”王位を捨てた恋”として知られるイギリス国王のエドワード8世とウォリス・シンプソンの関係に興味を抱く女性の心の内を描く、製作、監督、脚本マドンナ、主演アビー・コーニッシュ、アンドレア・ライズブロー、ジェームズ・ダーシー、オスカー・アイザック他共演のドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:マドンナ
製作
マドンナ
クリス・サイキエル
脚本
マドンナ
アレック・ケシシアン
撮影:ハーゲン・ボグダンスキー
編集:ダニー・トゥール
衣装デザイン:アリアンヌ・フィリップス
音楽:アベル・コジェニオウスキー
出演
ウォリー・ウィンスロップ:アビー・コーニッシュ
ウォリス・シンプソン:アンドレア・ライズブロー
エドワード:ジェームズ・ダーシー
エフゲニ・コルパコフ:オスカー・アイザック
ウィリアム・ウィンスロップ:リチャード・コイル
アーネスト・オルドリッチ・シンプソン:デヴィッド・ハーバー
イギリス 映画
配給 Optimum Releasing
2012年製作 119分
公開
イギリス:2012年1月20日
北米:2011年12月9日
日本:2012年11月3日
製作費 $$15,000,000
北米興行収入 $582,080
世界 $868,440
■ アカデミー賞 ■
第84回アカデミー賞
・ノミネート
衣装デザイン賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1998年、ニューヨーク。
ウォリー・ウィンスロップ(アビー・コーニッシュ)と医師である夫ウィリアム(リチャード・コイル)との間に子供がなかった。
かつての職場”サザビーズ”を訪ねたウォリーは、開催されていた”ウィンザー公爵夫妻展”を見学する。
ウォリーは、不妊治療を決意するものの、ウィリアムは依然として子供を欲しがろうとしなかった。
1931年、”フォート・ベルヴェデーレ”
ウォリス・シンプソン(アンドレア・ライズブロー)は、船舶仲介会社社長アーネスト・オルドリッチ・シンプソン(デヴィッド・ハーバー)と共にイギリス皇太子エドワード(ジェームズ・ダーシー)の招待を受ける。
舞踏会が開かれ、ウォリスはエドワードと出会う。 1998年。 その後、ウォリスに興味を持ったウォリーは、彼女のことを調べ始める。 夫ウィリアムはそれに興味を示さず、ウォリーは、彼の浮気を疑い始めていた。 1936年、ウェールズ。 ウォリスは、アメリカを訪れたエドワードを歓迎し、私的な場でも顔を合わせて親交を深める。 1998年。 1934年、アスキス・ハウス。 1998年。 1936年。 それはスキャンダルとして報道され、ウォリスは人々から冷ややかな視線を浴びせられるものの、強い意志でそれに耐える。 1998年。 ウィリアムが依然として自分に無関心であったため、ウォリーは苦しむ。 1936年。 ウィンザー城。 1998年。 1936年1月20日。 1998年、サザビーズ。 1936年、ロンドン。 1998年。 そのことをウィリアムに責められ、罵り合ったウォリーは、彼に暴力を振るわれる。 1936年。 しかし、ウォリスはアーネストの元に戻る決意をして、王室を守るようにという別れの手紙を受け取ったエドワードは悲しむ。 12月11日。 1998年。 エフゲニは、傷を負って怯えるウォリーを介抱して、その場から連れ出す。 1936年、フォート・ベルヴェデーレ。 1998年。 ウォリーはエフゲニと愛し合うようになり、ウィリアムに別れの手紙を送る。 1937年6月3日。 1998年。 現地に着いたウォリーは、”ウィンザー公”夫妻の使用したホテルの部屋に宿泊する。 1939年、パリ。 1998年。 作家に扮したウォリーは、ウォリスの手紙を保有しているモハメド・アルファイドと会い、それを見せることを拒む彼を説得する。 その後、アルファイドの許可を得たウォリーは、ウォリスの手紙を手にする。 ウォリーは、ウォリスの辛い心の内を綴った手紙を読む。 1972年。 1998年。 結婚して35年後の1972年、ウィンザー公は亡くなる。
...全てを見る(結末あり)
翌日も”サザビーズ”に向かったウォリーは、警備スタッフのエフゲニ・コルパコフ(オスカー・アイザック)に声をかけられる。
エドワードは、不況下で苦しみに耐える人々に歓迎され、打開策を考える意向を記者に伝える。
