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ウォッチメン Watchmen (2009)

1986-1987年にDCコミックから出版されたアラン・ムーアの原作を、デイヴ・ギボンズの作画で出版されたグラフィックノベルを基に製作された作品。
自警団として活躍したヒーロー・チームの元メンバー殺害事件を発端に展開するサスペンス・ミステリーSFアクション。
監督ザック・スナイダー、出演マリン・アッカーマンビリー・クラダップマシュー・グードジャッキー・アール・ヘイリージェフリー・ディーン・モーガンパトリック・ウィルソンカーラ・グギノ他共演。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト ■
監督:ザック・スナイダー

製作
ローレンス・ゴードン

ロイド・レヴィン
製作総指揮
ハーバート・W・ゲインズ
トーマス・タル

デボラ・スナイダー
原作:アラン・ムーア
作画:デイヴ・ギボンズ
脚本
デヴィッド・ヘイター

アレックス・ツェー
撮影:ラリー・フォン
編集:ウィリアム・ホイ
音楽:タイラー・ベイツ

出演
マリン・アッカーマン:ローリー・ジュスペクツィク(シルク・スペクター)
ビリー・クラダップ:ジョン・オスターマン(Dr.マンハッタン)
マシュー・グード:エイドリアン・ヴェイト(オジマンディアス)
ジャッキー・アール・ヘイリー:ウォルター・コバックス(ロールシャッハ)
ジェフリー・ディーン・モーガン:エドワード・ブレイク(コメディアン)
パトリック・ウィルソン:ダニエル・ドライバーグ(ナイトオウル)
カーラ・グギノ:サリー・ジュピター(初代シルク・スペクター)
スティーヴン・マクハティ:ホリス・メイソン(初代ナイトオウル)
ロバート・ウィズデンニクソン大統領
ダニー・ウッドバーン:ビッグ・フィギュア
マット・フルーワー:エドガー・ジャコビ(モーロック)
ローラ・メネル:ジェイニー・スレイター
ロブ・ラベル:ウォリー・ウィーヴァー
ゲイリー・ヒューストン:ジョン・マクラフリン

ジェームズ・マイケル・コナーパット・ブキャナン

アメリカ 映画
配給
ワーナー・ブラザーズ(北米)
パラマウント・ピクチャーズ(世界)
2009年製作 162分
公開
北米:2009年3月6日
日本:2009年3月28日
製作費 $130,000,000
北米興行収入 $107,509,800
世界 $185,258,980


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1930-1940年代にかけて、コスチュームとマスクを付けた自警団チームがアメリカの犯罪と戦った。

世代が変わり、”ウォッチマン”と呼ばれるようになった彼らは、様々な歴史的事件や戦争(ケネディ大統領暗殺ベトナム戦争アポロ計画他)に関わりながら、スーパーヒーローとして活躍していた。

そしてアメリカは、任期制限を撤廃したニクソン大統領の3期目の時代を迎え、ソ連との冷戦が拡大し、核戦争の危険をはらんだ緊張状態が続いていた。
__________

ニクソン大統領とも面識がある謎の人物、エドワード・ブレイク(ジェフリー・ディーン・モーガン)67歳が、ビルの強化ガラスを突き破り転落死させられる。
...全てを見る(結末あり)

1985年10月12日。
非合法化されていた”ウォッチマン”として、今も活動を続けるロールシャッハ(ジャッキー・アール・ヘイリー)は、政府特務機関員だったブレイクの殺害事件を調査していた。

ロールシャッハは、殺害現場に落ちていた”ウォッチマン”のトレードマーク”スマイル・バッジ”を見つけ、彼が不法に活動を続けていた”ウォッチマン”のメンバー”コメディアン”だということを知る。

”ウォッチマン”の、初代ナイトオウルのホリス・メイソン(スティーヴン・マクハティ)に、かつての武勇伝を聞きながら時を過ごした、二代目のナイトオウルのダニエル・ドライバーグ(パトリック・ウィルソン)は帰宅する。

