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ウォーク・ザ・ライン Walk the Line (2005)

歌手ジョニー・キャッシュと妻ジューン・カーターの苦難の日々とロマンスを描く、監督、脚本ジェームズ・マンゴールド、主演ホアキン・フェニックスリース・ウィザースプーンジニファー・グッドウィンロバート・パトリック他共演の伝記映画。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■
監督:ジェームズ・マンゴールド
製作総指揮
ジョン・カーター・キャッシュ
アラン・C・ブロンクィスト
製作
ジェームズ・キーチ
キャシー・コンラッド
脚本
ジェームズ・マンゴールド
ギル・デニス
撮影:フェドン・パパマイケル
編集:マイケル・マカスカー
衣装デザイン:エリアンヌ・フィリップス
音楽:T・ボーン・バーネット

出演
ホアキン・フェニックスジョニー・キャッシュ
リース・ウィザースプーンジューン・カーター
ジニファー・グッドウィン:ヴィヴィアン・キャッシュ
ロバート・パトリック:レイ・キャッシュ
ダラス・ロバーツサム・フィリップス
シェルビー・リン:キャリー・キャッシュ
ダン・ジョン・ミラールーサー・パーキンス
ラリー・バグビーマーシャル・グラント
タイラー・ヒルトンエルヴィス・プレスリー
ウェイロン・ペインジェリー・リー・ルイス
シューター・ジェニングスウェイロン・ジェニングス

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2005年製作 136分
公開
北米:2005年11月18日
日本:2006年2月18日
製作費 $28,000,000
北米興行収入 $119,518,350
世界 $186,438,880


アカデミー賞 ■
第78回アカデミー賞
・受賞
主演女優賞(リース・ウィザースプーン
・ノミネート
主演男優(ホアキン・フェニックス
編集・録音・衣装デザイン賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1944年、アーカンソー州、ダイエス。
綿花栽培の小作農レイ・キャッシュ(ロバート・パトリック)は酒浸りで、息子J.R.と兄はレイの暴力に怯える日々を送っていた。

そんなある日、製材所の事故で、J.R.は最愛の兄を亡くしてしまう。

ラジオから流れる、ジューン・カーターの歌声を心の拠り所に成長したJ.R.(ホアキン・フェニックス)は、朝鮮戦争に徴兵される。

空軍に入隊したJ.R.は、ドイツに駐屯中に初めてギターを買い、音楽に親しみ続ける。

除隊したJ.R.は、恋人ヴィヴィアン(ジニファー・グッドウィン)と結婚して子供も生まれるが、家庭用設備の訪問セールスの仕事はうまくいかない日々が続いた。
...全てを見る(結末あり)

ある日、録音スタジオを見かけ、インスピレーションを感じたJ.R.は、音楽への夢が捨てきれず、ギタリストのルーサー・パーキンス(ダン・ジョン・ミラー)、ベースのマーシャル・グラント(ラリー・バグビー)とでバンドを結成する。

しかし、J.R.の音楽を理解せずに、実家に帰りたがる妻ヴィヴィアンとの溝は深まるばかりだった。

J.R.は、”サン・レコード”のサム・フィリップス(ダラス・ロバーツ)に掛け合いオーディションを受けることになる。

ただのゴスペルに興味を示さないフィリップスは、感情を込めた人の心を動かせる曲を要求する。

J.R.は、軍隊時代に書いた曲”Folsom Prison Blues”を熱唱し、それがフィリップスに認められてレコードになる。

1955年。
キャッシュ(J.R.)は、”ジョニー・キャッシュテネシー2”としてデビューし、人気は急上昇し、子供のころ憧れていた、ジューン・カーター(リース・ウィザースプーン)とも会うことができる。

ツアーから戻り、家族と過ごすキャッシュだったが、妻のヴィヴィアンとの諍いは絶えず、やはり心の拠り所は音楽しかなかった。

ジェリー・リー・ルイス(ウェイロン・ペイン)やエルヴィス・プレスリー(タイラー・ヒルトン)、ジューンらとツアーを共にするようになったキャッシュは、次第に彼女に心を寄せていく。

辛い離婚を経験したジューンは、キャッシュを受け入れることができず、やがて彼は、ファンに手を出して薬に溺れるようになる。

その後、キャッシュの”Folsom Prison Blues”がカントリーチャート4位となり、1956年”I Walk The Line”が6週連続で1位を獲得しついにスターの仲間入りを果たす。

しかしジューンは、酒や薬に溺れるキャッシュらに愛想を尽かし、ツアーを去りトラック・ドライバーと再婚してしまう。

1964年。
キャッシュの音楽活動は順風満帆で、再会したジューンをツアーに誘い、同じステージに立つようになり、やがて二人は結ばれる。

しかし、キャッシュは薬の依存症になり、ついにステージで倒れてしまう。

ツアーは中止され、ジューンキャッシュの元を去り、子供達の元に帰ってしまう。

やがて、キャッシュは、違法ドラッグの所持で逮捕されてしまい、これをきっかけに、妻ヴィヴィアンと離婚することになる。

子供達とも別れ、廃人のようになったキャッシュは、湖畔の家で静養を始める。

キャッシュは、未だ打ち解けない父レイと諍いを起こしてしまい、仕方なく、居合わせたジューンが彼の面倒を見ることになる。

ジューンとその家族の協力で、薬を絶ち切ったキャッシュは、かつて自らが書いた曲”Folsom Prison Blues”への、フォルサム刑務所や囚人からのファンレターの数に驚く。

