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ウォント・バック・ダウン Won’t Back Down (2012)

子供達のために劣等校を再建させようとする母親と教師の闘いを描く、監督、脚本ダニエル・バーンズ、主演マギー・ギレンホールヴィオラ・デイヴィスオスカー・アイザックロージー・ペレスホリー・ハンター他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:ダニエル・バーンズ

製作:マーク・ジョンソン
製作総指揮
ロン・シュミット
トム・ウィリアムズ
脚本
ブリン・ヒル
ダニエル・バーンズ
撮影:ロマン・オーシン
編集:クリスティーナ・ボーデン
音楽:マーセロ・ザーヴォス

出演
ジェイミー・フィッツパトリック:マギー・ギレンホール
ノーナ・アルバーツ:ヴィオラ・デイヴィス
マイケル・ペリー:オスカー・アイザック
ブリーナ・ハーパー:ロージー・ペレス
エヴリン・リスク:ホリー・ハンター
マリア・フィッツパトリック:エミリー・アリン・リンド
チャールズ・アルバーツ:ランス・レディック
トンプソン:ヴィング・レイムス
ロバート・ホランド:ビル・ナン
アーサー・グールド:ネッド・アイゼンバーグ
オリヴィア・ロペス:マリアンヌ・ジャン=バプティスト
イヴォンヌ:ライザ・コロン・ザヤス
コーディ・アルバーツ:ダンテ・ブラウン

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2012年製作 121分
公開
北米:2012年9月28日
日本:未公開
製作費 $19,000,000
北米興行収入 $5,310,550


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ピッツバーグ
シングルマザーのジェイミー・フィッツパトリック(マギー・ギレンホール)は、”ディスレクシア”(難読症)の娘マリア(エミリー・アリン・リンド)と共にアダムズ小学校に登校する。

以前の学校で補修を受けていたことを担任に伝えたジェイミーだったが、この学校では3時で終わると言われ、教師ノーナ・アルバーツ(ヴィオラ・デイヴィス)の教室の様子を見る。

自動車販売店で働くジェイミーは、成績が悪いために勤務時間を減らされそうになる。

ランチタイムになり、教員休息室に向かったノーナは、手に負えない子供ばかり集まることを嘆く同僚のブリーナ・ハーパー(ロージー・ペレス)と話をする。
...全てを見る(結末あり)

マリアを迎えに行ったジェイミーは、生徒達と楽しく踊り歌う教師マイケル・ペリー(オスカー・アイザック)の教室を覗いてみる。

アダムズ小学校が読字障害に対応できないため、他の学校を探そうとするジェイミーは、優秀校のローザ・パークス小学校の抽選があることを知る。

障害のある息子コーディ(ダンテ・ブラウン)のことを気にしながら、ノーナは別れた夫のチャールズ(ランス・レディック)と共に会食に向かう。

孤立するマリアを他のクラスに移したいジェイミーは、校長のロバート・ホランド(ビル・ナン)に、何も対処しない担任から離したいことを伝えるものの、聞き入れてもらえない。

チャールズと共にコーディの担任と面談したノーナは、解決策が見つからないため、教師の権限でローザー・パークスに入れることを考える。

過保護過ぎるのでコーディと少し距離を置くべきだとチャールズから言われたノーナだったが、納得できなかった。

ジェイミーと共にローザー・パークスの抽選会場に向かったマリアは、この学校なら頑張れる気がすると伝える。

その場に現れたノーナは、組合の幹部である元教師のエヴリン・リスク(ホリー・ハンター)と話していた校長のトンプソン(ヴィング・レイムス)に声をかけようとするものの、彼は壇上に上がる。