ドライバーグは、ロールシャッハが侵入していることに気付き、ブレイクの”スマイル・バッジ”を見せられ、彼が殺されたことを知らされる。

ロールシャッハは、何者かが”ウォッチマン”のメンバー殺害を企んでいることをドライバーグに告げて立ち去る。

ドライバーグは、自ら”ウォッチマン”であることを明かし、”オジマンディアス”のキャラクターを売り出したりもする、若き大企業オーナーとして巨万の富を得たエイドリアン・ヴェイト(マシュー・グード)を訪ねる。

仲間しか知らない自分達の中で、世界中に名の知られているヴェイトに、ドライバーグはロールシャッハの件を話して彼に警告する。

ヴェイトは”ウォッチマン狩り”よりも、ソ連の核の脅威を、ジョン・オスターマン/Dr.マンハッタン(ビリー・クラダップ)が阻止できるかを心配する。

1985年10月13日、”ロックフェラー軍事研究所”。
ロールシャッハは、研究所在籍のDr.マンハッタンと、その恋人ローリー・ジュスペクツィク/シルク・スペクター(マリン・アッカーマン)の元に向かう。

二人に”ウォッチマン狩り”を警告したロールシャッハだったが、Dr.マンハッタンは、米ソが全面核戦争を始めた場合の大惨事を透視することに集中していたため、その場から追い払われる。

ローリーは、Dr.マンハッタンを食事に誘えないことを彼に見抜かれ、ドライバーグを誘うことになる。

楽しい食事になるはずの二人だったが、核戦争の話題やコメディアンの死の直後ということもあり、沈んだムードで別れることになる。

ローリーの母、初代シルク・スペクターのサリー・ジュピター(カーラ・グギノ)は、引退後は酒に溺れ、コメディアンの葬儀にも参列しようとしない。

サリーは、かつて仲間であるコメディアンから、レイプされそうになったことを思い出す。

葬儀に参列したDr.マンハッタン、ヴェイト、ドライバーグなどは、それぞれがコメディアンとの思い出を振り返る。

10月16日。
ロールシャッハは、1960年代の悪党エドガー・ジャコビ/モーロック(マット・フルーワー)が葬儀に姿を現したのを目撃していたため、彼を痛めつけて、その理由を聞き出そうとする。

しかし、ロールシャッハは、コメディアンがモーロックの元に現れ、涙を流し、何かに怯えていたとしか聞き出せなかった。

Dr.マンハッタンとの生活が耐えられなくなったローリーは、ドライバーグの元に向かう。

二人は初代ナイトオウルのメイソンに会いに行く途中、暴漢に襲われてしまうのだが、難な相手を倒す。

テレビ討論に出演したDr.マンハッタンは、かつて彼が関った人々、悪党のモーロックなどが癌になったことを追求される。

そして、元恋人のジェイニー・スレイター(ローラ・メネル)がスタジオに現れ、Dr.マンハッタンは癌で余命短い彼女に、病気になった責任を追求され罵倒される。

ショックを受けたDr.マンハッタンは、自分の人生を振り返るために火星へとテレポートする。

火星に到着したDr.マンハッタンは、1959年当時のことを思い起こす。
__________

共に物理学者だったジョン・オスターマン(Dr.マンハッタン)とジェイニーは、同じ研究所で出会い愛し合うようになる。

ある日、オスターマンは、核の実験室に閉じ込められてしまい、全身を分解された後に再生し超人”Dr.マンハッタン”として生まれ変わった。

Dr.マンハッタンは、1971年1月に、ニクソン大統領からベトナム行きを依頼され、戦争を終結させる。

”ウォッチメン”として活躍し始めたDr.マンハッタンには、若い女性は群がり、その後ジェイニーは、彼の元を去っていく。
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その後、Dr.マンハッタンが姿を消したことを知ったソ連は、アフガニスタンに侵攻し、世界情勢は一気に緊張が高まる。

