西部の地に電信を引く”ウエスタン・ユニオン”の技師たちの苦闘を描く、製作ダリル・F・ザナック、監督フリッツ・ラング、主演ロバート・ヤング、ランドルフ・スコット、ディーン・ジャガー、ヴァージニア・ギルモア、ジョン・キャラダイン、バートン・マクレーン他共演の西部劇。 |
・西部劇
■ スタッフ キャスト ■
監督:フリッツ・ラング
製作
ダリル・F・ザナック
ハリージョーブラウン
原作:ゼイン・グレイ”Western Union”
脚本:ロバート・カーソン
撮影
エドワード・クロンジャガー
アレン・M・デイヴィ
編集:ロバート・ビショフ
音楽:デヴィッド・バトルフ
出演
リチャード・ブレイク:ロバート・ヤング
ヴァンス・ショー:ランドルフ・スコット
エドワード・クレイトン:ディーン・ジャガー
スー・クレイトン:ヴァージニア・ギルモア
マードック医師:ジョン・キャラダイン
ジャック・スレイド:バートン・マクレーン
暫定知事:ラッセル・ヒックス
クッキー:スリム・サマーヴィル
ホーマー・ケトル:チル・ウィルス
チャーリー:ヴィクター・キリアン
パット・グローガン:マイナー・ワトソン
ハーブ:ジョージ・チャンドラー
チーフ・スポッテッドホース:チーフ・ジョン・ビッグツリー
先住民のリーダー:チーフ・サンダークラウド
ポッキー:ディック・リッチ
ハーロウ大尉:アディソン・リチャーズ
ジョー:アーヴィング・ベーコン
電信局員:ハンク・ベル
悪党:トム・ロンドン
駅馬車の御者:チャールズ・ミドルトン
駅馬車の御者:フランシス・フォード
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1941年製作 95分
公開
北米:1941年2月21日
日本:1949年3月29日
製作費 $1,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1861年。
逃亡中の無法者ヴァンス・ショー(ランドルフ・スコット)は、怪我をした愛馬スパイダーを放し、出くわしたエドワード・クレイトン(ディーン・ジャガー)の馬を奪おうとする。
ショーは、意識を失ったクレイトンが、馬に蹴られて怪我をしていることを知り、見捨てることができずに手当てをする。
追っ手が近づき身を潜めたショーは、クレイトンを連れて移動する。
駅馬車発着所に着いたショーは、クレイトンから、助けてくれた礼に馬を譲ってもらいその場を去る。
手当てを受けたクレイトンは、電信会社のウエスタン・ユニオンの測量技師であることを、介抱してくれた男たちに伝え、銀行強盗が逃亡中だと知る。
その後、回復したクレイトンは、世話になった者たちに感謝して駅馬車で旅立つ。
ネブラスカ準州、オマハ。
ウエスタン・ユニオンの労働者を診察するマードック医師(ジョン・キャラダイン)は、その場を去ろうとしたコックのクッキー(スリム・サマーヴィル)を引き止める。
クレイトンは、馬を見に行っている妹のスー(ヴァージニア・ギルモア)の元に向かう。 スーに話しかけようとしたクレイトンは、彼女と一緒にいた男がショーだったために驚く。 二人は何も語らず挨拶しただけで、ショーは町を去ろうとする。 それを知ったクレイトンは、ショーを引き止めてスカウトとして雇う。 ハーバード大学出身の技士リチャード・ブレイク(ロバート・ヤング)が町に到着し、事務所にいたスーにからかわれるものの気にしない。 クレイトンに挨拶したブレイクは、ホーマー・ケトル(チル・ウィルス)とパット・グローガン(マイナー・ワトソン)らを紹介され、ホテルに向かおうとする。 スーに惹かれたブレイクは、彼女に話しかけてその場を去り、荷馬車を見ていてもらっていた男性が、暫定知事(ラッセル・ヒックス)だと知っても驚きもしなかった。 クレイトンと話したスーとホーマーは、ブレイクが富豪の息子で、父親が5万ドルを寄付したことを知り驚く。 その後、服装だけは西部の男らしくなったブレイクは、ショーやスーそしてクレイトンらの前で荒馬を乗りこなし余裕を見せる。 スーは、そんなブレイクが気になる存在になる。 事務所に向かったブレイクは、その場にショーがいることを知り、二人はスーに挨拶して立ち去り、互いに牽制し合う。 7月4日、独立記念日。 兄をブレイクとショーに任せたスーは、彼らと別れる。 初日の作業が終り、一旦、町に戻ったショーはスーに会いに行くものの、その場にはブレイクがいた。 