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ウルヴァリン: X-MEN ZERO X-Men Origins: Wolverine (2009)

1963年”マーベル・コミック”に初登場した、スタン・リージャック・カービー原作による”X-メン”の映画化シリーズのスピンオフ作品。
ローガン/ウルヴァリンの原点を描く、主演ヒュー・ジャックマンリーヴ・シュレイバーダニー・ヒューストンリン・コリンズライアン・レイノルズパトリック・スチュワート、監督ギャヴィン・フッドによるアクション大作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


・アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト ■
監督:ギャヴィン・フッド

製作総指揮
リチャード・ドナー

スタン・リー
製作
ヒュー・ジャックマン

ローレン・シュラー・ドナー
ラルフ・ウィンター
脚本
デヴィッド・ベニオフ

スキップ・ウッズ
撮影:ドナルド・マカルパイン
編集
ニコラス・デ・トス

メーガン・ギル
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ

出演
ジェームズ・ハウレット/ローガン/ウルヴァリン:ヒュー・ジャックマン

ビクター・クリード/セイバートゥース:リーヴ・シュレイバー
ウィリアム・ストライカー:ダニー・ヒューストン
ケイラ・シルバーフォックス:リン・コリンズ
レミー・ルボー/ガンビット:テイラー・キッチュ
ジョン・ライス:ウィル・アイ・アム
フレッド・デュークス/ブロブ:ケヴィン・デュランド
ウェイド・ウィルソン/デッドプール:ライアン・レイノルズ
ウェポンXI:スコット・アドキンス
エージェント・ゼロ:ダニエル・ヘニー
クリス・ブラッドリー:ドミニク・モナハン
スコット・サマーズ/サイクロプス:ティム・ポーコック
エマ・フロスト:ターニャ・トッツィー
ジョン・ハウレット:ピーター・オブライエン
トーマス・ローガン:アーロン・ジェフリー
ヘザー・ハドソン:ジュリア・ブレイク
トラヴィス・ハドソン:マックス・カレン
ジェームズ・ハウレット(若年期):トロイ・シヴァン
ビクター・クリード(若年期):マイケル=ジェームス・オルセン
マンソン将軍:スティーブン・リーダー
チャールズ・エグゼビア:パトリック・スチュワート

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX

2009年製作 107分
公開
北米:2009年5月1日
日本:2009年9月11日
製作費 $150,000,000
北米興行収入 $179,883,160
世界 $373,062,860


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1845年、カナダノースウエスト準州
ジェームズ・ハウレット(トロイ・シヴァン)は、父親をトーマス・ローガン(アーロン・ジェフリー)に殺される。

精神的ショックを受けたジェームズは興奮状態となり、身体の突然変異を起こし、骨爪が手から生えはじめ、ローガンを刺し殺してしまう。

ローガンは死に際に、自分がジェームズの父親だということを伝え、ビクター・クリード(マイケル=ジェームス・オルセン)と兄弟だったことを知らされる。

二人はその場を逃亡し、不死身の身体能力を生かし、南北戦争第一次第二次大戦、そしてベトナム戦争を戦い抜く。

戦いを続けるジェームズ(ヒュー・ジャックマン)とビクター(リーヴ・シュレイバー)だったが、次第に凶暴性を増すビクターは、ベトナムのある村で強姦未遂を起こし、更に上官を殺してしまう。
...全てを見る(結末あり)

ジェームズは兄ビクターをかばったため、二人は銃殺刑になるものの、生き返ってしまい投獄される。

そんな二人に、彼らの正体を知るウィリアム・ストライカー少佐(ダニー・ヒューストン)が接触し、特殊任務部隊である”チームX”に引き入れる。

スナイパーのエージェント・ゼロ(ダニエル・ヘニー)、傭兵のウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)、テレポーターのジョン・ライス(ウィル・アイ・アム)、その巨体で無敵を誇るフレッド・デュークス(ケヴィン・デュランド)、動電能力を持つクリス・ブラッドリー(ドミニク・ モナハン)、そして、不死身の兄弟ジェームズとビクターの”チームX”は、ストライカーに率いられアフリカに向かう。

