1998年に発表された、グレッグ・ルッカとスティーヴ・リーバーによる同名コミック・ブックを基に製作された作品。 辛い過去を背負う女性連邦保安官が怪事件に翻弄される姿を描く、監督ドミニク・セナ、主演ケイト・ベッキンセイル、ガブリエル・マクト、コロンバス・ショート、トム・スケリット他共演のサスペンス・アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ドミニク・セナ
製作総指揮
スティーヴ・リチャーズ
ドン・カーモディ
グレッグ・ルッカ
製作
ジョエル・シルバー
スーザン・ダウニー
デヴィッド・ガンビーノ
原作
グレッグ・ルッカ
スティーヴ・リーバー
脚本
ジョン・ホーバー
エリック・ホーバー
チャド・ヘイズ
ケイリー・ヘイズ
撮影:クリス・ソース
編集
マーティン・ハンター
スッチャート・ベアード
音楽:ジョン・フリッゼル
出演
キャリー・ステッコ:ケイト・ベッキンセイル
ロバート・プライス:ガブリエル・マクト
デルフィ:コロンバス・ショート
ジョン・フューリー医師:トム・スケリット
ラッセル・ヘイデン:アレックス・オローリン
サム・マーフィー:ショーン・ドイル
マグワイアー:アーサー・ホールデン
ロシア人パイロット:バシャー・ラハル
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2009年製作 101分
公開
北米:2009年9月11日
日本:2009年10月31日
製作費 $35,000,000
北米興行収入 $10,275,640
世界 $12,201,120
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1957年、冬、南極圏。
ソ連の貨物輸送機アントノフAN12が、機内での発砲騒ぎの末墜落する。
現在。
南極大陸、アムンゼン・スコット基地。
帰国後して辞職する予定の連邦保安官キャリー・ステッコ(ケイト・ベッキンセイル)は、所長サム・マーフィー(ショーン・ドイル)から、ある場所で遺体が発見されたとの報告を受ける。
ステッコは早速、ジョン・フューリー医師(トム・スケリット)を伴い現場に向かう。
デルフィ(コロンバス・ショート)の操縦するセスナで、現場付近に着陸した三人は、ステッコの知人だった地質学者の遺体を見つける。 基地に戻ったステッコはフューリーと遺体を調べ、縫い合わせた足の傷と、ピッケルで受けたと見られる致命的な胸の傷を確認する。 他殺体と断定したステッコは、この事件に関われば帰国のチャンスが遠くと考え思い悩む。 被害者が、チームで隕石を調査していたと聞いたステッコは、ロシアのボストーク基地にいたその一員から連絡を受ける。 基地に来れば全てが分かると言われたステッコは、デルフィを伴いボストーク基地に向かう。 独りでロシア側の人物と接触しようとしたステッコは、その男が殺されかけているのを知り、 直後に何者かに襲われてしまう。 何とか逃げ延びたステッコは気を失うが、デルフィに助けられ、再びロシア側のバンガローに向かう。 そこでステッコは、国連の捜査官だというロバート・プライ(ガブリエル・マクト)に出会う。 FBIからの依頼を受けたというプライスを疑いながらも、ステッコは、彼の指示で被害者のいた地質調査キャンプ”デルタ11”に向かう。 キャンプ内で大量の爆薬を見つけたステッコらは、情報を入手してある場所に向かう。 現場に着いた3人は、氷に埋もれていた50年前のソ連の貨物機アントノフAN12を発見する。 墜落当時の状況を推測した三人は、機内で新しい血痕を見つけ、被害者らの目的は隕石ではなく、ここにあったことを知る。 そしてステッコは、当時、ソ連が南極大陸で核物質の原料を採掘し、それを奪い合っていたことなどをプライスが知っていたことを聞かされる。 その時、突然、入り口が雪で塞がれてしまい、3人は機内に閉じ込められてしまう。 このままでは、凍死か窒息死を待つだけとなり、プライスが機体の脱出装置に気づき爆破して、3人は脱出に成功する。 アムンゼン・スコット基地。 被害者の遺体が軽装だったことから、飛行機から落とされたことに気づいていたステッコは、飛行記録を調べるがデータが見つからない。 基地退避まで20時間しかないことを、マーフィーに知らされたステッコは捜査を進める。 