人間に代わり導入されたミサイル発射用スーパー・コンピューターの防衛システムにアクセスしてしまった高校生の混乱を描く、監督ジョン・バダム、主演マシュー・ブロデリック、ダブニー・コールマン、ジョン・ウッド、アリー・シーディ他共演によるコメディ・タッチのサスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・バダム
製作総指揮:レオナード・ゴールドバーグ
製作:ハロルド・シュナイダー
脚本
ウォルター・F・パークス
ローレンス・ラスカー
撮影:ウィリアム・A・フレイカー
編集:トム・ロルフ
音楽:アーサー・B・ルービンスタイン
出演
デヴィッド・ライトマン:マシュー・ブロデリック
ジョン・マッキトリック博士:ダブニー・コールマン
スティーブン・フォルケン博士:ジョン・ウッド
ジェニファー・マック:アリー・シーディ
パット・ヒーリー:ジュアニン・クレイ
ジャック・ベリンジャー将軍:バリー・コービン
ジム・スティング:モーリー・チェイキン
ジェリー:ジョン・スペンサー
スティーヴ・フェルプス:マイケル・マドセン
アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1983年製作 112分
公開
北米:1983年6月3日
日本:1983年12月24日
製作費 $12,000,000
北米興行収入 $79,568,000
■ アカデミー賞 ■
第56回アカデミー賞
・ノミネート
脚本・撮影・録音賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ジェリー(ジョン・スペンサー)とスティーヴ・フェルプス(マイケル・マドセン)の2人が、吹雪の中、ある民家に到着する。
そこは、秘密のミサイル発射基地で、交代要員のジェリーとスティーヴは、ミサイル発射の指示を受ける。
コロラド州、NORAD(北アメリカ航空宇宙防衛司令部)。
演習だった今回のミサイル発射指令で、人間が発射を躊躇してしまう場合があるということが実証される。
ジョン・マッキトリック博士(ダブニー・コールマン)は、対ソ連報復作戦プランである”ウォー・ゲーム”をプログラムされたスーパーコンピューター”WOPR”を導入し、発射要員を外すことをベリンジャー将軍(バリー・コービン)や政府高官に提言する。
シアトル。 しかしデヴィッドは、コンピューターにかけては天才的な才能を発揮する少年だった。 生物の授業で不合格を言い渡されたデヴィッドは、クラスメイトのジェニファー・マック(アリー・シーディ)を家に誘い、学校のコンピューターに侵入して、自分とジェニファーの成績を変えてしまう。 しかしジェニファーは、デヴィッドの不正を非難して、成績を戻させ帰宅する。 デヴィッドはジェニーファーの成績を再び”A”に戻してしまい、その夜、”プロトヴィジョン社”が新型コンピューターを発売することを知る。 デヴィッドは、プロトヴィジョン社内のコンピューターに侵入し、プログラムを入手しようとする。 翌日、ジェニファーは気が変わり、デヴィッドに成績を変えてもらおうとするが、彼から既に変更してあると聞き、それを確かめようとする。 あるコンピューターに侵入してしまったデヴィッドは、そこに”全面細菌戦争”と表示されていたのに驚いてしまう。 大学のジム・スティング(モーリー・チェイキン)に意見を求めたデヴィッドは、それが軍関係のコンピューターであると知り、表示された最初の文字、”フォルケンの迷路”をヒントに調査を始める。 そしてデヴィッドは、フォルケン(ジョン・ウッド)が国防総省のコンピューターの専門家で、誤りを修復するプログラムを開発したが、1973年に死亡していることを知る。 ジェニファーの閃きで、例のコンピューターのパスワードが、フォルケンの息子”ジョシュア”だと気づいたデヴィッドは、ついに目標のコンピューター(WOPR)にアクセスすることに成功する。 デヴィッドは、プログラム”ジョシュア”と、”全面核戦争”のゲームを始めてしまう。 その頃、NORADでは緊急警報が鳴り、レーダーがミサイルを探知したという報告を受けたベリンジャー将軍は、大統領に連絡を入れる。 ゲームの途中、デヴィッドがコンピューターの電源を落とすと、NORADの監視システムがダウンする。 何者かが外部から侵入し、シュミレーションをしていることに気づいたベリンジャー将軍は、それがシアトルで行われたことを知らされる。 翌日のニュースを見て、危うく核戦争が回避された事件は、自分達のゲームが原因だと知ったデヴィッドとジェニファーは、逆探知を恐れて二度とアクセスしないことに決め、証拠を廃棄しようとする。 