天才ピアニストの青年が薬物依存症の母親と売人と共に巻き起こす騒動を描く、主演ジェシー・アイゼンバーグ、メリッサ・レオ、トレイシー・モーガン、監督、脚本フィリップ・ドーリング、ロン・ナイスワーナー(製作も)によるコメディ・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督
フィリップ・ドーリング
ロン・ナイスワーナー
製作
ネダ・アーミアン
ロン・ナイスワーナー
ブライス・ダル・ファラ
製作総指揮
ウェンディ・コックス
ピーター・スターリング
脚本
フィリップ・ドーリング
ロン・ナイスワーナー
撮影:ベン・カチンス
編集
コリーン・シャープ
スージー・エルミガー
音楽:スペンサー・デヴィッド・ハッチングズ
出演
イーライ”モーツァルト”ブルーム:ジェシー・アイゼンバーグ
ペニー・ブルーム:メリッサ・レオ
レオポルド”スプリンクルス”レオナルド:トレイシー・モーガン
クロエ:サラ・ラモス
トリッシュ:ステファニー・マーチ
ニコール・ブルーム:エマ・レイン・ライル
ブラック:イザイア・ウィットロックJr.
エドゥアルド:ポール・カルデロン
デイヴ:ニール・ハフ
マイク看護師:ジェイス・バルトーク
リサ:ターニャ・ライト
アメリカ 映画
配給 IFC Films
2012年製作 88分
公開
北米:2012年8月17日
日本:未公開
北米興行収入 $2,430
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
天才ピアニストの青年イーライ・ブルーム(ジェシー・アイゼンバーグ)は、オーディションに遅れてしまう。
音楽教師のデイヴ(ニール・ハフ)に、スーパーマーケットで働いることを話し手も怪我していたイーライは、自信がないことを伝えて帰ろうとするものの、天才なのだから自信を持つようにと言われる。
前日の夜。
早めに寝るかオーディションに備えるべきだったイーライは、近所で開かれていたパーティーに招待もされていないのに参加してしまう。
飲んで騒いだイーライは追い出されそうになり、友人のクロエ(サラ・ラモス)が彼を心配する。 居間で下手なピアノの演奏をしている男性を押しのけたイーライは、皆に注目されながら見事な演奏を始めるものの、吐いてしまい追い出される。 外で酔いを醒ましていたイーライはクロエに声をかけられ、簡単な会話を交わして別れる。 翌朝、薬物依存症の母ペニー(メリッサ・レオ)を更生施設に連れて行くイーライは、架空の友人フリオの靴下人形を離さない妹のニコール(エマ・レイン・ライル)を学校に送る。 暫く会えないと言ってニコールとの別れを惜しむペニーは、娘を抱きしめる。 教師のリサ(ターニャ・ライト)に呼び止められたイーライは、フリオを手放さないニコールに問題があると言われ、注意しておくと伝えてその場を去る。 施設に着いたペニーは、28日間のリハビリを受けることを拒んでイーライを困らせ、ニコールのためだと言われて仕方なく納得する。 受付と検尿を済ませたペニーは、マイク看護師(ジェイス・バルトーク)から、リハビリに備えてドラッグはやっていなかったため陰性だと言われ、保険もないことを指摘される。 マイクから、ドラッグでハイになり陽性になれば入れると言われたペニーは、馬鹿げた話だと思いながらも、別れのために外で待っていたイーライの元に向かう。 陰性で保険もないので入所を断られたと伝えたペニーは、自分の世話ばかりはしていられないと言って苛立つイーライから、今日、音楽学校のオーディションがあることを知らされる。 学校はボストンにあり一人しか受からないと話したイーライは、ペニーから黙っていた理由を訊かれ、合格したら1年家を離れるため、ニコールの世話をさせなくてはならないからだと伝える。 これからどうすると訊かれたペニーは、ハイになり陽性反応が出れば入所できると看護師から言われてことを知らせる。 それならばやるしかないと言うイーライは、売人のレオポルド”スプリンクルス”レオナルド(トレイシー・モーガン)の元に向かうようペニーに指示される。 取引の段取りをしていた相棒のブラック(イザイア・ウィットロックJr.)から、スペイン語が分からないと言われたスプリンクルスは戸惑う。 話を聞いてもらえないイーライは、スペイン語が話せるために電話を代わる。 