1963年にマーベル・コミックに初登場した、スタン・リーとジャック・カービーの”X-メン”の映画化作品「X-メン」(2000)の続編であるシリーズ第2作。 ウルヴァリンの失った記憶の鍵を握る科学者によるミュータント絶滅計画を阻止しようとするX-MEN達の戦いを描く、製作、監督、脚本ブライアン・シンガー、パトリック・スチュワート、 ヒュー・ジャックマン、ジェームズ・マースデン、ファムケ・ヤンセン、ハル・ベリー、アンナ・パキン、イアン・マッケラン、ブライアン・コックス共演のSFアクション大作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ブライアン・シンガー
製作総指揮
アヴィ・アラッド
トム・デサント
スタン・リー
ケヴィン・フェイグ
ブライアン・シンガー
製作
ローレン・シュラー・ドナー
ラルフ・ウィンター
原作:スタン・リー
原案
デヴィッド・ヘイター
ザック・ペン
脚本
マイケル・ドハティ
ダン・ハリス
ブライアン・シンガー
撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル
編集
ジョン・オットマン
エリオット・グレアム
音楽:ジョン・オットマン
出演
チャールズ・エグゼビア/プロフェッサー:パトリック・スチュワート
ローガン/ウルヴァリン:ヒュー・ジャックマン
エリック・マグナス・レーンシャー/マグニートー:イアン・マッケラン
オロロ・マンロー/ストーム:ハル・ベリー
スコット・サマーズ/サイクロップス:ジェームズ・マースデン
ジーン・グレイ:ファムケ・ヤンセン
マリー・ダンキャント/ローグ:アンナ・パキン
レイヴン・ダークホルム/ミスティーク:レベッカ・ローミン
ボビー・ドレイク/アイスマン:ショーン・アシュモア
ジョン・アラダイス/パイロ:アーロン・スタンフォード
カート・ワグナー/ナイトクローラー:アラン・カミング
ウィリアム・ストライカー:ブライアン・コックス
ロバート・ケリー上院議員:ブルース・デイヴィソン
ユリコ・オヤマ/レディ・デスストライク:ケリー・ヒュー
セイバートゥース:タイラー・メイン
マッケナ大統領:コッター・スミス
ジェイソン・ストライカー:マイケル・リード・マッケイ
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2003年製作 134分
公開
北米:2003年5月2日
日本:2003年5月3日
製作費 $110,000,000
北米興行収入 $214,948,800
世界 $407,711,550
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ホワイトハウス。
室内の観光客に紛れ、瞬間移動能力を持つミュータントのナイトクローラー(アラン・カミング)が、マッケナ大統領(コッター・スミス)の命を奪おうとする。
シークレットサービスの抵抗により、それは失敗に終わるが、”ミュータントに自由を”というメッセージが残される。
アルカリ湖の施設に着いたローガン/ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)は、何も見つけられずにXマンションに戻るためにその場を離れる。
子供達を連れて、課外授業をしていたオロロ・マンロー/ストーム(ハル・ベリー)、スコット・サマーズ/サイクロップス(ジェームズ・マースデン)、その恋人ジーン・グレイ(ファムケ・ヤンセン)、マリー・ダンキャント/ローグ(アンナ・パキン)、ボビー・ドレイク/アイスマン(ショーン・アシュモア)らは、大統領が襲われたことを知る。
