ブリザード・エンターテイメントが発売したコンピューター・ゲーム”ウォークラフト”を基に製作された作品。 剣と魔法の世界を舞台に人間とオークの壮絶な戦いを描く、監督、脚本ダンカン・ジョーンズ、主演トラヴィス・フィメル、ポーラ・パットン、ベン・フォスター、ドミニク・クーパー、トビー・ケベル他共演のファンタジー・アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ダンカン・ジョーンズ
製作
トーマス・タル
ジョン・ジャシュニ
チャールズ・ローヴェン
アレックス・ガートナー
スチュアート・フェネガン
製作総指揮
ジリアン・シェア
ブレント・オコナー
マイケル・モーヘイム
ポール・サムズ
原作:ブリザード・エンターテイメント”ウォークラフト”
脚本
チャールズ・リーヴィット
ダンカン・ジョーンズ
撮影:サイモン・ダガン
編集:ポール・ハーシュ
音楽:ラミン・ジャヴァディ
出演
アンドゥイン・ローサー:トラヴィス・フィメル
ガローナ:ポーラ・パットン
メディヴ:ベン・フォスター
レイン・ウリン王:ドミニク・クーパー
デュロタン:トビー・ケベル
カドガー:ベン・シュネッツァー
オーグリム・ドゥームハンマー:ロバート・カジンスキー
ブラックハンド:クランシー・ブラウン
グルダン:ダニエル・ウー
タリア:ルース・ネッガ
ドラカ:アンナ・ギャルヴィン
モローズ:カラム・キース・レニー
カラン:バークリー・ダフィールド
カロス:ライアン・ロビンズ
ヴァリス/ケージド・フロストウルフ:ディーン・レッドマン
ペオン:テリー・ノタリー
マグニ・ブロンズビアード王:マイケル・アダムスウェイト
アロダイ:グレン・クローズ
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2016年製作 123分
公開
北米:2016年6月10日
日本:2016年7月1日
製作費 $160,000,000
北米興行収入 $46,979,000
世界 $433,537,550
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
オークとヒューマン・アライアンスは戦い続けていたが、敵のことを知らない時代もあった。
緑の邪悪な魔力”フェル”の恐ろしさも知らなかった。
戦いが始まった時に何かができたのか?
故郷は滅びつつあり、新天地が必要だった。
フロストウォルフ・オーク族の族長デュロタン(トビー・ケベル)は、妻ドラカ(アンナ・ギャルヴィン)と共に、生まれてくる子のことについて話し、戦いは避けたいと考える。
オークの土地ドラエノールは壊滅状態であり、魔術師グルダン(ダニエル・ウー)は、アゼロスに大群を送り込もうと考える。
鎖で繋がれた半人半オークのガローナ(ポーラ・パットン)は、捕らえられた囚人から解放を求められるものの、希望に応えられるはずもなかった。 囚人達から生命力を吸い取ったグルダンはアゼロスへの扉を開き、デュロタンらはその場を通り過ぎるが、ドラカは苦しむ。 それを知ったブラックハンド(クランシー・ブラウン)は、ドラカが身籠ったことを隠していたデュロタンを非難する。 ドラカの陣痛が始まったのを知ったグルダンは、弱って生まれた男子に、その場にいた鹿の生命力を奪いそれを与える。 男の子は産声を上げて、グルダンはその子を新たな戦士だと言って掲げる。 アイアンフォージュ。 警備隊が襲われたという報告を受けたマグニ王は、それをアンドゥインに伝える。 ストームウィンド。 死体の口から緑の煙が吐き出したことを確認したアンドゥインは、カドガーを連れてレイン・ウリン王(ドミニク・クーパー)の元に向かう。 邪悪な者が迫っているとレイン王に伝えたカドガーは、カラザンの守護者メディヴ(ベン・フォスター)の元にアンドゥインと共に派遣される。 カラザンに到着したアンドゥインとカドガーは、モローズ(カラム・キース・レニー)に迎えられる。 カドガーは、書庫にある膨大な量の書物に興味を持ち、塔を上ったアンドゥインは、メディヴが粘土で巨大なゴーレムを作っていることを知る。 レイン王から預かった指輪を見せて協力を求めたアンドゥインは、カドガーが何者かを訊かれる。 