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ヴァイラス Virus (1999)

1992年に発表された、”ダークホース・コミックス”のチャック・ファーラーによる”Virus”を基に製作された作品。
未知の電磁波生命体による攻撃を受けた者達の戦いを描く、監督ジョン・ブルーノ、主演ジェイミー・リー・カーティスウィリアム・ボールドウィンジョアンナ・パクラドナルド・サザーランド他共演のSFスリラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・ブルーノ

製作:ゲイル・アン・ハード
製作総指揮
チャック・ファーラー

マイク・リチャードソン
マーク・ゴードン

ゲイリー・レヴィンソン
原作:チャック・ファーラーVirus
脚本
チャック・ファーラー

デニス・フェルドマン
撮影:デヴィッド・エグビー
編集:エム・スコット・スミス
音楽:ジョエル・マクニーリー

出演
ケリー”キット”フォスター:ジェイミー・リー・カーティス

スティーヴ・ベイカー:ウィリアム・ボールドウィン
ナディア・ヴィノグラドワ:ジョアンナ・パクラ
ロバート・エヴァートン船長:ドナルド・サザーランド
J・W・ウッズJr.:マーシャル・ベル
リッチー・メイソン:シャーマン・オーガスタス
ヒコ:クリフ・カーティス
スクィーキー:ジュリオ・オスカー・メチョソ

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ

1999年製作 100分
公開
北米:1999年1月15日
日本:1999年5月29日
製作費 $75,000,000
北米興行収入 $14,036,010
世界 $30,652,010


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
太平洋
宇宙データ解析中のロシアのミサイル・衛星追跡船”ウラディスラフ・ヴォルコフ”の科学担当官ナディア・ヴィノグラドワ(ジョアンナ・パクラ)は、宇宙ステーション”ミール”のクルーとチェスを楽しんでいた。

ミールのクルーは接近する物体を確認するが、それが通過した瞬間に異変が起き、ミールのアンテナから発信された電波攻撃によりウラディスラフ・ヴォルコフは被害を受ける。

何者かがコンピューターに侵入したことを確認しながら、ナディアらは叫び声をあげる。

7日後、南太平洋
台風レイアにより荒れ狂う海を航行するタグボート”シースター”の船長ロバート・エヴァートン(ドナルド・サザーランド)は、曳航する荷物船の波を心配する元海軍士官の航海士ケリー”キット”フォスター(ジェイミー・リー・カーティス)に、問題ないことを伝えて持ち場に戻るよう指示する。

...全てを見る(結末あり)

しかし、一等航海士のJ・W・ウッズJr.(マーシャル・ベル)が大波が近づくことに気づく。

エンジニアのスティーヴ・ベイカー(ウィリアム・ボールドウィン)は、機関室が浸水し中に入れないことをエヴァートンに伝える。

荷物船が破損して沈む恐れがあり、それを切り離そうとするベイカーにエヴァートンが銃を向ける。

積み荷に全財産をかけて保険にも入っていないことを伝えたエヴァートンだったが、ワイヤーが耐え切れずに切れてしまい、彼は卒倒しそうになる。

ベイカーは、二度と銃を向けるなと言ってエバートンに警告する。

フォスターが指摘したように次回は台風の目に入るべきだと、ウッズはエヴァートンに意見する。

台風の目の中に向い嵐は収まり、フォスターらは12マイル先に船がいることに気づき、部屋に閉じ篭り自殺を考えるエヴァートンは、それを知らされて思い止まる。

シースターは停船しているロシアのミサイル・衛星追跡船”ウラディスラフ・ヴォルコフ”に近づくが、呼びかけに返事がないため、ベイカーやエヴァートンらはそれに乗り込み荒れた船内を調べる。