その後、牛追いのハーブ(ジョージ・チャンドラー)が先住民に襲われる事件が起きる。 ポーニー族はバッファローを狩ることを知るショーは疑問に思い、それをクレイトンに伝えて一人で調べに行く。 犯人を見つけたショーは、それが、先住民に扮していたかつての仲間ジャック・スレイド(バートン・マクレーン)らだと知る。 牛を奪ったスレイドからそれを取り戻そうとしたショーは、彼が従おうとしないために一旦、その場を去る。 クレイトンの元に戻ったショーは、牛は見つけたが取り戻せないので、先住民に貸しを作るべきだと伝える。 ショーは責任を取ってやめようとするものの、クレイトンに引き止められる。 スーが現れたために驚いたクレイトンは、ブレイクが通信士として呼んだと考え、オマハに戻るよう彼女に指示する。 クレイトンは納得したスーをショーに任せ、仕事に出かける。 出発するスーに思いを伝えるショーは、2年前に会いたかったと言いながら、彼女を見送ろうとする。 過ちを繰り返したことを後悔するショーは、過ちは正せると言われるものの、無理だとスーに伝える。 駅馬車が到着し、御者(フランシス・フォード)を呼び止めたクッキーは、それに乗ろうとするものの、チャーリー(ヴィクター・キリアン)に引き止められる。 駅馬車に乗ったスーは、見送ってくれるショーに目的地のソルトレイクシティで会うことを約束し、お守りだと言ってペンダントを渡す。 その後、測量をしていたブレイクから誰かが来ることを知らされたショーは、それが先住民であることを確認する。 野営地に戻るよう指示されたブレイクは、途中で出くわしたホーマーから、電信で知らせるようにと言われて準備をする。 ブレイクからの電信で先住民の襲撃を知ったクレイトンは、彼らの元に部下を向かわせる。 先住民が追いつき、酔ったリーダー(チーフ・サンダークラウド)は酒を要求し、測量機を奪おうとしたためにショーが取り戻す。 ショーは、抵抗したリーダーを射殺したブレイクを殴り倒す。 そこに野営地から仲間がが現れ、先住民たちは逃げ去る。 ショーとブレイクは言い合いになり、電信の連絡で野営地が先住民に襲われたことが分かる。 ホーマーは、電柱の上で矢を受けて死んでいた。 犠牲者を出しながらも何とか先住民の襲撃を凌いだマードックは、白人が先住民に扮していたことを知る。 それをマードックから知らされたクレイトンは、ショーに意見を求め、何も答えない彼に、白人が先住民を酔わせてけしかけた可能性があるという考えを伝える。 クレイトンは、牛を盗んだのが先住民だったことをショーに確認し、そうだと思うと言う彼に現場監督を任せる。 ショーを疑い始めたブレイクは、その考えをクレイトンに伝える。 翌日クレイトンは、ブレイクとショーと共に、奪われた馬を補充するために町に向かう。 クレイトンは、その場にいたスレイドがショーを知っていることを気にしながら、売ろうとする馬は自分のものだと言って、それを確かめようとする。 先住民が奪ったものを買い取ったと言うスレイドの話を聞いたクレイトンは、5000ドルですべてを買い取る取引をして、次は殺すと彼に伝えて酒場に向かう。 クレイトンからスレイドのことを訊かれたショーは、同じ町で育ったと答える。 クレイトンから5000ドルの小切手を受け取ったスレイドは、今後も彼をカモにしようと考える。 その後クレイトンは、騎兵隊のハーロウ大尉(アディソン・リチャーズ)から、スー族の部族長が電信線を引かせないと言っていることを知る。 理由は息子が撃たれたからだということであり、クレイトンは、自分たちが襲われたことを伝える。 それを否定するスー族が、酒を飲まして馬泥棒を誘った白人を責めろと言っているということを知ったクレイトンは、政府の方針なので工事は続けるとハーロウに伝える。 クレイトンは、自分が族長と交渉することをハーロウに伝えてその場を去る。 ブレイクとショーと共にスー族の元に向かったクレイトンは、族長スポッテッドホース(チーフ・ジョン・ビッグツリー)と話をする。 ブレイクは地面に水をまき、戦士たちが握った電線に電流を流す。 感電した戦士たちを見た族長は、電線が魔除けになることを信じて、クレイトンに工事を進めることを許す。 その後、作業は順調に進み、ソルトレイクシティは目前となる。 スレイドが撃たれたということを知らされたショーは、彼らの元に向かうことになる。 