かつて事故で父を犠牲にして助かり苦悩の末に登山家を諦めた主人公がK2のアタック・チームに参加し再び山に挑む姿を描く、監督マーティン・キャンベル、主演クリス・オドネル、ビル・パクストン、ロビン・タニー、スコット・グレン共演のアドベンチャー・アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:マーティン・キャンベル
製作総指揮
マイク・メダヴォイ
マーシャ・ナサティア
製作
マーティン・キャンベル
ロバート・キング
ロイド・フィリップス
原案:ロバート・キング
脚本
ロバート・キング
テリー・ヘイズ
撮影:デヴィッド・タッターサル
編集:トム・ノーブル
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演
ピーター・ギャレット:クリス・オドネル
エリオット・ヴォーン:ビル・パクストン
アニー・ギャレット:ロビン・タニー
モンゴメリー・ウィック:スコット・グレン
モニーク・オーバーティン:イザベラ・スコルプコ
ラスル少佐:テムエラ・モリソン
トム・マクラーレン:ニコラス・リー
カリーム・ナジール:アレクサンダー・シディグ
フランク”チェインソー”ウィリアムス:デヴィッド・ヘイマン
シリル・ベンチ:スティーヴ・ル・マルクアンド
マルコム・ベンチ:ベン・メンデルソーン
スキップ・テイラー:ロバート・テイラー
ロイス・ギャレット:スチュアート・ウィルソン
エド:エド・ベスターズ
アミール・サリム大佐:ロシャム・セス
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
2000年製作 124分
公開
北米:2000年12月8日
日本:2000年12月9日
製作費 $75,000,000
北米興行収入 $68,473,360
世界 $215,663,860
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
モニュメントバレー。
ピーター・ギャレット(クリス・オドネル)と妹アニー(ロビン・タニー)、そして父親ロイス(スチュアート・ウィルソン)の三人は、ロッククライミング中に、初心者の事故に巻き込まれる。
初心者の二人は、焦って暴れたために落下し、カムが3人を支えきれないことをロイスは悟る。
ロイスは、ピーターにザイルを切ることを命じ、アニーを救うために、彼は仕方なくその指示に従う。
3年後、パキスタン、ヒマラヤ山麓。
事件後に悩み続けクライミングを諦めたピーターは、野生動物の写真家になり、自分を恨むアニーとは疎遠になっていた。
同僚の怪我で軍キャンプに向かったピーターは、アミール・サリム大佐(ロシャム・セス)から、アメリカ人の実業家であるエリオット・ヴォーン(ビル・パクストン)が、K2登頂を目指していることを知らされる。 そのベースキャンプに向かうことになったピーターは、登山家になっていたアニーが、登頂アタック・チームの取材班のリーダーとしてその場にいることを知らされ、ラスル少佐(テムエラ・モリソン)と共に現地に向かう。 アニーに会ったピーターは、いがみ合う仲ではなかったが、簡単な会話を交わしただけだった。 やがてヴォーンが到着し、彼の航空会社の宣伝登頂だという話を、ピーターは、登山家スキップ・テイラー(ロバート・テイラー)から聞き、雑務と健康管理担当の女性モニーク・オーバーティン(イザベラ・スコルプコ)にも出会う。 夜は盛大なパーティーが開かれ、ヴォーンがスピーチをするが、K2登山の第一人者モンゴメリー・ウィック(スコット・グレン)が、天候が悪化して人が死ぬと予測する。 ヴォーンは楽観的に考え、リーダーである最高の登山家トム・マクラーレン(ニコラス・リー)を紹介して、その場で自信を見せる。 ウィックは準備を整えて、ある目的を持ち単独で山に向かい、彼と軍隊で一緒だったと言う父ロイスの話を、ピーターはアニーに始める。 事件の話になった二人だったが、ザイルを切ったことは正しかったと言うものの、未だに苦悩し全てを捨てたピーターを責めるアニーは、父のために登頂を目指すと言い切る。 翌日、アニーはピーターに見守られながら、ヴォーンやトムらと共に山に向かう。 途中、トムは嵐が来ることを警戒するが、ヴォーンは登頂する考えを変えずに、アニーと共に尾根に向かう指示を出す。 その場を去ろうとしていたピーターだったが、悪天候に気づき、ヴォーンにベースを任されたフランク”チェインソー”ウィリアムス(デヴィッド・ヘイマン)に、登頂の中止を確認する。 フランクの、登頂続行中との答えに焦るピーターは、トムに連絡を入れて嵐の接近を知らせる。 スキップもそれを指示したために、トムは、ヴォーンの考えには従えないことを伝えて、天候の急変で下山しようとする。 