スペインの対テロ対策のサミットで起きたアメリカ大統領狙撃事件に対処するシークレットサービスとテロリストの戦いを描く、デニス・クエイド、マシュー・フォックス、フォレスト・ウィテカー、ウィリアム・ハート、シガニー・ウィーバー、アイレット・ゾラー、ゾーイ・サルダナ他共演、監督ピート・トラヴィスによるサスペンス・アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ピート・トラヴィス
製作総指揮
カラム・グリーン
タニア・ランドー
リンウッド・スピンクス
製作:ニール・H・モリッツ
脚本:バリー・レヴィ
撮影:アミール・モクリ
編集:スチュアート・ベアード
音楽:アトリ・オーヴァーソン
出演
デニス・クエイド:トーマス・バーンズ
マシュー・フォックス:ケント・テイラー
フォレスト・ウィテカー:ハワード・ルイス
ウィリアム・ハート:アシュトン大統領
シガニー・ウィーバー:レックス・ブルックス
エドガー・ラミレス:ハヴィエル
サイード・タグマウイ:スアレス
エドゥアルド・ノリエガ:エンリケ
アイレット・ゾラー:ヴェロニカ
ブルース・マッギル:フィル・マカルー
ゾーイ・サルダナ:アンジー・ジョーンズ
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
2008年製作 90分
公開
北米:2008年2月22日
日本:2008年3月8日
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $72,266,311
世界 $151,161,490
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
スペイン、サラマンカ。
”対テロ戦略”世界国際サミットが開催され、150カ国の首脳が集まる。
サミットに出席するアメリカ大統領アシュトン(ウィリアム・ハート)の警護に当たる、シークレットサービスのトーマス・ バーンズ(デニス・クエイド)の姿があった。
それを見たテレビ局プロデューサー、レックス・ブルックス(シガニー・ウィーバー)は驚いてしまう。
前年の大統領銃撃を阻止して負傷した、バーンズの復帰があまりにも早かったからだ。
サミットの報道に集中するブルックスは、暴走気味のアンジー・ジョーンズ(ゾーイ・サルダナ)のリポートを気にしていた瞬間、アシュトン大統領が狙撃されてしまう。
バーンズや同僚ケント・テイラー(マシュー・フォックス)らの厳重なガードにも拘らず、狙撃された大統領を前に動揺を隠せないアンジーは、ブルックスの指示に従い
リポートを始める。
次の瞬間、会場のステージは爆破され、アンジーの無残な遺体がブルックスの目の前のモニターに映し出される。 23分前、12:00。 復帰間もないバーンズは、アメリカの対テロ政策のために、流血が続くことに抗議する民衆などに神経をとがらせながら、マヨール広場に向かう。 建物2階の窓の物陰や、ビデオカメラ持参の長身の黒人男性(フォレスト・ウィテカー)を気にしていたバーンズの前で、アシュトン大統領は狙撃される。 一瞬、混乱したバーンズは、ステージに駆け上がった男(エドゥアルド・ノリエガ)に体当たりして、病院に搬送された”POTUS”(大統領)の無事をテイラーから知らされる。 広場の外からの爆発音を聞いたバーンズは、ビデオカメラの男、ハワード・ルイス(フォレスト・ウィテカー)が撮影していた映像を確認する。 それを見たバーンズは、ステージに爆発物が隠されたことを知るが、爆発は起きて多数の犠牲者を出す。 ブルックスの中継車に飛び込んだバーンズは、テレビカメラが捕らえていた映像のチャックを始める。 その映像で、何かを見たバーンズは中継車を飛び出す。 12:00。 地元警察のエンリケ(エドゥアルド・ノリエガ)は、市長警護のため私服で会場に到着する。 エンリケは、恋人のヴェロニカ(アイレット・ゾラー)に会い、彼女が話をしていたハヴィエル(エドガー・ラミレス)のことを気にする。 その後エンリケは、持参したバッグをヴェロニカに渡して市長警護に向かう。 アシュトン大統領が狙撃され、ステージ上の市長を守ろうとしたエンリケはバーンズに体当たりされる。 エンリケは、ヴェロニカが自分が渡したバッグをステージの下に放り投げたのを確認するが、バーンズに尋問された直後に爆発は起きる。 