1963年に発表された、モーリス・センダックの絵本”かいじゅうたちのいるところ”を基に製作された作品。 不思議な怪獣達が住む島にたどり着いた少年の冒険を描く、製作トム・ハンクス、監督、脚本スパイク・ジョーンズ、主演マックス・レコーズ、ジェームズ・ガンドルフィーニ、ローレン・アンブローズ、クリス・クーパー、キャサリン・オハラ、フォレスト・ウィッテカー、ポール・ダノ、キャサリン・キーナー、マーク・ラファロ他共演のファンタジー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:スパイク・ジョーンズ
製作
トム・ハンクス
ゲイリー・ゴーツマン
モーリス・センダック
ジョン・カールズ
ヴィンセント・ランディ
製作総指揮
トーマス・タル
ジョン・ジャシュニ
ブルース・バーマン
原作:モーリス・センダック”かいじゅうたちのいるところ”
脚本
デイヴ・エガーズ
スパイク・ジョーンズ
撮影:ランス・アコード
編集
ジェイムズ・ヘイグッド
エリック・ザンブランネン
音楽
カレンO
カーター・バーウェル
出演
マックス:マックス・レコーズ
コニー:キャサリン・キーナー
エイドリアン:マーク・ラファロ
クレア:ペピータ・エメリッチズ
教師:スティーブ・モウザキス
声の出演
キャロル:ジェームズ・ガンドルフィーニ
K.W.:ローレン・アンブローズ
ダグラス:クリス・クーパー
ジュディス:キャサリン・オハラ
アイラ:フォレスト・ウィッテカー
アレクサンダー:ポール・ダノ
バーナード・ザ・ブル:マイケル・ベリーJr.
ボブとテリー:スパイク・ジョーンズ
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2009年製作 104分
公開
北米:2009年10月16日
日本:2010年1月15日
製作費 $100,000,000
北米興行収入 $77,233,470
世界 $100,086,790
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
9歳の少年マックス(マックス・レコーズ)は、姉のクレア(ペピータ・エメリッチズ)に相手にされず、孤独な日々を送っていた。
クレアの友達に雪の家を壊されたマックスは、姉が何もしてくれなかったことで傷つき、それを知った母コニー(ペピータ・エメリッチズ)は、息子に優しく接する。
学校の授業でマックスは、教師から、太陽はいつかは消滅するという話を聞く。
ある夜マックスは、離婚したコニーが恋人のエイドリアン(マーク・ラファロ)と過ごしていたため、オオカミの着ぐるみを着て不満を訴える。
激怒したコニーに叱られたマックスは、彼女に噛みついて家を飛び出してしまう。
ボートを見つけたマックスはそれに乗り込み、やがて海に出て漂流を続ける。 ある島にたどり着いたマックスは陸に上がり、森の中で、家を壊している何匹かの巨大な生き物を目撃する。 その仲間入りをして家を壊し始めたマックスは、怪獣の一人キャロル(ジェームズ・ガンドルフィーニ)に気に入られる。 キャロルが、K.W.(ローレン・アンブローズ)が旅立ってしまったことに憤慨しているらしいことに気づいたマックスは、その仲間か危険人物と思われる。 マックスは、キャロルやその仲間達のダグラス(クリス・クーパー)、ジュディス(キャサリン・オハラ)、アイラ(フォレスト・ウィッテカー)、アレクサンダー(ポール・ダノ)、バーナード・ザ・ブル(マイケル・ベリーJr.)らに食べられそうになってしまう。 焦るマックスは、自分にはパワーがあり、かつて王様だったという話をする。 ようやく自分達の王様が見つかったと言って喜ぶ怪獣達は、現れたK.W.にそれを知らせる。 K.W.は、忘れ物を取りに戻っただけだと仲間達に伝える。 キャロルから王様であることを認められたマックスは、最初の命令を伝えて怪獣達と踊り始める。 