メキシコの革命家パンチョ・ビラと彼に魅了される男達の戦いを描く、脚本サム・ペキンパー、監督バズ・キューリック、主演ユル・ブリンナー、ロバート・ミッチャム、チャールズ・ブロンソン他共演のアクション・アドベンチャー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:バズ・キューリック
製作:テッド・リッチモンド
脚本
サム・ペキンパー
ロバート・タウン
撮影:ジャック・ヒルデヤード
音楽:モーリス・ジャール
出演
パンチョ・ビラ:ユル・ブリンナー
リー・アーノルド:ロバート・ミッチャム
ロドルフォ・フィエロ:チャールズ・ブロンソン
フィナ:マリア・グラツィア・ブッチェラ
トマス・ウルビナ:ロバート・ヴィハーロ
フランシスコ・ラミレス:フランク・ウォルフ
ビクトリアーノ・ウエルタ:ハーバート・ロム
フランシスコ・マデロ:アレクサンダー・ノックス
フエンテス大佐:フェルナンド・レイ
フィエロの手下:ジョン・アイアランド
レストランの女性:ジル・アイアランド
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1968年製作 122分
公開
北米:1968年5月29日
日本:1969年2月4日
北米興行収入 $1,200,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1910年代、メキシコ。
複葉機を操縦して現れたアメリカ人の武器商人リー・アーノルド(ロバート・ミッチャム)は、着陸に失敗して車輪を壊す。
アーノルドは、反革命派のフランシスコ・ラミレス(フランク・ウォルフ)に銃を渡して取引を成立させる。
ラミレスから譲られたラバである村に向かったアーノルドは、鍛冶屋の娘フィナ(マリア・グラツィア・ブッチェラ)に一目惚れしてしまう。
飛行機を見に行ったアーノルドは、直ぐには直せないと鍛冶屋に言われ、その晩は彼の家に泊めてもらうことになる。
夕食を済ませたアーノルドは、革命派のリーダー、パンチョ・ビラ(ユル・ブリンナー)が村に現れたことなどを鍛冶屋と話す。
反革命且つ反政府派のラミレスの軍を警戒するよう忠告されたアーノルドは、フィナが気になる。 翌日、飛行機の車輪を直していたアーノルドは、川で洗濯をするフィナに近づき、彼女に愛を伝えて抱き寄せる。 その後、車輪は直り、アーノルドは鍛冶屋に感謝してラバを譲る。 翌朝、ラミレスは村を襲い、ビラに協力している理由で略奪を始める。 鍛冶屋やアーノルド、フィナも連行するよう命じたラミレスは、彼女が抵抗したため暴行する。 その後ラミレスは、鍛冶屋ら革命派の協力者を吊るそうとする。 その様子を監視していた革命派の副官ロドルフォ・フィエロ(チャールズ・ブロンソン)は、トマス・ウルビナ(ロバート・ヴィハーロ)にそれをビラに報告するよう命ずる。 男達は順番に吊るされていくが、フィエロが建物の屋根から攻撃を始め、ビラの率いる一団が襲い掛かる。 ラミレスらは逃走し、殴られて気を失っていたアーノルドは何とか生き残る。 鍛冶屋も殺され、ビラは捕えた敵の将校を吊るすよう命ずる。 フィナの元に向かったアーノルドは、彼女がラミレスに暴行されたことを知り、現れたウルビナが彼をビラの元に連れて行く。 ビラは銃の出処を確かめ、それを敵に売った者を知っているかをアーノルドに尋ねる。 そこに飛行機が運ばれ、ビラはアーノルドを殴り倒し、捕虜と共に拘束する。 フィエロは、捕虜に逃げる機会を与えて次々と射殺し、アーノルドにも銃を向ける。 ビラはそれを制止して、飛行機で敵の偵察ができるかをアーノルドに問う。 