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ワーテルロー Waterloo (1970)

フランス第一帝政皇帝ナポレオン・ボナパルトの失脚からの復活そして”ワーテルローの戦い”で大敗するまでを描く、製作ディノ・デ・ラウレンティス、監督、脚本セルゲイ・ボンダルチュク、主演ロッド・スタイガークリストファー・プラマージャック・ホーキンスオーソン・ウェルズ他共演のスペクタクル歴史超大作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(歴史劇)

オーソン・ウェルズ / Orson Welles / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:セルゲイ・ボンダルチュク

製作:ディノ・デ・ラウレンティス
脚本
セルゲイ・ボンダルチュク

H・A・L・クレイグ
ヴィットリオ・ボニチェリ
撮影:アルマンド・ナンヌッツィ

編集:リチャード・C・マイヤー
音楽:ニーノ・ロータ

出演
ナポレオン・ボナパルトロッド・スタイガー

ウェリントン公/アーサー・ウェルズリークリストファー・プラマー
トーマス・ピクトン将軍:ジャック・ホーキンス
ルイ18世オーソン・ウェルズ
シャーロット・レノックス/リッチモンド公爵夫人バージニア・マッケンナ
ミシェル・ネイ元帥:ダン・オハーリヒー
ニコラ=ジャン・ド・デュ・スールト元帥:アイヴォ・ガラーニ
ゲプハルト・レベレヒト・フォン・ブリュッヘル元帥:セルゴ・ザカリアズ
ウィリアム・ポンソンビー少将:マイケル・ワイルディング
ヘンリー・パジェット中将/アクスブリッジ伯爵テレンス・アレキサンダー

イタリア/ソ連 映画
配給
コロンビア・ピクチャーズ(世界)
パラマウント・ピクチャーズ(北米)
1970年製作 133分
公開
イタリア:1970年10月29日
北米:1971年3月31日
日本:1970年12月19日
製作費 $25,000,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1814年4月20日水曜日、フォンテーヌブロー
イギリスオーストリアロシアプロイセンなどのヨーロッパ諸国との戦いで、敗色濃い状態に追い詰められたフランス皇帝ナポレオン・ボナパルトロッド・スタイガー)は、ティレニア海エルバ島に追放されようとしていた。

参謀のミシェル・ネイ元帥(ダン・オハーリヒー)から、退位を受け入れるよう説得されたナポレオンは、断固としてエルバ島行きを拒否する。

しかし、パリ防衛を任していたオーギュスト・マルモン将軍が降伏したという報告を受けたナポレオンは、仕方なく調印書にサインをする。

5月。
涙しながら将兵に別れを告げたナポレオンは、エルバ島に向かう。

10ヵ月後、1000名弱の部下を率い、エルバ島を脱出したナポレオンは、南フランスに上陸する。
...全てを見る(結末あり)

1815年3月1日、テュイルリー宮殿
王政復古フランス王位に就いたルイ18世オーソン・ウェルズ)は、ナポレオン脱出の報告を受ける。

国王は、わずか1000名の兵士を率いるナポレオンを恐れはしなかったものの、ニコラ=ジャン・ド・デュ・スールト元帥(アイヴォ・ガラーニ)と、ナポレオンの元部下ネイ元帥に迎え撃つ準備をさせる。

その後、ネイの大軍は、原野でナポレオン軍を待ち構えていた。

近づ”皇帝”ナポレオンの姿を見た兵士は、攻撃命令に従うことなく、歓喜の声を上げて彼に群がる。

ネイは、歩み寄るナポレオンの足元に、抜いたサーベルを投げる。

ナポレオンからサーベルを渡されたネイは、グルノーブルに向かうと言う彼に従う。

その後、パリに無血入城して民衆に歓迎されたナポレオンは、国王を追放させることを約束する。

国王を退位させたナポレオンは、側近に忠誠を誓わせ、スールトを参謀総長に指名する。

イギリスプロイセンナポレオン打倒の考えを変えずにいたが、スールトから両国が軍隊を分断したとの報せを受けたナポレオンは、イギリス軍を徹底的に叩くことを考える。

1815年6月15日、木曜日、ブリュッセル
イギリス軍を率いるウェリントン公/アーサー・ウェルズリークリストファー・プラマー)は、部下トーマス・ピクトン中将(ジャック・ホーキンス)やウィリアム・ポンソンビー少将(マイケル・ワイルディング)らと共に、シャーロット・レノックス/リッチモンド公爵夫人バージニア・マッケンナ)主催の舞踏会に出席していた。
(*Duchess of Richmond’s ball

