1993年に発表された、トム・クランシーの小説”容赦なく”を基に製作された作品。 陰謀に巻き込まれ妻を殺された元”Navy SEALs”隊員の復讐を描く、監督ステファノ・ソリマ、製作、主演マイケル・B・ジョーダン、ジェイミー・ベル、ジョディ・ターナー=スミス、ガイ・ピアース他共演のサスペンス・アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ステファノ・ソリマ
製作
アキヴァ・ゴールズマン
マイケル・B・ジョーダン
ジョシュ・アペルバウム
アンドレ・ネメック
原作:トム・クランシー”容赦なく”
脚本
テイラー・シェリダン
ウィル・ステイプルズ
撮影:フィリップ・ルースロ
編集:マシュー・ニューマン
音楽:ヨンシー
出演
ジョン・ケリー上級兵曹長/ジョン・クラーク:マイケル・B・ジョーダン
ロバート・リター:ジェイミー・ベル
カレン・グリア少佐:ジョディ・ターナー=スミス
ローディ・キング:ルーク・ミッチェル
サンダー:ジャック・ケシー
ヴィクトル・ルイコフ:ブレッド・ゲルマン
パム・ケリー:ローレン・ロンドン
ウェスト牧師:コールマン・ドミンゴ
トーマス・クレイ国防長官:ガイ・ピアース
ハチェット:ジェイコブ・スキピオ
キース・ウェッブ:カム・ギガンデット
ダラス:トッド・ラザンス
サラ・ディラードCIA長官:ルーシー・ラッセル
アンドレ・ワシリエフ:メラーブ・ニニッゼ
アメリカ 映画
配給 アマゾン・スタジオ
2021年製作 109分
公開
北米:2021年4月30日
日本:2021年4月30日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
シリア、アレッポ。
アメリカ海軍”Navy SEALs”のジョン・ケリー上級兵曹長(マイケル・B・ジョーダン)の部隊は、指揮官のカレン・グリア少佐(ジョディ・ターナー=スミス)と共に、CIAのロバート・リター(ジェイミー・ベル)に合流する。
グリアらは、親アサド派と思われる、準軍事組織の人質となったCIA工作員を救出する。
それが元ロシア兵だと知ったケリーは疑問に思い、部隊は攻撃を受ける。
死傷者が出たものの、リターから人質救出が優先だと言われたケリーは、脱出地点で合流することを確認する。
グリアを助けたケリーは、その場がロシアの武器の倉庫であることに気づきながら敵を倒す。
脱出地点に到着したヘリコプターに乗り込んだケリーとグリアは、ロシア兵のことでリターを追及する。
仲間が1人死んだことをリターに伝えたケリーは、それが仕事だと言われたために憤慨し、彼に襲いかかろうとする。
グリアに制止されたケリーは、空爆される市街を見つめる。
3か月後、ワシントンD.C.。 ケリーとパムは、ウェスト牧師(コールマン・ドミンゴ)と除隊や出産のことについて話す。 ノースカロライナ州、シャーロット。 ジョージア州、アトランタ。 帰宅したケリーは、パムを寝かせて居間で音楽を聴きながらくつろいでいた。 パソコンの電源が切れたために、停電しことに気づいたケリーは、二階を見に行く。 数名の侵入者は寝室に向かい、ベッドに向けて発砲しする。 侵入者の1人が仲間を殺し、数人を倒したケリーと銃撃戦になる。 相撃ちになったケリーは銃弾を受け、相手(ブレッド・ゲルマン)の顔を確認するが、体を動かすことができない。 侵入者はケリーを撃とうとするものの、弾切れだったためにその場から逃げる。 何とか寝室に向かったケリーは、パムが殺されていることを知り、ショックを受けて気を失う。 その後、発見されたケリーは、一命を取り留めて病院に搬送される。 事件を報告するリターは、同じ部隊員3名が24時間以内に襲撃されたことを伝え、彼らにトラブルも多いことなども含めた調査を進めようとする。 その場にいたグリアは、部下を信頼していることをリターに伝え、隠しごとはせずに、すべて話すよう求める。 