アメリカ西部開拓時代の伝説的人物であるワイアット・アープの生涯を描く、製作、監督、脚本ローレンス・カスダン、主演ケビン・コスナー、デニス・クエイド、ジーン・ハックマン、イザベラ・ロッセリーニ他共演の西部劇大作。 |
・西部劇
■ スタッフ キャスト ■
監督:ローレンス・カスダン
製作総指揮
ダン・ゴードン
マイケル・グリロ
チャールズ・オークン
ジョン・スラン
製作
ケビン・コスナー
ジム・ウィルソン
ローレンス・カスダン
脚本
ローレンス・カスダン
ダン・ゴードン
撮影:オーウェン・ロイズマン
編集:キャロル・リトルトン
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演
ワイアット・アープ:ケビン・コスナー
ドク・ホリデイ:デニス・クエイド
ニコラス・ポーター・アープ:ジーン・ハックマン
メアリー・キャサリン”ケイト”ホーニー・カミングス:イザベラ・ロッセリーニ
ヴァージル・アープ:マイケル・マドセン
ジェームズ・アープ:デヴィッド・アンドリュース
モーガン・アープ:リンデン・アシュビー
バット・マスターソン:トム・サイズモア
エド・マスターソン:ビル・プルマン
ジョニー・ビーハン:マーク・ハーモン
アイク・クラントン:ジェフ・フェイヒー
トム・マクローリー:アダム・ボールドウィン
ウリラ・サザーランド:アナベス・ギッシュ
マッティ・ブレイロック:メア・ウィニンガム
ジョセフィン・サラ・マーカス・アープ:ジョアンナ・ゴーイング
アリー・アープ:キャサリン・オハラ
ベッシー・アープ:ジョベス・ウィリアムズ
ルー・アープ:アリソン・エリオット
ヴァージニア・アープ:ベティ・バックリー
ウォーレン・アープ:ジェームズ・カヴィーゼル
ジョン・クラム:ランドル・メル
フランク・マクローリー:レックス・リン
カーリー・ビル・ブロシャス:ルイス・スミス
ビリー・クレイボーン:クリス・カム
シャーム・マクマスターズ:トッド・アレン
ボートの若い男:マッケンジー・アスティン
サザーランド夫人:カレン・グラッスル
フランク・スティルウェル:ジョン・デニス・ジョンストン
サリー:ティア・レオーニ
エド・ロス:マーティン・コーヴ
ボブ・ハッチ:ジャック・ケーラー
ワイアット・アープ(少年期)イアン・ボーエン
サザーランド:ジェームズ・ギャモン
ギャンブラー:ローレンス・カスダン
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1994年製作 190分
公開
北米:1994年6月24日
日本:1994年7月2日
製作費 $63,000,000
北米興行収入 $25,052,000
■ アカデミー賞 ■
第67回アカデミー賞
・ノミネート
撮影賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1881年、10月26日、トゥームストーン。
保安官ワイアット・アープ(ケビン・コスナー)は、対立するクラントンとマクローリー両兄弟らが待つ”OK牧場”に、兄ヴァージル(マイケル・マドセン)と弟モーガン(リンデン・アシュビー)と共に向かう。
__________
父ニコラス・ポーター・アープ(ジーン・ハックマン)の農場を手伝う少年ワイアット(イアン・ボーエン)は、兄達が戦っている戦場に向かおうとする。
ニコラスに見つかり引き止められたワイアットは、畑の世話をするという自分の役目を果たすよう言われる。
その後、兄のヴァージル(マイケル・マドセン)と負傷したジェームズ(デヴィッド・アンドリュース)が家に戻る。 ニコラスは家族を前に、カリフォルニアに向かい法律事務所を始めるという夢を語る。 家族は西に向かい、ある町で争う男達が撃ち合いの末に死ぬ姿を見たワイアットはショックを受ける。 そんなワイアットに、法を破る者に戦いを挑まれた場合は、手加減することなく、先に攻撃するようニコラスは伝える。 7年後、ワイオミング準州。 酒場の女サリー(ティア・レオーニ)がそれを止めようとするのだが、エドは納得しない。 ワイアットはそれを拒むが、エドが承知しないために、彼を先制攻撃で叩きのめす。 エドの銃を戦利品として奪ったワイアットは、サリーと共にその場を去り、銃の感触を確かめる。 ミズーリ州。 しかし、幸せな日々は長く続かず、ウリラは腸チフスに罹り、それを知った彼女の両親(ジェームズ・ギャモン/カレン・グラッスル)は悲しむ。 家は隔離され、ワイアットは献身的に看病するものの、ウリラは息を引き取る。 失意のはワイアットは、家を焼き払い旅立つ。 