呪われた屋敷”ウィンチェスター・ハウス”で起きる怪奇現象を描く、監督、脚本ザ・スピエリッグ・ブラザーズ、主演ヘレン・ミレン、ジェイソン・クラーク、サラ・スヌーク他共演のホラー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ザ・スピエリッグ・ブラザーズ
製作
ティム・マクガハン
ブレット・トムバーリン
製作総指揮
ベネディクト・カーヴァー
ダニエル・ダイアモンド
トビン・アームブラスト
マイケル・バートン
脚本
トム・ヴォーン
ザ・スピエリッグ・ブラザーズ
撮影:ベン・ノット
編集:マット・ヴィラ
音楽:ピーター・スピエリッグ
出演
サラ・ウィンチェスター:ヘレン・ミレン
エリック・プライス:ジェイソン・クラーク
マリアン・マリオット:サラ・スヌーク
ヘンリー・マリオット:フィン・シクルーナ=オプレイ
ジョン・ハンセン:アンガス・サンプソン
ルビー・プライス:ローラ・ブレント
アーサー・ゲイツ:タイラー・コッパン
ベン・ブロック:エイモン・ファーレン
オーガスティン:ブルース・スペンス
アメリカ/オーストラリア 映画
配給
ライオンズゲート
CBS Films
2018年製作 99分
公開
北米:2018年2月2日
日本:2018年6月29日
製作費 $3,500,000
北米興行収入 $25,091,820
世界 $44,019,590
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1906年、カリフォルニア州、サンノゼ、ウィンチェスター・ハウス。
”ウィンチェスター・リピーティングアームズ”の創設者オリバー・フィッシャー・ウィンチェスターの息子ウィリアムの妻サラ・ウィンチェスター(ヘレン・ミレン)は、夫と一人娘のアニーを亡くした。
未亡人となったサラは莫大な財産を相続し、銃で死んだ亡霊から逃れようとする妄想にとり憑かれ、屋敷の増改築を休みなく行っていた。
サラの姪マリアン・マリオット(サラ・スヌーク)も夫を亡くし、息子ヘンリー(フィン・シクルーナ=オプレイ)と共に屋敷で暮らしていた。
ある日の夜、何者かの声を聞いたヘンリーはベッドから起き上がる。 ヘンリーがいないことに気づいたマリアンは、袋を被った彼を廊下で見つける。 マリアンに袋を脱がされたヘンリーは、行き止まりになった階段を指差し、”あいつが来る”とつぶやく。 サンフランシスコ。 ゲイツから、サラ・ウィンチェスターに関する話を聞いたエリックは、霊媒師の助言に従い転居したサンノゼの8部屋の屋敷を彼女が20年間増改築し続け、巨大建築物になったことを知らされる。 サラが筆頭株主として適格か判断しようとした重役会が、精神鑑定をする決定をしたと言われたエリックは、その仕事を受けることにする。 ウィンチェスター・ハウス。 人を呼べるパイプを利用した通信装置があることなどを知らされたエリックは、マリアンから酒も禁止だと言われる。 その後、亡くなった妻ルビー(ローラ・ブレント)のことを想いながら、アヘンで気分を落ち着かせたエリックは、夕食の準備をする。 鏡が動くことが気になるエリックは亡霊を見てしまい、呼びに来た使用人のベン・ブロック(エイモン・ファーレン)に、誰か出て行かなかったか尋ねる。 誰もいなかったと言われたエリックは、動揺しながら支度をする。 食堂に向かったエリックは、マリアンとヘンリーと共にサラを迎えて食事をしながら、会社が銃の他にローラースケートの製造もしていることについてなどを話す。 部屋に戻りアヘンで気分を落ち着かせたエリックは、ガーデンルームから声がしたような気がしたため、その場に向かおうとする。 途中、書斎でサラが金庫から何かを取り出しているのを目撃したエリックは、気づかれそうになったためにその場を離れ、人が来たので物置に隠れる。 何かを見て驚いて出たエリックは、ガーデンルームに向かう。 物音で目覚めたヘンリーは、ベッドの下を覗き、ローラースケートが走り去ったので驚く。 