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WIN WIN/ウィン・ウィン Win Win (2011)

報酬目当てで認知症の老人の後見人になった生活苦の弁護士と老人の孫との交流を描く、製作、監督、脚本トム・マッカーシー、主演ポール・ジアマッティアレックス・シェイファーエイミー・ライアン他共演のヒューマン・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■
監督:トム・マッカーシー

製作総指揮
ロリ・キース・ダグラス

トム・ヘラー
製作
リサ・マリア・ファルコーネ

マイケル・ロンドン
トム・マッカーシー
メアリー・ジェーン・スカルスキー
原案
トム・マッカーシー

ジョー・ティボーニ
脚本:トム・マッカーシー
撮影:オリヴァー・ボーケルバーグ
編集:トム・マカードル
音楽:ライル・ワークマン

出演
マイク・フラハーティー:ポール・ジアマッティ

カイル・ティモンズ:アレックス・シェイファー
ジャッキー・フラハーティー:エイミー・ライアン
テリー・デルフィノ:ボビー・カナヴェイル
スティーヴン・ヴィグマン:ジェフリー・タンバー
レオ・ポプラー:バート・ヤング
シンディ・ティモンズ:メラニー・リンスキー
シェリー:ニナ・アリアンダ
エレノア・コーエン:マーゴ・マーティンデイル
ステムラー:デヴィッド・W・トンプソン
リー判事:シャロン・ウィルキンス

アメリカ 映画
配給 フォックス・サーチライト・ピクチャーズ

2011年製作 106分
公開
北米:2011年3月18日
日本:2012年8月18日
北米興行収入 $10,179,280
世界 $10,831,170


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニュージャージー州、ニュー・プロヴィデンス
弁護士のマイク・フラハーティー(ポール・ジアマッティ)は、妻ジャッキー(エイミー・ライアン)と幼い二人の娘と共に平凡な毎日を送っていた。

会計士スティーヴン・ヴィグマン(ジェフリー・タンバー)と共に事務所を共用していたマイクは、不況の煽りを受けて、まともな仕事がない状態だった。

ある日、身寄りのない初期の痴呆症の老人レオ・ポプラー(バート・ヤング)の娘を捜す仕事を受けたマイクは、秘書のシェリー(ニナ・アリアンダ)に、彼が資産家であり、後見人報酬が1500ドルだということを知らされる。

スティーヴンと共に高校のレスリング部のコーチのバイトまでしていたマイクは、窮地に立たされて思い悩む。

友人のテリー・デルフィノ(ボビー・カナヴェイル)との、朝のジョギングをしていたマイクは、ストレスの極に達して発作を起こし、救急車を呼ぶ騒ぎになる。
...全てを見る(結末あり)