エンリケは会場から逃亡し、ヴェロニカとハヴィエルがガードの下で待つと話していたその場所に向かう。 12:00。 アメリカ人旅行者ルイスは、ビデオカメラで広場の様子を撮影中、恋人同士のような男女(ヴェロニカとハヴィエル)を見て別居中の妻のことを思い出し、気さくな男性(サイード・タグマウイ)に声をかけられる。 市長の挨拶が始まり、バーンズの動きに気づいたルイスだったが、バーンズが警戒する2階の窓を撮影中、アシュトン大統領が狙撃される。 2階の窓、ステージに駆け上がったエンリケ、それを取り押さえるバーンズ、エンリケが呼びかけるヴェロニカの不審な行動をルイスはカメラに捉える。 妻に電話したルイスは、大統領狙撃を目撃したことと、自分の無事を伝えていたところにバーンズが現れカメラの映像をチェックされる。 バーンズは、ヴェロニカがバッグをステージに投げた映像を見て民衆に向かい叫ぶが、爆発は起きてしまう。 会場はパニックとなり、ルイスは母親とはぐれた少女を抱きかかえてその場から避難して彼女を警察官に預け、カメラを持ちシークレットサービスが追跡するエンリケを追う。 ガードの下で、エンリケが警官に撃たれるのを目撃したルイスは、母親を見つけて道路に飛び出した少女を助けようとする。 12:00。 マヨール広場に向かう、アシュトン大統領に脅迫が届き、大統領は替え玉と交代し宿泊先に戻る。 側近フィル・マカルー(ブルース・マッギル)からの報告を受けたアシュトン大統領は、モロッコ出身のテロリスト、スアレス(サイード・タグマウイ)抹殺のため、統合参謀本部から命令が出ている事を知る。 替え玉の警護にあたるバーンズをテレビで見たアシュトン大統領は、命の恩人でもある彼の、復帰への適応能力が試されていることを知る。 そして大統領は、替え玉の狙撃、バーンズの行動などを目の当たりにする。 滞在先のホテルで爆破が起き、報復措置を大統領に進言するマカルーだったが、大統領は、サミットが水の泡になることを恐れ、それを拒否して攻撃態勢解除を命令する。 次の瞬間、大統領の前に侵入者が現れて、マカルーらを射殺する。 12:00。 ヴェロニカは、元特殊部隊員ハヴィエルに、人質にとっている弟の画像を見せ、”ガードの下で待つ”という言葉を残したハヴィエルと別れる。 アシュトン大統領が、替え玉だと見抜いていたスアレスは、大統領滞在先のホテルの同胞に計画実行の指示を出す。 スアレスの指示を受けたハヴィエルは、弟の安全を約束させ大統領のいるのホテルに侵入する。 マヨール広場に向かったスアレスは、カメラで周囲を撮影するルイスに気づき親しげに声をかけながら、ヴェロニカとエンリケや警備の様子をチェックして犯行に備える。 2階の部屋のカーテンを、リモコンの扇風機でなびかせ、バーンズの気をそらせたスアレスは、遠隔操作の銃を使いアシュトン大統領の替え玉を狙撃する。 ハヴィエルは、ホテルの大統領警護官を次々と射殺し、スアレスはハヴィエルの弟を殺し、アシュトン大統領を捕らえにホテルに向かう。 ホテルの同胞が自爆し、ハヴィエルが盗んだ警護官コードで、スアレスは偽の情報を流し混乱させる。 ハヴィエルは、大統領の部屋に侵入してマカルーらを殺し、スアレスは、ヴェロニカがステージに投げ込んだ爆弾を爆破させる。 そして、スアレスは救護班に扮して、ヴェロニカとホテルに向かう。 テレビ中継車の、ビデオ映像を確認していたバーンズは、テイラーが裏切り者だと気づき、地元の警察官に扮して逃亡した彼を追跡する。 アシュトン大統領を拉致したハヴィエルとヴェロニカは、彼を眠らせて救急車に運び、ハヴィエルは弟が解放されるガード下に向かう。 ヴェロニカは、スアレスと救急車で逃走するものの、途中エンリケを見かけ、彼を殺さなかったことを責められる。 ハヴィエラはテイラーと合流し、それを発見したバーンズは二人を追う。 バーンズを振り切るまでは、ガード下に向かうなというスアレスの指示を受けたテイラーに、弟を救うために今すぐ現場に向かうようハヴィエラが銃を向ける。 テイラーらはバーンズを振り切り、ガード下に向かい、待ち構えていたエンリケをハヴィエラが射殺しルイスがそれを目撃する。 弟の居場所を聞き出そうとしたハヴィエラだったが、車から脱出したバーンズが駆けつけ彼に銃口を向ける。 相撃ちとなった二人は共に負傷し、テイラーはハヴィエラを射殺して逃走する。 