彼女らは、現れたチャールズ・エグゼビア/プロフェッサー(パトリック・スチュワート)と共に、スクール(Xマンション)に戻る。 ただならぬ予感を感じたジーンは、それをサイクロップスに伝えていたが、エグゼビアは、非常事態宣言と共に、大統領が国中のミュータントを拘束するかもしれないことを懸念する。 エグゼビアは、超能力を増幅する”セレブロ”でも見つけられない犯人を、政府より先に捕らえるようストーンとジーンに指示を出す。 ホワイトハウス。 ストライカーは、学校と言われている、Xマンションに対する処置についての大統領からの許可を得る。 ケリーは、過激な行動に出ようとするストライカーを牽制するものの、彼の意見は聞き入れられない。 ウルヴァリンはXマンションに戻り、ローグや、ミュータント捜索に出発するストームとジーン、そしてサイクロップスと言葉を交わす。 ストライカーは、プラスティックの牢獄に拘束されているエリック・マグナス・レーンシャー/マグニートー(イアン・マッケラン)の首に液体を投与して尋問し、Xマンションやセレブロについてを聞き出そうとする。 エグゼビアは、セレブロに現れたウルヴァリンに、かつての”友人”に会いに行くことを伝える。 ケリーやストライカーのアシスタント、ユリコ・オヤマ(ケリー・ヒュー)に姿を変た、マグニートーの部下であるレイヴン・ダークホルム/ミスティーク(レベッカ・ローミン)は、所在が分からないストライカーの研究施設を突き止めようとする。 ボストン。 ジーンは、ナイトクローラーの首にある傷に注目して、それを気にする。 スコットを伴いマグニートーの元に向かったエグゼビアは、大統領襲撃事件について質問する。 マグニートーの顔の傷に驚いたエグゼビアは、それがストライカーによるもので、全てが知られたこという話を聞かされる。 二人はその場で眠らされてしまい、サイクロップスは、ミュータントのレディ・デスストライクだったユリコに叩きのめされる。 その頃、ストライカーの指示でXマンションは襲撃され、眠れずにアイスマンと話していたウルヴァリンが、それに気づき抵抗する。 ウルヴァリンは、子供達やローグ、アイスマン、ジョン・アラダイス/パイロ(アーロン・スタンフォード)を逃がして敵に立ち向かうが、そこにストライカーが現れる。 ストライカーは再会できたことを伝えるが、記憶を失っているウルヴァリンは彼を思い出せない。 そこにウルヴァリンを助けるためにローグらが戻り、彼と共にその場を脱出する。 ウルヴァリンはローグらと共に、ストームとジーンがいるボストンに向かう。 Xマンションを制圧したストライカーは、セレブロを確認して装置を奪う。 ストライカーはエグゼビアを拘束し、かつての彼の教え子である息子ジェイソン(マイケル・リード・マッケイ)を使い、彼をコントロールしようとする。 マグニートーは、ミスティークの手助けで、プラスチックの拘束室を逃れて脱出する。 ボストンのアイスマンの自宅に着いたウルヴァリンらは、家族に、ミュータントだったアイスマンの能力を知らせる。 しかし、反ミュータント運動が広がる中で家族は動揺し、アイスマンの弟が緊急事態を通報してしまう。 Xマンションに戻ろうとしていたストームとジーンは、無線機を使用していたウルヴァリンと交信し、襲撃のことを知らされてボストンに戻る。 しかし、警官がアイスマンの家を包囲し、ウルヴァリンは抵抗しようとして額に銃弾を受けてしまう。 パイロは炎を操り警官を攻撃するが、ローグがそれを制止する。 ウルヴァリンは回復し、そこにストームらのX-ジェットが現れ、彼らはその場から退避する。 空軍戦闘機二機に追撃されたX-ジェットは、ストームのパワーで一機をかわすが、ミサイル攻撃で機体に損傷を受ける。 ローグが機外に放り出されるが、ナイトクローラーが彼女を助けて機内に連れ戻す。 機体は制御を失うものの、破壊された箇所が修復され、墜落する寸前で、地上のマグニートーがそれを停止させる。 マグニートーは、ストライカーに捕えられたエグゼビアのことや、制御された場合のセレブロの脅威をウルヴァリンらに語る。 ミュータントの問題を解決しようと考えている、科学者のストライカーは、隕石で作った金属”アダマンチウム”を操れるのだが、それで骨格を形成されたウルヴァリンは、そのことも思い出せない。 ミスティークは、ストライカーの施設の情報を入手していたが、その場所が分からなかった。 しかし、ナイトクローラーの記憶で、それがアウカリ湖にあることが分かる。 