幸い大事には至らなかったのだが、他の仕事の当てもないマイクは、1500ドルの報酬を得るためにレオの後見人になることを考える。

レオと共に裁判所に向かったマイクは、レオの娘との連絡が取れないことを報告する。

裁判所側はマイクの話を考慮し、その結果、レオの判断能力はあることを認め、州の後見局を彼の後見人に決める。

そこで、マイクは自分が後見人になることを申し出て、レオとは家も近所であり、彼が施設で暮らすことを希望していないことなどを裁判長に伝える。

リー判事(シャロン・ウィルキンス)は、マイクの主張を認めて後見人にするのだが、彼はレオを施設に預けてしまう。

ジャッキーに一件を説明したマイクは、レオの家に向かうのだが、そこには、祖父を訪ねて来たカイル・ティモンズ(アレックス・シェイファー)がいた。

目にあざのあるカイルを、一旦レオの元に連れて行ったマイクは、後見人の件を相談しなかったことでジャッキーに非難される。

何も言い返せないマイクは、カイルを迎えに行き、その日は家に泊めて、翌日、母親の元に帰る彼を見送る。

しかし、夜中に警察からの連絡を受けたマイクは、カイルがレオの家に侵入したことを知り、彼を引き取りに行く。

ジャッキーと共にカイルに質問したマイクは、彼が行方が分からない母親の元には帰る気のないことを知らされる。

母親やカイルを殴ったその恋人を許せないジャッキーは、反対するマイク彼を家に滞在させようとする。

翌日マイクは、母親が薬物治療施設に入っていることが分かったカイルを、レスリング部の放課後練習に連れて行く。

練習に興味を持ったカイルは、マイクに経験があると言ってそれに参加する許可を得る。

マイクはスティーヴンと共に、カイルの軽快な動きに驚き、彼にレスリングの才能があることを知る。

カイルが、オハイオ州で2位になったことがある実力の持ち主だということをテリーと共に知ったマイクは、彼を転入
させて入部させる。

レオからの後見人報酬1500ドルも受け取り、運が向いてきたマイクは、カイルを早速、試合に出す準備を始める。

妻に出て行かれたテリーは、気晴らしが必要だと言って、マイクに副コーチ役を希望してそれを許される。

見かけによらず、カイルはレスリングに対しては真面目に取り組み、タバコを止めて早朝トレーニングも始める。

カイルは初戦に圧勝し、当初は警戒していたジャッキーも彼を可愛がる。

強豪校との対戦で同僚が負け続ける中、カイルは相手の有力選手に勝利する。

ジャッキーは、そんなカイルをの活躍を褒めるが、彼が前の学校で、教師の車を盗んで退部させられたことを知る。

それで落ちこぼれになったというカイルを、ジャッキーは励まし、彼はその後も期待に応える。

試合経験のないステムラー(デヴィッド・W・トンプソン)が出場することになり、怖気づく彼にカイルが助言する。

劣性のステムラーだったが、マイクの檄で何んとか持ち応えて、チームは勝利する。

レオに会いに行ったカイルは、その場に母親のシンディ(メラニー・リンスキー)が来ていることを知る。

動揺したカイルは、迎えに来たというシンディの顔を見ただけでその場を去ってしまう。

シンディを迎えたマイクとジャッキーだったが、カイルは母親に会おうともせずに家を出てしまう。

マイクはシンディを送るのだが、途中で電話が入り、カイルがテリーの家にいることが分かる。

翌日、シンディはカイルと会うことになるのだが、彼女は、マイクの事務所に弁護士のエレノア・コーエン(マーゴ・マーティンデイル)を伴って現れる。

シンディは、レオを引き取りオハイオに連れて行くことをマイクに伝える。

全てがばれてしまう法廷で争う訳にもいかないマイクは、シンディの考えに従がうしか方法がなくなるが、カイルはそれに反対する。

マイクはレオの遺言状をシンディに見せて、彼女が相続権から外されていることを伝える。

財産を受け取れないなら、シンディはレオの面倒を見ないと言い張る。

州大会出場がかかった試合で、シンディがその場に現れたために集中できないカイルは、反則負けになってしまう。

カイルは、マイクに謝罪しながら、シンディとは帰りたくないことを伝える。

マイクは、カイルの大事な試合を台無しにしたシンディを非難するが、彼女は、レオの後見人手当を当てにしているのはお互い様だと言い返す。

シンディに報酬は渡しレオの面倒も見るが、高校を卒業させるまでカイルを預かることを条件にする。

しかし、シンディはそれに納得せずにカイルを呼び出し、入手した裁判所の記録を見せる。

判事がレオを施設に入れたのではなく、マイクが報酬欲しさに後見人になったことをシンディはカイルに知らせる。

レオを取り戻すと言うシンディに対し、カイルは祖父には関わるなと言って彼女を脅して部屋を出る。

カイルの行方が分からず心配するマイクとジャッキーだったが、レオも施設を抜け出してしまう。

マイクはレオが家に帰ったものと思い、ジャッキーとテリーと共にその場に向かう。

レオを連れ戻していたカイルは、心配したと言うマイクに、裁判所記録を読んで聞かせる。

マイクは言葉を返せず、ジャッキーもそれを知って驚き、カイルはその場から立ち去る。

ジャッキーは、家計のためにやったとはいえ、マイクのした行為を許せずに一人で家に帰る。

マイクはレオの家で夜を過ごして帰宅し、ジャッキーに謝罪し、ステムラーの家に泊まり戻ったカイルは、出て行く準備をする。

レオが家に戻れるように最善を尽くすというマイクだったが、カイルは納得できない。

ジャッキーは、皆が愛していることをカイルに伝えてマイクと共に部屋を出る。

気持ちを落ち着かせたカイルは、マイクと朝食をとり、レオ、そしてジャッキー、テリーらと裁判所に向かう。

その場にいたエレノアに呼ばれたマイクは、シンディとも話をして、彼女はカイルを預けることを伝える。

後見人報酬を受け取れることで納得したシンディは、カイルに別れを告げて立ち去る。

その後マイクは、生活のためにバーテンダーのアルバイトを始める。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ニュージャージー州、ニュー・プロヴィデンス
弁護士マイク・フラハーティーは、妻ジャッキーと幼い娘二人とで平凡な暮らしをしていた。
しかし、不況でまともな仕事もないマイクは、高校のレスリング・コーチなどのバイトをしていた。
そんなマイクは、身寄りのない初期の痴呆症の老人レオの娘を捜すことになるが、結局は見つからずにいた。
後見人報酬が1500ドルだと知ったマイクは、生活のために自分が後見人になり、資産家のレオを施設に預けてしまう。
その後マイクは、レオを訪ねて来た孫のカイルを数日家に泊めるものの、彼は母親の元に向かわずに戻ってきてしまう。
薬物治療を受ける母親の、居場所も知らないカイルを、マイクは仕方なく預かることにする。
その後マイクは、カイルがレスリングの有力選手だということを知り、彼をチームに入れるのだが・・・。
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俳優でもあるトム・マッカーシーが、製作、監督、原案、脚本を兼ねる意欲作で、「扉をたたく人」(2008)でも高い評価を得た彼が、人間味のある登場人物達を、独特の穏やかな目線で描いた、ヒューマニティー溢れる佳作。

各映画祭他でも評価を受けた本作は、ユーモアも交えながら、麻薬、暴力、貧富の差、離婚など、アメリカの抱える社会問題を鋭く描いた作品でもある。

エリート弁護士とは程遠い、苦難の日々を送る主人公を、実力派らしく落ち着いた雰囲気で演ずるポール・ジアマッティ、逞しいその妻を好演するエイミー・ライアン、二人を慕う少年アレックス・シェイファー、主人公の友人ボビー・カナヴェイル、同じくオフィスを共用する会計士ジェフリー・タンバー、資産家の老人バート・ヤング、その娘メラニー・リンスキー、彼女の弁護士マーゴ・マーティンデイル、主人公の秘書役ニナ・アリアンダ、レスリング部の部員役デヴィッド・W・トンプソン、判事シャロン・ウィルキンスなどが共演している。


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