リターが調査中としか答えないために、グリアはその場を去る。 意識が戻ったケリーは、付き添ってくれていたグリアから、子供も助からなかったことを知らされる。 ケリーは、黒幕が誰か分からないと言うグリアに、相手はプロで、寝室の死体は自分が殺していないと伝える。 逃走した男の名前だけを知ろうとするケリーだったが、知っていてもグリアは答えられる立場になかった。 ペンタゴン。 回復したケリーは、リハビリを始める。 ラングレー、CIA本部。 アレッポにいたFSB長官の息子ユーリ・ゼリンらが、グリアの部隊に殺害されたための報復である可能性を指摘するリターは、ケリーの自宅の死体に関する報告書をクレイに見せる。 グリアから逃げた1人のことを訊かれたリターは、関係ない話であり、CIA長官サラ・ディラード(ルーシー・ラッセル)は解決済みと考えていることを伝える。 クレイから、ディラードの考えを今は受け入れるしかないと言われたグリアは、納得できないままその件をケリーに伝える。 グリアから犯人の情報書類を渡されたケリーは、逃げた男のことは不明だったものの、パスポートを発効したのが、ロシアの外交官アンドレ・ワシリエフ(メラーブ・ニニッゼ)であることを知る。 自宅に戻ったケリーは、隠してあった武器などを持ち出し、酔っ払いを装ってロシア大使館に近づく。 車で”ダレス国際空港”に向かうワシリエフを追ったケリーは、警察に通報して護衛車を検挙させる。 ワシリエフの車に衝突したケリーは、車にガソリンをかけて火を放ち、乗り込んで運転手を射殺し、ワシリエフに銃を向けて、4人目の男の名前を聞き出そうとする。 脚を撃って脅したケリーは、自分のことを知っているワシリエフから邪魔だと言われ、彼の胸も撃つ。 ”ヴィクトル・ルイコフ”という名を聞き出したケリーは、ワシリエフを射殺し、車から出て逮捕される。 ロシア政府がNavy SEALs隊員殺害に関与していたことが報道され、その件についてリターと話したクレイは、グリアが情報を流した可能性を指摘される。 クレイは、ロシア側の出かたを気にするリターに、自分たちにはできないことをしたケリーの動向を見守る考えだと伝える。 刑務所に収監されたケリーと面会したグリアは、彼の行動を正気とは思えなかった。 ケリーは、国に裏切られ妻子も殺された今、ルールは自分が作るとグリアに伝える。 入手した新たな情報をクレイに話す考えをグリアに伝えたケリーは、仕組まれて入れられた、ロシアのマフィアだらけの刑務所から出すよう指示する。 その後ケリーは、襲いかかて来た看守を叩きのめし、1人を捕らえて、殺すと言って監房に閉じこもる。 暫くして現れた連邦保安官は、ケリーにグリアと電話で話をさせる。 グリアから連邦保安官を信用しろと言われたケリーは釈放され、彼女とクレイが待つ場所に移動する。 クレイからディラードCIA長官を紹介されたケリーは、グリアとリターも同席するその場で、情報の提供を求められる。 ヴィクトル・ルイコフの名前を出したケリーは、妻を殺した4人目の襲撃犯だと伝えるものの、彼が死んだことを知らされる。 リターから、ルイコフはCIAが排除したと言われたケリーは、写真で面割りして彼を確認する。 ルイコフが生きているなら、ムルマンスクに潜伏していると思われる彼を捕らえるべきだとリターに提案されたクレイは、チームに加わりたいと言うケリーの要望を却下し、グリアに指揮を任せる。 ケリーは、目的のためなら、容赦なく何事も実行し行動できると言って、自分のような人間が必要だとクレイに伝える。 最善とは言えないと意見するグリアは、ケリーが現場に出られる精神状態でないことを指摘する。 ケリーが作戦に加わることを許可したクレイは、帰還後は重罪犯として服役するよう命ずる。 ドイツ、ライプチヒ。 グリアがクレイの前で言った言葉を気にするケリーは、復讐できれば、その後はどうなってもいいと伝える。 