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ワールド・トレード・センター World Trade Center (2006)

アメリカ同時多発テロ事件”でニューヨークの”世界貿易センター・ビル崩壊”現場に取り残された湾岸警察隊員ジョン・マクローリンウィル・ヒメノの奇跡の生還を描く、監督オリバー・ストーン、主演ニコラス・ケイジマイケル・ペーニャマギー・ギレンホールマリア・ベロスティーヴン・ドーフマイケル・シャノン他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)

ニコラス・ケイジ / Nicolas Cage 作品一覧
ニコラス・ケイジ / Nicolas Cage / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:オリバー・ストーン
製作総指揮:ドナルド・J・リーJr.
製作
マイケル・シャンバーグ
ステイシー・シェア

モーリッツ・ボーマン
デブラ・ヒル
原案
ジョン&ドナ・マクローリン
ウィル&アリソン・ヒメノ
脚本:アンドレア・バーロフ
撮影:シーマス・マクガーヴェイ

編集
デビッド・ブレナー

ジェリー・モンロー
音楽:クレイグ・アームストロング

出演
ニコラス・ケイジジョン・マクローリン
マリア・ベロ:ドナ・マクローリン
マイケル・ペーニャウィル・ヒメノ
マギー・ギレンホール:アリソン・ヒメノ
スティーヴン・ドーフ:スコット・ストラウス
ジョン・バーサルクリストファー・アモロソ

ジェイ・ヘルナンデスドミニク・ペズーロ
マイケル・シャノンデイヴ・カーンズ
ドナ・マーフィ:ジュディ・ジョナス
ウィリアム・メイポーザージェイソン・トーマス

ジュード・チコレッラ:フィールズ警部
パティ・ダーヴバンヴィル:ドナの隣人
ニック・ダミチ:カジマティス警部補
ダニー・ヌッチ:ジラルディ
フランク・ホエーリー:チャック・セレイカ
アルマンド・リスコ:アントニオ・ロドリゲス
病院の母親:ヴィオラ・デイヴィス


アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ/UIP

2006年製作 129分
公開
北米:2006年8月9日
日本:2006年10月7日
製作費 $63,000,000
北米興行収入 $70,236,500
世界 $162,970,200


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
2001年9月11日火曜日、ニューヨーク
湾岸警察ジョン・マクローリンニコラス・ケイジ)は、カジマティス警部補(ニック・ダミチ)を指揮官に、ウィル・ヒメノマイケル・ペーニャ)、ドミニク・ペズーロジェイ・ヘルナンデス)、アントニオ・ロドリゲス(アルマンド・リスコ)らと共に、”ポート・オーソリティ・バスターミナル”の通常パトロールを開始する。

巡回を始めたヒメノは、通常通過するはずのない航空機の機影を気にする。

その直後、署内には爆音の様な音が響き建物が揺れる。

本部に集合するようにという連絡を受けたヒメノらは、ワールド・トレード・センターのツインタワー北棟に飛行機が激突したという事故を知る。

それが大型機であることに驚きながら、マクローリンは、ヒメノ、ロドリゲス、ジラルディ(ダニー・ヌッチ)、ペズーロらと共に現場に向かう。
...全てを見る(結末あり)

街が騒然とする中、ツインタワーの南棟でも同じ事故が起きたという連絡も入り、マクローリンは、今回のような規模の事故は想定外であるとフィールズ警部(ジュード・チコレッラ)に語る。

ヒメノらは不安を隠せないが、カジマティス警部補は、1993年にワールド・トレード・センターで起きた、爆破事件の緊急班メンバーだったマクローリンを信じるよう伝える。