一度は子供のことを考えたウィリアムだったが、彼は再びそれを拒みウォリーは苦しむ。
ウォリスとエドワードの関係は、彼女の夫アーネスト、そしてその他の人々も目から見ても明らかだった。
エフゲニは、毎日訪れるウォリーを意識し始める。
ウォリスとエドワードは愛し合うようになり、愛人のいた夫アーネストは彼女の元を去る。
エフゲニは、ウォリスに興味を抱くウォリーをカフェに誘い、会話を弾ませる。
エドワードは、周囲の言動を気にするウォリスのために、王位継承権を捨てる考えがあることを彼女に伝える。
しかしエドワードは、それを国王ジョージ5世に伝えることはできなかった。
ウォリーとエフゲニは、閉館したギャラリー内部で二人だけの時間を楽しむ。
ジョージ5世が崩御し、王位を継ぐエドワードとウォリスの関係は大きく報道され、王室の危機とまで言われる。
”ウィンザー公”夫妻に関係する品々のオークションが開催される。
エドワードは、離婚問題を抱えるウォリスに、必ず王室に迎えることを約束する。
オークションに参加したウォリーは、ウォリスのヤギの皮手袋を1万ドルで落札する。
エドワードは、苦しむウォリスに、退位の声明文を用意したことを伝える。
”ウィンザー城”でエドワード8世の退位が発表され、彼自身が声明文を読み上げる。
オークションの最終日、エフゲニはウォリーの姿が見えないために彼女のアパートを訪ねる。
ウォリスとエドワードは、押し寄せる記者を避けてその場を離れ国外に逃れ、フランスの”エクス=アン=プロヴァンス”に向かう。
エフゲニは、自宅にウォリーを連れて行き、ピアノを弾き、彼女を落ち着かせて休ませる。
ウォリスとエドワードは、フランスのトゥールで結婚する。
エフゲニとの満ち足りた日々を過ごしていたウォリーは、ウォリスの手紙があることを知りパリに向かう。
エドワードは、王位を継いだ弟ジョージ6世と会うことを許されずに苛立ち、彼の妻と認められないウォリスは悲しむ。
吐き気をもよおしたウォリーは、妊娠したことを確信する。
ウォリスは、癌を患うエドワードを献身的に介護する。
妊娠を知ったウォリーは、ウォリスとの別れを決意し、連絡のあったエフゲニに笑顔で応える。
__________
ウォリスは、エドワードを王室墓地に埋葬するために、初めてイギリスに招かれた。
*(簡略ストー リー)
1998年、ニューヨーク。
ウォリー・ウィンスロップは、医師の夫ウィリアムとの間に子供がなく、それを望まない彼との間には溝があった。
ある日ウォリーは、かつての職場”サザビーズ”を訪ね開催されている”ウィンザー公爵夫妻展”を見学する。
夫妻に興味を抱いたウォリーは、二人について調べ始めるが、浮気を疑うウィリアムとの関係は改善されない。
ウォリーは、王位を捨ててまで愛を誓い合った、エドワード8世とウォリス・シンプソンの関係を調べるうちに、自分を彼女に投影させるようになる。
そんなウォリーは、”サザビーズ”の警備スタッフのエフゲニとの親交を深めるのだが・・・。
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王位を捨て離婚歴のあるアメリカ人女性ウォリス・シンプソンと結婚したエドワード8世、二人の運命の恋と苦しみを描くと共に、幸せを手に入れることができず、大都会で孤独な日々を送る女性の心の内を描く心理ドラマとしても楽しめる。
第84回アカデミー賞では衣装デザイン賞にノミネートされた。
しかし、世界の全てを手に入れようとしているような雰囲気のあるマドンナの演出は単調で、主人公を描くドラマは、まずまず興味深く観れるものの、ウォリスとエドワードの物語は、工夫は窺えても、単なる歴史の再確認的な雰囲気がある。
それでも、その”世紀の恋”とも言える歴史の事実を知る上では興味深い作品。
魅力的なキャスティングを生かせず、商業的にも成功した作品ではなく、拡大公開もされずに終わっれしまった。
夫の愛を得られずに悩み続ける女性であったが、ウィンザー公夫妻の恋に出会ったことで幸せを手にすることができるアビー・コーニッシュ、ウォリス・シンプソンのアンドレア・ライズブロー、エドワード8世のジェームズ・ダーシー、主人公と愛し合うようになるオスカー・アイザック、主人公の夫リチャード・コイル、ウォリスの夫デヴィッド・ハーバーなどが共演している。