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草原の追跡 Way of a Gaucho (1952)

アルゼンチンの大草原”パンパ”で逞しく生きるガウチョの青年の生き様を描く、監督ジャック・ターナー、主演ロリー・カルホーンジーン・ティアニーリチャード・ブーンヒュー・マーロウ共演による異色のアドベンチャー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト ■
監督:ジャック・ターナー

製作:フィリップ・ダン
原作:ハーバート・チャイルズ
脚本:フィリップ・ダン
撮影:ハリー・ジャクソン
編集:ロバート・フィッチ
音楽:ソル・キャプラン

出演
マルティン・ペナロサ:ロリー・カルホーン

テレサ・チャヴェス:ジーン・ティアニー
サリナス少佐:リチャード・ブーン
ドン・ミゲル・アレオンド:ヒュー・マーロウ
ファルコン:エヴェレット・スローン
フェルナンデス神父:エンリケ・チャイコ
バルベルデ:ホルフェ・ヴィラルド

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX

1952年製作 87分
公開
北米:1952年10月16日
日本:未公開


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1870年代、アルゼンチン
草原”パンパ”を駆け抜けるカウボーイ”ガウチョ”の青年マルティン・ペナロサ(ロリー・カルホーン)と、新たな牧場主で、国民議会の議員でもあるドン・ミゲル・アレオンド(ヒュー・マーロウ)は兄弟同然に育った。

ある日、マルティンは、先代を慕い進歩的なミゲルのやり方に賛同できない同じガウチョの男を、喧嘩の末に刺し殺してしまう。

法を犯したマルティンは、その場にいた役人に連行され投獄されてしまう。

喧嘩の理由を知ったミゲルは、監獄のマルティンに感謝し、軍隊に送られる彼に別れを告げる。

兵役につくことになったマルティンだったが、反抗的な彼に、指揮官サリナス少佐(リチャード・ブーン)は一目置く。

数日後、先住民の討伐に出た部隊だったが、マルティンは脱走してしまう。

原野を逃走するマルティンは、ミゲルの牧場に向かう途中、先住民に襲われて逃げて来た、テレサ・チャヴェス(ジーン・ティアニー)を助ける。
...全てを見る(結末あり)

テレサを牧場に連れて行くことにしたマルティンは、神から与えられた土地を、外国人や都会の人間が奪い、また兄弟だったミゲルさえもそれに従い、変わってしまったことを彼女に話して嘆く。

