を追い出そうとしていた。 そのために、ダリアのサロン経営も苦しかった。 しかし、ゾーハンのお陰で売り上げが急増し、ダリアの悩みが解消される。 ダリアは、ゾーハンに感謝し、彼とセントラルパークでのピクニックを楽しむ。 やがてゾーハンは、自分の体がパレスチナ人のダリアに反応しているのに気づく。 一方、サリムはナジとハムディとで、ゾーハンを捕らえるために爆弾を作ろうとするが、薬局で間違えて性病の薬を買ってしまい、それに失敗する。 ウォルブリッジは住民を追い出そうと、悪党のジェームズ・オスカンロン(デイヴ・マシューズ)雇う。 サリムはファントムと連絡を取り、ゾーハンがアメリカに居ることを伝え、彼のヨーグルト店の経営権を譲り受けることを条件に、情報を提供する。 ゾーハンは”中東新聞”の記事で、ファントムがアメリカに来ることを知る。 ファントムは体を鍛え、ゾーハンとの戦いに備える。 自分がイスラエル人であるということを、ゾーハンはダリアに告白する。 しかし、民族間の争いの溝は深く、ダリアはゾーハンを受け入れられずに別れを告げる。 ウォルブリッジは、イスラエルとレバノン人とを”ハッキー・サック”ゲームで対決させるイベントを催し、ファントムも会場に姿を現す。 アメリカ国家を歌ったマライア・キャリーの楽屋に出向いたファントムだったが、そこにゾーハンが現れ、2人は一騎打ちとなる。 その時、イベントで空になった街を、オスカンロン一味が荒らし始めたという連絡が、マイケルからゾーハンに入る。 イスラエルとパレスチナ双方が、罪のなすり合いを始め、現場に現れたゾーハンとファントムだったが、ゾーハンは争いににうんざりして戦いを拒む。 ゾーハンを挑発するファントムだったが、そこに実は彼の妹だったダリアが現れる。 ダリアは、ゾーハンを愛していることと、アメリカ国内では、イスラエルとパレスチナが仲良く暮らしていることを、兄のファントムに伝える。 ウォルブリッジが黒幕だと知ったゾーハンとファントムは、協力して街を荒らすオスカンロン一味を倒す。 騒ぎを起こしたウォルブリッジは逮捕され、ゾーハン達は協力し合い、火災保険で自分達のモールを建てる。 ファントムは夢だった靴屋を始め、ゾーハンとダリアは結婚して2人の店は大盛況となる。 そしてゾーハンは、イスラエルから来た両親に認められる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
イスラエル諜報員ゾーハン・ドヴィルは、捕らえられたはずのテロリスト、ファントムが釈放されベイルートで目撃されたことを知る。
ファントムを、再び捕らえる作戦に志願したエリート諜報員ゾーハンだったが、実は彼の夢は、ヘア・スタイリストになることだった。
それを、両親に信じてもらえないゾーハンは、ファントムとの対決で自分が殺されたように見せかけ、密かにニューヨークに向かう。
ゾーハンは苦労しながら、ようやくパレスチナ人のダリアのサロンに雇われ、ヘア・スタイリストの才能を開花させる。
しかし、ゾーハンを知るパレスチナ人が、彼がファントムに殺されていないことに気づいてしまう。
そして、ゾーハンを捕らえ、イスラエルと取引の材料に使おうとする計画が進められようとするのだが・・・。
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かなり下品なギャグや、中東問題を皮肉った過激なテーマで進行するストーリーと、ハチャメチャな展開に呆気にとられていると、ラストでは祖国で争う双方が、協力し平和解決をするという、爽やかなな幕切れとなっている。
地域の住民を立ち退かせて、巨大モール建設を計画する開発業者は、中東問題に介入するアメリカを象徴し、異民族はそれを退けて自らの手で平和を取り戻すという、皮肉と希望が込められている。
9000万ドルの製作費をかけた、主人公がスーパー・パワーを見せ付ける特撮やCGの効果も実に巧妙で楽しく、大いに笑わせてくれる。
批評家の評価は低かったものの、北米での興行収入は1億ドルを突破し、全世界では2億ドルに迫るヒットとなった。
製作と脚本にも参加した主演のアダム・サンドラーは、”超人”らしく、鍛え上げた肉体と行動力で、夢を求めアメリカ社会に殴り込みをかけるが、結局は現地で逞しく生きる同胞やパレスチナの人々と暮らすことになるという、破天荒で型破りなタフガイを熱演する。
主人公のライバルのテロリストを演ずるジョン・タトゥーロも、実力派らしい芸幅の広さを見せつけてくれる。
ファントム(J・タトゥーロ)の妹だったことが分かる、若きサロン・オーナー、エマニュエル・シュリーキー、主人公が路上で助け世話になる男性ニック・スウォードソン、その母親レイニー・カザン、A・サンドラーとの共演も多く、「50回目のファースト・キス」(2004)でも現地人を演じた、A・サンドラーの盟友で怪演が光るロブ・シュナイダー、主人公の協力者で電器店主のイードゥー・モセリ、同僚スタイリスト、アレック・マパ、開発業者のマイケル・バッファー、その悪行に加担するデイヴ・マシューズ、タクシー運転手クリス・ロック、他、本人役でヘンリー・ウィンクラー、マライア・キャリー、ジョン・マッケンロー、ジョージ・タケイ、ブルース・ヴィランク、そして、ホームレスから大実業家になったジョン・ポール・デジョリアが、元ビジネス・パートナーでもあるヘアー・スタイリスト、ポール・ミッチェル役を演じている。