9カ月後、アーカンソー州。 抜け殻となったワイアットのいる留置場に現れたニコラスは、保釈金を払い息子を連れ出す。 死刑を覚悟するようワイアットに伝えたニコラスは、逃げるよう指示する。 バッファロー・ハンターとなったワイアットは、皮剥ぎ職人として、エド・マスターソン(ビル・プルマン)とバット(トム・サイズモア)の兄弟を雇う。 その後ワイアットは、ハンターを止めて兄弟と別れる。 カンザス州、ウィチタ。 ある日、保安官に代わり酒場で銃を乱射する男を叩きのめしたワイアットは、保安官補として雇われる。 町に現れた弟モーガン(リンデン・アシュビー)と再会したワイアットは、妻ルー(アリソン・エリオット)を紹介される。 ワイアットは、荒れているダッジシティの保安官事務所に雇われ、ヴァージルとモーガンと共に無法の町の治安を守る。 手荒な取り締まり方が世間に広まり、やがて、ワイアットの噂を聞いたエドとバットが町に現れて助手となる。 エドはワイアットのやり方に納得できないが、悪に対する考えが甘いと指摘される。 その後、マッティ・ブレイロック(メア・ウィニンガム)に結婚を迫られるものの、その気になれないワイアットは市長に呼ばれる。 ワイアットのやり方が問題視され、彼は追放される。 ドクは、全く隙を見せないワイアットを気に入り、協力を約束する。 その頃、ワイアットの後を任されていたエドは、銃の所持者を取り締まった直後に撃たれ、バットに見守られながら息を引き取る。 その知らせを受けたワイアットは、ダッジシティに戻り復帰する。 ドクも、メアリー・キャサリン”ケイト”ホーニー・カミングス(イザベラ・ロッセリーニ)と共に町に現れる。 雇われの身では、先が知れていると判断したワイアットは、トゥームストーンで事業を始める計画をヴァージルに話す。 ヴァージルの妻アリー(キャサリン・オハラ)、ジェームズの妻ベッシー(ジョベス・ウィリアムズ)、モーガンの妻ルーとマッティは、このままの状況でいたいことをワイアットに伝える。 トゥームストーン。 郡保安官ジョニー・ビーハン(マーク・ハーモン)は、アイク・クラントン(ジェフ・フェイヒー)らと争うことを止めるようにとワイアットに忠告する。 金のために手を組むのが得策だと言うビーハンの意見を、ワイアットは聞こうとしない。 数日後、ビーハンを訪ねて来たのは、かつてワイアットが気になった女優ジョセフィン・サラ・マーカス(ジョアンナ・ゴーイング)だった。 ある夜、クラントン一味のカーリー・ビル・ブロシャス(ルイス・スミス)が、保安官を射殺する事件が起きて、彼は逮捕され、故意か銃の暴発かで裁判が行われる。 自分の裸体を撮った写真を、人に見せたビーハンを批判するジョセフィンは、ワイアットと親交を深める。 ビルは保釈金を払い釈放されるが、クラントン一味との対立は決定的となった。 ワイアットとジョセフィンは愛し合うようになり、それを知った彼の妻マッティが自殺を図る。 ジョセフィンの元へ戻れとマッティに言われたワイアットは、長年の断酒を破る。 その後、アイクがアープ兄弟を殺すと触れ回っていることをワイアットに知らせたジョセフィンは、逃げるようにと彼を説得する。 逃げる訳にはいかないと答えたワイアットは、ヴァージルとモーガンとで敵の動きを探る。 フランク・マクローリー(レックス・リン)とトム(アダム・ボールドウィン)兄弟などもクラントン一味に加わる。 1881年、10月26日、トゥームストーン。 ドクもワイアットらに加わり、ビーハンが武装解除したことを伝えるが、彼らはそれを無視する。 一味と相対したワイアットは、無傷の彼以外は負傷するものの相手を倒し、ビリー・クレイボーン(クリス・カム)だけがその場から逃走する。 銃弾を受けたモーガンが運ばれるのを見守りながら、ジョセフィンがワイアットに駆け寄る。 ビーハンの逮捕すると言う言葉に耳を貸さないワイアットは、負傷した兄弟の元に向かう。 報復を警戒するワイアットだったが、モーガンの妻ルーに、家族を危険にさらしたことで非難される。 クラントン側の葬儀も終わり、市長ジョン・クラム(ランドル・メル)は、兄弟とドクに逮捕状が出たことをワイアットに知らせる。 ワイアットは、家族の安全を確保することを条件にそれに応じ、裁判の結果、無罪となる。 その後、酒場でモーガンが、それを知ったヴァージルが大通りでクラントン一味に銃撃される。 モーガンは息を引き取り、ヴァージルは腕を撃たれて重傷を負い、ワイアットは復讐を誓う。 モーガンの遺体搬送を手伝いに来た、弟のウォーレン(ジェームズ・カヴィーゼル)を迎えたワイアットは、アヘンチンキ中毒のマッティを見捨てる。 