そしてキャッシュは、フォルサム刑務所でライブを開き、それをアルバムにしようと考える。

1968年1月13日。
フォルサム刑務所の工作室で、かつて、最愛の兄の命を奪った電動ノコギリを見ながら思いにふけるキャッシュは、ジューンに見守られながら、囚人達の大声援を受けてステージに上がる。

1968年2月22日。
ジューンから、結婚の返事をもらえずに苛立つキャッシュは、カナダオンタリオ州でのコンサートの日を迎える。

ステージに立ったキャッシュは、ジューンにプロポーズして返事をもらい、二人は翌月結婚する。
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フォルサム刑務所でのライブ・アルバムは、同年6月に発売され、カントリー・チャートで92週、ポップ・チャートには122週ランクインする大ヒットとなり、翌年、彼は初のグラミー賞を受賞する。

キャッシュジューンは湖畔の家に住み、2年後に子供も生まれ(ジョン・カーター・キャッシュ)、以後、35年間、家庭を守り世界ツアーをして回った。

2003年ジューンは他界し、4ヵ月後にキャッシュも後を追った。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ラジオから流れる、ジューン・カーターの歌声を心の拠り所に、J.R.キャッシュは成長する。
朝鮮戦争に徴兵されたJ.R.は、その後も音楽に親しみ続ける。
除隊したJ.R.は、恋人のヴィヴィアンと結婚するが、セールスの仕事に満足できず、バンドを結成する。
妻ヴィヴィアンはJ.R.の音楽活動を理解せず、二人の溝は深まっていく。
その後、J.R.はオーディションを受けることになり、軍隊時代に書いた”Folsom Prison Blues”が認められる。
その曲は気に入られて、レコーディングされることになり、”ジョニー・キャッシュテネシー2”としてキャッシュ(J.R.)はデビューする。
キャッシュらの人気は上がり、子供時代に憧れていたジューン・カーターとも会うことができる。
その後キャッシュらは、ジェリー・リー・ルイスエルヴィス・プレスリー、そしてジューンらと共にツアーに出る。
やがてキャッシュは、次第にジューンに心を寄せていくようになる。
しかし、辛い離婚を経験していたジューンは、キャッシュを受け入れることができず、彼は酒や薬に溺れるようになる・・・。
__________

“Man in Black”ことキャッシュの波乱の人生を赤裸々に描き、音楽的成功の事実よりも、人間ドラマに重点を置いた深みのある作品であり、監督兼脚本のジェームズ・マンゴールドの、切れのよい演出が見ものだ。

冒頭は、フォルサム刑務所ライブ直前のシーンから始まり、続いて、その24年前にフラッシュバックし、そして刑務所ライブで興奮の絶頂に達して終わるかと思いきや、やはり伝説となった、キャッシュの”電撃プロポーズ”で締める演出、編集も見事だ。

キャッシュが世に出始めた時代、ジェリー・リー・ルイスエルヴィス・プレスリーをはじめ、多くのスーパー・スターを生んだ、黄金の時代が垣間見られるのも、本作の魅力の一つだ。

ファンにはたまらないヒット・メドレーの数々と、T=ボーン・バーネットの軽快な音楽も印象に残る。

第78回アカデミー賞では、主演女優賞(リース・ウィザースプーン)が受賞した。
・ノミネート
主演男優(ホアキン・フェニックス
編集・録音・衣装デザイン賞

さすがに超大物、国民的英雄の伝記映画ということもあり、全世界で約1億8600万ドルのヒットとなった。
北米興行収入 $119,518,350

なんといっても、吹き替えを使わず熱唱する主演の二人、ホアキン・フェニックスリース・ウィザースプーンの、実在の二人に成り切った演技は素晴らしく、両者アカデミー主演賞候補になり、快活で軽いイメージだったリース・ウィザースプーンが見事に受賞するものの、個人的には、ホアキン・フェニックスの熱演振りの方に軍配をあげたい。

キャッシュの音楽活動に関心がない、普通の生活を望む妻役のジニファー・グッドウィン、ラストの、親子のわだかまりが消えかけることで救われるキャッシュと不仲の父役ロバート・パトリックの渋い演技もなかなかいい。

サン・レコード”の創設者サム・フィリップスダラス・ロバーツ、主人公の母役で、歌手でもあるシェルビー・リン、主人公と共にバンドを組むメンバー、ルーサー・パーキンスダン・ジョン・ミラーと、マーシャル・グラントラリー・バグビーエルヴィス・プレスリータイラー・ヒルトンジェリー・リー・ルイス役のウェイロン・ペイン、カントリー・シンガーであるウェイロン・ジェニングスシューター・ジェニングスなどが共演している。


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