2006年に発表された、マックス・ブルックスの小説”WORLD WAR Z”を基に製作された作品。 謎のウイルス感染拡大による滅亡の危機に陥った人類を救うために家族を残して戦う元国連調査員の活躍を描く、監督マーク・フォースター、製作、主演ブラッド・ピット、ミレイユ・イーノス他共演のサスペンス・ホラー大作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:マーク・フォースター
製作
ブラッド・ピット
デデ・ガードナー
ジェレミー・クライナー
イアン・ブライス
製作総指揮
デヴィッド・エリソン
デイナ・ゴールドバーグ
ティム・ヘディントン
グレアム・キング
ポール・シュウェイク
ブラッドフォード・シンプソン
原作:マックス・ブルックス”WORLD WAR Z”
原案
マシュー・マイケル・カーナハン
J・マイケル・ストラジンスキー
脚本
マシュー・マイケル・カーナハン
ドリュー・ゴダード
デイモン・リンデロフ
撮影:ロバート・リチャードソン
編集
ロジャー・バートン
マット・チェシー
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演
ジェリー・レイン:ブラッド・ピット
カリン・レイン:ミレイユ・イーノス
レイチェル・レイン:アビゲイル・ハーグローヴ
コンスタンス”コニー”レイン:スターリング・ジェリンズ
セガン:ダニエラ・ケルテス
ティエリー・アムトーニ:ファナ・モコエナ
スピーク大尉:ジェームズ・バッジ・デール
元CIAエージェント:デヴィッド・モース
トーマス:ファブリツィオ・ザカリー・グイド
トミーの父親:アーネスト・カントゥ
トミーの母親:ヴィッキー・アライコ
SEALs指揮官:ジョン・ゴードン・シンクレア
SEALs隊員:マシュー・フォックス
海軍司令官:デヴィッド・アンドリューズ
アンドリュー・ファスバック:エリス・ゲイベル
C-130パイロット:グレゴリー・フィトゥーシ
エリス:マイケル・ユイスマン
ユルゲン・ヴァルムブルン:ルディ・ボーケン
旅客機のパイロット:デニス・イスチェンコ
旅客機のパイロット:ニコラ・ジュリコ
旅客機の客室乗務員:エレン・リス
WHO研究員:ピーター・キャパルディ
WHO研究員:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ
WHO研究員:ルース・ネッガ
WHO研究員:モーリッツ・ブライプトロイ
薬局の青年:ルアリ・カノン
アメリカ/イギリス 映画
配給 MGM
2013年製作 116分
公開
北米:2013年6月21日
日本:2013年8月10日
製作費 $190,000,000
北米興行収入 $202,359,710
世界 $540,007,880
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ペンシルベニア州、フィラデルフィア郊外。
元国連調査員ジェリー・レイン(ブラッド・ピット)は、妻カリン(ミレイユ・イーノス)とレイチェル(アビゲイル・ハーグローヴ)とコニー(スターリング・ジェリンズ)の娘と共に平穏な暮らしをしていた。
ある日、子供達を学校に送ろうとしていたジェリーは、渋滞に巻き込まれる。
街の異変に気付いたジェリーは車を走らせて暴走するが、事故を起こす。
車を降りたジェリーらは、ゾンビ化した者達に襲われる人々で混乱する中、放置してあったキャンピングカーに乗りその場を離れる。 その後、喘息のレイチェルの吸入器がないことに気づいたジェリーは、薬局を探そうとする。 国連事務次長ティエリー・アムトーニ(ファナ・モコエナ)からの電話を受けたジェリーは、ヘリコプターを派遣して救出することを伝えられ、緊急事態への協力を要請される。 ニュージャージー州、ニューアーク。 カリンを襲った暴徒を射殺したジェリーは、付近のアパートに向かうことをアムトーニに伝える。 救出は翌日になると言われたジェリーは、アパートに向かい、トーマス(ファブリツィオ・ザカリー・グイド)と両親(アーネスト・カントゥ/ヴィッキー・アライコ)の部屋に匿われて、夜を過ごすことになる。 