書庫にいたカドガーは、影のような物に気づき、その場である書籍に引き寄せられる。 その場に現れたメディヴに身動きできなくされたカドガーは、恐るべき魔力”フェル”のことを訊きたかっただけだと伝える。 フェルはアゼロスには存在しないと言うメディヴは、カドガーを歓迎する。 アンドゥインとカドガーを伴い、魔力でレイン王の元に向かったメディヴは、王の指示に従いエルウィン・フォレストに向かう。 メディヴらは、デュロタンやオーグリム・ドゥームハマー(ロバート・カジンスキー)、ブラックハンドらオークに襲われる。 フェルの魔力でオークの大半を倒したメディヴは、皆を無事に送り届けるようカドガーに伝えて、カラザンに戻ると言って姿を消す。 アンドゥインは、その場から逃れたオークを追う。 鎖につながれたガローナに近づいたデュロタンは、彼女の鎖を切り走り去る。 アンドゥインはオークを叩きのめして生け捕りにし、カドガーも現れたガローナを捕える。 抵抗したオークは殺され、レイン王の元に連れて行かれたガローナは、知られていない世界から来たオークが、この国を奪うと伝える。 魔力の力で巨大なゲートを通って来たと言うガローナは、生かしてある人間の力でゲートを通ると伝え、囚人の場所に案内することを拒む。 脅すつもりはないと言うレイン王は、協力すれば解放することを約束するとガローナに伝える。 グルダンに失態を責められたブラックハンドは、左手首を焼き落す罰を受ける。 意見するデュロタンは、精いっぱい戦ったものの、敵が魔術フェルを使ったことをグルダンに伝える。 フェルを使えるのは自分だけだと言うグルダンは、デュロタンらを臆病者呼ばわりする。 ドラカの元に戻ったデュロタンは、グルダンの魔力から息子を守り抜くことを誓う。 現れたメディヴから、グルダンがアゼロスに導かれた方法を訊かれたガローナは、呪いのようだったと答える。 メディヴは姿を消し、アンドゥインと共に現れた彼の妹である王妃タリア(ルース・ネッガ)は、ガローナに食事と毛布を与え、自分達と共に自由な生活を送ることを提案する。 翌日、グルダンの魔術でこの場も滅びるとオーグリムに話すデュロタンは、それを阻止する方法を考える。 グルダンには逆らえないとオーグリムから言われたデュロタンは、人間と組めば勝てるかもしれないと伝える。 協力を約束したガローナは解放され、アンドゥインらをフロストウォルフ族の元に案内することになる。 山岳地帯で野営をしたアンドゥインは、ガローナから、母は自分を産んで火炙りになり、生かされてグルダンに捕らわれ、母の牙を渡されたと言われる。 カドガーは、6歳でダラランの空中都市キリン・トアに預けられ、最強の魔法使いの教えを受けたが、両親と兄弟姉妹とはそれきり会っていないことを話す。 翌日、フロストウォルフの戦闘部隊の野営地に着いたアンドゥインらは、その様子を観察する。 その場に現れたデュロタンは、人間と話し合う考えがあるため、案内するようにとガローナに伝える。 レイン王の元に戻ったアンドゥインは、オークが軍を送り込むためのゲートを完成させる前に叩かねば手遅れになることを伝える。 第4軍が戻り、生存死者の中に息子のカラン(バークリー・ダフィールド)がいることをヴァリス(ディーン・レッドマン)から知らされたアンドゥインは、息子の元に向かう。 戻ったガローナから話し合いの件を知らされたレイン王は、アンドゥインから罠だと言われるものの、オークに協力を求める必要があると考える。 尚も疑うアンドゥインだったが、自分を助けてくれたデュロタンを信頼し、彼が仲間からも慕われていると伝えるガローナを信じるタリアは、彼女に護身用の短剣を渡す。 書庫の書物を参考にしてフェルに関する独自の調査をしたカドガーは、それをメディヴから非難される。 メディヴは、自分の力になりたいのなら、王を守ることだとカドガーに伝える。 書物のことをアンドゥインに話したカドガーは、書き写したゲートの絵を見せて、メディヴに資料を焼かれたことを話す。 指定された場所に向かったレイン王とアンドゥインは、ガローナを通訳にしてデュロタンと話し合う。 敵を殺すだけではないフェルが、使う者も邪悪にすると言うデュロタンは、仲間を救うために、皆を滅ぼしてしまうグルダンを倒す必要があると伝える。 