その頃、ヴェイトが何者かに襲われるが、暗殺は未遂に終わる。

1985年10月21日。
ロールシャッハは、ヴェイトを襲った犯人の身元などを調べ、ジャコビ/モーロックの元に向かう。

しかし、既にジャコビは殺された後で、ロールシャッハは、濡れ衣を着せられ逮捕されてしまう。

マスクを剥がされたロールシャッハは、本名ウォルター・コバックスとして、ジャコビ殺害の罪で投獄される。

Dr.マンハッタンとの関係を解消したローリーは、その後、ドライバーグと恋に落ち親密な関係になっていく。

しかし、ドライバーグはいくつかの不安を抱え、ローリーと愛し合う気分になれない。

銀行家の父から、莫大な遺産を受け継いだドライバーグは、地下に”ウォッチメン”として活躍していた頃の装備を保管していた。

コバックス(ロールシャッハ)は、ナイトオウル(ドライバーグ)に刑務所に入れられ15年が経つ、大物ギャング、ビッグ・フィギュア(ダニー・ウッドバーン)に、八つ裂きにすると脅される。

核戦争や、”ウォッチメン狩り”に怯えることに嫌気がさしたドライバーグは、ローリーと共に”ヒーロー”に返り咲く決心して、飛行船”オウルシップ・アーチー”で飛び立つ。

