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復讐の谷 Vengeance Valley (1951)

1949年に発表された、ルーク・ショートの小説”Vengeance Valley”を基に製作された作品。
大牧場主に養子として育てられた牧童頭と争うことになる乳兄弟の関係を描く、監督リチャード・ソープ、主演バート・ランカスターロバート・ウォーカージョーン・ドルーサリー・フォレストジョン・アイアランドカールトン・カーペンターレイ・コリンズレイ・コリンズヒュー・オブライアン他共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇


スタッフ キャスト
監督:リチャード・ソープ

製作:ニコラス・ネイファック
原作:ルーク・ショート”Vengeance Valley”
脚本:アーヴィング・ラヴェッチ
撮影:ジョージ・J・フォルシー
編集:コンラッド・A・ネルヴィッヒ
音楽:ルドルフ・G・コップ

出演
オーウェン・デイブライト:バート・ランカスター
リー・ストロビー:ロバート・ウォーカー
ジェン・ストロビー:ジョーン・ドルー
リリー・ファスケン:サリー・フォレスト
ハブ・ファスケン:ジョン・アイアランド
ヒューイ:カールトン・カーペンター
アーチ・ストロビー:レイ・コリンズ
ハーブ・バケット:テッド・デ・コルシア
ディック・ファスケン:ヒュー・オブライアン
ウィロビー:ウィル・ライト
バーク夫人:グレイス・ミルズ
オビー・ルーン:トム・ファッデン
コン・アルヴィス保安官:ジム・ヘイワード
オーヴ・エスターリー:ジェームズ・ハリソン
ミード・カルフーン:スタンレー・アンドリュース
デイブ・アラード:グレン・ストレンジ

アメリカ 映画
配給 MGM
1951年製作 83分
公開
北米:1951年2月14日
日本:1957年11月20日
製作費 $1,008,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
コロラド州。
15年前に牧場主アーチ・ストロビー(レイ・コリンズ)の養子となり育てられ、牧童頭となったオーウェン・デイブライト(バート・ランカスター)は人望が厚かった。

アーチの息子リー(ロバート・ウォーカー)は甘やかされて育ち、ギャンブルと女好きで信頼もされていなかった。

オーウェンと共に町に戻ったリーは酒場に向かい、妻ジェン(ジョーン・ドルー)のことを気にする。

医師から、リリー・ファスケン(サリー・フォレスト)が出産したことを知らされたリーは戸惑い、オーウェンが彼女の元に向かう。

リーの兄ディック(ヒュー・オブライアン)に銃を向けられたオーウェンは、そこにジェンがいることを知る。

オーウェンは、ディックが子供の父親を探していることを知り、彼女と生まれたばかりの女の子の様子を見に行く。
...全てを見る(結末あり)

