再婚相手の娘が現れたことをきっかけに人生の歯車が狂い始める中年女性の悲哀を描く、監督、脚本ウディ・アレン、出演ジム・ベルーシ、ジュノー・テンプル、ジャスティン・ティンバーレイク、ケイト・ウィンスレット他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ウディ・アレン
製作
レッティ・アロンソン
エリカ・アロンソン
エドワード・ウォルソン
製作総指揮
アダム・B・スターン
マーク・アタナシオ
ロナルド・L・チェズ
脚本:ウディ・アレン
撮影:ヴィットリオ・ストラーロ
編集:アリサ・レプセルター
出演
ハンプティ・ラネル:ジム・ベルーシ
キャロライナ・ラネル:ジュノー・テンプル
ミッキー・ルービン:ジャスティン・ティンバーレイク
ジニー・ラネル:ケイト・ウィンスレット
リッチー・ラネル:ジャック・ゴア
誕生パーティーのゲスト:デビ・メイザー
アンジェロ:トニー・シリコ
ニック:スティーヴ・シリッパ
ルビーズの客:トム・ギリー
ライアン:マックス・カセラ
ジェイク・ジャコビ:デヴィッド・クラムホルツ
アメリカ 映画
配給 アマゾン・スタジオ
2017年製作 101分
公開
北米:2017年12月1日
日本:2018年6月23日
製作費 $25,000,000
北米興行収入 $1,404,060
世界 $15,889,120
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1950年代、コニーアイランド。
ニューヨーク大学で演劇を学ぶ劇作家志望のミッキー・ルービン(ジャスティン・ティンバーレイク)は、夏の間ライフカードのアルバイトをしていた。
回転木馬を担当しているハンプティ・ラネル(ジム・ベルーシ)の娘キャロライナ(ジュノー・テンプル)は、その場に到着して父を捜す。
ハンプティがレストラン”ルビーズ”のウェイトレスをしているジニー(ケイト・ウィンスレット)と結婚したことを知ったキャロライナは、父の居場所を訊くために彼女に会いに行く。
キャロライナと話したジニーは戸惑い、桟橋で釣りをしているハンプティは30分後に戻ると言いながら、彼女を家に案内する。
ギャングのフランクと駆け落ちしてハンプティとは絶縁状態だったキャロライナは、追い払われることを覚悟していたが、他に行き場がなかった。
連れ子のリッチー(ジャック・ゴア)がいたジニーは、問題ばかり起こす息子のことで悩んでいた。 そこにハンプティが戻り、キャロライナに気づいた彼は、彼女を追いだそうとする。 戻れば殺されると言うキャロライナは、既に警察にも相談し、協力しなければ禁固刑5年だと脅されていることを話す。 結婚に反対したはずだと言うハンプティは憤慨し、断酒していた彼はジニーに酒を要求しながら興奮する。 亡くなった妻も反対していたし、自業自得なので一生苦しめと言うハンプティは、キャロライナを突き放す。 悪党がこの場に来る可能性を心配するハンプティとジニーに、キャロライナは、父とは5年間音信不通だと話してあると伝える。 来たら殺すと言うハンプティは、自分の希望だった自慢の娘の成れの果てを見て嘆く。 そこにリッチーが戻り、頭痛で不機嫌なジニーは、火遊びをして家事を起こしそうになった息子を叱る。 翌日、映画館にいたリッチーを見つけたジニーは、夏季補修に行くよう指示する。 その後も、火に異常に興味を持つリッチーは、放火を繰り返す。 リッチーと話をしたジニーは、自分が女優だったことを伝えて、父がどこにいるか訊かれたので消えたと答える。 ミッキーは、夏の初めからジニーと不倫関係だった。 ビーチでジニーに出会ったミッキーは、彼女生き方に悲劇を感じる。 ミッキーとビーチで関係をもったジニーは、39歳で結婚をしていることを告白する。 過去にも俳優仲間と不倫したことを話すジニーは、それを知りショックを受けた夫は去り、彼との生活が真実の愛だと悟ったとミッキーに伝える。 それがきっかけで演技ができなくなり、酒に溺れて女優の職を失い、同じような境遇のハンプティに出会い立ち直ったが、愛を与えてくれたのは最初の夫だとジニーは話す。 ハンプティからは、愛ではなく感謝と友情を学んだと言うジニーは、義理で愛し合うだけで、本気になれる相手がいないとミッキーに話し二人の関係は深まる。 