田舎暮らしと親のエゴにうんざりしていた少女がローラーゲームに魅了されたことで人生の目標を見つける姿を描く、製作、監督、出演ドリュー・バリモア、主演エレン・ペイジ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、クリステン・ウィグ、ジュリエット・ルイス、ジミー・ファロン、ダニエル・スターン他共演のスポーツ・コメディ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ドリュー・バリモア
製作総指揮
ピーター・ダグラス
ナンシー・ジュヴォネン
キルステン・スミス
ネイサン・カヘイン
ジョセフ・ドレイク
クリス・ミラー
製作
ドリュー・バリモア
バリー・メンデル
原作:ショーナ・クロス”Derby Girl”
脚本:ショーナ・クロス
撮影:ロバート・イェーマン
編集:ディラン・ティチェナー
音楽:ザ・セクション・カルテット
出演
ブリス・キャヴェンダー/ベイブ・ルースレス:エレン・ペイジ
ブルック・キャヴェンダー:マーシャ・ゲイ・ハーデン
マギー・メイヘム:クリステン・ウィグ
スマッシュリー・シンプソン:ドリュー・バリモア
アイアン・メイヴィン:ジュリエット・ルイス
“ホット・タブ”ジョニー・ロケット:ジミー・ファロン
アール・キャヴェンダー:ダニエル・スターン
レイザー:アンドリュー・ウィルソン
ローザ・スパークス:イヴ
パシュ:アリア・ショウカット
ブラディ・ホリー:ゾーイ・ベル
オリヴァー:ランドン・ピッグ
エヴァ・デストラクション:アリ・グレイナー
シャニア・キャヴェンダー:ユーレイラ・シール
バードマン:カルロ・アルバン
アメリカ 映画
配給 フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
2009年製作 111分
公開
北米:2009年10月2日
日本:2010年5月22日
製作費 $10,000,000
北米興行収入 $13,034,420
世界 $16,633,040
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
テキサス、ボディーン。
高校生のブリス・キャヴェンダー(エレン・ペイジ)は、田舎町の生活とビューティー・クイーンの夢を自分に託す、保守的な母親ブルック(マーシャ・ゲイ・ハーデン)の考えにうんざりする毎日を送っていた。
そんな時、ブリスは母ブルックと妹シャニア(ユーレイラ・シール)とでオースティンに買い物に行く。
ある店でショッピングをしていたブリスは、ローラースケートを履いた女性がチラシを置きに来た姿が気になる。
数日後ブリスは、オースティンで行われるローラーゲームの試合に親友のパシュ(アリア・ショウカット)を誘う。
会場で試合に魅了されたブリスは、ゲームで活躍する”ハール・スカウツ”のマギー・メイヘム(クリステン・ウィグ)と会話をして、年齢を偽りオーディションを受けてみることにする。 かつて使っていた、ローラースケートの靴を引っ張り出して、少々練習したブリスは、単身オースティンに向かう。 会場でマギーと再会したブリスは、コーチのレイザー(アンドリュー・ウィルソン)を紹介され、早速ルールから始まりテストを受けることになる。 ブリスは、不器用なスケーティングながらも、抜群のスピードを買われ合格となるのだが、”ホリー・ローラーズ”のアイアン・メイヴィン(ジュリエット・ルイス)に因縁をつけられる。 その後、ブリスは母ブルックや彼女よりは理解のある父アール(ダニエル・スターン)には内緒で、学校やダイナーでのバイト、そして練習に励み、毎週オースティンに通う。 万年最下位のスカウツのメンバーが、勝つことなど考えていないことをブリスは知り、コーチのレイザーから”非情”になれと助言される。 そして、ブリスは”ベイブ・ルースレス”のリンク名でデビュー戦を迎えリンクに送り出され、スピードを生かした、まずまずの活躍を見せる。 そんなブリスは、会場にいたバンドマンのオリヴァー(ランドン・ピッグ)と親しくもなる。 見かけによらず、慎重で固い作戦をとるコーチのレイザーの指示に従わないスカウツのメンバーだったが、怒った彼がその作戦を相手チームに売ってしまい、その結果、痛めつけられてしまう。 仕方なく、それに従ったスマッシュリー・シンプソン(ドリュー・バリモア)らスカウツのメンバーは、見事にレイザーの戦略で初勝利する。 その後もスカウツは勝利を重ね、ブリスとオリヴァーは愛し合うようになる。 スカウツは決勝進出まで後一歩となり、リーグの宣伝ポスターにブリスが選ばれる。 それが気に障ったメイヴィンが、ブリスに言いがかりをつけ大乱闘になってしまう。 そんな時、母ブルックがブリスに夢を託すビューティー・コンテストと、決勝戦が同じ日になってしまう。 スカウツは順調に勝ち上がり、ブリスは、ツアーに出ることになったオリヴァーとプールの中で愛し合う。 翌朝、帰宅したブリスは、会場で飲酒がばれてしまい補導されたパシュが全てを話したため、両親にローラーゲームのことが知られてしまう。 アールとブルックは、嘘をついていたブリスを非難するが、彼女も自分の夢を押し付ける母と、対決を避ける父に失望して家を出てしまう。 親の厳重な監視下に入ってしまったパシュとも、仲違いしてしまったブリスは、マギーの元に身を寄せる。 その後、ブリスは17歳であることをメイヴィンに知られ、それをチームメイトにばらすと脅されてしまう。 悲しい気持ちを伝えたいオリヴァーや、パシュとも連絡の取れないブリスは、チームメイトの元に向かい、自分が17歳だと告白する。 親が認めれば出場は許可されるのだが、それが無理なことを伝えたブリスを、チームメイトは彼女がメンバーの一員だと励ます。 