クルーのリッチー・メイソン(シャーマン・オーガスタス)は、エヴァートンが海難救助で金儲けをしようと考えていることに気づく。

微笑みながらそれをベイカーらに話すエヴァートンは、船の値段3億ドルの1割3000万ドルが手に入ることを指摘する。

歩合を上げて一人300万ドル払うと言うエヴァートンの言葉にクルーのスクィーキー(ジュリオ・オスカー・メチョソ)は驚き、他の者達はフォスターの意見を聞く。

甘い話はないと言うフォスターは、船を曳航しようとするエヴァートンに、生存者がいれば謝礼は受け取れないことを伝える。

しかし、誰も生きていなければ問題ないとエヴァートンは答える。

動力を復旧するよう言われたベイカーとスクィーキーは、自分達しか信用できないことを話しながら作業を進める。

二人はまず電力を復旧させて、それを確認したエヴァートンとフォスターは、制御盤の火花を気にする。

次の瞬間、監視カメラが作動して、フォスターはシステム・コンピューターの異変に気づく。

更に錨が下りてシースターの甲板に落下し、甲板員のヒコ(クリフ・カーティス)が危うく直撃を受けるところだった。

シースターは沈没し始め、ウッズは負傷したヒコを助けようとせずにその場を逃れる。

ベイカーが海に飛び込んでヒコを助け、錨が自然に落ちるはずがないと言うメイソンは、船内に誰かがいることを確信する。

スクィーキーに誰かがいることを伝えたベイカーは、3000万ドルのためにはシースター沈没も止むを得ないとエヴァートンに言われる。

エヴァートンは、メイソンとウッズを機関室に向かわせて、フォスターとベイカーと共にヒコを医務室に連れて行く。

スクィーキーは動いている物体に気づき配電盤の中を調べるが、電線が首に巻き付く。

メイソンとウッズは武器や地対空ミサイルを見つけて、大量の血液を確認する。

ヒコの傷の手当てをしていたフォスターらだったが、ロッカーに隠れていたマスクを被った者が発砲したため、ベイカーが殴り倒す。

マスクを取ったベイカーは、相手が女(ナディア)だと確認する。

女の所持品を調べたベイカーらは、手榴弾などを持っていることを知る。

スクィーキーと連絡がとれなくなったベイカーは、メイソンとウッズに様子を見に行くよう伝えて自分もその場に向かう。

メイソンとウッズは、現れたロボットのようなものを銃撃する。

目覚めた女はフォスターらを見て動揺し、電源を切るよう指示する。

他のクルーが死んだと話す女は、”ミール”からの”アレ”が電源で動くと意味不明のことを伝える。

その場から逃げた女を捕えたフォスターは、自己紹介をして落ち着かせて、科学担当官ナディアだと言う彼女から、300人の乗員が死んだことを知らされる。

ミールとの交信中に船に何かが来たと言うナディアは、コンピューターを制御及びスキャンされたことを伝える。

あらゆるデータを収集した相手は”殺し方”を習得し、生き残った船長とナディアで電源を切って”マシン”を止めたということだった。

迎えに来たエヴァートンとヒコは、怯えるナディアの手を縛りブリッジに連れて行く。

メイソンとウッズは、ある場所でロボットが作業していることに気づき、その場の電源を切る。

機関室に急ぐようベイカーから無線で指示されたメイソンだったが、ロボットが再び動き出したために興味深くそれを観察する。

しかし、メイソンとウッズはロボットから攻撃を受けて、ロシア人と思われる者と銃撃戦となりその場を逃れる。

ウッズが負傷したことをベイカーに伝えたメイソンは、機関室に来るよう指示される。

機関室のドアが溶接されていることを知ったベイカーは、現れたメイソンとウッズに起きたことを話す。

そこにサイボーグが現れて銃撃戦になる。

全員が死ぬと言うナディアに銃を向けて真実を話すよう強要するエヴァートンだったが、そこに、ベイカーらがサイボーグを運んで現れる。

人間の死体を利用したサイボーグを見たナディアは、それが船長であることを確認する。

スクィーキーが姿を消し恐ろしいことが起きている現状をナディアに伝え、フォスターらは彼女に全てを話させようとする。

ミールから来た電磁波が船中のシステムを汚染し、マシン室でロボットを作り始めたため電源を切ったことをナディアは話す。

電磁波の正体を問われたナディアは、未知の生命体であり知的な電気の塊だと答える。

メイソンがロボットの生きている脳をいじったためにそれが動き、ナディアの腕を掴む。

ベイカーらはロボットを破壊し、エヴァートンは作り話だと言って、医学実験などを行ったロシア政府の陰謀説を語る。

それを否定するナディアは、船長が自分の夫だと伝える。

その時、海が荒れ始め、船を風上に向けようとして全員で機関室に向い、ドアを破り舵を動かそうとする。

途中フォスターは、船が自分で動いていることを伝え、ナディアはシステムを操られていると指摘する。

その後、サイボーグ化したスクィーキーと巨大ロボットが現れ、ウッズが捕えられて殺される。

攻撃を受けたフォスターらは通信室に逃げ込み、壊されていた無線機をメイソンが復旧させるが、エヴァートンがそれを撃ってしまう。

人を呼ぶことを許さないと言うエヴァートンを殴り倒したフォスターは、ナディアを解放する。

システムに問いかけてみたメイソンは、何者かと言う問いに対し”意思”だと答える相手が、人間を有害な”ヴァイラス”だと考えていることを知る。

目的を聞いた返事から、相手が自分達を部品にしようとしていることにメイソンは気づく。

