先住民の少女殺害事件に協力する地元のハンターとFBIの捜査を描く、監督、脚本テイラー・シェリダン、主演ジェレミー・レナー、エリザベス・オルセン、グラハム・グリーン他共演のミステリー犯罪ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:テイラー・シェリダン
製作
ベイジル・イヴァニク
ピーター・バーグ
マシュー・ジョージ
ウェイン・L・ロジャーズ
エリザベス・A・ベル
製作総指揮
エリカ・リー
ジョナサン・ファーマン
ブレイデン・アフターグッド
クリストファー・H・ワーナー
ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
デヴィッド・グラッサー
ウェイン・マーク・ゴッドフリー
ロバート・ジョーンズ
ニック・バウアー
ディーパック・ナヤール
ティム・ホワイト
トレヴァー・ホワイト
ニコラス・シャルティエ
ジョナサン・デクター
ヴァンサン・マラヴァル
ブラヒム・シウア
脚本:テイラー・シェリダン
撮影:ベン・リチャードソン
編集:ゲイリー・D・ローチ
音楽
ニック・ケイヴ
ウォーレン・エリス
出演
コリー・ランバート:ジェレミー・レナー
ジェーン・バナー:エリザベス・オルセン
ベン・ショーヨー:グラハム・グリーン
ナタリー・ハンソン:ケルシー・チャウ
マーティン・ハンソン:ギル・バーミンガム
ウィルマ・ランバート:ジュリア・ジョーンズ
チップ・ハンソン:マーティン・センスマイヤー
アニー・ハンソン:アルテア・サム
ケイシー・ランバート:テオ・ブリオネス
ダン・クロウハート:エイペザナクウェイト
アリス・クロウハート:タントゥー・カーディナル
マット・レイバーン:ジョン・バーンサル
ピート・ミケンズ:ジェームズ・ジョーダン
カーティス:ヒュー・ディロン
ディロン:マシュー・デル・ネグロ
カール:オースティン・グラント
エヴァン:イアン・ボーエン
ランディ・ホワイトハースト医師:エリック・ラング
フランク・ウォーカー:タイラー・ララッカ
サム・リトルフェザー:ジェラルド・トカラ・クリフォード
アメリカ 映画
配給 ワインスタイン・カンパニー
2017年製作 107分
公開
北米:2017年8月4日
日本:2018年7月27日
製作費 $11,000,000
北米興行収入 $33,800,860
世界 $43,980,820
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ワイオミング州、ウインド・リバー・インディアン居留地。
ある日の夜、18歳のナタリー・ハンソン(ケルシー・チャウ)は、逃げるように裸足で雪原を走る。
ランダー。
”合衆国魚類野生生物局”のハンター、コリー・ランバート(ジェレミー・レナー)は、別れた妻ウィルマ(ジュリア・ジョーンズ)の家に向かい、息子のケイシー(テオ・ブリオネス)と過ごすために彼を預かる。
ランバートとウィルマは、娘のエミリーを亡くしていた。
ケイシーと牧場に向かったランバートは、息子に馬の扱いを教える。
ウインド・リバー・インディアン居留地。
その後、ウィルマの実家に向かったランバートは、義父ダン・クロウハート(エイペザナクウェイト)とその妻アリス(タントゥー・カーディナル)にケイシーを預ける。
ダンと共に襲われた牛の死体を確認したランバートは、スノーモービルで狩りにでかける。
数キロ移動した地点で、人の足跡と血痕を見つけたランバートは、その先でナタリーの死体を発見する。
ナタリーは凍死したと思われ、ランバートは、”BIA”(インディアン事務局 法執行局)管轄下の部族警察に連絡する。
ダンの家に戻ったランバートは、吹雪の中、駆け付けた警察署長ベン・ショーヨー(グラハム・グリーン)と共にFBI捜査官を待つ。
ようやく現れたFBI捜査官のジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)が、軽装備だったために防寒対策をさせたランバートは、彼女とショーヨーと共に現場に向かう。 吹雪は去り晴天となり、遺体を調べたバナーは、ナタリーの家は車で30分の場所にあることを確認する。 検視を指示したバナーは、他殺と報告するとショーヨーに伝える。 バナーは、この土地に詳しいランバートから話を聞き、一番近いのが5キロ以上離れたサム・リトルフェザー(ジェラルド・トカラ・クリフォード)の家だということを知る。 ナタリーが裸足でこの場にいたことを疑問に思うバナーは、足跡を見せるランバートから、走ったナタリーは、マイナス30度近い気温の中、冷気を吸って肺が凍り、破裂して吐血し窒息したと言われ、裸足で走れる距離を尋ねる。 分からないと答えたランバートは、ケイシーの元に戻ろうとするが、バナーに呼び止められて協力を求められる。 その夜ランバートは、悪夢を見たと言うケイシーと話す。 ナタリーの話になったランバートは、姉エミリーのように凍死したのかと訊くケイシーに、その通りだと答える。 