結局、ハンプティはキャロライナが来たことを喜び、ウェイトレスを始めた彼女のおかげで、ジニーは店を抜け出しやすかった。 キャロライナに一生ウェイトレスをさせるつもりはないハンプティの考えに従い、彼女は夜学に通うようになる。 そんな時、フランクの指示で現れたギャングのアンジェロ(トニー・シリコ)とニック(スティーヴ・シリッパ)からキャロライナのことを訊かれたハンプティは、縁を切ったので知らないと言って白を切る。 諦めたアンジェロとニックは、ハンプティの話を信じてカリフォルニアに向かう。 ジニーと映画館の前で出くわしたミッキーは、彼女と一緒にいたキャロライナが気になる。 釣り仲間のライアン(マックス・カセラ)らから、キャロライナが軍人といたと言われたハンプティは、美人の娘を奪われると彼らにからかわれる。 ビーチでミッキーに声をかけたキャロライナは、結婚していたことなどを話し、彼からアーネスト・ジョーンズの著書”ハムレットとピディプス”を貸してもらう。 そのことをキャロライナから知らされたジニーは、二人の関係が気になる。 ジニーから、キャロライナには手出ししないようにと忠告されたミッキーだったが、彼女に惹かれてしまい、複雑な状況に悩む。 そんなミッキーは、雨の日にレストランに向かうキャロライナを車に乗せる。 ギャングの夫から逃げて、FBIに情報を流したために恨まれ、追われていることをミッキーに話したキャロライナはレストランに向かう。 仕事に遅れたことでジニーに責められたキャロライナは、彼女の40歳の誕生日にプレゼントを買ったことを伝える。 その夜、友人(デビ・メイザー)などを呼び、ハンプティの考えで誕生パーティーが開かれるが、頭痛で楽しむ気になれないジニーはキャロライナと話をする。 雨の中でミッキーの車に乗せてもらったと言うキャロライナから、互いに惹かれ合っていることを知ったジニーは動揺する。 ジニーは、触れ合いキスしたかが気になり、ミッキーは今、恋人に夢中で結婚するようなので、諦めるべきだとキャロライナに伝える。 パーティーは終わり、美人を鼻にかけるのはやめるようにとキャロライナに忠告したジニーは、校長からの電話を受ける。 リッチーが放火事件を起こしたことを知ったジニーは彼を叱り、人が死ぬ寸前だったとハンプティに伝える。 キャロライナに八つ当たりしてハンプティとも言い合うジニーは、興奮して怒鳴り散らす。 翌日、リッチーにセラピーを受けさせたジニーは、キャロライナのことばかり考えるハンプティに不満を訴える。 その後、ミッキーから”ユージン・オニール戯曲集”をプレゼントされたジニーは、キャロライナのことを尋ねる。 雨の日に車に乗せただけだと答えたミッキーは、嫉妬で狂いそうだと言うジニーを落ち着かせる。 哲学を学ぶ友人で秀才のジェイク・ジャコビ(デヴィッド・クラムホルツ)に助言を求めたミッキーは、キャロライナよりもジニーの方が性に合うように思える。 ジニーを選ぶ決心をしたミッキーだったが、キャロライナから、ピザ店”カプリ”に誘われて行く約束をする。 ハンプティの金を盗んだジニーは、誕生日が近いミッキーにプレゼントする懐中時計を買う。 セラピーを受けたリッチーは、待合室で放火してしまう。 遊歩道でミッキーに会ったジニーは、プレゼントを渡す。 500ドルもする高価な時計を見たミッキーは驚き、今の自分は受け取れないと伝える。 キャロライナが原因だと決めつけたジニーは激怒し、時計をビーチに投げ捨ててその場を去る。 帰宅したジニーは、400ドル盗まれたことをリッチーのせにするハンプティに、自分がセラピーの支払いに使ったことを伝える。 リッチーが待合室に放火したという連絡を受けたと言うジニーは、頭痛がして苛立ち隠していた酒を飲む。 そこに戻って来たキャロライナが、ミッキーの誕生日だと言いながらピザ店に向かうことを知ったジニーは驚き、更に酒を飲む。 仕事のためレストランに向かったジニーは、再び現れたアンジェロとニックが、店長のタイナーと話してキャロライナのことを探り、デートすることを知ったために焦る。 ピザ店”カプリ”に電話をしたジニーは、キャロライナを呼び出すものの電話を切ってしまう。 カプリでキャロライナと話したミッキーは、恋していると言って彼女の答えは求めず、ジニーと浮気していることを伝える。 