”知恵の樹”の禁断の実を食べてしまった男の奇怪な行動と冒険を描く、製作、原案、脚本、監督、出演ハロルド・ライミス、製作ジャド・アパトー、主演ジャック・ブラック、マイケル・セラ、オリヴァー・プラット他共演の旧約聖書をパロディ化した爆笑コメディ。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ハロルド・ライミス
製作
ハロルド・ライミス
ジャド・アパトー
クレイトン・タウンゼント
製作総指揮:ロドニー・ロスマン
原案:ハロルド・ライミス
脚本
ハロルド・ライミス
ジーン・スタプニツキー
リー・アイゼンバーグ
撮影:アラー・キヴィロ
編集
クレイグ・P・ハーリング
スティーヴ・ウェルチ
音楽:セオドア・シャピロ
出演
ゼド:ジャック・ブラック
オー:マイケル・セラ
司祭長:オリヴァー・プラット
カイン:デヴィッド・クロス
アベル:ポール・ラッド
アブラハム:ハンク・アザリア
アダム:ハロルド・ライミス
イサク:クリストファー・ミンツ=プラッセ
サルゴン:ヴィニー・ジョーンズ
イーマ:ジュノー・テンプル
マーラック:マシュー・ウィッリング
イナンナ:オリヴィア・ワイルド
マヤ:ジューン・ダイアン・ラファエル
王:ザンダー・バークレー
女王:ジア・カリデス
宰相:デヴィッド・パスクエジ
リリス:イーデン・リーゲル
セト:ガブリエル・サンダー
ザフティグ:カイル・ガス
シャーマン:ビル・ヘイダー
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
2009年製作 100分
公開
北米:2009年6月19日
日本:未公開
製作費 $60,000,000
北米興行収入 $43,337,280
世界 $60,236,430
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ある部族のハンターであるゼド(ジャック・ブラック)は狩りもまともにできず、巨漢のマーラック(マシュー・ウィッリング)にバカにされる。
採集担当のオー(マイケル・セラ)に愚痴をこぼしたゼドは、意中のマヤ(ジューン・ダイアン・ラファエル)をものにしようとするが、彼女は部族一のハンターであるマーラックに魅力を感じることを伝える。
ゼドの妹イーマ(ジュノー・テンプル)に惹かれていたオーだったが、全く相手にされなかった。
うんざりしたゼドはオーと共に村を離れ、”知恵の樹”に向い、人生を変えるために禁断の木の実を食べてしまう。
異変を感じたように思えたゼドだったが、全く変化はなかった。 その夜、ゼドに促されてイーマをダンスに誘ったオーだったが、彼女を気絶させて強引にものにしようとして木で殴り嫌われる。 ゼドはマーラックにからかわれ、禁断の実を食べてしまったことを話してしまう。 霊と交信するシャーマン(ビル・ヘイダー)から、禁断の実を食べたことで呪われると言われたゼドは、部族全体の問題だと言われる。 責任を取らされ追放されることになったゼドは、同行する者がいなかったため、一人で旅立とうとする。 ところが、ゼドのたいまつが家に燃え移り、彼は焦って逃げ去りマーラックらがそれを追う。 転倒したゼドはマーラックに見つかるが、現れたオーがマーラックを殴り気絶させる。 村は焼けてしまったため戻ることもできず、ゼドは外の世界を知るチャンスだとい言って楽観的に考える。 クーガーに襲われた二人はその場から逃げ去り、やがて朝になり彼らは歩き続ける。 カイン(デヴィッド・クロス)とアベル(ポール・ラッド)の兄弟に出会ったゼドとオーは、二人が言い合いを始めたために驚く。 アベルをなぐり殺してしまったカインは、それが事故だとゼドとオーに認めさせ、二人を家の食事に誘う。 車輪で動く荷車を見て驚くゼドとオーは、それに乗せられてカインの家に向かう。 カインの父アダム(ハロルド・ライミス)は、アベルのことをカインらに尋ねるが、三人は白を切る。 リリス(イーデン・リーゲル)から息子達が言い争っていたと聞いていたアダムは、その件をカインに追及する。 しつこく言われたカインは苛立ち席を外し、悪い予感がすると言いながら、アダムはゼドにはリリスをオーには息子のセト(ガブリエル・サンダー)が相手をすると伝える。 