その頃、国境を越えたナポレオン軍は、シャルルロワに到達する。

シャーロットは、娘のサラと踊る若い士官ジェームズ・ヘイを見つめながら、花嫁衣装でなく喪服を着ることになるので、彼を死なせないでほしいとウェリントンに伝える。

そこにプロイセン軍の士官が現れ、ナポレオン軍の報告を受けたウェリントンは、心配するシャーロットには舞踏会を続けさせる。

ピクトンに騎兵隊をシャルルロワに向かわせるようにと指示したウェリントンは、プロイセン軍の士官と司令官を集めて戦いに備える。

決戦の場はワーテルローであると考えるウェリントンは、同い年のナポレオンと戦えることを名誉に思う。

カトル・ブラ
翌日、プロイセン軍を撃退したナポレオンは、撤退するウェリントンとの戦いから戻ったネイを非難し、敵に余裕を与えさせないために追撃させる。
(*カトル・ブラの戦い

プロイセン軍の司令官ゲプハルト・レベレヒト・フォン・ブリュッヘル元帥(セルゴ・ザカリアズ)は孤立したものの、誇りある軍人として撤退を拒む。

手を緩めないナポレオンは、3万の兵をエマニュエル・ド・グルーシー将軍に与え、ブリュッヘル軍を追撃するよう命令する。

その頃、ウェリントンプロイセン軍の敗北を知り、雨の中、一時撤退を決める。

プロイセン軍を追い詰めようとするナポレオンの動きを察知したウェリントンは、ワーテルローで敵を迎え撃つため、プロイセン軍の合流を待つ。

胃痛に苦しむナポレオンは、ネイから医師を呼ぶことを勧められるものの、それを拒み部下を部屋から出す。

1815年6月18日。
数日間降り続いた雨が止み、”ラ・ベル・アリアンス”に終結したフランスイギリス両軍、合わせて14万の兵士は気勢を上げる。

ネイから気分を訊かれたナポレオンは、昨夜よりもいいと答えて、部下達と朝食をとり戦略を練る。

参謀のヘンリー・パジェット中将/アクスブリッジ伯爵テレンス・アレキサンダー)に戦法も語らないウェリントンは余裕を見せる。

ナポレオン本人を確認したウェリントンは、部下から彼への砲撃を勧められるものの、司令官のするべきことではないと考え、兵士の士気を高めさせる。

敵兵力などを確認したナポレオンは、右翼を攻撃して陽動作戦を仕掛けようとする。

幼い息子(ナポレオン2世)のことを考えながら敵勢力を観察するナポレオンは、”ウーグモンの館”を攻撃することを告げる。

11時35分。
号砲と共に戦いは始まり、フランス軍はイギリス軍の拠点ウーグモンの館を攻撃する。

11時55分。
ナポレオンの右翼への攻撃を知ったウェリントンは、陽動作戦である可能性を考え、焦らずに情勢を見守る。

午後12時10分、ウーグモンの館
フランス軍は、大挙して敷地内に攻め入ろうとする。

ウェリントンが動かないことを知ったナポレオンは、ピクトンの部隊を集中攻撃することを命ずる。

ピクトンが敵銃弾を受けて倒れ、スコットランド連隊を率いるポンソンビー少将は突撃する。

連隊が手ごわい相手だと考えたナポレオンは、槍騎兵で迎え撃つ。

逃げきれないと考えたポンソンビーは、部下に息子への形見を渡し、敵兵に囲まれて命を落とす。

ポンソンビーの形見を預かった兵士も、敵に追いつかれて殺される。

イギリス軍の劣勢は続き、プロイセン軍が現れたことを確認したナポレオンは、それが遠方であるため、ウェリントンを動かそうと考える。

ウェリントンもそれに気づくが、プロイセン軍かは確認できない。

ラ・エイ・サンテ”の農場を占領した方が勝利すると判断したナポレオンは、プロイセン軍追撃を命じたグルーシーの到着を待つ。

しかし、胃痛で苦しむナポレオンは倒れてしまい、軍医から休息をとることを勧められ、仕方なくその指示に従う。

100歩後退をヘイに命じたウェリントンは、部隊を移動させる。

それを確認したネイは突撃を開始し、英仏両軍の総力戦が始まる。