バーンズはテイラーを追って銃撃し、車から引きずり出してアシュトン大統領の行方を聞き出そうとするがテイラーは息絶えてしまう。 救急車内のアシュトン大統領は、意識を取り戻してヴェロニカ襲い掛かる。 母親を見つけた少女が、道路に飛び出そうとしているのに気づいたルイスは、ハンドルをとられたスアレスが横転させた救急車に、少女が轢かれる寸前で彼女を救い バーンズは、横転した救急車のヴェロニカの遺体を確認して、アシュトン大統領を救出しスアレスを射殺する。 ルイスは、少女の母親に感謝されて妻からの電話に答える。 バーンズは、再びアシュトン大統領の命を救い、彼から感謝の言葉を贈られる。 アシュトン大統領は、狙撃を受けたにも拘らず一命を取り留めて回復していることが発表され、サミットは続行される。
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...全てを見る(結末あり)
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出す。
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*(簡略ストー リー)
スペイン、サラマンカ。
”対テロ戦略”世界国際サミットが開催され、150カ国の首脳が集まる。
アメリカ大統領アシュトンの警護に当たるのは、前年大統領銃撃事件で負傷したシークレットサービスのトーマス・バーンズだった。
テレビ局プロデューサーのブルックスは、そのバーンズの復帰が余りに早いことを疑問に思う。
ブルックスは、リポーターのアンジーの暴走気味の取材を気にしていた時、アシュトン大統領が狙撃されてしまう。
次の瞬間、ステージは爆破され、アンジーは死亡し会場は騒然となる。
建物2階の窓の物陰や、ビデオカメラ持参の黒人男性ルイスを、同僚テイラーらと気にしていたバーンズの前で、大統領は狙撃された。
バーンズは、テイラーから大統領が無事だと知らされ、早速、ルイスのカメラ映像を確認するのだが・・・。
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シークレットサービスが目を光らせる中、大統領が狙撃されるまでを、何人もの目撃者の視点から繰り返し描く手法は、回数が多過ぎて(5回)ややくどい気もするが、その斬新さは興味深い。
各々の視点だけでは解決できない疑問が、他の視点で解明されていく仕組みも面白い。
要するに、観客はもう一人の目撃者としてドラマに参加できるわけだ。
デニス・クエイドの表情が、大統領のシークレットサービスにしては強張り過ぎているのが気になるが、渋みを増した、本作を含めた最近の彼の活躍は見逃せない。
なんといっても彼は、ドラマを締めくくる大役までこなした、傑作「ライトスタッフ」(1983)の時の初々しい演技が最高だったと思う。
上映時間も短いが(90分)、息もつかせぬスピード感で瞬く間に時間が過ぎてしまう。
しかし、多彩な出演人の中で際立つ存在は・・・と考えると、皆それほどのインパクトがある訳でもなく、強いて言えば、2年前の「ラストキング・オブ・スコットランド」(2006)の熱演で、アカデミー主演賞を獲得したフォレスト・ウィテカーが、印象に残るといったところだろうか。
大統領警護のシークレットサービスの採用や人員配置の考えが、これほど甘いとは思えないし、そのあたりが、目の肥えたアメリカの批評家から低い評価しか得られなかった原因ではないかとも思う。
旧市街が世界遺産に登録されている、学園都市サラマンカの、上空から見た街並みの美しさは素晴らしい。
ヨーロッパのロケのせいか、「ボーン・アルティメイタム」(2007)を髣髴させるカーチェイスは半端ではない。
由緒ある街で、狭い石畳を駆け抜けるロケを、よく許可してくれたものだと驚いてしまう。
テロリストに加担するシークレットサービスという大胆な役をこなすマシュー・フォックス、テロに屈しない大統領のウィリアム・ハート、TV局の敏腕プロデューサー、シガニー・ウィーバー、弟を人質に取られた元特殊部隊員エドガー・ラミレス、テロの首謀者サイード・タグマウイ、警官であり一味のエドゥアルド・ノリエガ、その恋人アイレット・ゾラー、大統領の側近ブルース・マッギル等が共演している。