ナイジェリアラゴス
ダイヤの密売組織を”チームX”に襲わせたストライカーは、人間の命より価値のあるという、ある物質を探そうとする。

その物質を手に入れるために、非人道的な行動をとろうとする仲間達に怒りを感じたジェームズは、チームから手を引きその場を立ち去る。

6年後、カナダ
ローガン(ジェームズ)は、恋人ケイラ・シルバーフォックス(リン・コリンズ)と山奥で静かな生活を送っていた。

オハイオ州、スプリングフィールド
その頃、カーニバルで、見世物をしていたブラッドリーをビクターが殺害する。

その後、製材工場で働いているローガンの元に、大佐となったストライカーとゼロが姿を現す。

ストライカーは、何者かが”チームX”のメンバーを抹殺し、ビクターだけが生き残っていることをローガンに伝える。

ある日ローガンは、ビクターが付近にいる気配と、ケイラの危険を察知する。

そして、ケイラが殺害されているのを知ったローガンは激怒し、ビクターを捜そうとする。

酒場にいたビクターを見つけたローガンは、彼に戦いを挑む。

しかし、ビクターは圧倒的なパワーで、ローガンを容赦なく叩きのめしてしまう。

意識の戻ったローガンは、現れたストライカーに怒りをぶつけるのだが、彼は、ビクターを倒すための武器を与えることをローガンに約束する。

ローガンはビクターに対抗するために、アフリカで入手した物質(隕石)で作った金属、”アダマンチウム”で骨格を形成する手術を受ける。

危険を伴う手術を受けることに合意したローガンは、自分を”ウルヴァリン”と名乗り、それを認識票に刻ませる。

それは、ケイラが話していた伝説からとったものだった。

研究の責任者、マンソン将軍(スティーブン・リーダー)の前でローガンの手術は行われ、それが成功したかに見えたが、彼の心拍は停止してしまう。

しかし、蘇ったローガンは、ストライカーが彼の記憶を消そうとするのを知り、その場から逃亡してしまう。

あらゆるものを破壊する、金属の骨爪を使い施設から脱出したローガンは、絶壁の滝の上の研究所から滝つぼに落下する。

老夫婦トラヴィス・ハドソン(マックス・カレン)とヘザー(ジュリア・ブレイク)の家の納屋に逃げ込んだローガンは、二人に手厚くもてなされる。

しかし、ストライカーが派遣したゼロがハドソン夫妻を狙撃し、さらにローガンを攻撃する。

納屋のバイクで逃走したローガンは、襲い掛かる軍用車を撃破し、ゼロの乗ったヘリコプターに飛び乗り墜落させる。

無線を受けたローガンはストライカーに対し、ビクターを始末した後に彼を殺すと脅しをかけ、息のあったゼロを爆死させる。

ストライカーは、”アダマンチウム”の弾丸でしかローガンを殺せないことを知らされ、新たにミュータントの少年スコット・サマーズ(ティム・ポーコック)が現れたとの報告を受ける。