スピーチを始めたトンプソンは、文字を読めない子供達のために40人分の席を用意したと話し、見捨てられないと伝える。

そして抽選は始まり、期待したジェイミーとマリアは、名前を呼ばれなかったためにショックを受ける。

抽選は終わり、ノーナはトンプソンに駆け寄り、マリアを連れたジェイミーも後を追う。

トンプソンと話せなかったノーナがアダムズの教師だと気づいたジェイミーは、マリアを彼女の教室に編入させたいことを伝え、明日、校長に話すと言われる。

帰宅したノーナは、その場にいたチャールズから、話し合おうと言われる。

役所に向かったジェイミーは、顔見知りになっていた受付係と話をする。

教師や親を集めて署名させ、提案書を提出して教育委員会の審問で可決されれば学校を再建できる法律があることを知ったジェイミーは、ノーナの元に向かう。

抽選会での素っ気ない態度を謝罪したノーナは、マリアのことを校長に話したことをジェイミーに伝える。

断られたと言われたものの、約束を守ってくれた教師は初めてだったために、ジェイミーは感激して涙ぐむ。

一緒に学校を始める提案をするジェイミーは、賛同する教師を見つけて行動を起こせば学校を変えることができる可能性があると聞いたと話し、傷つくマリアのことを思うと眠れないとノーナに伝える。

力にはなれないと言うノーナが不満を抱えていることを知っていたジェイミーは、明日、役所に行き自分が何をすべきか確かめるため、一緒に行ってほしいと伝えて彼女を説得する。

翌日ノーナは、役所の前で待っていたジェイミーの元に向かう。

二人は、提案書を書き委員会の審問の予約をする手続きをすることと、その前に親と教師の半分、400人と18人の署名を集めるということを確認するが、それには通常3~4年はかかると言われる。

無理な話だと言うノーナはその場を去るが、諦めようとしないジェイミーは一人で活動を始める。

マイケルにも声をかけたジェイミーは、彼をバイト先のバーに誘う。

その夜、ノーナに53人の親の署名を集めたことを知らせたジェイミーは、新しい学校を求めている者が多数いると伝え、マイケルにも協力を求める。

自分の興味は教えることだけだと言うマイケルに説明してほしいとジェイミーから頼まれたノーナは、優れた教育方針を考えるべきだと彼に伝える。

話は理解するものの、組合には残れないと言われたマイケルは、惹かれていたジェイミーの熱意に負けて協力を約束する。

翌日、マリアを連れてノーナの家を訪ねたジェイミーは、自分の考えと理想の学校のイメージを語る。

コーディを迎えに来たチャールズと学校を変えることで口論になりながら、ノーナはコーディを見送る。

ジェイミーから自分がこの役目に適任だと言われたノーナだったが、同僚のブリーナからは、自分達に何も相談しないで行動を始めたことを非難される。

マイケルにマリアを任せたジェイミーは、署名を集めるためにノーナと共に戸別訪問を始めようとする。

18体のバブルヘッドを持参したジェイミーは、教師が署名するごとに容器に移すと言って、ノーナが第一号だと伝えて行動を開始する。

当初は相手にされなかった二人の活動は、次第に人々の理解を得てイベントが開けるまでになり、マスコミも注目する。

ジェイミーの行動に感銘を受けるマイケルだったが、組合と対立するために賛同はできないと伝える。

かつて、尊敬する恩師が組合に救われたことを話すマイケルは、彼に影響されて教師になったことを伝え、学校をよくしたいだけだと言うジェイミーと意見が食い違う。

組合長アーサー・グールド(ネッド・アイゼンバーグ)は、ジェイミーとノーナの活動を脅威と考えていることをエヴリンに伝えるものの、変化を求めているだけだと意見される。

ブリーナら同僚達に相談しなかったことを謝罪したノーナは、理想の教師になるチャンスだと言って、どうするべきか話し合う機会を与えてほしいと伝える。

マイケルは会合への参加に躊躇し、マリアの相手もしてあげられないジェイミーは悩む。

ブリーナを訪ねたノーナは、組合が動き出したことを知らされ、彼女に協力を求める。

教師の会合が開かれてマイケルも参加し、理想の学校にするための話し合いが始まり、ノーナの意見に反対して退席する者もいたが、多くの賛同は得られる。

バーで祝杯を挙げたジェイミーとノーナは、その後、教育委員会の審問に備える。

ジェイミーの職場を訪ねたエヴリンは、ある学校を紹介すると伝えて見に行くことになる。

教育委員会のオリヴィア・ロペス(マリアンヌ・ジャン=バプティスト)に声をかけたノーナは、今期中に審問を開いてほしいと伝えるものの、5週間後の予定は変えられないと言われる。