コカインがないことを知ったイーライは、スプリンクルスから、電話の相手から買えと言われたため、自分が一緒に行って通訳するので車で送ると伝える。 車で待っていたペニーからイーライは息子だと知らされたスプリンクルスは、未払いがあるので痛めつける言って彼女を脅す。 イーライから、通訳するので借金を帳消しにしてほしいと言われたスプリンクルスは、納得して車に乗る。 取引相手のエドゥアルド(ポール・カルデロン)に会い、スプリンクルスの通訳だと伝えたイーライは、取引を始めるもののクロエから電話が入る。 それを切ったイーライは、スプリンクルスが必要としているドラッグをエドゥアルドに伝え、総額で7000ドルを要求される。 納得しないスプリンクルスは5000どる以上、払う気はなく、エドゥアルドは6000ドル以下で売るつもりはなかった。 両者譲らないために5500ドルでエドゥアルドと話をつけてしまったイーライは、押し倒されて手を怪我してしまう。 車に戻ったイーライは、エドゥアルドが自分としか話さないと言って、納得しないスプリンクルスを説得する。 イーライの怪我を心配するペニーは、応急処置をして車を運転しながら鎮痛剤を捜す。 ペニーは、イーライがドラッグを飲んでしまったことを知り家に向かう。 怪我の手当てをしてもらったイーライは気分がおかしくなり、この状態ではオーディションは無理だとペニーに伝えるものの、誰よりもうまく弾けると言われて励まされる。 ペニーは、家を離れてほしくはないが大きなチャンスであり、絶対に挑戦するべきだとイーライに伝える。 高校のオーディション会場に向かったイーライは、ペニーらを外で待たせて建物の中に向かう。 ”独立戦争”イベントで仮装していたクロエから話しかけられたイーライは、ハイになりながら、彼女に身なりを整えてもらい会場に向かう。 気になるペニーはオーディションを見に行き、ブラックをその場に残したスプリンクルスもついて行く。 待っていたデイヴに受ける自信がないと伝えたイーライは、15年教えた中で、本物の才能を持った特別な存在であり天才だと言われる。 よろけながらステージに上がったイーライは演奏を始めるが、手の傷が気になり中断してしまう。 そこにペニーが現れたために迷惑に思うイーライは、チャンスをくれたことを審査員とデイヴらに感謝してその場を去る。 全て台無しだと言うイーライに、素晴らしかったと伝えたペニーと同じ考えのスプリンクルスも、イーライの演奏に感心する。 母校に飾られている陸上選手時代の写真をイーライとペニーに見せたスプリンクルスは、もう少しでアメリカ代表だった自分の記録は破られていないことを伝える。 自分のお陰で優勝したにも拘らず、トロフィーを持たせてもらえなかったと言うスプリンクルスの話を聞いたイーライは、自分もやる気になる。 ケースを壊してトロフィーを奪ったスプリンクルスは、イーライとペニーと共にその場から逃げる。 デイヴから戻るようにという電話を受けたイーライは、その直後にエドゥアルドからブツが用意できたという連絡を受けて、それをスプリンクルスに伝える。 ニコールを学校に迎えに行ったイーライは、彼女をペニーの妹トリッシュ(ステファニー・マーチ)に預けようとする。 トリッシュが自分を嫌っているために躊躇するペニーだったが、イーライから現状を知らないだけだと言われる。 フリオでニコールにからかわれたブラックは苛立ち、謝らないために彼女の手からフリオを外して車の外に捨ててしまう。 トリッシュの家に着いたペニーは、取り乱すニコールを落ち着かせて、自分の靴下を脱いで人形にして、マリオだと言って納得させる。 イーライからニコールを預かってほしいと言われたトリッシュは、ペニーを家に近づけてほしくないと伝える。 説得されたトリッシュは、仕方なくニコールを預かる。 エドゥアルドの家に着いたイーライらは、娘の誕生パーティーをする彼に一応、歓迎される。 ペニーが気に入っていたエドゥアルドは、彼女と踊りたいことをイーライに伝える。 エドゥアルドがペニーと強引に踊り始めたために、カウンターで飲みながらスプリンクルスと話したイーライは、どうやって音楽の天才になったかを訊かれ、クレイジーなだけだと答える。 それを否定するスプリンクルスは、心を込めなければ偉大なことはできないと言って、どんな気分なのかイーライに問う。 自分を消せると答えたイーライは、走っている時に同じ思いになったはずだとスプリンクルスに伝えて、その時に何を考えたかを尋ねる。 