現場付近に着いたマクローリンらは、その惨状に驚きながらビルに上る志願者を募る。

ヒメノ、ロドリゲス、ペズーロらが志願し、マクローリンは、5ワールドトレードセンター/5WTCに向かう。

5WTCの警察の詰め所で装備を確保したマクローリンらに、クリストファー・アモロソジョン・バーサル)が合流する。

アモロソは、ペンタゴンがミサイルで、イスラエルは核攻撃を受けたことを仲間達に話す。

酸素ボンベなどを補充した5人は北棟に向かおうとするが、マクローリンは、フィールズ警部に戻るよう言われる。

その時、ビル崩壊が始まり、マクローリンはエレベーターシャフトは崩れると叫びながら、部下に避難するよう伝える。

瓦礫の下敷きとなり、暗闇の中で動けないマクローリンは、部下達に話しかけて名乗らせる。

ペズーロヒメノが名乗り他の者は死んだことが分かる。

動くことができたペズーロヒメノを助けようとするものの、瓦礫を除去することができない。

再び周囲が崩れ始め、致命的な傷を負ったペズーロは、自分達の位置を知らせるために発砲して息絶える。

ハイジャックされた2機の旅客機がワールド・トレード・センターのツインタワー両棟に、更に航空機かヘリコプターがペンタゴンに突っ込んだことが全世界に報じられる。

ニュージャージー州、カールスタッド
職場で事件を知ったヒメノの妻アリソン(マギー・ギレンホール)は、夫が現場に招集された可能性を知りながら帰宅する。

ニューヨーク州ゴーシェン
ニュースを見ていたマクローリンの妻ドナ(マリア・ベロ)は、自分と同じように夫の身を案ずるジュディ・ジョナス(ドナ・マーフィ)を落ち着かせる。

