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夕陽の挽歌 Wild Rovers (1971)

夢を持つ初老の男と漠然と生きるだけの牧童の青年が一念発起して行う行動を描く、製作、監督、脚本ブレイク・エドワーズ、主演ウィリアム・ホールデンライアン・オニールカール・マルデンジョー・ドン・ベイカートム・スケリット他共演による異色の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


・西部劇


スタッフ キャスト ■
監督:ブレイク・エドワーズ

製作:ブレイク・エドワーズ
脚本:ブレイク・エドワーズ

撮影:フィル・H・ラスロップ
編集:ジョン・F・バーネット
音楽:ジェリー・ゴールドスミス

出演
ウィリアム・ホールデン:ロス・ボディーン
ライアン・オニール:フランク・ポスト
カール・マルデン:ウォルター・バックマン
ジョー・ドン・ベイカー:ポール・バックマン
レイチェル・ロバーツ:メイベル
トム・スケリット:ジョン・バックマン
ジェームズ・オルソン:ジョー・ビリングス
リン・カーリン:セイダ・ビリングス
レオラ・ダナ:ネル・バックマン
モーゼス・ガン:ベン
ヴィクター・フレンチ:ビル・ジャクソン保安官

アメリカ 映画
配給 MGM
1971年製作 135分
公開
北米:1971年6月23日
日本:1971年10月23日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
モンタナ
大牧場”アール・バー”の初老の牧童ロス・ボディーン(ウィリアム・ホールデン)と、親子ほど年が違うが気の合う青年フランク・ポスト(ライアン・オニール)は、ある日、仲間が暴れ馬に蹴り殺されたため、二人は遺体をメイドゥンの町に運ぶよう指示される。

メキシコに行く夢があるロスに、ただ漠然と生きているフランクは、銀行強盗でもしてみるかと冗談交じりの会話を弾ませれる。

町に着いた二人は、酒場で酔って羊飼いと喧嘩を始めて騒ぎを起し、牧場に戻る。

ロスとフランクを注意した牧場主のウォルター・バックマン(カール・マルデン)は町に向かう。

ウォルターは、牢獄の羊飼いに牧場に近づくなと警告し、保安官ビル・ジャクソン(ヴィクター・フレンチ)に、彼らを釈放するように伝える。
...全てを見る(結末あり)

ロスの年になるまで牧童をやっている気のないフランクは、金持ちになりたい気持ちを彼に伝え、銀行強盗を本気で考えて、それを提案する。

そして、二人は町に向かい、銀行の副頭取ジョー・ビリングス(ジェームズ・オルソン)の家に向かい、ロスが彼を連れ出してフランクが家族を見張る。

その頃、ロスが町に向ったことを気にした、ウォルターの次男ジョン(トム・スケリット)が、気が進まない兄ポール(ジョー・ドン・ベイカー)を連れて二人の後を追う。

ロスが酒場に行っている間に、ビリングは現金を用意し、現われた彼に拳銃を突きつけ家族の解放を迫る。

しかし、それを諦めたビリングはロスに現金を渡し、二人は戻ろうとする。

そこに、ロスらが娼館にいるものと思っていたジョンが、通りにいた彼に気づき声をかける。

フランクが娼館にいると言ってロスはジョンを納得させるがのだが、彼はフランクがいないと言う娼婦のメイベル(レイチェル・ロバーツ)と言い争い騒ぎになり、それを保安官のジャクソンが鎮める。