ゴールのことだけ考えてただ走っていたと答えるスプリンクルスから、賢い男だと言われたイーライは、コカインを受け取る。 今の仕事に満足しているかと訊かれたスプリンクルスは、いろいろやってきたが、お前には才能があるとイーライに伝えて、やりたいことのために戦えと言って励ます。 踊り終えたペニーは、イーライからコカインを渡されるものの、久しぶりに調子がいいのでやる気になれないと伝えて、施設に入れたいイーライと口論になる。 苛立つイーライはその場から走り去り、街では”独立戦争”イベントが始まっていた。 捕らえられた少女役のクロエに話しかけたイーライは、好意を持っていた彼女に自分の思いを伝える。 ペニーからの電話でトリッシュの家に向かったイーライは、ニコールを取り戻すと言って叔母と揉めていた母を落ち着かせる。 いがみ合うペニーとトリッシュに、双方の欠点などを伝えて納得させようとするイーライは、ニコールの靴下人形もやめさせようとする。 イーライから、施設に行かないならニコールがどうなるか分からないと言われたペニーは、トリッシュと共に冷静に考え、その通りだと思う。 ペニーとトリッシュは、居間のピアノを弾くイーライの演奏を聴きながら、互いに理解し合う。 施設に着いたペニーは車の中でコカインを吸い、イーライに謝罪して、リハビリを終えたらニコールと共に必ず大切にすることを約束する。 尊敬しているので、有名になっても自分を忘れないでほしいと言われたイーライは、一人で施設に入るペニーを見守る。 車のエンジンがかからないために、イーライは走ってクロエの元に向かう。 入所が認められたペニーは、マイク看護師と共に部屋に向かう。 スプリンクルスは、母親が作った料理をブラックと共に食べる。 トリッシュに髪をとかしてもらうニコールは、マリオを手放さなかった。 イベントを終えたクロエと話したイーライは、デイヴからの電話を受け、審査員が才能を認め、もう一度チャンスが与えられることを知らされる。 デイヴから明日、来るようにと言われたイーライは、自分を誇りに思うようにとクロエに励まされ、彼女と楽しい時間を過ごす。 翌日、オーディションを受けたイーライは、手を怪我しているにも拘らず見事な演奏をする。
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*(簡略ストー リー)
普段はスーパーマーケットで働働く天才ピアニストの青年イーライ・ブルームは、薬物依存症の母ペニーを更生施設に預けようとする。
ドラッグを断っていたペニーは陰性だったために入所を断られ、音楽学校のオーディションを受けてボストンに行く考えがあるイーライは、これ以上、世話をしていられないことを母に伝える。
妹ニコールのために入所してほしいと思うイーライは、ドラッグでハイになり、陽性になれば施設側は受け入れるとペニーから言われたために、売人のスプリンクルスの元に向かうのだが・・・。
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若手の実力派ジェシー・アイゼンバーグと個性派のメリッサ・レオが、母子役で共演するコメディ・ドラマ。
ドタバタ・コメディ・タッチで始まる物語は、家族のトラブルを抱えながら、天才ピアニストとしての道を歩むべきか苦悩する青年の揺れ動く心中を描くシリアスな面もある展開となる。
家族愛と共に、裏社会に生きる売人との親交などによる、青年の成長なども描かれている。
魅力的なキャスティングだけでも注目すべき作品ではあるが、北米でわずか3館のみの公開となり、1週間で打ち切られてしまった。
主演のジェシー・アイゼンバーグは、薬物依存症の母親や関係する売人と共に、家族のために奔走する青年を熱演し、見事なピアノ演奏も披露してくれる。
冒頭では軽い役柄だと思いきや、主人公のジャンキーな母親を実力派らしく好演するメリッサ・レオ、ドラッグの売人ではあるが、主人公の才能を認めてチャレンジさせるトレイシー・モーガン、その相棒イザイア・ウィットロックJr.、主人公が思いを寄せる友人のサラ・ラモス、主人公の叔母ステファニー・マーチ、架空の友人である靴下人形を離さない主人公の妹エマ・レイン・ライル、その担任教師ターニャ・ライト、ドラッグの売人ポール・カルデロン、主人公の音楽教師ニール・ハフ、更生施設の看護師ジェイス・バルトークなどが共演している。