操縦できるのは自分だけだと答えたアーノルドは、自分が役に立つ男だと伝え、それを行う代わりにフィエロを撃ち殺したいと伝える。 ビラにそれは無理だと言われたアーノルドは、捕虜全員の解放を求めるが認められず、一人だけを逃がすことが許される。 フィエロはその後も捕虜を殺し続けるが、自分の売った銃で何人殺されても気にならないだろうと、アーノルドはビラから皮肉を言われる。 その後アーノルドは、革命派の野蛮な行為はラミレスらと同じだと言ってビラを非難する。 ビラは、暴行されたフィナらに配慮が足りないとも言われたため、神父を呼び彼女と結婚してしまう。 翌日、アーノルドは飛び立つことになり、ビラはフィエロを監視役にして同乗させようとする。 フィエロはそれを拒み、誰でも操縦できると言ったビラは自分が操縦席に乗りこむ。 アーノルドに操縦を教わったビラは、エンジンを始動させて飛び立ち、離陸直前で飛行機を止める。 ビラの勇気は十分に伝わり、部下らは彼を称える。 その後、フィエロを同乗させて飛び立ったアーノルドは、反革命派の列車を確認する。 ビラに列車攻撃を命ぜられたアーノルドはそれを拒むものの、報酬を払う言われ納得して飛び立つ。 トンネルの手前で停車した列車から降りた反革命派兵士は、ビラの手下に襲われる。 手下は兵士を装い安全だと合図し、列車は進むもののトンネル入り口が爆破される。 アーノルドの操縦する飛行機からフィエロが爆弾を投下し、ビラの大軍が列車を襲う。 勇敢に戦った弟の死を知りフィナは悲しむ。 列車を奪ったビラは、飛行機が役に立つことが実証できたため、フィエロにアーノルドとうまく付き合うよう命ずる。 アーノルドはフィエロから報酬を受け取るが、友にはなれないと答える。 パラル駅に着いた列車はその場を制圧し、フランシスコ・マデロ大統領(アレクサンダー・ノックス)に革命派の司令官を命ぜられているビクトリアーノ・ウエルタ将軍(ハーバート・ロム)は、その報告を受けてビラと会うことになる。 その夜、ビラは酒場の女に惹かれて結婚してしまう。 それを知り気落ちするフィナに、ビラの人間性や指導力を理解し始めたアーノルドは、彼が新しい国を手に入れる人物になる可能性をフィナに伝える。 二人は、お互いの気持ちを確かめて愛し合う。 ウエルタが到着し、ビラは、フィナと寝ているアーノルドの元に向かい出発することを伝える。 飛行機で大統領官邸に向かいマデロに会ったビラは、パラルをウエルタには渡せないことを伝える。 マデロは、ウエルタと対立することを許さず、信用できず統率力もない彼の下で行動することをビラは拒む。 ウエルタに従うことを命ぜられたビラは、仕方なくそれを承諾してパラルに戻る。 反革命派の攻撃が始まるが、アーノルドが空中から襲い掛かる。 被弾したアーノルドは敵陣に墜落し、反撃したビラは彼の無事を確認して防御線を突破する。 ビラとフィエロは敵の司令部に押し入り、指揮官とラミレスを殺す。 フエンテス大佐(フェルナンド・レイ)は、それをウエルタに報告してビラの元に向かう。 ビラは逮捕されて銃殺されることになり、フィエロはそれを阻止するようマデロ大統領に電報を送る。 その件をビラに伝えるようフィエロに指示されたアーノルドだったが、ウエルタに逮捕されてしまう。 ビラは、マデロに守られているため殺されることはないと、共に拘束されたアーノルドに話す。 翌日、銃殺刑は予定通り行われようとしていたが、ビラは自分の部下に撃たれたいと言い出す。 ビラはマデロから電報が届いたはずだと言い張るのだが、ウエルタはそれを無視する。 覚悟を決めたビラは銃殺兵に懐中時計を渡すが、ウエルタは処刑寸前でそれを中止させる。 ビラはメキシコシティで軍法会議にかけられることになり、再び拘束される。 