ガーデンルームに向かうものの中に入れなかったエリックは、袋を被ったヘンリーが、二階の工事現場から飛び降りようとしていることに気づく。 飛び降りたヘンリーを受け止めたエリックは、表情を変えた彼から”見てるぞ”と言われる。 正気に戻ったヘンリーを抱きしめたマリアンはエリックに感謝し、騒ぎを知ったサラは動揺する。 翌日、診断するためにサラと話したエリックは、逆に病のことを訊かれ、薬物乱用を疑われる。 ルビーのことも訊かれたエリックは動揺し、再び薬物のことを問うサラに使っていないと伝える。 暴力や死から利益を得ているために呪われていると言うサラは、ルールは守ってもらうと言って、信頼できない人とは話せないとエリックに伝える。 執事のオーガスティン(ブルース・スペンス)と共に部屋に向かうエリックは、サラの指示で監禁されることになる。 アヘンが没収されたことに気づいたエリックは苛立ち、重役会が鑑定を待っているというゲイツからの手紙と報酬を確認する。 サラの診断書を書いていたエリックは、鳴り始めた鐘の音が気になり、それをオーガスティンに尋ね、午前零時の鐘だと言われる。 窓から廊下を歩くサラの姿が見えたエリックは、部屋を抜け出す。 サラが書斎で何かを描いていることに気づいたエリックは、突然、暖炉の火と灯りが消えて亡霊が見えたために驚く。 部屋に戻ったエリックは、アヘンのせいだと思う。 翌日、サラから、自分が”3分間死んだ”と言われたエリックは、ウィンチェスター銃により亡くなった人々の記録があると言われる。 撃たれたことは認めたエリックは、磨いて持ち歩く弾丸をサラに見せる。 過去を忘れないために死と失ったものと自分をつなげていると言うエリックは、死の道具は死後の世界とつながっていると話すサラに、頼っているものを尋ねる。 霊媒師のことを話し、一度この世を去ると亡霊たちが見えると言うサラは、エリックに、それを見たことがあるか、死ぬのは苦しいか尋ねる。 しつこく聞かれたエリックは苦しいと答え、無でもあるとサラに伝える。 静寂であり、蘇生すると再び苦しみがあると言うエリックは、昨夜、部屋を出たことも訊かれたためにそれを認める。 霊が自分を導き増改築を続けると言うサラは、部屋を作ると霊が強くなるとエリックに伝える。 この場は霊が建てた屋敷であり、彼らはやり残したことがあると言うサラは、昨夜、自分を見たことを認めたエリックに、鐘の音と共に霊が増築計画や図面で伝えてくると話す。 死んだ部屋を複製すれば霊はここに来られるが、誰かは分からないと話すサラは、今、霊が見えるかエリックに尋ね、誰もいないと言われる。 オーガスティンに霊を見たことはあるか尋ねたエリックは、ないと言う彼にまともに答えてもらえない。 その後サラは、すべてのライフルを展示する陳列室を再現しようとして、それを建築業者のジョン・ハンセン(アンガス・サンプソン)に指示する。 エリックとしたサラは、部屋を造ると霊の存在は強くなり、会話をして彼らの悲しみと怒りを解放すると伝える。 霊が安らかになると部屋を壊して次を造ると言うサラは、霊が好意的でない場合は、13本の釘を使い閉じ込めて封印するとエリックに伝える。 安らげない場合は、純粋な者にとり憑き利用すると言われたエリックは、それがヘンリーだと考える。 自分たちでそれを防ぐと言われたエリックは、目に見えないものは信じられないとサラに伝えて、真実を見たいのなら過去を捨てることだと伝える。 鑑定書を書くことを求められたエリックは、会社を失う可能性があるとサラに伝えるものの、世の中には更に悪いことがあると言われる。 ジョンに封印されているガーデンルームの中を見せてほしいと伝えたエリックは、それを断られる。 ヘンリーの様子を見に行ったエリックは、彼の行動は、”霊”(酒)にとり憑かれた自殺した父親の死が原因だとマリアンから知らされる。 その頃、いつものように金庫を開けたサラは、アニーの髪の毛を手に取り娘を想う。 