しかし、ジョシュアはデヴィッドをフォルケンだと思い込み、さらに彼がプログラムした”核戦争”は、進行中だということを伝える。 そして、デヴィッドはFBIに拘束されてNORADに連行され、マッキトリック博士は、ソ連が警戒態勢に入ったことを知る。 マッキトリックはデヴィッドの拘束を解き、ただのゲームだと言う彼に黒幕がいないかを確かめる。 デヴィッドは、マッキトリックのオフィスのコンピューターからジョシュアに質問するが、依然”ウォー・ゲーム”は進行していた。 さらにデヴィッドは、ジョシュアが、生きているフォルケンの秘密の住所に連絡を取ったことを知るが、スパイ容疑で逮捕されてしまう。 拘束されていた部屋から逃げ出し、視察団に紛れ込んでNORADから脱出したデヴィッドは、ジェニファーの助けを借り、コロラドからオレゴンの秘密の住所に向かう。 フォルケンの居場所に着いたデヴィッドとジェニファーは、妻子を事故で亡くしたフォルケンが、生きる希望を無くし、ひっそりと暮らしていることを知る。 核戦争でも必ず勝てると信ずる、軍を去ったフォルケンは、彼の考えたシュミレーションが進行していることを伝える、デヴィッドの話しにも耳を貸さなかった。 フォルケンは、遅かれ早かれ必ず起きる核戦争で、人類は一瞬にして滅んだ方が幸せだと言い放つ。 それに同調できないデヴィッドとジェニファーは、その場を立ち去ろうとする。 しかし、デヴィッドに心を動かされたフォルケンは、2人を連れてNORADに向かう。 ソ連のミサイル発射の報告を受け、ベリンジャー将軍は警戒レベル”1”を発令し戦闘体勢に入る。 NORADに着いたフォルケンらは、現在進行中の出来事が、コンピューターの作った幻影だということをベリンジャー将軍に伝える。 将軍は、それを考慮しながらミサイルの着弾を見つめる。 コンピューターの着弾表示にも拘らず、各地からは異常なしという報告が入り、フォルケンの言うことが正しかったことが証明される。 しかし、ジョシュアは、自ら実際のミサイル発射指令を出してしまい制御不能となる。 デヴィッドはジョシュアとゲームを始め、次々とパスコードを解いていく。 ○Xゲームを始めたデヴィッドは、ジョシュアにいくらやっても勝負がつかないことを悟らせる。 そしてジョシュアは、勝つためには、何もしないことだということに疑問を持ちながら、フォルケンをチェスに誘う。 そして、ベリンジャー将軍は警戒レベルを”5”に戻す。
高校生のデヴィッド・ライトマン(マシュー・ブロデリック)は、学校で問題ばかり起こす生徒だった。
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*(簡略ストー リー)
コロラド州。
NORAD(北アメリカ航空宇宙防衛司令部)。
演習で行ったミサイル発射指令で、人間が発射を躊躇してしまう場合があるということが実証される。
マッキトリック博士は、対ソ連報復作戦”ウォー・ゲーム”をプログラムされた、スーパー・コンピューターの”WOPR”を導入することを軍上層部や政府高官に提言する。
コンピューターの扱いには、天才的な才能を発揮する、シアトルに住む高校生デヴィッド・ライトマンは、新型コンピューターを開発した会社”プロトヴィジョン”の社内システムに侵入してしまう。
デヴィッドが侵入してしまったコンピューターには”全面細菌戦争”と表示され、その後、彼は”WOPR”にアクセスしてしまう・・・。
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高度なコンピューター・ゲームなどがはやりだしていた時代に、機械が支配する社会の恐ろしさや、冷戦下の米ソの緊迫した状態を描き、核戦争の無益さを痛烈に皮肉った、固い話がテーマの作品でもある。
しかし、戦争とゲームを組み合わせた、テレビ・ゲームのような映像と解説、ジョン・バダムの軽快な演出と、シンプルで巧みな脚本により、物語は実に分かり易く、大人から子供まで誰もが楽しめて、そして学べる痛快作に仕上がっている。
第56回アカデミー賞では、脚本、撮影、録音賞にノミネートされた。
デビュー2作目にして初主演作の、若きマシュー・ブロデリック(撮影時20歳)の登場で、一見”キッズ・ムービー”風に始まるのだが、初期の家庭用コンピューターの扱い方や、自暴自棄気味のシステム開発者の心を動かし、核戦争を阻止しようとする彼の行動は実に頼もしい。
NORADに、スーパーコンピューター導入を提案する博士ダブニー・コールマン、システムの開発者のジョン・ウッド、主人公を支える快活な少女アリー・シーディ、NORADの司令官バリー・コービン、ミサイル発射の交代要員でデビュー作のジョン・スペンサーとマイケル・マドセンも出演している。