ブードゥー教の力を利用して亡くなった妻を生き返らせようとする医師の恐怖の実験を描く、監督ウィリアム・ボーダイン、主演ベラ・ルゴシ、ジョン・キャラダイン、ジョージ・ザッコ、ワンダ・マッケイ、マイケル・エイムズ、エレン・ホール他共演のホラー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ウィリアム・ボーダイン
製作
ジャック・ディエツ
サム・カッツマン
脚本:ロバート・チャールズ
撮影:マルセル・ル・ピカード
編集:カール・ピアソン
音楽:エドワード・ケイ
出演
リチャード・マーロウ博士:ベラ・ルゴシ
トビー:ジョン・キャラダイン
ニコラス:ジョージ・ザッコ
ベティ・ベントン:ワンダ・マッケイ
ステラ・サンダーズ:ルイーズ・カリー
ラルフ:マイケル・エイムズ
イヴリン・マーロウ:エレン・ホール
アリス:テリー・ウォーカー
ベントン夫人:メアリー・カリー
ゾンビ:クレア・ジェームス
保安官:ヘンリー・ホール
エルマー保安官補:ダン・ホワイト
グレゴ:パット・マッキー
モーリーン:ミシ・ゴティ
S.K.:ジョン・インス
アメリカ 映画
配給 モノグラム・ピクチャーズ
1944年製作 62分
公開
北米:1944年2月21日
日本:未公開
製作費 $90,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ガソリンスタンドを経営するニコラス(ジョージ・ザッコ)は、よそから来た若い女性アリス(テリー・ウォーカー)に道を訊かれて、丁寧に対応する。
使用人のサムを返したニコラスは、ある場所に電話をして、若い女性が向かうことを伝える。
トビー(ジョン・キャラダイン)とグレゴ(パット・マッキー)は、垣根を動かして道路を封鎖し、車が迂回するようにする。
街道から右折したアリスは車が止まってしまい、トビーとグレゴに襲われて連れ去られる。
その事件は報道され、今月に入って3人の若い女性が車ごと失踪した。
ハリウッド。
映画会社”バナー・ピクチャー”の脚本家であるラルフ(マイケル・エイムズ)は、プロデューサーのS.K.(ジョン・インス)に呼ばれ、連続失踪事件を題材にして脚本を書くよう指示される。
ラルフは婚約者ベティ(ワンダ・マッケイ)との結婚を控えていたために、新婚旅行から帰ったら構想を練ることをS.K.伝える。 その後、ベティの家に向かうラルフは、ニコラスのガソリンスタンドに寄りは、話ばかりするサムがガソリンを入れる前に走り去ってしまう。 ガス欠で車が止まってしまったラルフは、給油したはずだったために不思議に思う。 ガソリンスタンドでニコラスから道を訊いたステラ・サンダーズ(ルイーズ・カリー)は、その後、困っていたラルフを車に乗せる。 ラルフは、ステラがベティのいとこで花嫁の付添人をすることを知り、自分が花婿だと伝える。 ステラは、封鎖されている道路を右折する。 それを知ったリチャード・マーロウ博士(ベラ・ルゴシ)は、電磁波を発してステラの車を止めて2人を監視する。 ラルフが付近の家に電話を借りに行っっている間に、トビーとグレゴがステラに襲いかかり連れ去り地下に向かう。 屋敷に着いたラルフは、対応した家政婦のモーリーン(ミシ・ゴティ)に追い払われてしまう。 屋敷内に連れて来られたステラは、マーロウから妻イヴリン(エレン・ホール)を紹介されるものの、彼女が死んでいることを知らされる。 マーロウは、22年前に死んだイヴリンを生き返らせるための方法が完成間近であり、それにはステラの生命力と精神が必要だと話す。 それを拒むステラだったが、マーロウに見つめられて指示通りに行動する。 元の場所に戻ったラルフは、ステラと車が消えていたために、置き去りにされたと思い自分の車に戻ろうとする。 