それを無視して前進したヴォーンらだったが、アニーがクレバスに落下してしまう。 幸いアニーは無事だったのだが、直後に起きた雪崩がアタック・チームを襲い、ヴォーンとトムもクレバスに落下する。 無線は不通になり、ベースのピーターがモールス信号で交信し、父親にそれを教えてもらっていたアニーが返信して、3名の生存が確認される。 ピーターは即刻、救助に向かおうとするが、危険な山に向かおうとする同行者はなかった。 スキップは、危険な山の状況から、それも仕方のないことだとピーターに伝え、水不足を考えると救助の猶予は36時間だと伝える。 雪と氷に閉じ込められた状態で、三人の救助が困難なことを指摘するスキップだったが、アニーを助けたいピーターは、サリム大佐の協力でニトログリセリンを提供される。 ピーターは同行者を募り、スキップ、友人が山に向かったポーターのカリーム・ナジール(アレクサンダー・シディグ)、シリル(スティーヴ・ル・マルクアンド)とマルコム(ベン・メンデルソーン)のベンチ兄弟が名乗りを上げる。 ピーターは、二人一組で行動するために、もう一人が必要だと告げて、フランクは、救助志願者に50万ドルの報奨金を約束する。 クレバスでは負傷したトムが衰弱し、ヴォーンが水の節約や場所を知らせる方法を考える。 ベースでは、ピーターとスキップが時間が足りないことで意見し合うが、ウィックが早く登頂する方法を知っていることで、彼の協力を得られるかが鍵となる。 翌朝、中継地点まで向かうラスル少佐のヘリコプターには、金のためだと言って気の強いモニークが待ち構えていた。 かつて、アメリカ隊のガイドをしていたウィックの妻は遭難し、彼は妻を捜すために山に向かっていた。 ピーターはウィックの元に向かい説得し、一旦は断られるものの、ヴォーンの話を聞きそれを承諾し、信頼のおけるスキップをベースで待機させる考えを伝える。 マルコムはカリーム、ウィックはピーターと、シリルがモニークと組むことになり、6人はヘリで尾根に向かう。 ホバーリングが困難の状況で、6人は何んとかヘリから飛び降りる。 トムの状態はさらに悪化し、アニーは抗炎症剤を打とうとするが、ヴォーンは助かる見込みのないトムを見捨てようとする。 ヴォーンはトムに状況を伝えて、怪我の状態から救助されることが困難なことを伝え、その後、アニーにも肺水腫の症状が現れる。 ウィックとの交信ができたヴォーンは、アニーが肺水腫だと知らせて救助を急がせる。 ヴォーンは、アニーにも抗炎症剤を打たせようとせず、トムには、一人だけ生き延びようとしていることを責められる。 油断をしたシリルはアイスバーンを滑り落ち、ピッケルを使い何んとか絶壁で止まり、モニークが彼を助けようとする。 アニーは、このままでは三人とも死ぬと言って、ヴォーンが見つけたザックを取りに行こうとする。 シリルのピッケルにベルトを掛けたモニークだったが、氷が砕けて彼女も宙吊りになる。 モニークはシリルを岩肌に振り助けるが、ニトログリセリンが落下して大爆発する。 ザックを手に入れたアニーは戻ろうとするものの、爆発で氷が崩れる。 モニークは岩にしがみつき、よじ登っていたシリルが彼女を助けよううとする。 しかし、シリルは雪崩に巻き込まれてしまい、それに気づいたピーターは彼らを捜しに行こうとする。 ウィックは、今はアニー達を優先させるべきだとピーターを説得する。 マルコムは、無線で兄シリルに別れを告げて出発し、モニークは、シリルの下したザイルにしがみつく。 ザックの中身を確認したアニーは、抗炎症剤を見つけて、それをトムと自分に打つ。 絶壁を這い上がったモニークはピーターと合流して、骨折した指を見せる。 モニークは、それを真っ直ぐにするようピーターに頼み、受け取る金で、パリの医大予科を卒業したいことを涙ながらに語る。 ピーターは、モニークとスキップとの仲を気にしながら、彼女の指を治す。 兄シリルの死で、気力を失ったマルコムにカリームは、ベースに戻るよう指示して先を急ぐが、マルコムは立ち上がり彼の後を追う。 その頃サリム大佐は、ニトログリセリンが温度上昇で爆発したことをラスル少佐に知らせる。 それがウィックに知らされ、彼らはニトログリセリンを日陰で冷やすが、マルコムに連絡がつかない。 ピーターは、近づくカリームとマルコムを見つけて何んとかそのことを彼らに伝えるが、二人のニトログリセリンが容器から流れ出す。 二人が気を緩めた瞬間に大爆発が起きて、その衝撃でウィックの妻の死体が氷から現れ、モニークがそれを見つける。 ウィックは、妻にキスして、ネックレスについていた指輪を外し、何かを捜し始める。 そこに、抗炎症剤のケースを見つけたピーターが現れ、4年前にアメリカ隊のガイドをした彼女が、ヴォーンと避難して肺水腫で亡くなったことをウィックに確認する。 