ラジオを聴いたジェリーは、ウィルスによる感染が急速に広がっていることを知る。 翌朝ジェリーは、トーマスの家族を連れて行こうとするが、父親から必要なものを与えられ部屋を出る。 ジェリーらはゾンビに襲われながら、逃げて来たトーマスと共に屋上に向かう。 ゾンビの血液を浴びたジェリーは、自分も同化した場合は飛び降りようとする。 感染していないことを確認したジェリーは、到着したヘリに乗り国連指揮艦・空母アーガスに向かう。 大西洋、ニューヨーク沖、東320キロ。 ジェリーは、大統領が死亡して副大統領は行方不明であり、ワシントンD.C.は壊滅状態で、ウィルス感染は拡大していることを知らされる。 ハーバード大学のウィルス学者アンドリュー・ファスバック博士(エリス・ゲイベル)は、感染源を見つければワクチンが作れることを力説する。 在韓国アメリカ軍が最初のゾンビを確認したとの連絡を受けていたアムトーニは、ファスバックを現地に派遣することを伝える。 そこに、司令官(デヴィッド・アンドリューズ)が現れ、ジェリーは韓国での調査を強要される。 断れる状況でないジェリーは、命令に従わなければ船にいられないことを伝えてカリンを説得する。 娘達とカリンに別れを告げ、トーマスに3人を任せたジェリーは、ファスバックらと共に”C-130”で韓国に向かう。 その後、状況は変わり避難作戦は変更され、船の民間人は移送されることになる。 燃料補給のために韓国の”ハンフリーズ陸軍基地”に着陸したジェリーらは、ゾンビの襲撃を受けながら基地内に避難しようとする。 ところが、ファスバックの足元が滑り、銃を手にしていた彼は自分を撃ってしまい死亡する。 ジェリーは、最初の感染者の医師と患者がゾンビ”Z”化して感染を広げ、兵士達が彼らを焼き殺したという話をスピーク大尉(ジェームズ・バッジ・デール)から聞く。 その場でジェリーは、北に武器を密売して逮捕された元CIA(デヴィッド・モース)から、北朝鮮では全員が歯を抜かれて、その結果、感染者がいないことを知らされる。 更にジェリーは、情報をいち早く入手したイスラエルでは、高い壁を築きZの襲撃を防いでいる話も聞く。 モサドの諜報員ユルゲン・ヴァルムブルン(ルディ・ボーケン)に会うようにと言われたジェリーは、エルサレムに向かおうとする。 その間ジェリーは、カリンに電話連絡をしようとするがつながらない。 ジェリーらは、自転車でC-130の元に向かうが、カリンからの電話が鳴り、音に反応するZが彼らに気づき襲い掛かる。 スピークらの援護で何とか機内に向かい、燃料を補給したジェリーらは機体を離陸させる。 バミューダ北部、国連・大西洋艦隊。 エルサレム。 現地は多くの難民を受け入れていたが、人々が歌いだした声にZが反応して、壁をよじ登り侵入してきてしまう。 混乱の中、ジェリーは負傷した護衛女性兵士セガン(ダニエラ・ケルテス)を連れてアタロット空港に向かうが、C-130は離陸してしまう。 離陸準備を始めた旅客機を止めたジェリーはそれに乗り込み、左手首を失ったセガンの治療をする。 その時ジェリーは、Zの大群に襲われなかった少年のことを思い出してあるヒントを掴み、アムトーニに連絡を入れる。 最も近いワクチン研究施設の位置を調べさせたジェリーは、パイロットに電話を渡し、ウェールズのWHO研究施設に向かうことになる。 ところが、エコノミークラスに潜んでいたZが機内で乗客らに襲い掛かり、それに気づいたジェリーは荷物を積み上げて通路を塞ぐ。 それを突破されたジェリーはセガンと共に応戦し、手榴弾で機体を爆破して、Zは機外に放り出される。 機体は制御不能となり不時着して、ジェリーは一命を取り留めるが、セガンの姿は見えなかった。 脇腹に金属片が刺さったまま、座席ベルトを外し地面に落ちたジェリーは、無事だったセガンと共にその場を離れて、徒歩でWHOの施設にたどり着く。 その頃、民間人の移動が始まり、カリンらも船を離れることになる。 