メインコンピューターのある場所に向かおうとしたフォスターらだったが、メイソンはこの場から逃げると言い出し、ドアを破ったスクィーキーを銃撃して殺す。

メイソンは単独で出て行き、フォスターらもエヴァートンを残してその場を逃れる。

コンピューターでシステムに話しかけたエヴァートンは、どこにでも連れて行くことを伝え、ある作業室に向かうよう指示される。

フォスターらはメインコンピューターがないことに気づき、自分で移動したと考える。

指定された場所で、ウッズらの人体を使ったサイボーグが作られていることを知ったエヴァートンは、相手に協力を求められる。

逃げ道を探すフォスターらは現れたロボットを攻撃し、甲板に出てナディアの指示でアンテナ制御室に向かう。

激しい嵐の中、フォスターを助けたヒコは海に落ちる。

アンテナ制御室に着いたフォスター、ベイカー、ナディアの三人は、南半球の全ての通信衛星とリンクしている、イギリス情報部の基地があるロード・ハウ島に向かおうとする。

救難信号を受けた船からの連絡が入るが、フォスターは、危険なこの船に近づけるべきでないと考える。

ベイカーは船を沈めることを提案し、倉庫に燃料をためて爆破することになる。

そこにサイボーグとなったエヴァートンが現れ、フォスターらは手榴弾で彼を殺す。

三人はメイソンと出くわすが、独りで船を沈めると言って彼は姿を消す。

燃料を流しこみ爆破を15分後にセットした三人は、メイソンに無線でそれを知らせる。

そこにロボットが現れた三人は襲われ、フォスターが燃料の中に落ちてしまう。

大量の死体に驚くフォスターはロボットに捕えられ、起爆装置の場所を教えるよう言われて拷問される。

その場に侵入したベイカーとナディアはロボットを攻撃し、現れたメイソンがロケット弾で相手を倒す。

しかし、再起動したロボットはベイカーとメイソンを襲い、フォスターとナディアはその場から逃れる。

重傷を負ったメイソンは、ミサイル室から逃げられることをベイカーに伝えて息を引き取る。

フォスターとナディアの前に姿を現したロボットは、起爆装置を壊す。

ナディアは、この場で起きたことを伝えるようにと言ってフォスターを逃がし、酸素ボンベを撃ちロボットと共に爆死する。

動揺するフォスターを現れたベイカーが落ち着かせて、ミサイル室に向い脱出用シートを確認する。

ロボットが迫り、ベイカーはフォスターをシートに座らせて脱出させようとする。

フォスターはベイカーを抱きかかえ、スイッチを入れて二人は脱出する。

メイソンが仕掛けてあった手榴弾を使った爆破装置が作動し、大爆発が起きる。

爆発により近づいていた船はウラディスラフ・ヴォルコフに気づく。

漂流しながら救助を待つフォスターは、ヒコが助かったことに気づき近づくが、サイボーグ化した彼に襲われる。

しかし、それは夢であり、目覚めたフォスターをベイカーが落ち着かせて、二人はヘリコプターで救助船に向かう。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
太平洋
ロシアのミサイル・衛星追跡船”ウラディスラフ・ヴォルコフ”と交信中の宇宙ステーション”ミール”は、謎の電磁波生命体に襲われる。
ミールから発せられた電波はウラディスラフ・ヴォルコフを攻撃してコンピューターに侵入する。
7日後、タグボートの”シースター”は、台風により曳航していた荷物船を失う。
台風の目に入り”ウラディスラフ・ヴォルコフ”を発見した”シースター”の船長エヴァートンは、海難救助で大金を手に入れようとする。
航海士ケリー”キット”フォスターは安易な考えに意見するが、エンジニアのベイカーらは報酬を期待する。
その後、生存者である乗員で科学担当官のナディアが現れ、電力を復旧させたため電磁波生命体の攻撃を受ける危険性を訴えるのだが・・・。
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ジェームズ・キャメロン作品の「アビス」(1989)、「ターミネーター2」(1991)、「トゥルーライズ」(1994)、「タイタニック」(1997)などで視覚効果を担当したジョン・ブルーノの初監督作品。

その特殊効果を生かしたロボット、サイボーグの描写は流石に凝って入るが、未知の生命体と戦う恐怖を描く内容の中で登場するものが、キッズムービーに登場するような造形からゾンビ的なものまでが入り混じるのがやや気になり、サスペンス的な緊迫感も今一だ。

名優の域に達していた船長役のドナルド・サザーランドの、少々外れた役柄はユーラスで面白味があるのだが、サイボーグにまで変貌する役を楽しんで演じたのだろうかと疑問に思う。

7500万ドルをかけた製作費は、北米で約1400万ドル、全世界でも約3000万ドルに留まるという惨憺たる結果に終ってしまった。

奮闘するものの主演者としての存在感がやや薄い航海士のジェイミー・リー・カーティス、勇気ある行動で敵に立ち向かうエンジニアのウィリアム・ボールドウィンロシア船の科学担当官ジョアンナ・パクラ、一等航海士マーシャル・ベル、技術的な能力を生かし敵に戦いを挑むクルーのシャーマン・オーガスタス、甲板員クリフ・カーティス、クルーのジュリオ・オスカー・メチョソなどが共演している。


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