2日後には、ゲートを開くために人間の命が使われると言うデュロタンは、人間が拠点を襲う隙に自分達がグルダンを殺す考えを伝え、それまでの間、民の命を守ってほしいとレイン王から頼まれる。 そこに、グルダン派のブラックハンドが指揮するオークが現れて襲い掛かり、レイン王は、メディヴが守ってくれることを信じて退却せずに戦う。 集中したメディヴは壁を作り、レイン王は高台に向かう。 カランが敵側に取り残されたため、アンドゥインは壁を消すようメディヴに指示する。 カランを捕えたブラックハンドは、取り付けた新しい手でカランを突き刺し、アンドゥインに向かって投げつける。 高台に登ったレイン王は、メディヴが気絶していることを知り、カラザンに運ぶようガローナとカドガーに指示する。 カラザンに着いたカドガーは、メディヴを救うためにはキリン・トアの助けが必要だとガローナに伝える。 ドラカと息子の元に戻ったデュロタンは、現れたブラックハンドから、今はフェルに従うしかないと言われ、自分が服従する代わりに仲間を助けることを約束させる。 息子を”ゴエル”と名付けるようドラカに伝えたデュロタンは、ブラックハンドと共にその場を去る。 意識が戻ったメディヴは、付き添っていたガローナから王は無事だと言われ、カランが死んだことを知らされる。 自分が交渉を提案したため、アンドゥインから恨まれると言うガローナに、愛する者を追い続けるよう助言したメディヴは、彼女をストームウィンドに送る。 カランの死を悲しみ酔っていたアンドゥインに謝罪したガローナは、出産でカランが妻の命を奪ったと考えた彼が、息子を何年も責めたと知らされ、自分を責める気はないと言われる。 寄り添うガローナに、これほどの悲しみはないとアンドゥインは伝える。 フロストウォルフを襲い始めたオーグリムは、ドラカの元に向い逃がそうとする。 なぜ裏切ったと言い残して逃げ去るドラカを追うオークを、オーグリムは叩きのめす。 キリン・トア。 メディヴが裏切ったと言われたカドガーは、フェルの支配を止めなければ世界は滅びることを知らされる。 自分は守護者ではないと伝えたカドガーは、真の守護者は人々だと知らされ、キリン・トアには見えない者が見えるはずで、友と共に力を合わせれば世界を救えると言われる。 その頃、フェルの力を抑えきれないメディヴは、モローズを殺す。 対抗策を考えるレイン王は、総攻撃をしてゲートを破壊し、人々を解放することをアンドゥインから提案される。 現れたメディヴの考えを批判するアンドゥインをレイン王は必要とせず、彼を牢獄に入れてしまう。 ガローナにメディヴを信じるなと伝えたアンドゥインは、王と戦うと言う彼女の身を案じながら牙を受け取る。 拘束を解きに来たオーグリムに対し、裏切ったことを批判したデュロタンだったが、グルダンが全てを滅ぼすだろうという考えで意見が一致し、ドラカは無事であることを知る。 自分が仲間達の目を覚まさせると、デュロタンはオーグリムに伝える。 タリアや王子達に見守られながらレイン王は出撃し、メディヴとは現地で合流することになる。 現れたカドガーの手で解放されたアンドゥインは、メディヴの行動を阻止すると言われカラザンに向かう。 バスケットに入れたゴエルを川に流したドラカは、現れたオークを倒すものの、傷ついて息絶える。 デュロタンはグルダンと対決し、魔力を使うグルダンは非難されながらデュロタンを殺す。 卑怯なグルダンに従うのかとオーグリムから言われたオーク達は、その場を去ろうとする。 しかし、グルダンは逆らう者達を殺し、自分が全てを支配することを伝える。 フロストウルフ族が滅ぼされたことを知ったレイン王は、囚われた民達を救うために突撃する。 メディヴに立ち向かうアンドゥインはとカドガーだったが、動きだした巨大なゴーレムに襲われる。 ゴーレムの首を切り落したカドガーは魔力でそれを石に変え、メディヴをその下敷きにして倒し、アンドゥインはレイン王が戦う戦場に向かう。 ゲートの向こうにストームウィンドが見えたため、レイン王は、ヴァリスに周囲を固めさせ、ガローナとカロス(ライアン・ロビンズ)に民を解放するよう指示する。 瀕死のメディヴはカドガーに謝罪し、皆を救いたかったことを伝えて息を引き取る。 その瞬間にゲートは開いてしまい、レイン王は守護者を失ったことを悟る。 