早速、事件を知った二人は火災現場に急行し、逃げ遅れた人々を救出する。

そして、吹っ切れたドライバーグは、アーチーの船内でローリーと愛し合う。

その頃、刑務所内では暴動が起き、コバックスはビッグ・フィギュアに命を奪われそうになる。

しかし、コバックスは、ビッグ・フィギュアの手下を難なく片付け、精神科医からマスクを奪い返す。

コバックスはロールシャッハに戻り、ビッグ・フィギュアを始末して、現れたナイトオウル(ドライバーグ)とシルク・スペクター(ローリー)と共に刑務所から脱出する。

その後、三人の前にDr.マンハッタンの分身が現れて、シルク・スペクターを火星へとテレポートする。

残されたドライバーグとロールシャッハは、自分達を陥れようとする陰謀に、協力して立ち向かうことを互いに誓う。

ヴェイトを襲った男を探った、ロールシャッハとナイトオウルは、Dr.マンハッタンの元恋人ジェイニーの指示で実行された犯行だということを知る。

火星に着いたシルク・スペクターは、Dr.マンハッタンから、地球や人類にもはや興味がなくなったことを告げられる。

ロールシャッハとナイトオウルはヴェイトの元に向かい、留守中の彼のコンピューターの情報から、彼が襲った男と通じていたことを知る。

全ての黒幕がヴェイトだということを知り、ロールシャッハは書き綴っていた日誌を出版社に郵送する。

11月1日。
既にアメリカ政府は核戦争の準備を始め、火星のシルク・スペクターは、Dr.マンハッタンに地球に戻るよう説得するが、彼はそれを拒絶する。

Dr.マンハッタンに過去を見せられたシルク・スペクターは、自分が母サリーとコメディアンの娘だという、衝撃の事実を知る。

レイプされかけた男を愛して、その末に生まれたシルク・スペクターが、この世に存在する奇跡を見て考えを改めたDr.マンハッタンは、地球に戻る決心をする。

ロールシャッハとナイトオウルは、核戦争を逃れて南極に潜む、オジマンディアス(ヴェイト)の元に向かう。

オジマンディアスに立ち向かった二人は、コメディアンを殺害し、Dr.マンハッタンを火星に追いやり、ロールシャッハを刑務所に入れたのが、彼だということを知る。

Dr.マンハッタンが開発したエネルギー原子炉で、世界の主な都市を破壊して核戦争を防ぐことを、オジマンディアスは説明する。

ナイトオウルとロールシャッハは、オジマンディアスを制止しようとするが、計画は既に実行済みであることが分かる。

Dr.マンハッタンとシルク・スペクターは地球に戻るが、時既に遅く、世界の主要都市は破壊され多数の犠牲者を出す。

しかし、Dr.マンハッタンはそれが核戦争ではなく、自分が原因のように見せかけたヴェイトの罠だと気付く。

南極にテレポートしたDr.マンハッタンは、オジマンディアスに抹殺されてしまう。

後を追ってきたシルク・スペクターが、オジマンディアスを銃撃するが、彼は弾丸を手で受け止めて、彼女を叩きのめす。

そこに、人類を超越した存在となっていたDr.マンハッタンが現れ、オジマンディアスが取るに足らない虫けらのようなものだと言って圧倒する。

オジマンディアスは、米ソ両国が対立を避け、”共通の敵”と戦うために手を結ぼうとしている現実を見せ、自分とDr.マンハッタンが核戦争を回避したのだと説明する。

世界が休戦したことにより、この陰謀を人々に明かさないことに同意する双方だったが、ロールシャッハはそれに納得せず、その場を立ち去る。

ロールシャッハは、自分の死だけが真実を明かさない方法だと、Dr.マンハッタンに言い寄り、彼に命を奪われる。

そして、Dr.マンハッタンは、ローリー(シルク・スペクター)に別れを告げ、違う銀河に向けて旅立つ。

友であるロールシャッハを失ったドライバーグ(ナイトオウル)は、多数の犠牲をだして得た、歪んだ平和を望んだとも言えるオジマンディアスを非難し、彼を殴り倒す。

そして、ドライバーグとローリーは、オジマンディアスを残して故郷に戻る。

ローリーは、母サリーとコメディアンとのことを理解し、母を固く抱きしめ、ナイトオウルと新たな生活をスタートさせる。

”ニュー・フロンティアズマン出版社”
編集長は、冷戦が終わり、記事にする話題がないことを嘆くが、郵便受けのカゴには、ロールシャッハからの日誌が届いていた。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1930-1940年代にかけて、ある自警団チームがアメリカの犯罪と戦い、その世代が変わり”ウォッチマン”と呼ばれるようになった。
彼らは、歴史的事件や戦争に関わりながら、スーパー・ヒーローとして活躍していた。
そして、アメリカとソ連との冷戦が拡大し、核戦争の危険が迫る緊張状態が続いていた。
任期制限を撤廃した、3期目のニクソン大統領とも面識がある、謎の人物エドワード・ブレイク67歳が、転落死させられる。
1985年、非合法化されていた”ウォッチマン”として、今も活動を続けるロールシャッハは、政府特務機関員だったブレイク殺害事件を調査をしていた。
ロールシャッハは、殺害現場に落ちていた、”ウォッチマン”のトレードマーク、”スマイル・バッジ”を見つける。
そしてブロールシャッハは、ブレイクが、不法に活動を続けていた”ウォッチマン”のメンバー”コメディアン”だということを知るのだが・・・。
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話題作として期待され3611館で全米公開されるものの、北米興行収入はようやく1億ドル程度に終わり、全世界でも1億8500万ドルに留まり、予想を下回ってしまったのは残念だ。

1億3000万ドルをかけた、ビジュアル効果に工夫を凝らした映像は部分的には目を見張るところもあるが、監督ザック・スナイダーが「300」(2007)で見せたような、大胆且つ斬新さもなく宣伝・広告で期待させた程の驚きも感じない。

残虐なシーンも多く、ストーリーそのものよりも、登場人物や歴史的事実、当時(半架空)の社会情勢などを理解する予備知識がないと、面白味も半減してしまう。

序盤の、アメリカが体験する様々な歴史的事件に”ウォッチマン”が絡み、当時の懐かしい音楽がバックに流れる各シーンは、実に興味深い。

主演が誰なのかあまり明確でない中で、登場場面の多いローリー役マリン・アッカーマンと、恋人になるパトリック・ウィルソンが、中盤から物語の中心人物として活躍する。

リトル・チルドレン」(2006)で、アカデミー助演賞候補にもなり復活した、ジャッキー・アール・ヘイリーの、殆ど顔を見せない、心に傷を持つヒーロー”ロールシャッハ”の怪演を、個人的に最も高く評価したい。

歴史を変えた世界唯一の超人ヒーローであるDr.マンハッタンのビリー・クラダップ、黒幕のオジマンディアス/ヴェイトのマシュー・グード、初代シルク・スペクター役のカーラ・グギノ、彼女との過去が暴露される、粗暴なヒーロー、コメディアンのジェフリー・ディーン・モーガン、初代ナイトオウルのスティーヴン・マクハティニクソン大統領のロバート・ウィズデン、囚人の大物ボス、ダニー・ウッドバーン、かつての悪党マット・フルーワー、Dr.マンハッタンの元恋人のローラ・メネル、元同僚のロブ・ラベルなどが共演している。


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