移送される途中、アーノルドはフィナの元に向かうことを許され、逃亡したフィエロの居場所を彼女から知らされる。 革命の資金を手に入れたアーノルドは、フィナに必ず戻ると約束してその場を離れる。 エルパソ。 その後、レストランで女性(ジル・アイアランド)と食事をしていたアーノルドは、その場にビラ、フィエロ、ウルビナが現れたことに気づく。 3人の元に向かったアーノルドは、ウエルタを倒すと言うビラに同行を求められる。 無益な戦いは止めろと忠告されたビラは、アーノルドに別れを告げて立ち去ろうとする。 アーノルドに今後の行動を尋ねられたビラは、メキシコシティを奪い返すと言い残して立ち去る。 席に戻ったアーノルドは、侮辱を受けたと言う女性を黙らせる。 馬を手に入れたビラ達は故郷に向かい、アーノルドが飛行機で彼らを追う。
...全てを見る(結末あり)
フィエロの手下(ジョン・アイアランド)に会ったアーノルドは、ウエルタが大統領になり、ビラが脱獄したことを知らされる。
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*(簡略ストー リー)1910年代、メキシコ。
飛行機で武器を密輸していたアーノルドは反革命派にそれを売り、ある村に向かった彼は鍛冶屋の娘フィナに一目惚れしてしまう。
その後、飛行機の車輪を直したアーノルドだったが、反革命派に村は襲われる。
それを知った革命派のリーダー、パンチョ・ビラは、右腕のフィエロらと共に反革命派を追い払う。
ビラは、敵に銃を売ったアーノルドが殺されるのを制止し、彼の飛行機を利用して反革命派の行動を知ろうとする。
盗賊と言われ暴力的なビラだったが、アーノルドは彼に協力するうちに、その統率力で新たな国を動かす資質が備わっていることに気づき始める・・・。
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盗賊か野蛮人程度に思われていたパンチョ・ビラの戦いの日々を描く物語は、その時代に流行った”イタリア製西部劇”風の残虐性なども取り入れたアクションとして楽しめる。
脚本をサム・ペキンパーが担当しているところが注目で、本作を彼が演出し、翌年の「ワイルドバンチ」(1969)のようなタッチの作品としていたなら、ペキンパー自身の代表作になっていたかもしれないほどの面白い内容だ。
単刀直入に物事を考えて判断し、即行動に移す指導者の資質を持つ人を引き付ける男、パンチョ・ビラの人間性なども細やかに描写している。
それを、部外者のようなアメリカ人の目から捉えた展開も興味深い。
戦いの場面などもスケール感があり、それらを邪魔することのないモーリス・ジャールの音楽も印象に残る。
観ている観客が好きになる人物、人間味のある主人公パンチョ・ビラを演ずるユル・ブリンナー、主役と言っていい活躍をする、半悪人であるはみ出し者のアメリカ人ロバート・ミッチャムが善人に見えてしまう演出もいい。
パンチョ・ビラの右腕ロドルフォ・フィエロを演ずるチャールズ・ブロンソンは既にキャリア十分だったのだが、この頃からその実力が評価され始めていた時期であり、独特の雰囲気で残虐な戦士を印象深く好演している。
主人公と結婚しアメリカ人に愛されるマリア・グラツィア・ブッチェラ、革命派トマス・ウルビナのロバート・ヴィハーロ、革命派司令官ビクトリアーノ・ウエルタのハーバート・ロム、フランシスコ・マデロ大統領のアレクサンダー・ノックス、反革命派の大尉フランク・ウォルフ、革命派の大佐フェルナンド・レイ、そしてゲスト出演的に、ジョン・アイアランド、同年チャールズ・ブロンソンと結婚するジル・アイアランドなどが登場する。