そんなマルティンに、テレサは、次第に心惹かれるようになる。

牧場にテレサを送り届けたマルティンは、ネックレスを彼女から貰い立ち去るが、直後に兵士に捕らえられてしまう。

部隊に連行され、サリナスに拷問されたマルティンだったが、それを知ったミゲルが手を差し伸べても、自分のために生き抜くと言い張り彼の好意を退ける。

その後、マルティンはガウチョの仲間達に助けられて、サリナスとの決闘に挑もうとするが、彼がその挑発にのらないため、傷を負わせて逃亡する。

砂漠をさ迷ったマルティンは、馬の下敷きになり足を負傷したバルベルデ(ホルフェ・ヴィラルド)という男に出会うが、彼は間もなく息を引き取る。

マルティンは、バルベルデの馬で逃亡を続け、ミゲルとテレサには、彼の捜索が打ち切られたことが知らされる。

数ヵ月後。
バルベルデと名前を変えたマルティンの元に、ガウチョや脱走兵達が集まり、彼らは外国人などを襲撃していた。

マルティンは、脱走兵のファルコン(エヴェレット・スローン)から、連れ合いを捜すよう助言されテレサのことを想う。

右腕が不自由になっていたサリナスは警察署長となり、テレサの元を訪れる。

バルベルデがマルティンと確信していたサリナスは、テレサに探りを入れて立ち去る。

テレサは、マルティンの居場所を知る使用人に連れられて彼の元に向かい、サリナスはそれを待ち伏せする。

サリナスは逆に捕らえられるものの、マルティンは片腕しか利かない彼を解放する。

テレサを集落に連れて行ったマルティンは、自分を求める彼女を抱き寄せる。

サリナスは、議員であるミゲルの元を訪ね、マルティンを捕らえるなら、正当な方法で裁きにかけるよう忠告される。

そして、マルティンとテレサは、フェルナンデス神父(エンリケ・チャイコ)の元で結婚式を挙げる。

式を終えたマルティンは、通りがかった連邦軍の兵士に尋問され、彼を殴り殺して逃亡する。

それによりガウチョの集落が軍に襲われ、ファルコンらは殺害されてしまう。

マルティンは後悔し、以後ナイフを抜かないことを近い、テレサと共にチリに向かう。

テレサの妊娠を知ったマルティンは、険しい山岳地帯を前に、フェルナンデス神父の元に戻る決心をする。

町にたどり着き、マルティンはフェルナンデス神父の元に向かうが、テレサが警官に捕らえられてしまう。

フェルナンデス神父の前で懺悔したマルティンは、警官に気づき逃亡する。

その後、テレサの前にミゲルが現れ、3年の刑で済むはずのマルティンを説得して投降させようとする。

テレサは、マルティンをサリナスから守ることを条件に、彼の居場所をミゲルに教える。

ミゲルは、マルティンに会い必死に説得するが、サリナスが後を追ってきたことに気づいたマルティンは逃亡する。

暴走する、牛の群れの先を走り抜けるマルティンだったが、それを追うミゲルが牛に踏み倒され命を落としてしまう。

テレサの元に向かったマルティンは、彼女やミゲル、そしてサリナスまでもが、自分を立ち直らせるために親身になってくれていた事に気づき、自分の過ちを悟る。

テレサと、翌朝、教会で会う約束をしたマルティンは姿を消す。

翌日、教会に現れたマルティンとテレサは、待ち構えいたサリナスに迎えられる。

そして、改心したマルティンは、ミゲルの葬儀の後、投降することをサリナスに約束する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
マルティン・ペナロサは、血気盛んなガウチョとして牧場主の息子ミゲルと共に、兄弟のようにして育ち成長する。
しかし、時代は移り変わり先代を慕うガウチョは、外国人や都会人に接近するミゲルに反感を抱く。
そんな時、マルティンは、ミゲルを軽蔑する同胞を刺し殺してしまい、軍隊に送られてしまう。
司令官サリナス少佐は、マルティンに一目置き鍛え上げようとするが、反抗的な彼は脱走してしまう。
草原で、先住民に襲われかけた女性テレサを助けたマルティンは、彼女をミゲルの牧場に送り届ける間、お互が惹かれ合う仲になる。
その後、マルティンは、軍隊に引き戻されるが再び脱走する。
そして、マルティンはガウチョの一団を率い、自由を求めた戦いの戦士となるのだが・・・。
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アルゼンチンを舞台にしたハリウッド映画ということで、非常に興味深い作品となっている。

日本では劇場未公開どころか、残念ながらソフト化もされていない作品。

勇ましいガウチョの青年の、単なる武勇伝かと思いきや、抑圧される気持ちを抑えきれない、未熟な若者の心の成長を描く、奥深いドラマとして、ジャック・ターナーの演出も光る見応えある一編だ。

現地アルゼンチンで撮影された、画面に映し出される大草原”パンパ”の、総天然色映像が新鮮で実に美しい。

荒涼とした大地などで一段と映える、主演のジーン・ティアニーの美しさが一際目立つが、30歳になったばかりの長身で逞しいロリー・カルホーンの勇姿と熱演も見ものだ。

軍隊の極悪将校のような雰囲気で登場するが、主人公の闘志などを買い、鍛え上げようとする気持ちや、ラストの、押し付けがましくない人情味も忘れ難い少佐リチャード・ブーン、主人公と兄弟のように育つ、進歩的な考えの牧場主ヒュー・マーロウガウチョの一団の仲間エヴェレット・スローン、主人公を改心させようと努力する神父エンリケ・チャイコなどが共演している。


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