一挺の名銃”ウィンチェスターM1873”に関わる男達の執念と復讐劇を描く、監督アンソニー・マン、主演ジェームズ・スチュワート、シェリー・ウィンタース、スティーヴン・マクナリー、ダン・デュリエ、ミラード・ミッチェル他共演による西部劇の名作。 |
・西部劇
・ジェームズ・スチュアート / James Stewart / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:アンソニー・マン
製作:アーロン・ローゼンバーグ
脚本
ロバート・L・リチャーズ
ボーデン・チェイス
撮影:ウィリアム・H・ダニエルス
編集:エドワード・カーティス
音楽:ジョゼフ・ガーシェンソン
出演
リン・マカダム:ジェームズ・スチュワート
ローラ・マナーズ:シェリー・ウィンタース
ダッチ・ヘンリー・ブラウン/マシュー・マカダム:スティーヴン・マクナリー
ウェイコ・ジョニー・ディーン:ダン・デュリエ
ハイ=スペード・フランキー・ウィルソン:ミラード・ミッチェル
スティーヴ・ミラー:チャールズ・ドレイク
ワイアット・アープ:ウィル・ギア
ジョー・ラモン:ジョン・マッキンタイア
ヤング・ブル:ロック・ハドソン
ウィルクス軍曹:ジェイ・C・フリッペン
ドーン:トニー・カーティス
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1950年製作 92分
公開
北米:1950年7月12日
日本:1952年6月5日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1876年7月4日、ドッジ・ シティ。
リン・マカダム(ジェームズ・スチュワート)と相棒のハイ=スペード・フランキー・ウィルソン(ミラード・ミッチェル)は、仇敵のダッチ・ヘンリー・ブラウン(スティーヴン・マクナリー)を追ってこの町を訪れる。
二人は、町の保安官(ウィル・ギア)が、酒場の女ローラ・マナーズ(シェリー・ウィンタース)を追い出すところに出くわす。
保安官は、町の秩序を守るという理由で、よそ者の二人の銃を預かろうとするが、マカダムはそれを拒もうとする。
しかし、保安官がワイアット・アープだと知り、二人は納得して銃を渡す。
町では、100回目を迎えた独立記念日を記念して、名銃”ウィンチェスターM1873”を賞品に、射撃大会が開かれる予定だった。 それにブラウンが出ることを、マカダムはアープから知らされ、自分も出場を決める。 マカダンは酒場にいたブラウンと目を合わせ、彼に侮辱されやり返そうとするが、アープになだめられる。 そして、”ウィンチェスター社”が数多く製造した銃の中で、”千に一つの銃”と言う 完璧なその銃を手に入れるため、集まった者達による射撃大会が始まる。 勝負は、甲乙付けがたい見事な腕前を披露したマカダムとブラウンの一騎打ちとなる。 決着がつかないまま、マカダムは先住民の飾りに切手を貼り、それを撃ち抜いて勝負をつけようとする。 マカダムは見事にそれを撃ち抜き、”ウィンチェスター”を手に入れることになり、 銃床に名前を刻み翌日に渡されることをアープから伝えられる。 ブラウンが町を出ることを知ったマカダムは、銃の名前の刻印は断り彼を追おうとする。 しかし、ブラウンは、マカダムの部屋で彼を待ち伏せして、ウィンチェスターを奪って逃走する。 その途中、先住民との取引業者であるジョー・ラモン(ジョン・マッキンタイア)が、ブラウンの持つウィンチェスターに目を付ける。 ブラウンは、結局、ラモンにカードで負けてウィンチェスターを手放すことになってしまう。 その後ラモンは、先住民のリーダー、ヤング・ブル(ロック・ハドソン)との取引に向かう。 ヤング・ブルは、ラモンが持参した銃に目もくれずに、彼のウィンチェスターを強引に奪ってしまう。 ブラウンはラモンを追っていたが、彼がヤング・ブルに殺されウィンチェスターも奪われたことを知る。 その頃、ブラウンの情報を入手したマカダムとハイ=スペードは先を急ぐ。 一方、ドッジ・ シティを追い出されたローラと婚約者スティーヴ・ミラー(チャールズ・ドレイク)の馬車が、ヤング・ブルの一団に襲われてしまう。 ローラを置き去りにして、助けを呼びに行ったミラーが、付近に騎兵隊がいるのを見つけ、彼女を呼びに行き難を逃れる。 しかし、ミラーは騎兵隊が先住民に包囲されていることを、ウィルクス軍曹(ジェイ・C・フリッペン)から知らされる。 その夜、先住民に追われたマカダムとハイ=スペードも騎兵隊に合流し、朝の奇襲に備え休息を取る。 翌朝、先住民の攻撃が始まり、圧倒的に不利な騎兵隊側だったが、マカダムがヤング・ブルを一発で仕留める。 先住民は退散し、マカダムとハイ=スペードはウィルクス軍曹とローラに別れを告げて去って行く。 