翌日、バナーはショーヨーと共に検視に立ち会い、ランディ・ホワイトハースト医師(エリック・ラング)から、暴行を受けたナタリーの死因は肺出血だと言われたため、他殺でなければFBIの捜査班を呼べないと伝える。 バナーは、殺人ではあるが死因を他殺にはできないと言う、ホワイトハーストの言葉に納得できない。 ショーヨーと共にナタリーの家に向かったバナーは、父親マーティン(ギル・バーミンガム)と話し、18歳になった娘を信用していたと言われ、母親アニーとも話そうとする。 娘の死にショックを受けて自分を傷つけているアニー(アルテア・サム)を見て驚いたバナーは、マーティンに謝罪する。 その場を訪ねたランバートは、悲しむマーティンを抱きしめる。 同じ体験をしたランバートは、痛みには慣れるとマーティンに伝えて、セミナーに通った話をする。 カウンセラーから、娘の死を埋められるものなどないと言われたと話すランバートは、娘とは心の中で会える、痛みから逃げるとすべて失ってしまう、苦しみ悲しむべきだとマーティンに伝える。 生きる気力を失ったとランバートに伝えたマーティンは、息子のために生きろと言われ、リトルフェザー兄弟と付き合うヤク中のチップ(マーティン・センスマイヤー)は家族ではないと考え、事件に関わっている可能性もあると話す。 ランバートは、犯人を見つけたらその場で殺すことをマーティンに約束する。 ランバートとバナーそしてショーヨーは、サムの家に向かう。 ハイなサムと話したショーヨーとバナーは、催涙スプレーを吹き付けられる。 ランバートは、裏口から逃げようとしたチップとフランク・ウォーカー(タイラー・ララッカ)を叩きのめす。 サムに発砲されたバナーは反撃し、彼が生きていたために救急車を呼ぼうとする。 ショーヨーから1時間はかかると言われたバナーは、サムが息絶えたことを確認する。 チップに妹のナタリーのことを訊いたバナーは、白人の恋人がいつことを知る。 ナタリーがレイプされて死んだことを知ったチップは、驚き悲しむ。 チップを尋問しようとするバナーに、スノーモービルの跡を見せたランバートは、ナタリーの遺体発見現場の方向に進んでいると言って、何かあると伝える。 ランバートとバナーはその場に向かい、全裸の男の死体を発見する。 ランバートは何も言わないチップと話し、ナタリーの恋人マット・レイバーン(ジョン・バーンサル)が、石油掘削所の警備員だということを聞き出す。 その後、ウィルマの家に向かい話をしたランバートは、今回の事件で想いだす娘のエミリーのことを話す。 家に着いたランバートは、訪ねて来たバナーから、遺体が掘削所の警備員マットだと判明したことを知らされる。 バナーを家に招き入れたランバートは、エミリーの写真に気づいた彼女に娘の話をする。 3年前に16歳で死んだエミリーは、自分とウィルマが留守中に友人らを家に呼んだのだが、その後はどうなったか分からないと、ランバートはバナーに話す。 翌日、親友のナタリーからエミリーがいないと電話があったことを話すランバートは、結婚して子供が産まれたら、決して目を離すなとバナーに伝える。 その後エミリーが、ウインド・リバーで羊飼いに発見されたことをランバートは話す。 エミリーが、家から30キロ以上離れた場所に倒れていた理由は分からず、コヨーテに食われて検視もできない状態だったと、涙を浮かべながら話すランバートを気遣うバナーは、トイレを借りる。 動揺するバナーは落ち着いてから戻り、壁に貼ってあったエミリーの書いた詩に気づき、それでコロラド州立大学の講習に合格したことをランバートから知らされる。 捜査のことを話したバナーは、マットがナタリーの恋人だったことをランバートから知らされ、その場を去る。 翌日、ランバートとバナー、そしてショーヨーとBIAの数人は、掘削所に向かう。 途中で別れたランバートは、スノーモービルで山に向かう。 掘削所に着いたショーヨーは、警備員のカーティス(ヒュー・ディロン)と話し、マットが恋人と揉めて出て行ったきり戻ってないことを知る。 バナーから顔の傷のこと訊かれたカーティスは、見回りの最中に木に突っ込む事故に遭ったと答える。 ランバートは、スノーモービルの跡が掘削所まで続いていることを確認する。 マットの部屋を調べようとしたバナーは、カーティスがナタリーの名を知っていたために怪しく思う。 バナーらはカーティスら警備員に囲まれ、双方は銃を構えて一触即発になる。 FBIの権限でその場を鎮めたバナーは、銃から手を放すよう皆に指示する。 ショーヨーと無線がつながらないランバートは、警戒しながら掘削所に近づく。 カーティスにマットの部屋に案内させたバナーは、ドアをノックする。 訪ねて来たナタリーを招き入れたマットは、彼女と愛し合う。 そこに、酔ったルームメイトのピート・ミケンズ(ジェームズ・ジョーダン)が、カーティスらと現れる。 ピートに絡まれたマットは苛立ち争いになり、仲間たちに痛めつけられる。 殴られたナタリーはピートにレイプされるが、マットが反撃した間にその場から逃げる。 