夫が亡くなり楽にはなったと言うアメリアは、恐怖を感じるとエリックに伝える。 恐怖を感じたら自分で支配するようにと助言されたアメリアは、命を投げ出すほど愛した者がいるかエリックに尋ねる。 エリックから、その人を守ろうとした時、自分は死んだと言われたアメリアは、物音でヘンリーがいなくなったことに気づく。 銃を手にしたヘンリーはサラに発砲し、それに気づいたエリックとジョンが制止する。 霊にとり憑かれていたヘンリーは正気に戻り、彼を抱きしめたマリアンはサラに謝罪する。 ジョンに皆を帰すよう指示したサラは、ヘンリーを病院に連れて行こうとするエリックの考えに反対する。 マリアンはエリックに賛成するものの、自分たちで守る考えを変えないサラは、外の出て部屋を封印してしまう。 クローゼットの中の秘密のドアから現われたサラは、ヘンリーには医者が必要だと言うエリックの意見を聞こうとしない。 出て行く手配をしようとするエリックと共に、マリアンも屋敷を離れようとする。 それを制止したサラは、ヘンリーがここに居なければならない理由を証明すると伝える。 ゲイツに電話をしたエリックは、最寄りの病院に向かうための車の手配を頼む。 そこに現れたベンと話したエリックは、彼が亡霊だということに気づく。 それをサラに話したエリックは、死亡者の資料を見ていた彼女が、ベンのことをチェックしていたことを知る。 南北戦争当時、南軍の兵士だったベンが、ウィンチェスター社を襲撃して死亡したという20年前の新聞記事を確認したエリックは、彼の兄弟二人が戦死したことをサラから知らされる。 兄弟を殺した銃を製造した者たちを憎んだベンは復讐を誓い、ウィンチェスター社を襲撃して15人を殺したのだった。 銃の陳列室に立てこもったベンは、その場で射殺された。 真夜中の鐘が鳴る時に、ベンのパワーは最大になるとエリックに伝えたサラは、彼を銃の陳列室を複製した部屋に連れて行く。 この部屋が完成したためにベンは現れたと言うサラは、何かを感じて彼に話しかける。 その時、屋敷が大きく揺れ始め、体の自由を奪われたジョンは、崩れた瓦礫の下敷きになる。 激しい揺れは収まり、サラを捜すエリックは、封印された部屋の釘が抜けることに気づく。 ヘンリーを捜すマリアンは、オーガスティンが死亡したことを知り怯える。 亡霊を見たエリックは、落ち着こうとしながら、鳴った呼び鈴がガーデンルームからだと気づく。 ガーデンルームに向かったエリックは、現れたルビーの亡霊から、自分を妄想性障害と診断したことを責められる。 銃を手にするルビーを止めようとするエリックは右胸を撃たれ、彼女は自殺する。 ルビーに生かされたエリックは蘇生し、意識が戻った彼の前には亡霊たちが立っていた。 ルビーに導かれたエリックは、行き止まりになった階段の上の部屋の床を壊して中に入る。 エリックは、その場にいたサラから、部屋を封印してベンを閉じ込めるようにと指示される。 部屋を封印したエリックは、亡霊が見えることをサラに話し、すべて信じると伝える。 ウィンチェスター銃で撃たれ3分間死んだはずだとエリックに話すサラは、この屋敷とは因縁があると伝える。 マリアンは放心状態のヘンリーを見つけるものの、物音が近づく。 ヘンリーとマリアンを救うためにベンをここに閉じ込めると言うサラは、彼にとり憑かれながら戦い銃を手にする。 棚の脚を撃って倒したサラは正気に戻り、それで床の穴を塞ぎ、エリックに13本の釘で封印させる。 ベンが、この部屋にあった彼の銃を恐れていることに気づいたサラは、鐘が鳴ったためにベンに話しかける。 その銃を渡されたエリックは警戒し、現れたベンの亡霊はサラに襲い掛かる。 エリックに救われたサラは、ベンは銃ではなく別の物を恐れていることに気づく。 持っていた記念の弾丸を取り出したエリックは、死の道具は霊界とつながっていると言うサラの言葉を思い出し、それがベンを救えると考える。 マリアンとヘンリーの元に亡霊が近づく。 銃に弾丸を込めたエリックは、床に落ちていた銃が空中に浮かび、ベンが自分を狙うことを感じながら発砲する。 