ウルヴァリンは何も発見できなかったのだが、施設はダムの地下に隠されていたのだった。 ジーンに思いを寄せるウルヴァリンは、彼女の気持ちを確かめようとするが、ジーンは、サイクロップスを愛していることを伝える。 その頃、セレブロ完成間近のストライカーは、Xマンションで捕えた子供達をそのテストに使おうとする。 X-ジェットはアルカリ湖に到着し、ウルヴァリンが、施設内部に向かい捕えられる。 しかし、それは姿を変えたミスティークで、彼女は制御室に侵入する。 一方エグゼビアは、ジェイソンに思考をコントロールされていた。 ウルヴァリンらも制御室に入り、セレブロの場所確認して、ストームとナイトクローラーは子供達を助けようとする。 ストライカーは、完成したセレブロに向かいジェイソンに語り掛け、エグゼビアに、世界中のミュータントをコントロールさせるための指示をだす。 マグニートー、ミスティークと行動を共にしていたジーンは、攻撃してくるサイクロップスが、ストライカーに操られていることを知る。 二人は相対して攻撃し合い、その衝撃でダムはダメージを受けるが、サイクロップスは正気に戻る。 ストライカーは、ダムの決壊を予測してその場から退避することを考える。 単独行動をしていたウルヴァリンは、アダマンチウムの手術を受けた場所を見つけ、その際の記憶が甦る。 そこにストライカーが現れ、ウルヴァリンは、同じ手術を受けていたユリコと一揆打ちとなる。 二人は激しい戦いとなり、ウルヴァリンはダメージを受けながら、ユリコの体内にアダマンチウムを注入して倒す。 マグニートーはセレブロに到着するものの、エグゼビアがコントロール領域に達して、世界中のミュータントがもがき苦しむ。 セレブロを制御したマグニートーは、ストライカーに扮したミスティークに指示をだし、ジェイソンに、計画の変更があったことを伝えて、人間を攻撃させようとする。 正常に戻ったウルヴァリンは、その場から逃れようとしていたストライカーを捕えて、自分の過去を知ろうとする。 その時、ダムの決壊を知らせる警報が鳴り響き、仲間達を救うためにウルヴァリンは施設に戻る。 セレブロを見つけたストームらは、ミュータント以外の者を抹殺する指示を、マグニートーがエグゼビアに出したことに気づく。 ストームは、ナイトクローラーと共にセレブロ内部に移動するが、ジェイソンのイメージの少女しか見当たらない。 パワーを使いそれを少女を消し去ったストームだったが、施設は崩れ始め、ナイトクローラーが、彼女とエグゼビアを移動させる。 エグゼビアらは水路から脱出しようとするが、現れたウルヴァリンがそれを制止して別の出口に向かう。 ウルヴァリンらは、ヘリコプターがあった場所に向かうが、それはマグニートーに奪われていた。 そこに、ローグが操縦したX-ジェットが現れ、ストームらは機内に入る。 ウルヴァリンは、拘束されていたストライカーを見つけて、彼の足もとに認識票を投げ捨ててその場を去る。 機内で待機しているはずのパイロは、マグニートーと行動を共にした。 X-ジェットは飛び立つことができず、ジーンが機外に出て、決壊したダムの水を防ぎながら機体を飛び立たせる。 ジーンは、エグゼビアを介してサイクロップスに別れを告げて命を落とす。 ホワイトハウス。 その時、電波障害と共にエグゼビアらが現れ、大統領にストライカーの資料を渡す。 エグゼビアらは、戦争による破壊を回避して平和を維持するために、人間とミュータントの共存を提案して、その場から姿を消す。 無事にXマンションに戻ったエグゼビアは、ウルヴァリンとサイクロップスとで、ジーンのとった行動を話し合う。 三人の話し合いは、次のクラスの生徒達が現れたために中断される。 部屋を出たウルヴァリンは、ジーンがサイクロップスを選んだと伝え、彼の悲しみを和らげようとする。 エグゼビアは、背後の窓の外に何かを感じるが、子供達に声をかけられて授業を始める。
...全てを見る(結末あり)
大統領は、科学者ウィリアム・ストライカー大佐(ブライアン・コックス)と、かつては、ミュータント登録法案の推進派だったロバート・ケリー上院議員(ブルース・デイヴィソン)を呼ぶ。