ステッコは、ボストーク基地で襲われた際に怪我をした、左手の薬指と小指が壊死していることをフューリーから知らされ、指を切断することになる。 プライスはステッコを慰め、マイアミで裏切った相棒を射殺してしまい、彼女が心の傷を負ってこの地に赴任したことを聞かされる。 その時、被害者の同僚が現れたとの連絡がステッコに入り、彼から事件の真相を聞きかけたところで、逃走した男は何者かに殺される。 それを追ったステッコは、犯人のラッセル・ヘイデン(アレックス・オローリン)を捕らえ、指を切断すると脅しをかけ、 輸送機から奪った核物質の在り処を吐かせる。 しかし核物質は見つからず、ヘイデンは逃亡し、ステッコは、デルフィが刺されているのを発見する。 ステッコは、その場にいたプライスとフューリーにデルフィの治療を任せる。 基地の閉鎖システムは作動し、残ることを決めたステッコらは、飛行機で逃げようとするヘイデンを追う。 しかし、ステッコとプライスを外に置き去りにするのが目的だったヘイデンは、二人に襲い掛かる。 揉みあいになったヘイデンは、”ホワイトアウト”となった雪原に放り出されてしまう。 基地内に戻ったステッコとプライスは、核物質の入っていると思われる金属筒の中身が、ゼリービーンズだったことを知る。 ステッコは、既に避難した輸送機に核物質が積まれ、ヘイデンの仲間がいるはずだと気づく。 機内のマーフィーに連絡をとったステッコだったが、何も見つからなかった。 ステッコは、機内の積荷リストをファックスで送らせ、科学課の積荷が残されていることを知る、 科学課の保管室で、被害者の遺体を調べたステッコは、彼の足の傷と自分の指の傷の縫い合わせ方が同じだということに気づく。 別の遺体の腹部を調べたステッコは、そこに隠されたダイヤモンドの原石を見つける。 そこにフューリーが現れ、国に奪われた12年間のための償いとして、50年前のダイヤを奪おうとしたことを、彼はステッコに語る。 ステッコはフューリーを逮捕しようとするが、彼は美しいオーロラを見ると言って、軽装のままホワイトアウトの中に消えていく。 6ヶ月後。 既にデルフィは回復し、プライスと共に愉快な毎日を過ごしていた。 そして、基地内を見回りに行ったステッコは、フューリーの言っていた、美しいオーロラを目の当たりにする。
...全てを見る(結末あり)
無事帰還した3人だったが、殺人事件により、基地の閉鎖をマーフィー所長が決断したことを知らされる。
辞職を撤回したステッコは、温かい場所への転属を申し出るメールを送る。
*(簡略ストー リー)
南極のアムンゼン・スコット基地に赴任していた連邦保安官キャリー・ステッコは、帰国を控え、 発見された変死体の調査を始める。
医師フューリーや、国連から派遣された捜査官プライスらの協力で捜査を始めたステッコは、 雪原の中で埋もれていた、50年前に墜落したソ連の輸送機を発見する。
そしてステッコは、輸送機にあった核物質が絡む陰謀が、事件の背景にあることを知るのだが・・・。
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難航する陰謀の謎解きに加え、厳しい自然との闘いがリアルに描かれ、その象徴的な自然現象として起きる”ホワイトアウト”が効果的に使われていいる。
結局は単なる”宝”の争奪戦という展開ではあるが、それを手に入れようとした犯人の、人情物語のようにして終わる結末を、好しとするかでも見方は変わり、ドミニク・セナの演出は、今一パンチが足りない気もする。
ロケは、ほとんどがカナダの寒冷地で行われ、極寒の地の雰囲気を良く出してはいる。
興行収入は北米で約1000万ドルに終わり、全世界でも約1220万ドルと、製作費3500万ドルを回収することもできない残念な結果に終わってしまった。
心に傷を負いながら赴任した南極で、平凡な日々に満足できない思いだった主人公のケイト・ベッキンセイルは、帰国を前に使命感に燃える連邦保安官をスマートに演じている。
やや飾り物のような主人公のサポート役で、逞しさもあまり感じられない、国連捜査官のガブリエル・マクト、主人公の助手的存在の飛行士コロンバス・ショート、孤独さが犯行のきっかけにもなり、自ら悲しい最後を選ぶ医師役トム・スケリット、その仲間アレックス・オローリン、基地の所長役ショーン・ドイルなどが共演している。