弾丸を受けたベンは倒れ、亡霊はマリアンから離れる。 安らかに眠るベンは兄弟たちの元に向かったと考えるサラは、部屋に戻るよう他の亡霊たちに指示する。 エリックと共に屋敷から出たサラは、ヘンリーとマリアンの無事を知り喜ぶ。 精神鑑定の結果をゲイツに知らせようとするエリックは、サラが心身ともに健全であると診断する手紙を書く。 アニーの写真をみつめるサラは、彼女の髪の毛にキスして別れを告げる。 ガーデンルームに向かったエリックは、ルビーのことを想う。 マリアンとヘンリーから感謝されたエリックは、二人に別れを告げる。 サラと話したエリックは、ルビーは死んだ後も自分を愛していると言われる。 エリックから美しい屋敷だと言われたサラは、次に何をするのかと訊かれる。 再建すると答えるサラは、エリックと共に屋敷を眺める。 その後、屋敷は修復され、封印されたある部屋の釘が抜け落ちる。 1906年の”サンフランシスコ地震”は、史上最悪の被害をもたらした。 サラ・ウィンチェスターは、1922年に亡くなるまで屋敷の増改築工事を24時間続けた。 ウィンチェスター・ハウスは、北米に現存する最も呪われた屋敷である。
...全てを見る(結末あり)
アヘン中毒の精神科医エリック・プライス(ジェイソン・クラーク)は、ウィンチェスター社の法務責任者アーサー・ゲイツ(タイラー・コッパン)の訪問を受ける。
屋敷に到着したエリックは、書斎でマリアンに挨拶し、銃の携帯は禁止され、100部屋ある迷路のような屋敷内を案内されて部屋に向かう。
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*(簡略ストー リー)
1906年、カリフォルニア州、サンノゼ、ウィンチェスター・ハウス。
銃の製造会社”ウィンチェスター・リピーティングアームズ”の創業一族のサラ・ウィンチェスターは、夫と娘を亡くしていた。
莫大な財産を相続したサラは、銃で死んだ亡霊から逃れようとする妄想にとり憑かれ、屋敷の増改築を休みなく行っていた。
重役会は、そんなサラの精神鑑定を精神科医エリック・プライスに依頼する。
屋敷に向かったエリックは、何かにとり憑かれたような行動をする、サラの姪マリアンの息子ヘンリーの様子を見ながら内部を探るのだが・・・。
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”ウィンチェスター銃”により死亡した霊に呪われていると言われる、あまりにも有名な”ウィンチェスター・ミステリー・ハウス”を舞台に、その場で起きる怪奇現象を描くホラー。
オーストラリア人である、双子のザ・スピエリッグ・ブラザーズが脚本を兼ねて監督した作品で、ピーター・スピエリッグは音楽も担当した。
350万ドルの製作費にしては、ウィンチェスター・ハウスの再現映像などなかなかよくできた作品であり、北米興行収入約2500万ドル、全世界では約4400万ドルという結果はまずまず健闘したと言える。
有名な呪われた屋敷を舞台にした物語で、ヘレン・ミレン、ジェイソン・クラークなど実力派スター共演も魅力の作品ではあるが、内容は単調で新鮮味もなく、批評家からも酷評されてしまった。
主演のヘレン・ミレンは、ウィンチェスター銃により死亡した亡霊から逃れようとする妄想にとり憑かれサラ・ウィンチェスターを、彼女らしい深い演技で熱演しているものの、ラジー賞にノミネートされてしまった。
主人公の精神鑑定を依頼される医師であり、ウィンチェスター社とは因縁があったジェイソン・クラーク、屋敷で暮らす主人公の姪サラ・スヌーク、その息子で霊にとり憑かれるフィン・シクルーナ=オプレイ、屋敷の増改築を依頼される業者アンガス・サンプソン、エリック(ジェイソン・クラーク)の亡くなった妻ローラ・ブレント、ウィンチェスター社の法務責任者タイラー・コッパン、屋敷の使用人に扮していた亡霊のエイモン・ファーレン、屋敷の執事ブルース・スペンスなどが共演している。