意識を失っていたジェリーは3日後に目を覚まし、研究員(ピーター・キャパルディ/ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)に身元を聞かれてアムトーニに電話をするが、カリンらが船を去ったことを知り動揺する。 身元を証明したジェリーは、他の研究員(ルース・ネッガ/モーリッツ・ブライプトロイ)に、致死性のウィルスを持つ者をZが避ける習性があることを指摘する。 それを偽装するというジェリーの意見に納得した研究員は、何の病原体を誰に感染させるかを彼に問う。 それがB棟に保管されているということだったが、そこはZ化した研究員の巣となっていた。 B棟の病原体保管貯蔵庫に向かったジェリーとセガン、そして研究員はZに気づかれる。 セガンと研究員は戻り、保管庫に向かったジェリーは病原体を確保するもののZが現れる。 ジェリーは、病原体を自分に投与することを考え、カメラで監視する研究員らに、家族を愛しているということを伝える。 どれが効果を示すかもわからないまま、ジェリー一つの病原体を注射器で投与して感染を待つ。 一か八かで保管庫のドアを開けたジェリーは、ZZに襲われることなくその場を離れ研究員らの元に戻る。 ワクチンを投与されたジェリーは、セガンと共に施設を後にする。 カナダ、ノヴァスコシア(安全地帯)。 培養されたワクチンは全世界に配布されるが、ジェリーは、戦いは始まったばかりであり、今後も続くことを覚悟する。
...全てを見る(結末あり)
スーパーマーケットで食料を確保しようとしたジェリーは、薬局で吸入器を手に入れる。
無事救出されたジェリーらはアムトーニに迎えられ、部屋とベッドが与えられる。
ジェリーからの電話を受けたカリンは、韓国での計画が失敗した彼が、イスラエルに向かうことを知らされる。
ヴァルムブルンに会ったジェリーは、インドから入手した情報により、壁を築いたことを知る。
ジェリーは、避難していた家族の元に戻る。
*(簡略ストー リー)
家族と共に平穏な日々を送っていた元国連の調査員ジェリー・レインは、ある朝、渋滞に巻き込まれる。
街の異変に気付いたジェリーは、ゾンビ化した者達が人々に襲い掛かる光景を目にしてその場を離れる。
謎のウィルスによる感染は世界中に拡大して、国連事務次長アムトーニから協力の要請を受けたジェリーは、家族と共に救出される。
ジェリーは、家族を救うために仕方なく協力し、感染源のいる韓国に向かう、ワクチンが作れるかを調査するチームに加わるのだが・・・。
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ブラッド・ピットが製作に参加して主演した話題作で、結果的に興行的大成功を収めた超大作でもある。
007シリーズの、「慰めの報酬」(2008)などのアクションでもその演出手腕を発揮するマーク・フォースターは、大味になりがちな内容を丁寧な映像表現で仕上げている。
ブラッド・ピット主演のアクション大作を期待していたファンの中には、単なるゾンビ映画だと言って失望した声も聞かれたが、それはそれとして、子を持つ中年男性を、渋さも増して演ずる彼の魅力再発見ということで楽しめる作品である。
とにかく、1億9000万ドルをかけた作品は映像的に見ものであり、北米興行収入は2億ドルを突破し、全世界では約5億4000万ドルの大ヒットとなった。
家族のために命を懸ける元国連調査員ブラッド・ピット、その妻ミレイユ・イーノス、娘アビゲイル・ハーグローヴとスターリング・ジェリンズ、主人公と行動を共にするイスラエル国防軍女性兵士ダニエラ・ケルテス、国連事務次長役のファナ・モコエナ、在韓米軍の生存兵ジェームズ・バッジ・デール、元CIAのデヴィッド・モース、主人公に助けられる少年ファブリツィオ・ザカリー・グイド、SEALs指揮官ジョン・ゴードン・シンクレア、隊員マシュー・フォックス、海軍司令官役のデヴィッド・アンドリューズ、ウィルス学者エリス・ゲイベル、モサドの諜報員ルディ・ボーケン、WHO研究員のピーター・キャパルディ、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、モーリッツ・ブライプトロイ、ルース・ネッガなどが共演している。