エヴリンと待ち合わせて、アダムズとは全く教育環境の違う学校を視察したジェイミーは、自分の収入ではマリアを入れることは無理だと伝える。

奨学金を受けられると言われたジェイミーは、買収なのかと尋ねるものの、エヴリンは選択肢を与えるだけだと答える。

マリアのことを第一優先で考えるべきであり、自分が決断すればノーナにも道は開けると言われたジェイミーは心が動く。

今後の対策を考えるノーナは、審問を開く教育委員会の委員7人をチェックし、キングは間違いなく反対に回るとジェイミーに伝える。

ジェイミーと共にオリヴィアに会ったノーナは、自分の意見書の内容は評価すると言われ、一歩前進したと考える。

エヴリンの元に向かったジェイミーは、奨学金を受けずにアダムズで活動を続けることを話す。

マリアから尊敬もされず仲間を裏切ることになるためと言うジェイミーに、正しい選択を尊重すると教育者としての意見を伝えたエヴリンだったが、娘が苦しむことを考えるべきだと意見する。

娘の読字障害を知っていて利用したと言われたエヴリンは、州で初めて組合を組織した両親の元で育ち、同じ立場を経験した立場ので話をする。

アダムズを変えることは不可能であり、学校に残るマリアからチャンスを奪ったことになると言われたエヴリンは、言葉を返すことなくその場を去る。

職場に戻ったジェイミーは、自分を待っていたノーナから、エヴリンに会ったことを非難される。

ノーナの授業を視察したオリヴィアは、10日後の審問での心構えを伝える。

最終段階に入り身も心も活動に捧げるジェイミーは、活動に参加して協力してくれないマイケルを突き放してしまう。

コーディと離れて暮らすことを決心したノーナは、息子をチャールズの家に連れて行き涙する。

アダムズに続こうとする学校が続出していることをグールドから知らされたエヴリンは、委員会は自分達の味方だと言いつつ、ジェイミーを見れば阻止する気にはなれないと伝え、譲歩するべきだとも考える。

それを認めないグールドは、徹底抗戦することを伝える。

ホランド校長に呼ばれたノーナは、欠席した児童を出席扱いにしたことを責められ、停職処分となる。

マリアが問題を起こしたという連絡を受けたジェイミーは学校に向かい、お漏らししたマリアに適切な対応をしない担任を非難して罵倒する。

トイレに駆け込んだマリアはジェイミーを責めて、貧乏な上にバカだと言ってしまう。

ショックを受けたジェイミーは、言葉を失ってしまう。

マイケルやブリーナら教師達を集めて話すエヴリンは、アダムスで起きていることが他校に影響することについて話す。

エヴリンの人間性への見解に同意できないと言うマイケルは、行動を起こした教師は子供達のために変化を願っていると話し、必要だったリーダーも見つけたと伝える。

信念を貫き突き進むノーナは、教育委員会への提案書を同僚らに配り、子供達のために全てを捧げる自分の考えに理解を求める。

処分中のノーナだったが、警備員が来ると言って現れたホランドにも提案書を渡してその場を去る。

ホランドは、ここは教師達の場所だとブリーナから言われる。

18人の教師の賛同を得られたことをノーナから知らされたジェイミーは、彼女を抱きしめる。

その18人目のマイケルの教室に向かったジェイミーは、彼にプレゼントを渡す。

ノーナについての正しい資質が問われる資料が届き、苦悩するエヴリンは、グールドからの連絡を無視する。

資料は委員会に送らないようにと指示したエヴリンだったが、既に送られたことを知る。

チャールズの家に向かいコーディと話したノーナは、乳児の時に”疝痛”で苦しんでいた際、ワインを飲んでいたにも拘らず、自分が運転して車で病院に行く途中で事故を起こしたことを伝える。

その際に、シートベルトを締め忘れたたためにコーディは投げ出され、それが原因で脳に障害が起きたと皆に言われ、その思いが頭から離れたことがないと話すノーナは、コーディに謝罪する。