その後、ベティの家に着いたラルフは、ステラに酷い目に遭わされたと言って彼女を捜すが、まだ着いていなかった。 ラルフは、苛立ちながらベティに事情を話し、彼女の母親(メアリー・カリー)に挨拶する。 夜中になってもステラが来ないために、失踪事件も気になるベントン夫人は、警察に通報しようとする。 S.K.との話を思い出したラルフは、ベティと共に警察に向かう。 その頃マーロウは、ニコラスと共にブードゥー教の儀式と共に実験を行おうとしていた。 マーロウは、トビーにゾンビ(拉致した女性たち)を、モーリーンにはイヴリンを連れてくるよう指示する。 ステラとイヴリンを座らせたマーロウは、ニコラスに儀式を始めさせる。 ステラの生命力と精神が移ったイヴリンは生き返るものの、すぐに元に戻ってしまう。 ショックを受けたマーロウは、ニコラスからステラが完全なドナーでなかったと言われ、適合する女性を見つけようとする。 ラルフとベティは保安官(ヘンリー・ホール)と話し、道路封鎖がされていない上に、迂回路もないことを知る。 保安官は、現場付近のマーロウの屋敷を訪ねるために、保安官補のエルマー(ダン・ホワイト)と共にその場に向かう。 屋敷に着いた保安官はエルマーに周辺を探らせて、マーロウに歓迎されて話をする。 保安官は道路の迂回のことや失踪事件に関する話をするものの、何も手がかりは得られなかった。 ステラが気に入ったトビーは、地下の個室の彼女に話しかけて、扉を開けたままマーロウの元に戻る。 マーロウは、ステラでもう一度、実験を試そうと考えて、ニコラスを呼ぶ。 しかし、ステラは部屋から出てしまい、地上に向かう。 ステラがいないことを知ったマーロウは、トビーとグレゴに彼女を捜すよう指示する。 道路を歩くステラを見つけた保安官とエルマーは、夢遊病者のような彼女を保護し、ラルフらが捜していた女性の可能性があるために、ベントン家に向かう。 保安官とエルマーに連れてこられたステラを気遣うラルフらは、医師を呼ぶことにする。 帰ろうとした保安官は、医師として訪ねてきたマーロウをベントン夫人に紹介して、後を任せてその場を去る。 ベントン夫人からラルフとベティを紹介されたマーロウは、ステラを診察しようとする。 マーロウに見つめられたステラは動揺し、マーロウは、精神的なショックなどが考えられるとラルフらに伝える。 休養させて1人にしておいてあげるようにと伝えたマーロウは、ベントン夫人に感謝されてその場を去る。 ラルフとベティは、ステラがマーロウを見た時の反応が気になり、何か関係があるかも知れないと考える。 屋敷に戻ったマーロウは、ステラを見つけたことをニコラスに伝えて、魔力で連れ戻してもらおうとする。 1人で部屋にいたステラは、ベントン家を出てマーロウの屋敷に向かう。 ステラがいないことに気づいたベティは、ラルフと共に彼女を捜しに行き、マーロウが1人にするよう指示したことが気になる。 マーロウを訪ねたラルフとベティは、ステラがいなくなったことを話す。 ステラが夢遊病者のようだったと言う2人にマーロウは、22年前に亡くなった妻イヴリンも同じような症状だったっと話し、彼女の肖像画を2人に見せる。 マーロウが保安官に電話をしている間に、イヴリンが2階から現れ、ラルフとベティは、肖像画を見ながら驚く。 イヴリンはモーリーンに連れて行かれ、マーロウから、ステラは誰かが見つけてくれると言われたラルフとベティはその場を去る。 ベティが完璧なドナーになると考えたマーロウは、彼女が忘れていった手袋を使い誘き出し、ニコラスと共に実験をしようとする。 ダイナーでベティと話をしたラルフは、保安官に電話をする。 ニコラスの魔力により、ベティは夢遊病者のようになり店を出る。 ラルフは、マーロウの屋敷で死んだはずの妻イヴリンを見たことを話し、ステラと同じ服装をしていたと保安官に伝える。 