無謀な行動を知ったナポレオンは憤慨し、歩兵の支援なしで勝手な攻撃を仕掛けたことを非難する。

両軍は多大な犠牲者を出し、ヘイも銃弾を受けて命を落とす。

午後6時。
フランス軍は”ラ・エイ・サンテ”の農場を奪い、 ナポレオンは、ウェリントンを破り勝利したという報せをパリに送ってしまう。

農場陥落を知ったウェリントンは、夜の闇とプロイセン軍を待つしかなく、その後、兵力を集結させて敵を迎え撃とうとする。

その前に一気に敵を叩こうとするナポレオンだったが、ブリュッヘル元帥率いるプロイセン軍が迫ることを知らされる。

フランス兵の多くは怖気づき、それを知ったナポレオンは憤慨する。

午後8時。
ラ・エイ・サンテ”の農場はイギリス軍に奪い返されてしまう。

それを知ったウェリントンは、笑いながらパジェットと共に前進する。

砲撃を受けたパジェットが片脚を失ってしまったことを知ったウェリントンは、倒れ込む彼を支える。

敗色濃厚となったフランス軍首脳は、 戦いを諦めて退却することをナポレオンに進言する。

その後、ウェリントンから命を保証されたものの降伏に応じないフランス将兵は、攻撃を受けて全滅する。

戦いを終えた戦場を見て回ったウェリントンは、多くの戦死者を前に、負け戦に次いで悲惨なのは勝ち戦であると考える。

雨が上がり、前線から退却していたナポレオンは、馬車に乗りパリに向かう。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
19世紀前半。
イギリスロシアなどのヨーロッパ諸国との戦いに敗れ追い詰められたフランス皇帝ナポレオン・ボナパルトは、失脚してティレニア海の小島エルバ島に追放される。
しかし、その後、島を脱出したナポレオンは、パリに無血入城して民衆に歓迎される。
国王ルイ18世を追放したナポレオンは皇帝に返り咲き、イギリス軍司令官ウェリントン公の打倒を誓い、ベルギーワーテルローで相対することになる・・・。
__________

多くの話題作を手がけるイタリアの大プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティス製作、6時間以上にも及ぶ超大作「戦争と平和」(1968)のセルゲイ・ボンダルチュクが監督、音楽はニーノ・ロータが担当している。

当時としては破格の2500万ドルという巨額の製作費をかけた作品で、フランスに対するギイリスオランダプロイセンの総勢20万近くの兵士が戦った大激戦の模様を、特撮やCGではない圧倒的な物量作戦で描いた大迫力映像が見所の作品。

しかし、残念ながら、カメラワークの悪さや画面のぶれなどが目立つ。
欧米の実力派スターの出演も話題にはなったものの、仕上がりの荒さが気になる。

ナポレオンの”百日天下”の一部を描いた作品だけに、彼の栄光よりも斜陽の姿を演ずる、名優ロッド・スタイガーの苦悩の表情が印象的だ。

イギリス陸軍総司令官ウェリントン公/アーサー・ウェルズリーを演ずる、現在でも第一線で活躍するクリストファー・プラマー、彼にしてはやや存在感に欠ける演技が残念な副官トーマス・ピクトン将軍のジャック・ホーキンス、同じくヘンリー・パジェット中将/アクスブリッジ伯爵テレンス・アレキサンダー、同じく戦死するウィリアム・ポンソンビー少将のマイケル・ワイルディングルイ18世オーソン・ウェルズシャーロット・レノックス/リッチモンド公爵夫人バージニア・マッケンナフランス軍のミシェル・ネイ元帥のダン・オハーリヒーニコラ=ジャン・ド・デュ・スールト元帥アイヴォ・ガラーニプロイセン軍のゲプハルト・レベレヒト・フォン・ブリュッヘル元帥のセルゴ・ザカリアズなどが共演している。


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