ビリングの家に戻ったロスは、馬をクーガーに襲われるが、フランクに予定通り3万6000ドルを奪ったことを伝える。

ロスは、牧場の仲間の給料とビリングの家族にと3000ドルを置き、彼の馬でその場を去って行く。

同じ頃、クーガーから逃れたフランクの馬が牧場に戻り、それにウォルターが気づく。

ウォルターの妻ネル(レオラ・ダナ)は、二人を追って町に行った息子達を心配する

ビリングは当然、金を受け取るのを拒んだのだが、妻セイダ(リン・カーリン)は、3000ドルを自分達のものにすることを夫に提案する。

それに反対するビリングだったが、セイダに説得されて、とりあえずジャクソンの元に向い銀行強盗があったことを伝える。

町に様子を見に来たウォルターは銀行強盗を知り、ジャクソンと共に息子達に、ロスとフランクを捕らえるよう命ずる。

軍隊仲間のベン(モーゼス・ガン)の家を訪ねたロスは、フランクがビリングの家から連れて来た子犬とラバを交換してワイオミングに向う。

それを知ったジャクソンは管轄外のため引き返すが、ジョンは二人を追い続けることをポールに告げて、仕方なく彼はそれに同行する。

その後、二人は雪原で野生馬を捕らえ、ロスが見事に馴らすことに成功する。

牧場では、警告した羊飼いを追い払おうとしたウォルターが射殺されてしまう。

ベンソンの町に着いた二人は、酒や女などに金を使い満ち足りた時を過ごす。

しかし、フランクがポーカーの勝負には勝つものの撃ち合いになり銃弾を受けてしまい、彼は、牧場の方がましだったと後悔し始める。

父親の死を知ったポールとジョンは、ベンソンの保安官らと共にロスとフランクを追うことになるが、ユタ州に入り二人だけの追跡となる。

フランクの体調は悪化し、ロスは彼を医者に診せようとベンソンに戻ることを考えるのだが、フランクは次の町に向うことを希望する。

ロスは、フランクに人生についてなどを語り励まし続けるのだが、ある夜、彼は静かに息を引き取る。

その後、ポールとジョンはロスを見つけて追跡し、彼を銃撃する。

ポールはロスに撃ったことを謝罪し、彼も金を盗んだことを詫びて息絶える。

亡くなったロスに尚も敬意を払わないジョンを見限り、ポールはその場を立ち去る。

ジョンは、ロスの死体を牧場に運ぼうとするが力尽きる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
牧童である、メキシコに行く夢があるロスに、ただ漠然と生きているフランクは、単純に金持ちになりたいと考え銀行強盗を提案する。
二人は難なく銀行から3万6000ドルを奪い、牧場の仲間達の給料を残して南下しメキシコに向おうとする。
二人が町に向ったことを気にしていた、牧場主ウォルターの次男ジョンは、兄ポールと共に後を追う。
銀行の副頭取ビリングは、ロスが置いていった牧童の給料分を、妻セイダの説得で自分達のものにしてしまい、銀行強盗を保安官のジャクソンに知らせる。
そして、牧場の金を奪われたことを知ったウォルターは、息子達を追跡隊に加えて、ロスとフランクを捕らえるよう二人に命ずるのだが・・・。
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コメディやムード溢れる作品に定評のあるブレイク・エドワーズの西部劇ということで注目の作品。
彼らしいユーモアや、軽快でテンポのよい演出により、2時間を超える長編でも飽きが来ない。

今見ると豪華キャストも嬉しいばかりで、さらには、意外にも派手な銃撃シーンやスローモーションを使ったアクション映画さながらの展開も注目だ。

牧歌的なジェリー・ゴールドスミスの音楽も印象に残る。

まだ50代前半なのだが、この頃から急激に老け込むウィリアム・ホールデンは、それが本作のキャラクターには生かされ、渋さと男の年輪を感じる、いい雰囲気で主人公を演じ切っている。

世界に衝撃を与えた恋愛ドラマで、前年の「ある愛の詩」(1970)で人気スターとなったライアン・オニールも、思い通りにはならない、悲しい現実を知る青年を好演している。

大牧場主のカール・マルデン、情のあるその長男ジョー・ドン・ベイカー、気性の荒い次男トム・スケリット、母親レオラ・ダナ、気の強い娼婦レイチェル・ロバーツ、銀行の副頭取役ジェームズ・オルソン、その妻リン・カーリン、主人公の軍隊仲間モーゼス・ガン、保安官ヴィクター・フレンチなどが共演している。


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