保安官は、エルマーと共にマーロウの屋敷に向かう。 店を出たベティは、車を運転して走り去る。 ベティが店を出たことを知ったラルフは、彼女が車で走り去ったのを見ていた男性に協力してもらい、マーロウの屋敷に向かう。 トビーとグレゴは、現れたベティを屋敷に連れて行く。 マーロウは、ベティとイヴリンを座らせて実験を行おうとする。 ステラらもその場に連れて行かれる。 車を見つけたラルフは、保安官に連絡するよう男性に頼み、地下への入り口を見つけて中に向かう。 マーロウは、ベティの生命力と精神をイヴリンに移そうとする。 その場に現れたラルフは、グレゴに殴られて意識を失う。 屋敷に着いた保安官とエルマーは、内部に侵入しする。 イヴリンが生き返り喜ぶマーロウは、現れた保安官に銃を向けられたために抵抗し、撃たれてしまう。 瀕死のマーロウは、自分の名を呼ぶイヴリンに、もうすぐ一緒になれると伝えて息絶える。 イヴリンも息を引き取り、意識が戻ったラルフは、ベティが元に戻ったために喜ぶ。 ステラも意識が戻り、ここが結婚式場かと冗談を言いながら、ラルフとベティと共にその場を去る。 その後、新婚旅行から戻ったラルフは、今回の事件を基に”ブードウーマン”の脚本を完成させて、それをS.K.に渡す。 S.K.からブードウーマン役の候補を訊かれたラルフは、”ベラ・ルゴシ”がいいと答えて、ベティと共にその場を去る。
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*(簡略ストーリー)
リチャード・マーロウ博士は、22年前に亡くした妻イヴリンを、ブードゥー教を操るニコラスの協力により生き返らせようとしていた。
それには若い女性の生命力が必要であり、マーロウは、女性を拉致して実験に使っていた。
ハリウッドの脚本家であるラルフは、婚約者ベティとの結婚式を控えていた。
ラルフは、ベティの家に向かう途中でガス欠になり、たまたま通りがかった彼女のいとこステラの車に乗せてもらう。
ある場所で車が止まってしまったラルフは、付近のマーロウの屋敷に向かう。
その間ステラは、マーロウの指示を受けたトビーとグレゴに拉致されてしまう。
ステラが姿を消したために戸惑うラルフは、ベティの家に向かうのだが・・・。
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若くして映画界に入り、ハリウッドでも最も多作な監督として知られるウィリアム・ボーダインの作品。
ブードゥー教の力を利用して、若い女性の生命力を亡くなった妻に移し生き返らせようとする医師の恐怖の実験を描くホラー。
主人公の行う実験や、使用人の設定などが、どこか”フランケンシュタイン”的であるところなどが興味深い。
顎ひげをたくわえたベラ・ルゴシの鋭い眼光は凄味があり、長身である彼の威圧感と紳士的な物腰は、ホラー映画の雰囲気を盛り上げる。
主人公が若い女性の生命力を求める内容であるため、拉致される女性役の女優が皆、美しいことが印象に残る。
少々間抜けな主人公の使用人ジョン・キャラダイン、ガソリンスタンドを経営しながら主人公に協力するブードゥー教を操る男ジョージ・ザッコ、事件に関わる女性ワンダ・マッケイ、その婚約者で脚本家のマイケル・エイムズ、ベティ(ワンダ・マッケイ)のいとこで主人公に拉致されるルイーズ・カリー、そのおばメアリー・カリー、主人公の妻エレン・ホール、拉致される女性テリー・ウォーカー、拉致されてゾンビ化した女性クレア・ジェームス、保安官のヘンリー・ホール、保安官補のダン・ホワイト、主人公の使用人パット・マッキー、家政婦のミシ・ゴティ、映画会社のプロデューサーで、役名に本作の製作者サム・カッツマンのイニシャル”S.K.”を使ったジョン・インスなどが共演している。