カーティスがFBIのことをピートに知らせたため、ショーヨーはドアから離れるようにとバナーに指示する。 内部からショットガンで撃たれたバナーは吹き飛ばされ、その場は銃撃戦となり、ショーヨーも倒れる。 傷を負うものの、防弾チョッキで無事だったバナーの銃を奪ったカーティスは、林に潜むランバートに狙撃される。 仲間が次々と狙撃されたために、ピートは裏の窓を割り外に出て山に逃げる。 ピートを背後から銃撃したバナーは、現れたランバートと共に部屋に入る。 バナーの傷を診たランバートは、応急処置をする。 ヘリを呼ぼうとするバナーは、無線機を置いてピートを追うようランバートに指示する。 ピートを捕えたランバートは、”ガネット・ピーク”の山頂が見える場所に向かう。 ブーツを脱がされ素足であることに気づいたピートは動揺し、ランバートから正直に話せと言われ、ナタリーをレイプしマットを死ぬまで殴ったと伝える。 ランバートはピートを解放し、街道にたどり着けば自由になれると伝える。 素足で10キロ走ったナタリーと同じだと言われたピートは、雪の上を走り始めるが、暫くして肺は破裂し、吐血して息絶える。 街に戻ったランバートは、病院に運ばれて治療を受けたバナーを見舞う。 バナーのタフな行動を称えたランバートは、この土地で生きるには強い意志が必要だと話し、困難に立ち向かい勝ったことを涙する彼女に伝える。 マーティンを訪ねたランバートは、ナタリーの部屋で眠っているアニーに毛布を掛けてあげる。 ナタリーと写るエミリーの写真を見つけたランバートは、娘のことを想う。 裏庭に座っていたマーティンと話したランバートは、銃を手にして死に化粧をして死ぬ気だった彼が、警察にいるチップから電話を受けたことを知る。 1年ぶりにチップと話したと言うマーティンは、顔を洗い息子を迎えに行くことをランバートに伝える。 逃げた男のことをランバートに訊いたマーティンは、逃げていないと言う彼に、男の最期の様子を尋ねる。 それが哀れだったことを知ったマーティンは、チップには優しく接するようにと言うランバートに、もう少し座ってナタリーを想いたいと伝える。 マーティンから付き合ってくれるかと訊かれたランバートは、もちろんだと答える。 ネイティブアメリカンの女性の失踪についての統計調査は存在しない。
...全てを見る(結末あり)
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失踪者の数は不明のままである。
*(簡略ストー リー)
ワイオミング州、ウインド・リバー・インディアン居留地。
”合衆国魚類野生生物局”のハンター、コリー・ランバートは、3年前に亡くなった娘の友人だった、先住民の少女ナタリーの死体を雪山で発見する。
FBI捜査官のバナーが到着し、ランバートは、”BIA”(インディアン事務局 法執行局)管轄下の部族警察署長ショーヨーとの捜査に協力することになる。
検視結果で、ナタリーがレイプされ、逃げた際に冷気で肺が破裂したことが死因だと分かる。
ナタリーの父親で友人のマーティンと話したランバートは、悪党のサムと付き合うヤク中の息子チップが、事件に関係しているかもしれないと言われ、バナーとショーヨーと共に彼らの元に向かうのだが・・・。
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脚本家としても知られるテイラー・シェリダンが、本作でも脚本を兼ねて監督した作品。
批評家から高い評価を受けたテイラー・シェリダンは、第70回カンヌ国際映画祭の”ある視点”部門で監督賞を受賞した。
先住民の少女殺害事件に協力する”合衆国魚類野生生物局”の地元ハンターとFBIの捜査を描く、アメリカが抱える社会問題を背景にしたミステリー犯罪ドラマ。
過酷な雪山、そして先住民居留地で生きぬくことの厳しさに加え、最愛の娘を失った悲しみに耐える主人公が、強い意志で困難に立ち向かい、それから逃れるべきではないと考える姿が、観る者の心を打つ。
主演のジェレミー・レナーは、辛い過去を忘れることなく向かい合い生きる男を見事に演じている。
事件調査のためだけに派遣されるものの、主人公と協力して捜査を行うFBI捜査官のエリザベス・オルセン、”BIA”(インディアン事務局 法執行局)管轄下の部族警察署長グラハム・グリーン、犠牲者となる先住民の少女ケルシー・チャウ、主人公の友人である少女の両親ギル・バーミンガムとアルテア・サム、その息子マーティン・センスマイヤー、主人公の元妻ジュリア・ジョーンズ、その息子テオ・ブリオネス、その祖父母エイペザナクウェイトとタントゥー・カーディナル、死亡した少女の恋人で石油掘削所の警備員ジョン・バーンサル、彼と揉めて少女をレイプする同僚ジェームズ・ジョーダン、同じくヒュー・ディロン、マシュー・デル・ネグロ、BIAのオースティン・グラントとイアン・ボーエン、検視医のエリック・ラング、悪党のタイラー・ララッカとジェラルド・トカラ・クリフォードなどが共演している。