捕獲が目的であり、ルイコフに裁きを与えると言われたケリーは、約束は守れないとグリアに伝える。 バレンツ海上空。 ミサイル攻撃を受けた機体は、制御不能となり着水する。 グリアらは脱出するが、ケリーは装備を取りに向かう。 ケリーは、真っ二つに折れて沈む機体から、酸素マスクを使い装備を海面に浮上させることに成功する。 グリアらは、回収したゾディアック・ボートでムルマンスクに向かう。 現地に着いたグリアらは、コードネームをやめて本名で呼び合う。 アレッポの件や墜落のことも疑問に思うケリーは、一緒に来なかったリターを疑う。 グリアらはCIAと合流し、リターに銃を向けて襲いかかったケリーは、本当の目的を聞き出そうとする。 ケリーらが墜落で死んだと思ったリターは、ルイコフを捕らえて攻撃を阻止すると言って、彼の居場所に案内することを伝える。 発砲して脅したケリーは、裏切っていないと言うリターの言葉を一応、信じる。 グリアらは目的地に着き、ケリーは、向かいのビルにいるルイコフを確認する。 夜になり、行動を開始したグリアらは向かいのビルに侵入し、先行したケリーはフェンスに鍵をかけ、単独でルイコフを捜す。 ルイコフから声をかけられたケリーは、おびき寄せたと言われ、自爆ベストを着ている彼を見つける。 ルイコフは自爆し、無事だったケリーはグリアらの元に戻る。 狙撃兵の攻撃を受けてダラス(トッド・ラザンス)が撃たれ、ケリーは敵の位置を確認して援護させる。 ケリーがダラスを助けに行き、サンダー(ジャック・ケシー)がもう一人の狙撃兵の弾丸を受ける。 ハチェット(ジェイコブ・スキピオ)とケリーの無事を確認したグリアは援護させて移動し、警察が駆け付けたことに気づく。 狙撃兵は警官を射殺し、グリアとケリーは、自分たちの仕業に見えると考える。 自宅の寝室の死体も仕組まれたものだと話すケリーは、自分たちはロシアで死ぬアメリカ兵になると言うグリアらと共に、すべてが戦争を起こすための罠だったことに気づく。 グリアらは、脱出するために負傷者を連れてロビーに向かう。 子供に愛していると伝えてほしいと言い残し、ダラスは息を引き取る。 屋上で敵を排除することを考えたケリーは、チームを脱出させるようグリアに指示する。 納得できないグリアだったが、ケリーから、自分は兵士ではなく重罪犯なのでこの場で死ねると言われ、指示に従う。 屋上に向かったケリーは地上に攻撃を加え、その間にグリアらは脱出して逃走する。 傷を負いながら敵を倒しロビーに向かったケリーは、警官の制服を奪い、爆破を利用してその場から脱出する。 救急車を奪ったケリーは、何とかアジトにたどり着く。 グリアはケリーを連れて港に向かい、待機していたリターらと共に船で出国する。 ワシントンD.C.の黒幕を突き止めようとするリターは、持参した大金をケリーに渡し、死亡したことにする考えを伝える。 ケリーは、誤解していたとリターに伝える。 ワシントンD.C.。 報告書に書いていない、ルイコフの自爆ベストの件を知っていたクレイが黒幕だということを確認したケリーは、彼に襲い掛かり気絶させて車に乗せる。 目覚めたクレイは拘束されていることに気づき、目的を訊くケリーに家族全員を殺すと脅される。 アメリカとロシアの対立により戦争を起こすことで経済を活性化させ、共通の敵に対して国民を団結させようとしたことを、クレイはケリーに話す。 車を橋からポトマック川に落下させたケリーは、死ぬ前に妻パムの名前を言えと指示する。 パムと言ったクレイは溺死し、ケリーも川底で意識を失いかける。 光が見えたケリーは、パムのことを考える。 ケリーの葬儀が行われ、グリアらが参列する前で、ウェスト牧師が祈りを捧げる。 星条旗を受け取ったグリアは車に戻り、クレイの自殺を伝えるラジオを消す。 グリアは、後部座席にいたケリーと共にその場を去る。 ケリーは川底でグリアに救出され、レコーダーを持ち帰ったのだった。 リターは、車の中で録音したクレイの話を上司に聴かせて、ある考えを伝える。 ユニオン駅。 1年後。 名前の由来を訊かれたクラークは、個人的なことだと答え、その場を去るリターからよく戻ったと言われ、戻れてうれしいとつぶやく。