ジュディは、現れた同僚から夫が無事であることを伝えられるが、ドナの不安は募る。

マクローリンは、無線で位置を知らせようとするが通じない。

意識を失うと死ぬ可能性があるため、マクローリンは眠るなと言ってヒメノを励ます。

焼けた落下物に驚くヒメノは、口数が少ないマクローリンに何か話してくれと頼む。

マクローリンは、今の落下で両膝を潰されたと言い、話などできないと叫ぶ。

熱でペズーロの銃が暴発し、ヒメノも取り乱して叫び始める。

ニュージャージー州、クリフトン
自宅に戻り署に連絡したアリソンは、ヒメノが現場に向かったことを知るが、ビルに入ったかは分からなかった。

コネチカット州、ウィルトン
ブッシュ大統領の声明を聞いたデイヴ・カーンズマイケル・シャノン)は、この国が戦争に突入したと判断し、教会に向かい祈りを捧げる。

海兵隊時代にカーンズは、人を助け国を守る力を神から与えられたことを神父に伝え、ニューヨークの現場に向かうことを決心する。

子供達の前では冷静でいたドナは、マクローリンの弟パットが現れたために動揺する。

望みはあると言うパットから、夫がビルに入ったことが確認された言われた驚く。

妊娠しているアリソンを心配する父親は、彼女を気遣う。

ヒメノは、自分達がどのくらい持ちこたえられるかや、子供の話などをマクローリンに尋ねる。

金属パイプに手が届いたヒメノは、それを鳴らし続けるようにとマクローリンに指示される。

警官の多くが犠牲となり、行方が分からないというニュースを見たマクローリンの次男J・Jに、父を捜しに行きたくないのかと問われたドナは混乱する。

カーンズは、軍服に身を包み現場に向かう。

ヒメノは、仲間達が死んだのは自分の責任だと言うが、マクローリンは、班長である自分が指名して連れて来たのだと言葉を返す。

カジマティス警部補からマクローリンが最高の班長だと言われたヒメノは、信頼して付いて来たと伝える。

ヒメノに感謝したマクローリンだったが、周囲が崩れ始め、二人は死を覚悟する。

やがて揺れは収まり、二人は無事であることを確認する。

署員は、フィールズ警部他、数人しか現場から戻らなかったために驚く。

崩壊現場に着いたカーンズは、消防士らが瓦礫の下に残った仲間達を救いに行けないことを確認しながらビルの跡地に向かう。

マクローリンと最後に何を話したのか思い出せないドナは、日曜大工が趣味だった夫のことを想いだす。

ヒメノは妻アリソンの話を始め、マクローリンもドナのことを語る。

生まれる娘の名を夫が希望する”アリッサ”に決めたアリソンは、彼の生存の可能性を諦めかけて苛立つ。

朝まで持たないと言うヒメノは、生れてくる娘の名を、アリソンが考えた”オリヴィア”にすると語り、それを無線で伝えてほしいとマクローリンに頼む。

マクローリンは無理だと知りながら、ヒメノの言葉と自分の家族への愛を本部に伝える。

ドナは、車で現場に向かおうとするJ・Jが降りようとしないため、自分が向かうと言って彼を降ろす。

何の連絡もないアリソンは食事をする気にもなれず、娘に父親が戻るかを聞かれても分からないと答える。

夜になり、生存者を探すカーンズは、瓦礫の下に向って海兵隊だと言って呼びかけていた。

同じ海兵隊ジェイソン・トーマスウィリアム・メイポーザー)に出会ったカーンズは、捜索をし続けることで意見が一致する。

イエスを見たヒメノは、水を差しだされたことをマクローリンに伝え、早く家に帰れと言われたことも話す。

傷みで眠れないのが幸いだったマクローリンは、ヒメノに話し続けるよう伝える。

ヒメノは弱っているマクローリンを気遣いながら、パイプを鳴らせと言われて指示に従う。

戻ろうとしていたカーンズトーマスはその音に気づき、二人が近づいたため、ヒメノは自分達の名前を伝える。

救援が現れたことをヒメノは喜び、それをマクローリンに伝える。

カーンズは、生存者がいることを妹に電話で知らせて、それが事故現場の緊急センターに伝わる。

パットと共に現場に向かっていたドナは、夫が発見されたという連絡を受ける。

アリソンも夫の無事を知らされ、家族と共にそれを喜ぶ。

緊急救助隊のスコット・ストラウス(スティーヴン・ドーフ)が現場に到着し、カーンズは状況を知らせる。

ストラウスは、周囲が崩れないように注意しながら、機材を運ばせて消防隊の救援を求める。

ストラウスは、死を覚悟しながら二人の元に向かおうとする。

署に着いたドナは、生存が確認されただけで、夫は未だに瓦礫の下であることを知らされて動揺し、搬送される予定の病院に向かう。

ストラウスらは、ヒメノの救助作業を始めるものの難航する。

ヒメノは、弱っているマクローリンを助けるために、瓦礫に挟まっている自分の脚を切断するようストラウスに伝える。

ストラウスは、6メートル下のマクローリンを見捨てはしないが、まず先に助け出すことをヒメノに伝えて納得させる。

アリソンも家族と共に病院に着き、待機することになる。
(ドナとアリソンはすれ違い、一瞬、互いを意識する。)