ジニーに愛はないと言うミッキーは、幸せにしてくれる男を求めている彼女の相手は自分ではないので、別れるつもりだとキャロライナに伝える。 キャロライナは、ジニーに頼っている父のことと、何も知らずに彼女を傷つけてしまったことを気にして動揺する。 様々なことが起きれば混乱するものだと伝えたミッキーは、店を出て、1人で歩きたいと言うキャロライナと別れる。 車で店を監視していたアンジェロとニックは、キャロライナを尾行する。 翌朝、戻ってこないキャロライナのことを心配するハンプティは、ミッキーの元に向かい事情を聞き、彼女を泊めなかったことを確認するものの苛立つ。 帰宅したハンプティから、キャロライナが連れ去られとことを知らされたジニーは、我慢できず酒を飲んで興奮し、娘を売った言う彼に疑われる。 キャロライナの身を案ずるハンプティは嘆き、バーに向かう。 現われたミッキーが、自分を捨てたことが間違いだと悟ったと思ったジニーは、キャロライナは殺され埋められたと言う彼の推理を訊く。 ハンプティやタイニー、そしてカプリの支配人とも話したと言うミッキーは、女性から電話があったが切れたと話していたとジニーに伝える。 この状況に不似合いなドレスを着て落ち着いているジニーのことが理解できないミッキーは、キャロライナを邪魔だと思っていたことを彼女に確かめる。 それを否定するジニーを、危険を知らせずに電話を切ったと言って非難するミッキーは、愛したことを後悔する。 ナイフを手にして自分を殺せばいいと伝えたジニーだったが、ミッキーは何も言わずに出て行く。 酔って戻ったハンプティは、警察の情報はないとジニーに伝え、まともとは思えないドレス姿の彼女を批判する。 しかし、ジニーしか頼る者がいないハンプティは謝罪し、見捨てないでほしいと伝えて、彼女を釣りに誘う。 それを拒み釣りは嫌いだとハンプティに伝えたジニーは、現状の生活を続けるしかないと考える。 ビーチにいたリッチーは、放火した炎を見つめる。
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*(簡略ストー リー)
1950年代、コニーアイランド。
カーニバルの回転木馬担当のハンプティ・ラネルは、ギャングと駆け落ちして縁を切った娘キャロライナが、夫から逃げてきたことを知る。
キャロライナを追い払おうとしたハンプティだったが、暫くして気が変わり、娘のために学費を稼ぎ教育を受けさせようとする。
レストランのウェイトレスであるハンプティの妻で元女優のジニーは、度々、放火騒ぎを起こす息子のリッキーに手を焼いていた。
何もかも投げ出したい気分で常に苛立つジニーは、劇作家志望のアルバイトで、ライフガードのアルバイトをする青年ミッキーと不倫関係だった・・・。
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監督、脚本ウディ・アレン、彼の作品では初出演となる演技派ケイト・ウィンスレット、ジム・ベルーシ、ジュノー・テンプル、ジャスティン・ティンバーレイクら人気スター競演が話題になった作品。
再婚相手の娘が現れたことをきっかけにして、人生の歯車が狂い始める中年女性の悲哀を描くドラマ。
1950年代の雰囲気を見事に再現したセット、ヴィットリオ・ストラーロの美しい映像など見所はあるものの、魅力的な出演者の演技を活かしきれないウディ・アレンの演出は平凡に終わり、批評家から好評価を得ることはできなかった。
つかの間の不倫だけに喜びを感じつつ、思い通りにならない人生に苛立つ女性を見事に演じた、ケイト・ウィンスレットの演技は高く評価された。
カーニバルの回転木馬係であり、突然、現れた娘のために生きる決心をする粗野な男を熱演するジム・ベルーシ、その娘で、ギャングの夫から逃げて命を狙われるジュノー・テンプル、劇作家志望のライフガードの青年で、ジニー(ケイト・ウィンスレット)と不倫関係にあるジャスティン・ティンバーレイク、放火癖がある問題児ジニーの息子ジャック・ゴア、ジニーの誕生パーティーのゲスト、デビ・メイザー、ギャングの二人組トニー・シリコとスティーヴ・シリッパ、キャロライナに言い寄るレストランの客トム・ギリー、ハンプティ(ジム・ベルーシ)の釣り仲間マックス・カセラ、ミッキー(ジャスティン・ティンバーレイク)の友人デヴィッド・クラムホルツなどが共演している。