| 世界を人質に取る核の陰謀! ロバート・アルドリッチ(製作、監督)の原点が宿る冷徹なB級ノワール! 主演ダン・デュリエ、ジーン・ロックハート、パトリック・ノウルズ、レジナルド・デニー、ナイジェル・ブルース他共演のフィルム・ノワール。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロバート・アルドリッチ(クレジットなし)
製作
ロバート・アルドリッチ
バーナード・タバキン
脚本
リンゼイ・ハーディ
ヒューゴ・バトラー(クレジットなし)
撮影:ジョセフ・バイロック
編集:マイケル・ルチアーノ
音楽:フランク・デ・ヴォル
出演
コリガン/マイク・キャラハン:ダン・デュリエ(私立探偵)
アレクシス・ペデラス:ジーン・ロックハート(原子物理学者を誘拐する犯罪組織のボス)
ジュリアン・マーチ:パトリック・ノウルズ(ペデラスの計画に加担する男)
イアン・ボーン少佐:レジナルド・デニー(マイクと共に計画を阻止しようとする軍人)
チャールズ・クロッツ総督:ナイジェル・ブルース
フレネシー・マーチ:マリアン・カー(ジュリアンの妻)
ショーン・オコナー:アーサー・シールズ(誘拐される原子物理学者)
マッカラム警部:ダグラス・ダンブリル(地元警察の警部)
ダンサー:カルメン・ダントニオ
リー・ウォン:ケイ・ルーク(カメラマン)
ジョニー・チャン:クラレンス・ラング(ギャングのボス)
レオ・グジック:ルー・ノヴァ(ペデラスノ手下)
ウー:ビール・ウォン(バーテンダー)
伍長:ストローザー・マーティン
兵士:パトリック・アラン
クラブの客:スペンサー・チャン
クラブの客:ハーシェル・グラハム
アメリカ 映画
配給 アライド・アーティスツ・ピクチャーズ・コーポレーション
1954年製作 82分
公開
北米:1954年1月31日
日本:未公開
製作費 $120,000
■ ストーリー ■
シンガポール。
私立探偵である退役軍人マイク・キャラハン(ダン・デュリエ)は、地元のギャングのボス、ジョニー・チャン(クラレンス・ラング)の元に連れて行かれる。
マイクは、仕事を邪魔したジュリアン・マーチ(パトリック・ノウルズ)やレオ・グジック(ルー・ノヴァ)と組んで何をしているかチャンに問われる。
マイクが何も話さないために、チャンは、商売にしているゴムの商品をある村に隠していたのだが、グジックとアレクシス・ペデラス(ジーン・ロックハート)が現れて追い出されたことをマイクに話す。
チャンは、ペデラスとも親しいマイクから、彼らが来た狙いを聞きだそうとするが何も分からず、グジックとも無関係だと言われ、ジュリアンの妻でマイクの元恋人フレネシー(マリアン・カー)の名を出して彼を脅す。
旧知の仲であるジュリアンらに手を出すなとチャンに伝えたマイクは、この件は自分が調査することを約束して、彼を納得させる。
ジュリアンの元に向かったマイクは、グジックのことについて探りを入れる。
ペデラスは、現れたジュリアンから、マイクが計画に感づいた可能性を知らされ、彼の目を逸らす方法を考える。
ナイトクラブでフレネシーに会ったマイクは、ジュリアンやペデラスの手下グジックの話をしながら、上海時代を思い出す。
ジュリアンは、イギリス陸軍情報部の少佐に扮し、空港に到着する原子物理学者ショーン・オコナー教授(アーサー・シールズ)を迎えに行く、イアン・ボーン少佐(レジナルド・デニー)を襲撃する。
総督の車を奪いボーンに扮したジュリアンは、空港に到着したオコナーに声をかけて歓迎するう。
マイクは、路地でグジックらに襲われ、ジュリアンに近づくなと言われて脅される。
総督官邸に向かっていないことに気づいたオコナーは、車を降りようとするものの、ジュリアンに殴られて意識を失う。
それに気づいたカメラマンのリー・ウォン(ケイ・ルーク)が、その様子を撮影する。
アパートに戻っていたマイクは、現れたリーから、将校姿のジュリアンがもう一人の男と共に総督の車に乗っている写真を見せられる。
マイクは、自分が戻らな買った場合にはマッカラム警部(ダグラス・ダンブリル)に写真を渡すようリーに指示し、真相を探ろうとするのだが・・・。
■ 解説 評価 感想 ■
“A brilliantly gritty and economically ingenious 1954 film noir where Robert Aldrich effectively weaponizes a shoestring budget, weaving the cynical atmosphere of post-war Singapore into a taut, high-tension psychological framework driven by Dan Duryea’s razor-sharp vulnerability and the director’s burgeoning signature touch of raw, unyielding violence.”
(限られた低予算(靴紐予算)を効果的に武器に変え、戦後のシンガポールの冷笑的な空気を、ダン・デュリエの剃刀のように鋭くも脆弱な魅力と、監督の芽生えつつあるトレードマークたる剥き出しの容赦ない暴力によって、張り詰めた高テンションの心理的骨組みへと見事に織り上げた、見事なまでにザラついた経済的で独創的な1954年のフィルム・ノワール。)
前年、エドワード・G・ロビンソン主演の「ビッグ・リーガー」(1953)で監督デビューしたロバート・アルドリッチが製作を兼ねた監督し、主演はダン・デュリエ、ジーン・ロックハート、パトリック・ノウルズ、レジナルド・デニー、ナイジェル・ブルース他共演のフィルム・ノワール。
1940年代半ばに設立された、B級映画を主に製作したアライド・アーティスツ・ピクチャーズ・コーポレーションの作品であり、前年監督デビューしたロバート・アルドリッチが、あえてその”B級”的な雰囲気に挑戦しているようにも感じられるところが面白い。
誘拐事件に巻き込まれる主人公の私立探偵を演ずるダン・デュリエはバリバリのメジャー・スターであり、脇を固める共演陣も名バイプレイヤーがずらりと顔を揃えている。
闇の中の蒸気が映し出す鬱蒼とした雰囲気漂う街並みの映像や、様々なキャラクターの人物描写など、B級と決めつけなけばそうは思えない。
”小作”と言われながらも、”核で世界を人質にとる”的な、スケールのデカいハッタリを利かせたタイトルもいい。
クライマックスでマイク(ダン・デュリエ)が、元恋人のフレネシー(マリアン・カー)に会い、夫ジュリアン(パトリック・ノウルズ)の死について話すシーンで、なぜか、それまでとはイメージが違う(似合わない、着る必要がない)”トレンチコート”を着ているのが妙に気になるが、それも、あえて”B級”的に見せる演出だったのかもしれない。
(直後に場面が変わるラストではそれを着ていない)
誘拐計画を実行するジーン・ロックハートが珍しく悪役を演ずるのも注目で、総督のナイジェル・ブルースと、誘拐される原子物理学者アーサー・シールズが、重要人物であるにも拘らず、出番が少ないのはやや残念だ。