除隊を決めたケリーは、来月、出産を控える妻パム(ローレン・ロンドン)と共にパーティーに出席する。
...全てを見る(結末あり)
グリアの部下ローディ・キング(ルーク・ミッチェル)は、ゴミを出している際にバンに轢き殺される。
車を運転中のキングの同僚キース・ウェッブ(カム・ギガンデット)は、前方のバンから降りた男(FSB/ロシア連邦保安庁工作員)に射殺される。
オフィスにいたグリアは、現れたトーマス・クレイ国防長官(ガイ・ピアース)から、ケリーが信頼できる人物か訊かれる。
クレイに呼ばれたグリアは、リターから事件の報告を聞く場に同席する。
隊員たちと改良された旅客機に登場するケリーは、リターは別行動で現地に向かうことを知る。
降下準備をしたグリアらは、領空侵犯の警告を発するロシア空軍戦闘機に気づき、降下を中止する。
クレイに接触したケリーは、CIAが任務を指揮してロシアとの関係悪化を狙ったと話す。
ケリーと別れるグリアは、リターが用意した”ジョン・クラーク”としての新しいIDを渡し、連絡してほしいと伝えて彼と別れる。
戻ったクラークは、CIA副長官に昇進したリターに会い、アメリカ、イギリス、NATOの精鋭で構成する多国籍テロ対策チーム、コードネーム”レインボー”の創設を提案する。
*(簡略ストー リー)
シリア、アレッポ。
アメリカ海軍”Navy SEALs”のジョン・ケリー上級兵曹長は、指揮官のグリア少佐らと共にCIAのリターに合流する。
ケリーとグリアは、救出した人質のCIA工作員が元ロシア兵だったためにリターの行動を疑う。
帰国後ケリーは、侵入者に出産を控えた妻パムを殺され、復讐を誓い犯人を探そうとする。
グリアの協力を得たケリーは、侵入者が”FSB/ロシア連邦保安庁”の工作員だったことを知り、真相を突き止めようとするのだが・・・。
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トム・クランシーの小説”容赦なく”を基に製作された作品。
”ジャック・ライアンシリーズ”に登場する、特殊部隊”レインボー”の立案者ジョン・ケリーが”ジョン・クラーク”になるまでを描くサスペンス・アクション。
製作したパラマウント映画により劇場公開される予定だったが、”新型コロナウイルス”拡大の影響で延期され、結局は公開を断念してアマゾン・スタジオに配給権を売却し、Amazonプライム・ビデオで独占配信された経緯がある。
ストーリーがややご都合主義的であり、米ソの対立も含め、現代の政治、軍事的問題にマッチしない内容に加え、古臭い愛国心を大儀とした陰謀の目的など、演出、脚本ともに平凡なものに終わっている。
妻を殺され、復讐のためには手段を選ばない元”Navy SEALs”隊員を演ずるマイケル・B・ジョーダンは、その目的を達成し、人間として成長しながら新たなポジションに就く主人公を熱演している。
主人公と対立し合いながら、陰謀の黒幕を突き止めようとするCIA局員ジェイミー・ベル、主人公と共に戦う”Navy SEALs”の指揮官ジョディ・ターナー=スミス、その部下で”FSB/ロシア連邦保安庁”に殺されるルーク・ミッチェルとカム・ギガンデット、陰謀の黒幕である国防長官のガイ・ピアース、ムルマンスク作戦チームの隊員ジャック・ケシー、ジェイコブ・スキピオ、トッド・ラザンス、主人公の妻を殺したFSB工作員ブレッド・ゲルマン、主人公の妻ローレン・ロンドン、主人公の知人である牧師コールマン・ドミンゴ、CIA長官のルーシー・ラッセル、ロシアの外交官メラーブ・ニニッゼなどが共演している。