それが原因でないと言うコーディは、一緒に寝てくれればいいとノーナに伝えてキスする。

チャールズは、二人の会話を部屋の外で聞いていた。

審問の当日、ノーナがリーダーとして適任かを問うグールドの意見を聞かずに、多くの支援者に見守られながら、ジェイミーとノーナは議場に向かう。

議長のオリヴィアら7人の委員は着席し、審問は始まるものの、ノーナらの提案は却下されてしまう。

なぜ投票しないのかを問うノーナは、委員のブラントから、話し合いは非公開が原則だと言われる。

今回に限り特例を認めると言うオリヴィアは、ノーナへの中傷とは無関係だと示す必要があると伝える。

ブラントから予算の数字に計算間違いがあると指摘されたノーナだったが、ジェイミーが、読字障害である自分が間違えたと伝える。

生涯に付いて子供の頃に知らなかったのは、学校が自分のために何もしてくれなかったからだと話すジェイミーは、マリアに、同じ目に遭わせないと伝える。

必ず理解のある学校に行かせると言うジェイミーは、この活動は子供達のためのものであり、誤字で却下されるために行ったものではないと伝え、投票しない限り帰らないという意思を示す。

”投票”というマイケルの言葉が会場中に広がり、オリヴィアは投票を行う。

オリヴィアは賛成し、賛否は3対3となり、最後の投票はキングだった。

わだかまりがあったマリアがジェイミーに歩み寄り、幸運の女神だと言われて抱きしめてもらう。

破綻しているアダムズから多くの落後者が排出された現実を考えつつ、提案で改善されるかは疑問だが、一歩を踏み出さなければ何も始まらないと言うキングは賛成して、動議は可決される。

ジェイミーとノーナは抱き合い会場は歓喜し、アダムスの未来は開けたと言うオリヴィアは閉会する。

不服申し立てをすると言うグールドに、エヴリンは、辞職すると言って教職に戻ることを伝える。

ジェイミーとノーナは、会場の外で待ち構えていた支援者に迎えられる。

その後、アダムズは生まれ変わり、集会が開かれ、社会見学の発表をするためノーナに指名されたマリアは舞台に上がる。

ジェイミーに見守られながら、メモを読み見学場所を伝えたマリアは、誤字を訂正する。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ピッツバーグ
シングルマザーのジェイミー・フィッツパトリックは、読字障害の娘マリアと共にアダムズ小学校に登校する。
マリアに対し適切な対応をしようとしない担任に不満を抱くジェイミーは、優秀校であるローザ・パークス小学校の抽選会場に向かうものの落選してしまう。
ジェイミーは、その場にいたアダムズの教師で、障害を持つ息子がいる同じ立場のノーナに出会う。
親と教師の半分の署名を集め、提案書を書き委員会に審問を予約して可決されれば学校が再建できることを知ったジェイミーは、ノーナに協力を求めて活動を始めるのだが・・・。
__________

本作は、2010年、ロサンゼルスサンランド=タハンガでの、”Parent trigger”法を利用した劣等校再建に動いた親達のグループの行動を基に製作された作品。

教育現場とは名ばかりの、劣等生や障害者の収容施設のような学校を、教員組合の圧力などに屈せず、子供達のために闘った親と教員の執念の活動を描く感動作に仕上がっている。

主人公達は、生涯を抱える子の親であり、ゼロから始めた行動で戸惑いながら苦悩するのだが、意外にスムーズに事が解決してしまう展開など、やや脚本に深みがない感じを受ける。

批評家の評価が低かったのもそのあたりが原因だったのかもしれないし、魅力的なキャスティングであり注目作だったが、商業的には成功しなかった作品。

主演のマギー・ギレンホールは、オーバーアクション気味の演技が気になるものの、読字障害の娘のための行動に全てを捧げる母親を熱演し、もう一人の主人公であるヴィオラ・デイヴィスが、息子を傷つけてしまったことで苦しみながら闘う教師を、深い演技で好演している。

ジェイミー(マギー・ギレンホール)に協力して愛し合うようになる教師オスカー・アイザック、ノーナ(ヴィオラ・デイヴィス)の親友である同僚教師のロージー・ペレス、主人公らの気持ちを理解する思慮深い組合の幹部ホリー・ハンター、読字障害であるジェイミーの娘エミリー・アリン・リンド、ノーナの別れた夫ランス・レディック、優秀校ローザ・パークス小学校の校長ヴィング・レイムス、アダムズ小学校の校長ビル・ナン、組合長のネッド・アイゼンバーグ、教育委員会の委員マリアンヌ・ジャン=バプティスト、児童の母親ライザ・コロン・ザヤス、障害があるノーナの息子ダンテ・ブラウンなどが共演している。


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