オークに囲まれたレイン王は覚悟を決め、生きて人間とオークの架け橋になるようガローナに伝える。 レイン王がオークに挑もうとするため、ガローナは仕方なく短剣で彼を刺し殺す。 ガローナはグルダンに歓迎され、オーク達から勇者として称えられる。 そこに現れたアンドゥインは、殺されたレイン王にガローナの短剣が刺さっていることを確認してショックを受け、遺体を持ち帰ろうとするものの、捕えられてしまう。 件を渡されたアンドゥインはブラックハンドと対決することになり、難なく相手を倒し息子の仇を討つ。 その場から去ろうとするアンドゥインを殺すよう命ずるグルダンだったが、神聖な決闘に人間が勝ったとガローナから言われる。 デュロタンの牙を折ったオーグリムは、それを息子に渡そうと考える。 ストームウィンド。 その後、レイン王の葬儀が行われ、王の剣を渡されたアンドゥインはそれを掲げて、アゼロスのために戦うことを誓う。 川を下ったゴエルは人間に救われ、叫び声をあげる。
...全てを見る(結末あり)
司令官アンドゥイン・ローサー(トラヴィス・フィメル)は、マグニ・ブロンズビアード王(マイケル・アダムスウェイト)から、”メカニカル・マーベル”のブームスティックを受け取る。
故国に戻ったアンドゥインは、魔法を使うカドガー(ベン・シュネッツァー)の元に向い、見つけた死体を調べる。
古くからアゼロスを守ってきたプロテクターの中に入ったカドガーは、カラザンの書庫で姿を見かけたアロダイ(グレン・クローズ)から、自分を呼び寄せたと言われる。
レイン王と共に戻ったアンドゥインは、ガローナの短剣をカドガーに見せて、それには理由があったのだろうと言われる。
*(簡略ストー リー)
魔術師グルダンは、フロストウォルフ・オーク族の族長デュロタンらを従え、大群で人間の土地であるアゼロスに攻め込む。
ストームウィンドの司令官アンドゥイン・ローサーはレイン王に呼ばれ、魔法を使うカドガーと共に守護者メディヴの元に向かう。
恐るべき魔力”フェル”を感じたカドガーは、アゼロスにそれは存在しないとメディヴから言われるものの、アンドゥインと共にレイン王の元に戻り戦いに備える。
その頃、グルダンの魔力が仲間達を滅ぼすと考えたデュロタンは、人間と手を組みグルダンを倒そうとするのだが・・・。
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世界的な人気コンピューター・ゲーム”ウォークラフト”を基に、「月に囚われた男」(2009)、「ミッション:8ミニッツ」(2011)などのダンカン・ジョーンズの監督、脚本によるファンタジー・アクション超大作。
人間、ドワーフ、エルフとオークの壮絶な戦いを描くドラマなのだが、いくつかの同類作品を合わせたような物語や登場人物、その戦いの構図などに新鮮味がない。
驚異というほででもない映像の物足りなさも気になり、クライマックスに向けての派手なアクションも期待外れで盛り上がりにも欠け、スケール感も感じられない作品。
1億6000万ドルをかけた超大作なのだが、ファン以外には受け入れられなかったのか酷評され、北米興行収入は約4700万ドルに終わった。
ところが、北米での惨敗とは裏腹に、全世界では4億3000万ドルという大ヒットとなった。
主人公と言うにはやや影が薄いアンドゥイン・ローサーのトラヴィス・フィメル、半人間半オーク、ガローナのポーラ・パットン、守護者メディヴのベン・フォスター、レイン・ウリン王のドミニク・クーパー、フロストウォルフ・オーク族の族長デュロタンのトビー・ケベル、魔法使いカドガーのベン・シュネッツァー、デュロタンを慕うオークのオーグリム・ドゥームハンマー、ロバート・カジンスキー、魔術師グルダン(ダニエル・ウー)派のブラックハンド、クランシー・ブラウン、王妃タリアのルース・ネッガ、デュロタンの妻ドラカのアンナ・ギャルヴィン、カラザンの要塞管理者モローズのカラム・キース・レニー、アンドゥインの息子カランのバークリー・ダフィールド、戦士のライアン・ロビンズ、ディーン・レッドマン、テリー・ノタリー、ドワーフのマグニ・ブロンズビアード王マイケル・アダムスウェイト、アロダイのグレン・クローズなどが共演している。