教会に潜んでいたナイトクローラー/カート・ワグナーを捕えたストームとジーンは、悪気はなかったと言う、何も覚えていない怯える彼をエグゼビアの元に連れて行こうとする。
一旦は危機的な状態に陥った人間は通常の生活に戻り、マッケナ大統領は国民に向けて声明を発表する。
参考:
・「X-メン」(2000)
・「X-MEN2」(2003)
・「X-MEN:ファイナル ディシジョン」(2006)
・「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」(2011)
・「X-MEN: フューチャー&パスト」(2014)
・「X-MEN: アポカリプス」(2016)
____________
・「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」(2009)
・「ウルヴァリン: SAMURAI」(2013)
・「デッドプール」(2016)
・「ローガン」(2017)
*(簡略ストー リー)
ミュータントのナイトクローラーは、アメリカ大統領の命を狙うが失敗する。
Xマンションでは、チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーが、犯人のミュータントを政府よりも先に捕えようとして、ストームとジーンを派遣する。
失った記憶を求め,アルカリ湖の施設を調べたローガン/ウルヴァリンは、何も見つけられずにXマンションに戻る。
その頃、大統領襲撃事件を調べ始めた科学者ストライカー大佐は、Xマンションの徹底調査の許可を得る。
ナイトクローラーを捕えたストームとジーンは、彼が、何者かに操られて襲撃事件を起こしたことを知る。
ストライカーは、プラスティックの牢獄に拘束されているマグニートーに会い、彼を尋問して、エグゼビアが操作する、超能力を増幅する”セレブロ”についてなどを聞き出す。
マグニートーに面会したエグゼビアもそれを知った頃、Xマンションはストライカーの襲撃を受け、一部の子供達とセレブロの装置などが奪われてしまう。
抵抗したウルヴァリンだったが、彼は、自分の過去と深く関わるストライカーと対面しても、何も思い出せなかった・・・。
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好評を受けてシリーズ化された第2作ということで大いに期待が高まった本作は、脚本も担当したブライアン・シンガーのシャープな演出と共に、登場人物それぞれのドラマをきっちりと描きながら、全体的に調和のとれた見事な作品に仕上がっている。
ミュータントと人間の、平和的な共存をかけた激しい戦に、今回は新たな敵ストライカー大佐が加わり、彼が、ドラマのキーマンであるウルヴァリンの、失った記憶に関係する展開が実に興味深い。
また、もう一人のキーパーソンとして活躍するジーン・グレイは、仲間を助けるために犠牲となり命を落とすのだが、ラストでその復活を思わせる描写もある。
興行収入は前作を上回り、北米で約2億1500万ドル、全世界では4億ドルを超す大ヒットとなった。
無骨であり野性味溢れるパワフルなヒュー・ジャックマンとは対照的な、ファースト・クレジットのパトリック・スチュワートは、セリフを語らずも、表情だけで圧倒的な存在感を見せてくれる、実に見栄えのするいい役者だ。
強大なパワーを見せつけるものの、今回は終盤までX-MENと手を組む、貫禄と余裕の演技も際立つイアン・マッケラン、それぞれの個性を生かすX-MENメンバー、ハル・ベリー、ジェームズ・マースデン、ファムケ・ヤンセン、アンナ・パキン、ショーン・アシュモア、アーロン・スタンフォード、途中から加わるアラン・カミング、事件の黒幕ブライアン・コックス、その息子役のマイケル・リード・マッケイ、マグニートー(I・マッケラン)の部下レベッカ・ローミン、上院議員ブルース・デイヴィソン、ストライカー(B・コックス)のアシスタント、ケリー・ヒュー、大統領役のコッター・スミスなどが共演している。