王冠を渡され楽しい時を過ごしたマックスは、キャロルから、ジュディスとアイラは恋人同士で、ダグラスは頼りになると言われる。 アイラとジュディスに挨拶されたマックスは、ダグラスが倒した大木の下敷きになりそうになる。 K.W.を見つめるキャロルに対し、彼女に腹を立てたために家を壊したのかを尋ねたマックスは、戻らないと思ったからだと言われる。 まだ戻るかは分からないと言われたマックスは、K.W.に飛びかかってじゃれ合う。 キャロルや仲間達も加わり、皆は久し振りに楽しい思いをする。 戻ってほしいことをK.W.に伝えたマックスは、決めかねていると言われる。 ボブとテリーのことを聞かれたK.W.は、彼らが皆とは違ういい友達だと答える。 ここに来た理由をK.W.に話したマックスは、皆と重なり合って眠る。 翌朝、目覚めたマックスは、キャロルに抱かれていることに気づき、見せたいものがあると言われる。 王国を案内すると言うキャロルは砂漠に向い、マックスは太陽がやがて消滅してしまうことを話す。 それを信じないキャロルは、自分に比べると小さい太陽など気にするなと言って岩山に向かう。 洞窟に案内されたマックスは、キャロルらが考えた世界の模型を見せられる。 その夢が次第に実現不可能だと思うようになっていたキャロルだったが、マックスはそれが造れると言って彼を励ます。 その気になったキャロルは仲間達を集め、まず、砦を作ると言うマックスの指示に従う。 キャロルらの怪力を生かした作業ははかどるが、マックスは、贔屓している者がいるのかとジュディスに嫌みを言われる。 K.W.から気にしないようにと言われたマックスは、彼女と共にボブとテリーに会いに行く。 浜辺に向かったマックスは、K.W.からフクロウのボブとテリー(スパイク・ジョーンズ)を紹介される。 K.W.とマックスはボブとテリーを連れ帰るが、キャロルは間抜けなフクロウだと言って、それをよく思わない。 一人、海岸で考え込むキャロルは、ボブとテリーを嫌ったことで皆が怒っていることを気にする。 何とかしてほしいと言われたマックスは、気分のいいことをするために戦争をして楽しもうと考え、敵味方を決める。 王様のマックス、キャロルとダグラスとK.W.はいい者になり、残りの悪者達との戦いが始まる。 仲間のK.W.が頭を踏んだことを非難するキャロルは、ジョークと言われても納得しない。 キャロルがしつこいために、これだから一緒にいたくなかったと言うK.W.は、横たわって頭を踏むようにと彼を挑発する。 それに乗らないキャロルはその場を去り、その様子を見ていたマックスはK.W.を気遣う。 マックスに感謝するK.W.だったが、限界だと言う彼女は姿を消す。 その夜、マックスのパワーを信じるキャロルは、K.W.を連れ戻してほしい気持ちを伝える。 マックスがおかしなダンスしかしないため、キャロルらはその場を去る。 翌朝、アレクサンダーに話しかけたマックスは、戦争で怪我をしたのが自分のせいだと知り謝罪する。 今回のことを後悔するマックスが、王様ではなくただの子供だと気づいていたアレクサンダーは、キャロルには言わない方がいいと伝える。 皆で重なり合って眠る仲なのに秘密の部屋を作ろうとするマックスに苛立つキャロルは、砦を壊そうとする。 更にキャロルは、K.W.が出て行き、太陽が死んだために朝になっても日が昇らないと言ってわめき始める。 まだ夜だと言うマックスだったが、それを信じないキャロルは、王様なのに自分達を守らないことに対して不満を訴える。 ダグラスからマックスが王様ではないと言われたキャロルは、それを認めようとしない。 話を合わせようとしただけだと言うダグラスの腕を引き抜いてしまったキャロルは、非難するマックスに襲いかかる。 森の中に逃げ込んだマックスはK.W.に助けられ、口の中に隠れるようにと言われる。 現れたキャロルに話がしたいと言われたK.W.