アイクらがトゥーソン駅で待ち伏せしていることを知ったワイアットは、ドクとそこで汽車を降りることをウォーレンに伝えるが、彼は加勢しようとする。 トゥーソンで一人を倒したワイアットは、逮捕状を無視して、ドクらと共にトゥームストーンに戻る。 ジョセフィンに会ったワイアットは、市長クラムやビーハンの警告を無視して、兄弟の復讐のために敵を捜して殺害する。 17年後、アラスカ。 ワイアットは船上で、叔父の命を救ってくれたという青年に声をかけられる。 賭け事の揉め事で人を殺した叔父を、町の者達がリンチに賭けようとした際、ワイアットは、たった一人で男達を追い払った。 その話を父から聞いた青年は、叔父は後に殺されたが、それが運命だろうと言って立ち去る。 実際は違うと言う者がいると話すワイアットだったが、ジョセフィンは、事実は一つだと語りかける。 ドク・ホリデイは、”OK牧場の決闘”の6年後にコロラド州の保養所で36歳の生涯を閉じる。 ヴァージルとジェームズ両夫妻は、カリフォルニアで職を変えながら生涯を送る。 クラントン一味は、事件後、次々と謎の死を遂げる。 ワイアットは、ジョセフィンと47年間連れ添い、1929年に80歳で亡くなった。 二人はカリフォルニアに埋葬されている。
...全てを見る(結末あり)
ある町でエド・ロス(マーティン・コーヴ)に因縁を付けられて殴られたワイアットは、酒場で彼に決闘を挑まれる。
祖父の元で法律を学び始めていたワイアットは、ウリラ・サザーランド(アナベス・ギッシュ)と恋に落ち結婚する。
ワイアットは酒浸りの毎日を送り、ある男を襲い金と馬を奪い逮捕される。
ワイアットは、ジェームズと共に酒場で働聞始める。
テキサス州、フォートグリフィン。
ある悪党を追っていったワイアットは、その居場所を知っている元歯科医で、今はギャンブラーのドク・ホリデイ(デニス・クエイド)に会う。
兄弟を連れて移り住んだワイアットは、銀の採掘権を得て賭博場の胴元にもなるが、妻達の不満は募る。
ワイアットは、クラントンとマクローリー両兄弟らが待つ”OK牧場”に、兄のヴァージル(マイケル・マドセン)と弟モーガン(リンデン・アシュビー)と共に向かう。
ゴールドラッシュに沸く、現地に向かうワイアットと妻のジョセフィンは、金を手に入れたら何を使うかを話し合う。
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*(簡略ストー リー)
ワイアット・アープは、厳格な父ニコラスに家族の誇りと団結、戦い方などを教わりながら成長する。
その後ワイアットは、祖父の元で法律の勉強をしながら、美しいウリラと恋に落ちて結婚する。
しかし、ウリラは腸チフスに罹り亡くなり、失意のワイアットは酒に溺れ犯罪者となってしまう。
ニコラスに助けられたワイアットは、酒を断ちバッファロー・ハンターなども経験しカンザス州、ウィチタに向かい、ワイアットは兄ジェームズと共に酒場で働き始める。
ある日ワイアットは、保安官に代わり悪党を捕え保安官補に雇われる。
その後、無法の町ダッジシティの保安官事務所に雇われたワイアットは、手荒な手法が問題となり追放されてしまう。
そしてワイアットは、テキサスで元歯科医であるギャンブラー、ドク・ホリデイに会い、ある悪党を捕えるため協力を約束される・・・。
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西部劇ファンならずとも、どなたも名前は耳にしたことがあるだろうワイアット・アープの生涯を、かなり史実に基づき描いた作品。
ローレンス・カスダン製作、監督、そして脚本による、セットや衣装など細部にまでこだわった力作でもある。
しかし、史実を淡々と伝えるストーリーに深みもなく、主人公や関わる事件などに興味を持っている者にとっては、殆ど新鮮味もない内容であり、他の作品と錯覚して、鑑賞済みであったのか?と思ってしまう場面も多い。
とにかく、3時間以上という上映時間が、苦痛に感じてしまう・・・。
第67回アカデミー賞で撮影賞にノミネートされただけあり、美しい映像や画面の構図などは注目に値する。
飛ぶ鳥を落とす勢いで、一気にハリウッドの頂点に立ったケビン・コスナーは、主人公のワイアット・アープを熱演するが、皮肉にも、スランプが始まるきっかけになった作品でもあり、ラジー賞では、作品賞をはじめ、彼自身もにノミネートされてしまった。
減量して病弱のドク・ホリデイを演じた、別人のようなデニス・クエイドの好演は光る。
北米興行収入は約2500万ドルに終わり、製作費の半分も回収できなかった。