リリーは、医者の代わりに面倒を見てくれた、ジェンに感謝していることをオーウェンに伝える。

相手がリーだと知っているオーウェンは、彼には迷惑をかけないと言うリリーのことを気遣う。

ジェンに後を任せたオーウェンは、父親が誰か訊かれるものの、何も答えなかった。

ディックからも子供の父親のことを訊かれたオーウェンは、リリーに聞けと伝えてその場を去る。

ジェンは、オーウェンがリリーのために、500ドルと食べ物を置いて行ったことを知る。

ディックからオーウェンのことを訊かれたジェンは、夫とは乳兄弟で町で一番の善人だと伝える。

酒場に戻ったオーウェンは、リーにリリーの様子を話し、ジェンがいたことを伝える。

そこに現れたディックは、オーウェンを疑い銃を向ける。

コン・アルヴィス保安官(ジム・ヘイワード)がディックを制止し、彼を脅したオーウェンは、リーと共にその場を去る。

牧場に戻ったオーウェンとリーは、アーチとコックのウィロビー(ウィル・ライト)に迎えられる。

アーチに、この15年間のことを感謝したオーウェンは出て行こうとするが、彼に引き止められて考えを変える。

ジェンの元に向かい美しさに見とれるリーは、彼女との愛を確かめる。

翌日、駅に向かったアルヴィスは、兄ハブ(ジョン・アイアランド)を迎えに来たディックを監視する。

アルヴィスは、人を殺しに来たと言うハブを警戒する。

ハブとディックは、バーク夫人(グレイス・ミルズ)の家に世話になっているリリーの元に向かう。

兄たちのことを迷惑に思うリリーは、ハブが、何か知っているはずのオーウェンを追及する考えを知る。

オーウェンに付き添いバーク夫人の家に向かった牧童のヒューイ(カールトン・カーペンター)は、惹かれているリリーに声をかけられる。

バーク夫人と話したオーウェンは、牛集めをする委任状のサインを求める。

オーウェンは、リーのことで迷惑をかけていると言って感謝するリリーが、何も恐れずに生きていくつもりだと知り、彼女のために出来る限りのことをしてあげたいと思う。

現れたハブとディックは、ヒューイに銃を向けて納屋に向かう。

家から出てきたオーウェンに声をかけたハブは、リリーに渡した500ドルのことを尋ねる。

それを自分の金だと認めたオーウェンは、リリーの子の父親だと決めつけるハブに殴られる。

反撃したオーウェンはハブと格闘になるが、銃を手にしたリリーに制止される。

ディックの銃を奪ったヒューイは、彼を殴り倒す。

納得できないオーウェンは尚もハブに襲いかかろうとするが、リリーとバーク夫人は、ハブとディックを保安官に逮捕させようとする。

法的措置に賛成したオーウェンは、ハブとディックを町に連れて行く。

朝食中にリーは、アーチが口座の貸越金500ドルを返してくれたことを知り感謝する。

その話を聞いていたジェンは、500ドルのことをリーに追及し、オーウェンがリリーと関係を持ったと言う彼の話を信じない。

その後ジェンは、リーをかばおうとするオーウェンを批判し、出て行くと伝える。

オーウェンは、自分と同じ境遇のジェンに、アーチに恩返しする必要があると言って、説得して引き止める。

どうすればいいか分からないジェンは、アーチのためにここで暮らすようにと言われ、仕方なく納得するものの、それ以外は協力できないとオーウェンに伝える。

リーは、殴られた傷があるオーウェンを見て驚き、リリーの兄が町に来たことを知る。

2人は留置場なので1週間は出てこないことを知ったリーは、いずれはバレるので、ジェンと共に町を離れることをオーウェンに提案される。

保安官事務所に向かったオーウェンは、留置場のハブとディックと話し、2人を牽制して、ここを出たたら町を去るようにと指示する。

戻れば禁固6か月だと警告したオーウェンは、その場を去る。

オーウェンと共に牧場に戻ったリーは、ジェンが寝室に鍵をかけていることに気づく。

アーチと話したリーは、息子として牧場の共同経営者になりたいと伝える。

母親の死後に辛い思いをさせたと言うアーチは、牧場の半分を譲る書類を用意し、残りはオーウェンに渡すとリーに伝える。

その後、オーウェンとリーは、ヒューイから、牧場の牛が奪われている可能性があると言われ、3人で調べる。

牛の足跡をたどりハーブ・バケット(テッド・デ・コルシア)の牧場に向かったオーウェンは、牛を盗んだことを確信する。

ハーブに襲いかかったオーウェンは、ナイフで傷つけられながらも彼を叩きのめし、牛を奪おうとする。

リーはそれに反対するが、オーウェンはヒューイと共にハーブの牛を奪う。

ハーブは、250ドルで牛を買い取ると言うリーの話に乗るが、オーウェンを許す気はなかった。

その夜、牧場ではダンスパーティーが開かれ、リーは、オーウェンがジェンの治療を受けていることを知り、2人の関係を疑う。

オーウェンの治療を終えたジェンは、現れたリーを相手にしない。

リーはその場を去り、オーウェンは、残念だが自分には救う資格がないとジェンに伝える。