その直後、部隊員のドーン(トニー・カーティス)が、落ちていたウィンチェスターを見つけ、ウィルクスにそれを知らせる。 ウィルクスは、その銃を持つ価値のある者はマカダムしかいないと、彼を呼び戻そうとするが遅かった。 仕方なくウィルクスは、ウィンチェスターを感謝のしるしとしてミラーに渡し、ローラとも別れを告げる。 結婚後に住む家に着いたミラーとローラだったが、彼女は自分が置き去りにされたことで傷ついていた。 そこに、保安官に追われた悪党ウェイコ・ジョニー・ディーン(ダン・デュリエ)が現れる。 ディーンは、知人のミラーがいたために驚くが、彼の持っていたウィンチェスターに気づく。 ウィンチェスターを買い取ろうとしたディーンだったが、彼はそれを売ろうとしないミラーをいたぶり、挑発して射殺してしまう。 保安官は家に火をつけるが、ディーンは仲間達を犠牲にして、ローラを連れて逃亡する。 マカダムがブラウンへの復讐に執念を燃やす頃、ディーンは彼らが待つ岩山のアジトに到着する。 ブラウンは、ディーンの持つウィンチェスターを見て驚き、自分の銃だと言って強引に奪ってしまう。 その後ブラウンは、ディーンとタスコサの町の銀行を襲う段取りをする。 ローラはそこで、マカダンとブラウンが年配の男性と写っている写真を見つける。 タスコサ。 ローラは、ミラーがディーンに殺されたことを告げるが、そこに現金を積んだ駅馬車が到着する。 マカダンは、ディーンがブラウンと落ち合うことを知っていたため、彼に探りを入れる。 ブラウンの居場所を知ろうとするマカダムは、ディーンを痛めつけて彼の居場所に案内させる。 ディーンは、銃を抜こうとしたためマカダムに射殺され、ブラウンはその騒ぎの中で逃走する。 子供を助けようとしたローラが腕を撃たれてしまい、マカダムは彼女をハイ=スペードに任せてブラウンを追う。 ローラは、マカダムがブラウンに父親を殺さことと、二人が実は兄弟だということをハイ=スペードから知らされる。 岩山に逃げ込んだブラウンは、上方からウィンチェスターでマカダムを狙い撃ちし、彼は手出しができない。 しかし、岩山を登り、ブラウンを追い込んだマカダンは彼を射殺する。 そして、ウィンチェスターを奪い返したマカダムは、ローラとハイ=スペードの元に戻る。
...全てを見る(結末あり)
ディーンらと酒場にいたローラは、そこに現れたマカダムとハイ=スペードに再会する。
*(簡略ストー リー)
リン・マカダムと相棒のハイ=スペードは、仇敵ブラウンを追っていたが、ドッジ・シティで彼を見つける。
マカダムは、独立記念日の射撃大会にブラウンが出場することを知り、腕に自身のある彼もそれに挑戦する。
そしてマカダムは、”千に一つの銃”と言われる名銃の”ウィンチェスターM1873”を、競技で優勝して手にれる。
しかし、それをブラウンに奪われてしまったマカダムは、復讐に燃えて彼を追跡する。
その後、ウィンチェスターは、行商人、先住民、酒場の女ローラの婚約者、悪党のディーンの手に渡りながら、再びブラウンの元に戻るのだが・・・。
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黄金コンビアンソニー・マンとジェームズ・スチュワートにとっての、初めての西部劇となった作品。
主役はもちろんジェームズ・スチュワートなのだが、そのストーリーの中で”威光”さえ感じさせる、 無言の名銃である”ウィンチェスターM1873”の存在を際立たせる、アンソニー・マンのシャープな演出は冴え渡る。
多くの登場人物の個性を活かし、主人公の仇討ちと銃の行方を同時に描く、テンポの良い展開と見せ場の多さで観る者を圧倒する。
”オールド・ツーソン”をはじめとしたセットや衣装など雰囲気も抜群で、 岩山などを効果的に使ったなロケも素晴らしい。
復讐に燃える主人公ジェームズ・スチュワートの存在感をやや押さえ気味にしているのは、” ウィンチェスター”が真の主役であるからで、彼はその演出に見事に応え、登場場面では芯の強い青年をきっちりと演じている。
俗っぽさが魅力のヒロインで、微妙に物語りに絡む酒場の女役、既にキャリア十分だったシェリー・ウィンタース、主人公の弟であり仇役のスティーヴン・マクナリー、その仲間である悪党ダン・デュリエ、主人公の相棒ミラード・ミッチェル、ローラ(S・ウィンタース)の婚約者役で弱腰のチャールズ・ドレイク、連邦保安官・ワイアット・アープ役ウィル・ギア、先住民との取引業者ジョン・マッキンタイア、先住民のリーダーで、まだデビューしたばかりのロック・ハドソン、騎兵隊軍曹役のジェイ・C・フリッペン、そして、こちらも新人時代のトニー・カーティスが騎兵隊員役で登場するという、今観るとわくわくする豪華な共演者の、個性溢れる演技も見ものだ。