は、苦しい胸の内を伝える彼を追い払おうとする。 皆と一緒にいたいだけだと言い残したキャロルは、その場を去る。 キャロルに悪気はなく怖いだけだと言うマックスは、家族と思うK.W.のことが好きなのだろうと伝える。 家族は難しいと答えるK.W.に、苦しいので出してほしいと言うマックスは、家が恋しくなったために帰ることを考える。 キャロルの洞窟に向かったマックスは、模型が壊されていることに気づき、彼の元に向かう。 一緒にいたダグラスは気を遣ってその場を離れ、マックスが王様でないことを確認したキャロルは立ち去る。 K.W.と浜辺に向かったマックスは、バーナードに声をかけられ、アイラとジュディス、そしてアレクサンダーに別れを告げる。 マックスが自分に残してくれたサインを洞窟で見つけたキャロルは、急いで海岸に向かう。 ダグラスとK.W.に手伝ってもらいボートに乗ったマックスは、現れたキャロルが涙する姿を見つめながら、互いに遠吠えで別れを告げる。 家に戻ったマックスは、心配していたコニーに迎えられて抱き合う。 二人は何も語らなくても心は通じ合い、マックスがスープとケーキを食べる姿を見ながらコニーは眠ってしまう。 マックスはそんなコニーを見つめながら微笑む。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
9歳の孤独な少年マックスは、姉クレアにも相手にされず孤独な日々を送っていた。
ある日マックスは、離婚した母コニーが恋人のエイドリアンを家に招いていたため、狼の着ぐるみを着ながら反抗し、激怒した彼女に叱られてしまう。
家を飛び出したマックスは、ボートに乗り海を漂流し、ある島にたどり着く。
そこでマックスは、森の中で家を壊している怪獣キャロル達を目撃する。
それに加わったマックスを気に入ったキャロルだったが、暴れていた原因である、いなくなったK.W.の仲間ではないかとマックスを疑い、彼を食べようとする。
しかし、空想好きのマックスは、自分が王様であることを伝え、キャロルらはそれを認めて、皆は楽しい時を過ごすのだが・・・。
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原作”かいじゅうたちのいるところ”(1963)は、現代の絵本界を代表する作家モーリス・センダックの出世作として知られている。
1960年代初頭に発表された原作は、当時、内容が教育的観点において問題ありとみなされ批判を浴びるものの、その後の時代の変化などで現在は高い評価を受けている。
スパイク・ジョーンズならではの、独創的な世界観とユーモアが生かされた作品であり、あらゆる世代が楽しめる内容には仕上がっている。
とは言え、キッズ映画的なストーリーなのだが、それにしては登場する怪獣達の造形が幼い子供達ではやや怖いだろうし、大人には訴えるものが物足りない感じがする。
それでも、大人の鑑賞にも耐えるなかなかの迫力映像で、暴力的でどぎついシーンもあり、やはり完全な子供向けとは言えない内容だ。
登場する怪獣の美術的な評価は好みで分かれるかもしれないが、CGを使っていない、着ぐるみを用いた古風なところや、怪獣達の表情が実にいい。
(表情はCGで編集している)
北米興行収入は約7700万ドル、全世界では1億ドルのヒットとはなったが、製作費に1億ドルかかっているので、商業的に成功したとは言えない。
やんちゃではあるが孤独な主人公の少年を熱演するマックス・レコーズ、その母親キャサリン・キーナー、その恋人マーク・ラファロ、主人公の姉ペピータ・エメリッチズ、教師スティーブ・モウザキス、主人公と親交を深める怪獣の声を担当するジェームズ・ガンドルフィーニ、ローレン・アンブローズ、クリス・クーパー、キャサリン・オハラ、フォレスト・ウィッテカー、ポール・ダノ、マイケル・ベリーJr.、そしてスパイク・ジョーンズなど、豪華な顔ぶれも注目だ。