ハーブを訪ねたリーは、彼と共謀してオーウェンを陥れようとする。

翌朝、牛を移動させるために出発するオーウェンは、別行動をとるリーが、戻ったらに町を出て、落ち着いたらジェンを呼び寄せる考えを知る。

ジェンと共に牧童を見送ったアーチは、彼女が出て行くつもりだと知る。

アーチは、ジェンがオーウェンに惹かれていることに気づいていたため、このままでは問題は解決しないと伝える。

オーウェンとリーが戻るまで待つようにと言われたジェンは、アーチの指示に従うことにする。

ハブとディックは、アルヴィスの指示で列車に乗り町を離れる。

車両にいたハーブはハブとディックと話し、恨みのあるオーウェンの居場所を教えると言って列車を降りる。

リーは、ハーブが連れて来たハブとディックが着いたことを確認する。

その夜リーは、テキサスに牛を買いに行くデイブ・アラード(グレン・ストレンジ)と話し、3000頭の牛を1万4000ドルで売る考えを伝えて、彼と取引を成立させる。

アラードと出くわしたオーウェンは、リーが牛を売ったことを知り驚く。

ヒューイとその件を話したオーウェンは、リーが牛を売って逃げる気だと話す。

何から逃げるかは知らない方がいいと言うオーウェンは、リーをかばうのは、尊敬する人のためだとヒューイに伝える。

オーウェンは、自分も同じ様に想う人がいると言うヒューイが、リリーに惹かれていることに気づいていた。

その後、リーと合流したオーウェンは、アラードに牛を売った件について話し、彼との取引を解消させようとする。

翌日オーウェンは、ハブとディックが牧童に加わっていることをヒューイから知らされる。

リーから取引をやめることにすると言われたオーウェンは、彼と共に電報局に向かう。

ハブとディックは、リーと打ち合わせた計画通りにオーウェンを待ち伏せする。

岩陰から銃撃されたオーウェンは腕を撃たれて落馬し、リーはその場から逃げる。

銃声を聴いたヒューイは、仲間と共に様子を見に行く。

ディックがオーウェンに射殺されたために、ハブはその場から逃げる。

ハブをヒューイらに任せたオーウェンは、リーを追う。

ヒューイらに追いつかれたハブは射殺される。

オーウェンに追い詰められたリーは、アーチにすべてを話すことを提案される。

それを拒み銃を抜いたリーは、オーウェンに射殺される。

牧場に戻ったオーウェンはアーチにすべてを話し、自分が息子を殺したも同然だと言う彼を気遣う。

オーウェンは、馬車で戻ったジェンにもその件を伝える。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
コロラド州。
牧場主アーチの養子として育てられた牧童頭オーウェン・デイブライトは、人望が厚かった。
一方、アーチの長男リーは甘やかされて育ち、ギャンブルと女好きだったために、美しい妻ジェンがいるにも拘らず、リリーとの間に子供が産まれてしまう。
その件を知っていたオーウェンは、リリーの兄ハブとディックに子供の父親だと疑われながら、騒ぎにならないよう対処しようとするのだが・・・。
__________

サイレント時代から黄金期の”MGM”を支えた貢献者と言える、リチャード・ソープの監督作品。

戦後にデビューし若手として期待され、着実にキャリアを重ねていたバート・ランカスターと、同年わずか32歳でこの世を去るロバート・ウォーカーの共演が話題になった作品。

大牧場主に養子てして育てられた青年と、乳兄弟でありながら争うことになる牧場の後継者との関係を描く西部劇。

信頼される養子と甘やかされて育った実の息子の家族内の問題や内に秘める恋、間違いを犯したことで恨みを買う復讐劇、さらには西部劇の醍醐味とも言える牛追いのシーンなどもり込まれた、まずまず見応えある作品。

リチャード・ソープの演出自体は無難にまとめた感に留まっているが、善良な牧場主に養子として育てられ、責任感があり人望が厚い、彼らしい役柄を演ずるバート・ランカスターの魅力が印象に残る作品。

当時、夫婦関係にあったジョーン・ドルージョン・アイアランドの共演も注目なのだが、一緒に登場するシーンはない。

軽薄な牧場主の息子であり自滅するロバート・ウォーカー、彼の妻でありながら、様々なことで苦悩するジョーン・ドルー、リー(ロバート・ウォーカー)の子供を産む女性サリー・フォレスト、その兄ジョン・アイアランドヒュー・オブライアン、主人公を慕う牧童でリリー(サリー・フォレスト)に惹かれるカールトン・カーペンター、主人公を養子として育てた思慮深い牧場主レイ・コリンズ、主人公の牧場の牛を盗むテッド・デ・コルシア、牧場の料理人ウィル・ライト、リリーが世話になる夫人グレイス・ミルズ、保安官のジム・ヘイワード、牧童トム・ファッデンジェームズ・ハリソンスタンレー・アンドリュース、リーから牛を買おうとするテキサスの牧場主グレン・ストレンジなどが共演している。


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