捕らえらえたショーはスレイドの元に連れて行かれ、野営地に放火することを知らされる。 スレイドは、仲間に加わることを拒むショーを拘束して野営地に向かう。 ショーは、焚火の火を利用して縛られたロープを焼き切ろうとする。 クレイトンは、ショーが馬で出掛けたことをブレイクから知らされ、それが気になる。 拘束を逃れたショーは、馬で野営地に向かう。 ブレイクらは、野営地の周囲に火を放つ。 クレイトンらは湖に向かい、ブレイクは放火だと気づく。 その場に戻ったショーは、仲間たちを助ける。 翌朝、何とか避難したクレイトンは、火傷の手当てをしたショーと話し、放火の証拠であるオイルの瓶を見せる。 クレイトンは、真実を話すべきだと言っても何も語らないショーに、去るようにと指示する。 ショーは、別れを告げるブレイクに、スレイドが兄であることをクレイトンに知らせてほしいと伝える。 スレイドにはウエスタン・ユニオンの邪魔はさせないと言い残し、ショーはその場を去る。 町の床屋にいたスレイドは、ショーが現れたことを知り、その場で待つ。 右手の包帯を外したショーは床屋に向かい、スレイドから再び仲間に誘われる。 それを断ったショーは、決着をつけに来たと伝える。 スレイドは隠し持っていた銃を発砲し、銃弾を受けたショーは反撃する。 その場にいた手下を倒したショーだったが、スレイドに射殺される。 ショーの死を確認したスレイドは、現れたブレイクと撃ち合いになる。 ブレイクは、銃弾を受けながらもスレイドを倒し、ショーが持っていたスーのペンダントに気づく。 その後、ショーは電柱が並ぶ場所に埋葬され、工事は終了する。 ソルトレイクシティ。 クレイトンは、それをショーに聴かせたかったと言うスーに、遠い場所に眠っていても、彼はきっと聴いていると伝える。
...全てを見る(結末あり)
盛大な式典と共に電信工事は始まり、次々と電柱が立てられ、クレイトンらはソルトレイクシティを目指す。
電線は魔除けだと言うクレイトンは、族長にそれを信じさせるために、戦士10人に電線をに握らせて証明しようとする。
ブレイクらと共に開通を祝うクレイトンは、電信を打つ音が”ミュージック”だと思える。
*(簡略ストー リー)
1861年。
ソルトレイクシティまで電信を引く”ウエスタン・ユニオン”の測量技師エドワード・クレイトンは、旅の途中で怪我をしてしまい、逃亡中の無法者ショーと出会い、命を救われる。
回復したクレイトンは、ネブラスカ準州、オマハで人を雇い、工事を始める準備をする。
東部から来た技士ブレイクは、クレイトンの妹であるスーに惹かれる。
ショーと再会したクレイトンは、彼に過去があることに気づきながらもスカウトとして雇う。
そしてクレイトンは、ブレイクやショーらと共に、ソルトレイクシティに向けた工事の旅を始めるのだが・・・。
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1939年に発表された、ゼイン・グレイの小説”Western Union”を基に製作された作品。
西部の地に電信を引く”ウエスタン・ユニオン”の技師たちの苦闘を描く西部劇の秀作。
男の友情、先住民や無法者との戦い、そして恋など、西部劇としての見どころ満載の内容に加え、ユーモアをまじえたフリッツ・ラングのシャープな演出が光る、見応えある作品に仕上がっている。
ファーストクレジットは東部から来た若い技士ロバート・ヤングなのだが、無法者としての過去を隠しながら工事に加わる男を熱演するランドルフ・スコットが存在感を発揮し、また、実業家として知られるエドワード・クレイトンを演ずるディーン・ジャガーが、統率力のある人物を印象的に演じている。
通信士であるクレイトンの妹で、主人公二人に惹かれる女性ヴァージニア・ギルモア、医師のジョン・キャラダイン、無法者のリーダー、バートン・マクレーン、暫定知事のラッセル・ヒックス、コックのスリム・サマーヴィルとヴィクター・キリアン、クレイトンの部下チル・ウィルスとマイナー・ワトソン、牛追いのジョージ・チャンドラー、スー族の族長チーフ・ジョン・ビッグツリー、その息子チーフ・サンダークラウド、騎兵隊の大尉アディソン・リチャーズ、町の床屋アーヴィング・ベーコン、電信局員のハンク・ベル、無法者のトム・ロンドン、駅馬車の御者チャールズ・ミドルトンとフランシス・フォードなどが共演している。