ローガンは、ラスベガスにいる”チームX”のライスの元に向かい、さらに巨体になったデュークスを脅迫し、ストライカーとビクターが共謀していることを知る。

その頃、ビクターとストライカーは、サマーズを捕らえ新たな研究施設の”島”に連れて行く。

ローガンもデュークスから、ビクターらが新たなミュータントを見つけ、人体実験をしていることも知らされる。

そしてレミー・ルボー/ガンビット(テイラー・キッチュ)が、”島”の場所を知っていることを聞き出し、ローガンとライスは彼を捜しにニューオリンズに向かう。

ガンビットを見つけたローガンとライスは、”島”の場所を聞き出そうとする。

しかし、ガンビットはローガンが自分を捕らえるために現れたものと思い込み彼を攻撃する。

その場に現れたビクターはライスを殺し、血液サンプルを採取する。

ガンビットの攻撃で、建物から吹き飛ばされたローガンは、ライスを殺したビクターを見つける。

そしてローガンは、その強化されたパワーで、ビクターを叩きのめす。

しかし、ガンビットが二人の戦いに割って入り、ビクターは逃亡してしまう。

その後、ガンビットはローガンのパワーを知り、彼の意図を理解して”スリーマイル島”のストライカーの研究施設に彼を案内する。

その頃、マンソン将軍が、異質なミュータントの能力を合体させた新たな殺人兵士”ウェポンXI”の開発実験に意義を唱えたため、ストライカーは将軍を殺害してしまう。

研究施設に侵入したローガンは、”ウェポンXI”を完成させるために自分を誘き出したことを、待ち構えていたストライカーから知らされる。

そこで、ローガンはケイラが生きていたことを知り、捕らえらえられている彼女の妹エマ(ターニャ・トッツィー)の解放を条件に彼を騙していたのだった。

さらにローガンは、ケイラが触覚催眠術を使うミュータントだという事実も知らされる。

ケイラのローガンへの愛は真実だったものの、裏切られた彼はショックを受け、その場を立ち去る。

その後、妹エマの解放をケイラはストライカーに拒絶されてしまい、ローガンとの戦いの場を失ったビクターは怒る。

ビクターは、自分にも”アダマンチウム”の手術をするようストライカーに迫る。

ビクターが、それに耐えられないとストライカーは手術を拒み、ケイラは彼が自分達を裏切ったと言い張る。

怒り狂ったビクターはケイラを殺そうとするが、彼女の悲鳴を聞いたローガンはその場に舞い戻る。

ローガンは、ビクターを叩きのめし殺そうとするが、ケイラにそれを制止され、彼女から愛は本物だったことを伝えられる。

そして、ローガンとケイラは、彼女の妹や他のミュータントを救い出そうとする。

ストライカーは、”ウェポンXI”(スコット・アドキンス)を早急に起動させ、ローガンと戦わせようとする。

ローガンは現れたウェポンXIを前に、ケイラや救出したミュータント達を逃がし、彼に戦いを挑む。

ミュータントらは互いの能力を発揮し、施設の通路を通り抜け脱出しようとするが、ケイラは致命的な傷を負いその場に留まることを決める。

ローガンは、原子炉の冷却塔の上にウェポンXIを誘い出し、二人は死闘を繰り広げる。

原子炉に落ちそうになったローガンだったが、そこにビクターが現れ彼を救う。

激しい戦いとなった三人だったが、ローガンがウェポンXIの首を切り落とし原子炉に落下させる。

崩れ落ちようとする冷却塔で、ローガンとビクターは兄弟であることを確認して別れ、地上に飛び降りる。

ローガンは、冷却塔の外壁に潰されそうになるがガンビットに救われ、彼にミュータント達を託す。

瀕死のケイラを見つけたローガンは、彼女を安全な場所に運ぶが、ストライカーが彼の記憶を消すためアダマンチウムの弾丸でローガンの頭を撃ち抜く。

ストライカーはケイラも殺そうとするが、彼女の催眠術で、銃を捨てひたすら歩き続けるよう暗示をかけられる。

そして、その場から逃げ延びたミュータント達は、待ち構えていた同じミュータントのチャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)に迎えられる。

ローガンは意識が戻るが、近寄ってきたガンビット、そして息絶えたケイラを思い出せない。

そして、ガンビットの誘いを拒絶したローガンは、ケイラの遺体を残してその場を立ち去る。

ケイラの指示通り、ストライカーはひたすら街道を歩き続けていたが、軍隊に見つかり、マンソン将軍殺害の件で尋問される。

スリーマイル島の原子炉冷却塔崩壊現場では、ウェポンXIが生き延びていた。


解説 評価 感想 ■

参考:
・「X-メン」(2000)
・「X-MEN2」(2003)
・「X-MEN:ファイナル ディシジョン」(2006)
・「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」(2011)
・「X-MEN: フューチャー&パスト」(2014)
・「X-MEN: アポカリプス」(2016)
____________

・「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」(2009)
・「ウルヴァリン: SAMURAI」(2013)
・「デッドプール」(2016)
・「ローガン」(2017)

*(簡略ストー リー)
怒りを驚異的なパワーに変え、また不死身の命を授かった兄弟ビクターとジェームズは、歴史的な戦いの場に姿を現していた。
二人の前に現れたストライカー少佐は、彼らを特殊任務部隊の”チームX”に引き入れる。
チームはストライカーに率いられ、地球外のある物質を探そうとするが、その非人道的な行為に賛同できないジェームズは、チームを去る。
数年後、カナダの山中で恋人ケイラと平穏な暮らしをしていたローガン(ジェームズ)の前にストライカーが現れる。
そしてローガンは、兄ビクターがチームのメンバーを殺害しているということをストライカーから知らされるのだが・・・。
__________

近未来のSF映画的なシリーズ3作に比べても、物語は単純明快で非常に分かり易く、スピード感ある展開や迫力ある映像は見応え十分。

北米で約1億8000万ドル、全世界では約3億7300万ドルのヒットになったものの、右肩上がりだった興行収入は、シリーズ3作目に比べ大幅に減ってしまった。
(X3より約9000万ドル減/全世界)

原作知識が全くない自分は、スピンオフ作品ではあるものの実に興味深く、娯楽作として楽しめたが、原作ファンには逆に物足りない内容らしく、批評家の受けも良くない作品でもある。

個人的には、冒頭のオープニングロールと重なる、南北戦争からベトナム戦争までを主人公が戦い抜くシーンだけでも満足できる。

とにかく”理屈のいらない”痛快作で、戦争シーンだけでなく、往年の西部劇を見ているような、素朴でどこか古風な感じが漂うところがいい。

190cm近いヒュー・ジャックマンの、鍛え上げた逞しい肉体と強靭な精神力、さらに人間味を感じさせる、その絶妙なバランスが、主人公そして彼自身の最大の魅力だ。

知的な学者役あたりが似合うリーヴ・シュレイバーが、恐ろしい野獣のような変貌を見せるキャラクターも見もので、戦いの勇者の潔さを感じさせる、クライマックスの彼の姿はなんとなくホッとしたりもする。

軍の巨大極秘プロジェクトを、実質的に指揮する、巨匠ジョン・ ヒューストンの実の息子ダニー・ヒューストン、主人公の心の安らぎとして一緒に暮らしているものの、実は已む無く彼を利用していたリン・コリンズ、個性あるミュータント達、テイラー・キッチュウィル・アイ・アムケヴィン・デュランドライアン・レイノルズダニエル・ヘニードミニク・モナハンスコット・アドキンス、そして、脱出したミュータントを迎えるパトリック・スチュワートの登場も嬉しい。

劇場で、エンドロールが始まり席を立ってしまった方は、大いに後悔したことだろう・・・。


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