彼女は抗炎症剤を打てば助かったのだが、ヴォーンがそれを使ってしまったことを知っていたウィックが、彼に復讐しようとしていることにピーターは気づく。 ピーターはそれを阻止しようとするが、ウィックの考えを変えることはできなかった。 覚悟を決めたアニーは、ピーターに連絡を入れ、夜明けまで持たないことを告げて引き返すよう伝える。 アニーは、K2を愛していた父親のために、遺灰をこの山に埋めることを提案する。 ピーターは、それは二人でするべきことだと言ってアニーを励ますが、彼女は尚も戻るよう伝える。 父のザイルを切った時と、同じ選択を迫られたピーターは言葉を返せず、モニークが二人の交信を聞いていた。 ヴォーンも抗炎症剤を打ち、彼はトムの血管に空気を注射して殺す。 翌朝、出発したピーターにウィックが気づき、モニークが後を追う。 アニーはヴォーンがトムを殺したことを知り、逃げようとする彼に襲いかかるが、頭上の氷が崩れて日の光が見える。 ヴォーンはアニーと共に、トムの血液を利用して外部にまき散らし、自分達の位置を知らせようとする。 ピーターとモニークはその場にたどり着き、アニーに爆破を知らせてニトログリセリンを爆発させる。 意識を失うアニーを引き上げようとしたピーターとモニークは、支えきれずに諦めかけるが、そこにウィックが現れて手を貸す。 ウィックはアニーを一旦下し、ヴォーンの元に向かい彼を殺そうとするが思い止まる。 再びアニーの引き上げ作業を始めるものの、氷が崩れて、ウィックとヴォーンも含めて宙吊り状態になってしまう。 ウィックは、祈りを捧げながらザイルを切り、ヴォーンと共に地下に落下する。 ベースに運ばれたアニーは一命を取り留め、ピーターは惹かれ合うようになったモニークと共に安堵する。 ピーターとアニーは兄妹愛を取り戻し、彼女は父親の誇りだと言ってピーターに感謝する。 その後ピーターは、山で命を失った、ウィックらの記念碑を見つめる。
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*(簡略ストー リー)
ピーター・ギャレットと妹アニーは、登山家の父ロイスとのロッククライミング中に事故で宙づりになる。
ロイスは、アニーを助けるためだと言ってザイルを切ることをピーターに命じ、彼はそれに従う。
自責の念からクライミングの道を捨てたピーターは写真家となり、登山家になったアニーは兄を許せず、二人は疎遠になっていた。
3年後、ヒマラヤ山麓にいたピーターは、実業家ヴォーンのK2登頂アタック・チームに、アニーが参加することを知る。
再会した二人は簡単な会話を交わしただけで、アニーはヴォーンや登山家トムらと共に山に向かう。
K2登頂の第一人者ウィックは、天候悪化により死者が出るとヴォーンに警告していたが、それが現実になる。
下山を勧めるトムの意見をヴォーンは無視したため、アニーを含めた彼らはクレバスに転落してしまう。
雪崩により他のメンバーは死亡し、三人は閉じ込められてしまい、無線交信不能状態となる。
ピーターは、危険と知りながら救助隊を編成し、登山家スキップらと共に、ウィックの協力が救助の鍵だと考えながら山に挑むのだが・・・。
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冒頭から驚かされるスリリングな映像、登山が始まるまでの穏やかな展開、そして、遭難から救出までの息つく暇もなく襲いかかる危機、観客の心を捉える見せ場も多く娯楽性のある内容は十分に楽しめる。
トップ・スターの出演はないものの、各登場人物の個性や人間性なども細かく描かれていて、マーティン・キャンベルの無駄のない演出も光る快作に仕上がっている。
特撮とは思えない、役者本人が演ずる危険な映像や美しい自然、そして山の恐ろしさなどもめて見応えがあり、家族愛やサスペンスの要素も含まれているところも興味深い。
北米興行収入は約6800万ドルに留まるが、全世界では約2億1600万ドルの大ヒットなり、取り分け日本では大いに受けた作品でもある。
父を犠牲にしたことで苦悩しながら、妹ロビン・タニーの救出に命を懸けるクリス・オドネル、強引で利己的な行動が他の者を危険に追い込む実業家ビル・パクストン、彼に妻を殺されたと考える登山家スコット・グレン、救援隊の一員として活躍する印象的な役柄で好演するイザベラ・スコルプコ、パキスタン軍少佐テムエラ・モリソン、その上官ロシャム・セス、遭難する登山家ニコラス・リー、救助隊のポーター、アレクサンダー・シディグ、ベースで待機するデヴィッド・ヘイマン、救助隊の陽気な兄弟役スティーヴ・ル・マルクアンドとベン・メンデルソーン、前半いい役を演ずる登山家ロバート・テイラー、主人公の父親スチュアート・ウィルソン、実際の高名な登山家でエド・ベスターズなどが共演している。