ブリスは、親と向き合うことが大切だともマギーに助言され、学校に登校する。 インターネットで、オリヴァーのバンドのサイトを確認したブリスは、彼が自分の上げたシャツを、他の女性に渡したことを知りショックを受ける。 家に戻った失意のブリスは、母ブルックにオリヴァーとのことを話し、彼女は初めて自分をさらけ出し娘と語り合う。 父アールにも謝罪したブリスは、パシュとのわだかまりも消え、オリヴァーからもらった上着を燃やす。 マギーはブリスが決勝に出るかを確認するが、既にコンテストに出場することを決めていた彼女はそれが無理だと伝える。 父アールは、ローラーゲームでのブリスの活躍をサイトで確認して感心してしまう。 そんなアールは、スカウツのメンバーの元に向かい、彼女らをコンテスト会場に連れて行く。 妻ブルックに、ブリスが幸せを掴むチャンスを与えたいと、挑戦している娘の気持ちをアールは代弁する。 ブルックは、コンテストに出るのが本心でないことをブリスに確認して、その場を去っていく。 父アールに励まされ、会場に向かったブリスは、その場に駆けつけたオリヴァーに声をかけられる。 オリヴァーは浮気はしてないことをブリスに告げるが、彼女は連絡もしなかったことを責め、彼を素直には許せなかった。 会場を仕切る“ホット・タブ”ジョニー・ロケット(ジミー・ファロン)の進行で、いよいよスカウツとローラーズの試合は始まる。 ブリスとメイヴィンは火花を散らし、両チームは激しい戦いを繰り広げる。 アールと娘シャニア、パシュとダイナーのバイト仲間バードマン(カルロ・アルバン)、そしてブルックも会場に姿を見せる。 しかし、ブリスらスカウツのメンバーの健闘もむなしく、試合はローラーズが勝利する。 いがみ合っていたブリスとメイヴィンは健闘を称え合い、そして会場の観客は大いに盛り上がる。 その後、アールはブリスを誇りに思い、ブルックは本気で打ち込むために、オースティンに移りたいという娘の気持ちを受け入れる。 数日後、ブルックは、”尊敬する人物は母です・・・コンテストの優勝よりも、母に誇りに持ってもらうことがなによりです”と、コンテストで、ブリスがスピーチする予定だった内容を知り涙する。 アールは、娘のブリスがローラーゲームのスターだと自慢するパネルを、誇らしげに家の前に立てる。 そしてブリスは、今後の人生に期待を膨らませ、満ち足りた気持ちを胸に独りたたずむ。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
女子高生のブリス・キャヴェンダーは、保守的であり、ビューティー・コンテスト優勝の夢を自分に託す母親ブルックにうんざりしていた。
ある日、オースティンに買い物に行ったブリスはその場でローラーゲームを知り、後日、会場でそれを見て魅了されてしまう。
親には内緒でローラーゲームのオーディションを受けたブリスは、それに合格して、学校、バイト、練習をこなす慌しい毎日を送るようになる。
そして、デビューを果たしたブリスは、激しい肉弾戦を経験し、チームの一員として重要なメンバーになっていく。
バンドマンのオリヴァーとも親密になり、万年最下位のチームも勝利が続いていたブリスだったが、リーグの決勝戦とビューティー・コンテストの日程が重なってしまう。
コンテストの出場を決めながら挑んだ準決勝の後に、ブリスは両親に嘘をついていたことが知られてしまう。
それを非難されたブリスは、両親を罵倒して家出してしまう。
オリヴァーの浮気や親友との仲違い、そして年齢を偽って試合に参加していたことなどがばれたブリスには、大きなプレッシャーがのし掛かってくる・・・。
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2007年に発表された、ショーナ・クロスの小説”Derby Girl”を基に製作された作品。
既に製作者としてもキャリアを積んでいた人気スターのドリュー・バリモアの監督デビュー作。
製作も兼ね、彼女自身も出演し見事なスケーティングと派手なアクションを披露してくれる。
やや在り来たりな展開ではあるが、人情や友情を、ユーモアを交えながら爽やかに描き、デビュー作としては無難にまとめ上げたドリュー・バリモアの演出手腕は、今後、大いに期待できる。
自分の生活環境と全く違う世界を見つけ、それに全てを懸ける少女の、心意気と成長を描いた痛快作に仕上がっている。
期待の若手スター、エレン・ペイジの出演と、個性豊かな共演者の、手抜きのないパフォーマンスが話題にもなった作品でもあり、批評家、観客の評価も悪くはなかったが、興行的に振るわなかった。
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北米興行収入 $13,034,420
世界 $16,633,040
「JUNO/ジュノ」(2007)で注目されたエレン・ペイジは、同作の主人公が少しまじめになったようなキャラクターなのだが、荒っぽい競技に健気にチャレンジする姿が、小柄ながらなかなか頼もしく、超美形でもない彼女は、なぜかスクリーン上でホッとさせてくれる存在として実に興味深い演技を見せる。
叱る時も受け入れる時も、大袈裟な愛情表現をしないところがいい母親役のマーシャ・ゲイ・ハーデン、大らかな父親のダニエル・スターン、妹のユーレイラ・シール、人間味のあるチームメイトのクリステン・ウィグ、同じくドリュー・バリモア、主人公にライバル心を燃やし存在感を見せて好演するジュリエット・ルイス、会場を仕切るジミー・ファロン、コーチ役のアンドリュー・ウィルソン、主人公の親友役のアリア・ショウカット、彼女と仲良くなるバイトの同僚のカルロ・アルバン、チームメイトのイヴ、ゾーイ・ベル、ライバル・チームの選手アリ・グレイナー、主人公の恋人ランドン・ピッグなどが共演している。