翌朝、アベルの捜索が始まったっとアダムから聞いたカインは焦り、ゼドとオーを連れて逃亡する。 アベルの死体を見つけたアダムは、カインの仕業だと確信して彼を捕えようとする。 ゼドとオーと共に荷車で逃げるカインは稲妻に撃たれ、無事だった彼は神に守られていると考える。 川岸の奴隷市場でマーラック、マヤ、イーマを見かけて話をしたゼドとオーは、火事の後で他の部族に襲われて連れ去られ売られたことを知らされる。 マヤとイーマを救おうとしたゼドは、奴隷商人から金が必要だと言われるが、その意味が分からない。 カインが交渉をするものの裏切られ、ゼドとオーは奴隷として売られてしまう。 砂漠で戦士サルゴン(ヴィニー・ジョーンズ)らに襲われた奴隷商人は殺され、ゼドとオーはその場から逃れる。 サルゴンらを見張っていたゼドとオーは眠ってしまい、一行がいなくなったことに気づいた二人は、ソドムに向かうと言っていた彼らを追う。 父アブラハム(ハンク・アザリア)により生贄にされることに気づいたイサク(クリストファー・ミンツ=プラッセ)は、抵抗しようとする。 そこに現れたゼドとオーはそれを制止し、神の遣いだと言う彼らをアブラハムは持て成す。 堕落した街ソドムは焼き尽くされると言って、アブラハムはゼドとオーに街に行くことを禁ずる。 街に友人がいることなどをアブラハムに話したゼドとオーは、割礼されることになりその場から逃げ去る。 ソドムに到着したゼドとオーは、入り口で兵士に捕えられてしまい、イサクは彼らを助けずに逃げ去る。 サルゴンに痛めつけられそうになったゼドとオーだったが、そこに衛兵になっていたカインが現れ、兄弟だと言って二人を解放させる。 助けられたものの一度は裏切られたカインを疑うゼドとオーだったが、仕方なく彼を信じ勧められた衛兵になる。 日照り続きのため生贄を捧げてきた王(ザンダー・バークレー)だったが、雨は降らなかった。 王は、司祭長(オリヴァー・プラット)に羊の腸で占わせるものの全く当てにならない。 街に到着したイナンナ王女(オリヴィア・ワイルド)に惹かれてしまったゼドは、神殿の彼女に見とれてしまう。 生贄を捧げる儀式が始り、司祭長は処女を選び神に捧げ、それを見たゼドとオーは驚く。 近づいて来た女性に王女が呼んでいると言われ、神殿に案内されたゼドは、彼女がマヤだと気づき選ばれしものだと言われる。 宦官のザフティグ(カイル・ガス)に体を金色に塗られて像にさせられたオーは、マヤがいたことをゼドから知らされる。 その場にいたイーマはサルゴンに絡まれるが、ゼドが彼女を救いオーの所に行かせる。 サルゴンに見覚えがあると言われたゼドは、それをかわしてオーとイーマがいる場所に向かう。 現れたマヤはオーに気づき、王女が呼んでいることをゼドに伝える。 持ち場を離れたオーは司祭長に呼び止められ、香油を塗るよう命ぜられる。 嫌々それに従ったオーは、それをイーマに見られてしまう。 王女から、偉業を成し遂げる選ばれし者だと言われたゼドは、その気になる。 オーは、司祭長に神が宿る聖堂に連れて行かれる。 ゼドも聖堂に向い、中に入り飢饉を終わらせるよう神と対話し説得してほしいと王女に頼まれる。 友達を逃がすことを約束されたゼドは聖堂に入り、二人の様子をカインが目撃していた。 その場に司祭長の香油塗りから逃げて来たオーがいることに気づいたゼドは、友達を救う力を与えてほしいと言って神に祈りを捧げる。 更にゼドは少しの雨でもいいので降らせてほしいと頼むが、オーは神などいないと断言し、二人は言い合いになる。 王女がついているので信じろとゼドに説得されたオーは、イーマのために納得する。 聖堂から出たゼドとオーは、外で待ち構えていた王や司祭長に驚き、捕えられ拘束されてしまう。 二人は神殿に連れて行かれ王の前に差し出され、処刑されることになる。 カインにより罪が読み上げられ、石投げ刑により二人は死刑を宣告される。 石を投げる準備をさせたカインを制止したゼドは、なぜ自分達が聖堂で死ななかったのかを王に問う。 それを民衆に伝えたゼドは、その理由は自分が選ばれし者だったからだと叫ぶ。 民衆は選ばれし者を殺すなと言って訴え始める。 思案する王は、民衆がゼドとオーの味方になったため、処刑は好ましくないと宰相(デヴィッド・パスクエジ)に助言される。 王の裁定が下り、ゼドとオーは死を免れるものの、命が絶えるまで重労働を科せられることになる。 