ヒメノは、マクローリンに声をかけながら救出されてるが、ビルがなくなったことを知り驚く。

マクローリンは、たどり着いた救助隊に励まされながら助け出されるのを待つ。

ヒメノは病院に運び込まれ、アリソンと喜び合う彼は、娘の名前を”オリヴィア”にすると伝える。

アリソンは、夫のために”アリッサ”にすると言うが、手術室に向かう夫に”オリヴィア”にすることを伝える。

意識が朦朧とするマクローリンは、自分や子供達の元に戻るようにと心の中でドナに励まされる。

待たされて苛立つドナは、南棟のエレベーターボーイの息子の消息が分からない母親(ヴィオラ・デイヴィス)の話を聞き、涙しながら抱き合いお互いを励ます。

その後、マクローリンは救い出され、その場では歓声が上がり、彼は周囲の人々に感謝する。

病院に搬送されたマクローリンは、自分に気づいたドナに声をかけられ、彼女に生きる力を与えられたことを伝える。

全米各地の警官らは自ら志願して救援に駆けつけ、カーンズは、今後も活動を続けることを会社に伝える。

ストラウスは、マクローリンヒメノが救出されたものの、彼らの仲間14人が行方不明だと知らされるが、何千人もが消えてしまった現状を見て嘆く。

通常は混雑する交通機関に人影はなく、アリソンと家族は、病院の壁に貼られた無数の行方不明者の写真を見て絶句する。

手当てを受けたマクローリンヒメノは、集中治療室でベッドを並べる。

2年後。
マクローリンヒメノの感謝の集いが開かれ、人々は様々な思いで事件を考える。
__________

87か国の国籍、2749名の方々が亡くなった。

343名は消防士、湾岸警察職員の犠牲者は84名、内37名が警察官、ニューヨーク市警の警官は23名だった。

救出された者は20名で、ヒメノマクローリンは18、19番目だった。

ヒメノは13日間で8回手術し、マクローリンは6週間麻酔をかけられ27回の手術を受けた。

2人はその後、現役を退き、家族と共にニューヨークニュージャージーに暮らしている。

デイヴ・カーンズは、海兵隊に再志願してイラクで戦った。

*犠牲となった湾岸警察職員84名と、他の犠牲者や負傷した人々に本作を捧げると明記される。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
2001年9月11日火曜日、ニューヨーク
湾岸警察ジョン・マクローリンは、通常パトロールを開始するが、ワールド・トレード・センターのツイン・タワー北棟で飛行機激突事故が起きる。
連絡を受けたマクローリンは、部下のヒメノ、ロドリゲス、ペズーロら志願者と共に5ワールドトレードセンターに向かい装備を確保する。
一旦、戻るよう指示されたマクローリンだったが、
次の瞬間、ビルの崩壊が始まる。
避難する暇もなかったマクローリンらは、瓦礫の下敷きになり身動きが取れない状況となる。
しばらくしてマクローリンは、ペズーロヒメノだけが生存していることを確認する。
動くことができたペズーロヒメノを助けようとするものの、周辺が崩れ始める。
ペズーロは死亡し、ヒメノが無事であることを確認したマクローリンは、彼を励まし家族を想いながら救助を待つのだが・・・。
__________

主演のニコラス・ケイジ、その部下役のマイケル・ペーニャは出番は多いものの、 瓦礫の中で身動き出来ないため、回想や幻想で登場する以外はほとんど顔しか見えず、暗闇で画面も見にくいのでファンには少し物足りない気がする。

そんな動きの少ない展開の中、使命を感じ”神に導かれた”海兵隊員が二人を発見するエピソード、家族への想いが奇跡の救出に繋がるストーリーなど、劇的に仕上げたオリバー・ストーンの演出はいかにもアメリカ映画らしい。

事件から5年後という微妙な時期に公開された作品で、実際のニュース映像なども多用されるが、犠牲者や家族への配慮か、それほど痛ましい描写はない。

北米興行収入は約7000万ドル、全世界では約1億6300万ドルのヒットとなった。

普段は頼れる巡査部長(マクローリン)も、身動きがとれず、体力の消耗で弱気になる場面もあるが、 そんな彼を励まし、窮地でもユーモアを忘れない楽天家のウィル・ヒメノマイケル・ペーニャの好演が光る。

母親として辛い思いをしながら夫の身を案ずるマクローリン(N・ケイジ)の妻マリア・ベロヒメノM・ペーニャ)の妻マギー・ギレンホール、死を覚悟しながらしゅじんこうらの救助活動を行う隊員スティーヴン・ドーフ、使命を感じビル崩壊現場に向かう元海兵隊デイブ・カーンズマイケル・シャノン、同じく海兵隊ジェイソン・トーマスウィリアム・メイポーザー、主人公の部下クリストファー・アモロソ役のジョン・バーサルドミニク・ペズーロジェイ・ヘルナンデス、同じくアルマンド・リスコダニー・ヌッチフランク・ホエーリー、主人公の上司である警部ジュード・チコレッラ、警部補ニック・ダミチ、ドナ(M・ベロ)の友人ドナ・マーフィ、隣人パティ・ダーヴバンヴィル、病院の母親ヴィオラ・デイヴィスなどが共演している。
ジョン・マクローリンウィル・ヒメノ両氏、 また、当時救助に参加した消防隊や警察官なども特別出演している。


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