再び生贄の儀式が始り、王は侍女と共に特別な生贄として義娘イナンナを神に捧げることを民衆に伝える。 娘を殺される女王(ジア・カリデス)は意見するが、王はそれを退ける。 同じ労働を科せられていたマーラックの協力を得たゼドは抵抗を始め、選ばれし者の行動は神の啓示だと言ってオーが民衆を扇動する。 ゼドは剣と盾を持って戦い、街に忍び込んだアブラハムとイサクらも加勢する。 サルゴンは裏切り、王を殺すよう部下に命じて王冠を手にする。 司祭長に殺されそうになったマヤを、ゼドは助けようとする。 イーマを避難させたオーは、彼女に感謝されて愛し合う。 マーラックはカインを叩きのめし、サルゴンがゼドに襲いかかり、オーはイーマが処女でないことを訴える。 ゼドとオーは協力してサルゴンを倒し、司祭長からマヤを奪い返そうとする。 オーに香油を浴びせられた司祭長の衣服に火が燃え移り、彼は生贄の炎の中に落下する。 司祭長が犠牲になったことに感謝したゼドは、突然、降り出した雨に気づき民衆と共に喜ぶ。 しかし雨は止んでしまい、ゼドは自分を信じるかを民衆に問う。 ところが、ゼドは自分が選ばれし者ではなく、ただの男だと伝える。 支えてくれる者がいることに感謝したゼドは、自分は必要ないことを民衆に伝える。 運命を自分で決められる民衆こそが選ばれし者だと伝えたゼドは支持され、再び降り始めた雨に感謝する。 その後、ゼドは女王になったイナンナに別れを告げ、オーはイーマに言い寄るイサクに警告する。 エジプトに向かうゼドはマヤを旅に誘い、オーを励まして村に戻り再建するよう伝える。 二人は固く抱き合い別れを告げて、それぞれの目的地に向い旅立つ。
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*(簡略ストー リー)
ある部族のハンターであるゼドは、まともな狩りもできずバカにされ、オーと共に村を離れ”知恵の樹”の禁断の実を食べてしまう。
それが災いをもたらすと言われたゼドは追放されることになるが、たいまつで火事を起こしてしまい逃げ去る。
オーと共に逃亡することになったゼドは、カインとアベルの兄弟に出会う。
喧嘩の末にアベルを殺してしまったカインと共に、彼の父アブラハムから逃れたゼドとオーは、奴隷になっていた同じ部族民のマヤとゼドの妹イーマ、そしてハンターのマーラックに出くわす。
カインに裏切られたゼドとオーも奴隷となり、一行は戦士サルゴンに襲われる。
ゼドとオーは何とかそれを逃れ、ソドムの街に連れて行かれたマヤとイーマを救うためにその場に向かうのだが・・・。
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2014年に惜しまれながら亡くなったハロルド・ライミスの遺作で、製作、原案、脚本、監督、出演を兼ねた彼の意欲作でもある。
旧約聖書のパロディとして、こんなに下品極まりない作品を作ってもいいのかと思うほど過激な内容ではあるが、純粋なコメディということで徹底していることを考慮し、やはり、映画界に貢献したハロルド・ライミスに敬意を表し鑑賞すべき作品とも言える。
製作費に6000万ドルかけてあり、セットや衣装などもまずまずまずといったところだろうか。
ナンセンスギャグもここまでやれば感心してしまえる、悪く言えば馬鹿げた内容なのだが、主人公を演ずるジャック・ブラックの、個性を生かした彼らしいことこの上ない怪演は見ものだ。
主人公と冒険を共にする青年を演ずる、とぼけた役柄が実に楽しいマイケル・セラ、司祭長を気味悪く演ずるオリヴァー・プラット、裏切ってばかりいるカインのデヴィッド・クロス、アベルのポール・ラッド、二人の父アダムのハロルド・ライミス、アブラハムのハンク・アザリア、その息子イサクのクリストファー・ミンツ=プラッセ、衛兵隊長サルゴンのヴィニー・ジョーンズ、主人公の妹ジュノー・テンプル、巨漢のハンター、マシュー・ウィッリング、王女イナンナのオリヴィア・ワイルド、主人公が心惹かれるジューン・ダイアン・ラファエル、王ザンダー・バークレー、女王ジア・カリデス、宰相デヴィッド・パスクエジ、アダムの最初の妻と言われているリリスのイーデン・リーゲル、アダムの息子セトのガブリエル・サンダー、宦官のカイル・ガス、シャーマンのビル・ヘイダーなどが共演している。