かつて名高い無法者だった男の生き様を描く、製作、監督クリント・イーストウッド、ジーン・ハックマン、モーガン・フリーマン、リチャード・ハリス共演の西部劇。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:クリント・イーストウッド
製作:クリント・イーストウッド
製作総指揮:デヴィッド・ヴァルデス
脚本:デヴィッド・ウェッブ・ピープルズ
撮影:ジャック・N・グリーン
編集:ジョエル・コックス
美術
エイドリアン・ゴートン
リック・ロバーツ
音楽:レニー・ニーハウス
出演
ウィリアム”ウィル”マニー:クリント・イーストウッド
リトル・ビル・ダゲット:ジーン・ハックマン
ネッド・ローガン:モーガン・フリーマン
イングリッシュ・ボブ:リチャード・ハリス
スコフィールド・キッド:ジェームス・ウールヴェット
W・W・ボーシャン:ソウル・ルビネック
ストロベリー・アリス:フランシス・フィッシャー
デライラ・フィッツジェラルド:アンナ・トムソン
スキニー・ダボイス:アンソニー・ジェイムス
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1992年製作 130分
公開
北米:1992年8月7日
日本:1993年4月24日
製作費 $14,400,000
北米興行収入 $101,157,450
世界 $159,157,450
■ アカデミー賞 ■
第65回アカデミー賞
・受賞
作品・監督
助演男優(ジーン・ハックマン)
編集賞
・ノミネート
主演男優(クリント・イーストウッド)
脚本・撮影・録音・美術賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1880年、ワイオミング、ビッグ・ウィスキー。
町の娼婦デライラ・フィッツジェラルド(アンナ・トムソン)が、客に半殺しにされ顔を切り刻まれてしまう。
保安官リトル・ビル・ダゲット(ジーン・ハックマン)は、鞭打ちの刑で済ませようとするのだが、娼館の主人スキニー・ダボイス(アンソニー・ジェイムス)は、商品を傷物にされたと言ってそれに納得しない。
そこでダゲットは、二人組に、持ち馬をスキニーに届けることを条件として解放してしまう。
それでも納得いかない、娼婦仲間のストロベリー・アリス(フランシス・フィッシャー)は、娼婦達の所持金を集めて、人を雇い二人組に復讐しようとする。
その昔、人殺しで酒浸りの残忍な悪党だったウィリアム・マニー(クリント・イーストウッド)は、今では家族を持ち、家畜を飼い平穏な生活を送っていた。 しかし、3年ほど前に妻に先立たれたマニーは、二人の幼い子供を抱え生活に困窮していた。 ある日、マニーの元に、若い流れ者スコフィールド・キッド(ジェームス・ウールヴェット)が訪ねてくる。 キッドは、娼婦デライラを袋叩きにした二人組を捕まえ、1000ドルの報奨金を手に入れようとしてマニーを誘う。 亡くなった妻のお陰で、酒や悪事から足を洗っていたマニーは、キッドの話を断る。 その後、二人組は、ダゲットを恐れて馬を連れスキニーに渡すが、娼婦達は、彼らを許す気は全くなかった。 家畜と共に泥にまみれていたマニーは、惨めな生活から抜け出すために、キッドの話に乗ることを決め、11年以上も手にしていなかった銃を取り出す。 そして、マニーは妻の墓前に花を手向け、子供達を残してキッドを追う。 スキニーは、娼婦達が賞金稼ぎを雇おうとしていることを知り、それをダゲットに話す。 ダゲットは、既に広範囲にそれが知られたことを察し、揉め事が起きることを予測する。 かつての相棒ネッド・ローガン(モーガン・フリーマン)を誘ったマニーは、キッドとの待ち合わせ場所に急ぐ。 伝説の殺し屋イングリッシュ・ボブ(リチャード・ハリス)が、小説家のW・W・ボーシャン(ソウル・ルビネック)を伴い、拳銃の所持を禁ずる警告を無視して、ビッグ・ウィスキーの町に現れる。 保安官の助手達は、警告に耳を貸さずアリスの元に向かおうとするイングリッシュ・ボブに銃を向ける。 ダゲットも現れ、それまで息巻いていたイングリッシュ・ボブは、さすがに動揺し始める。 そして、拳銃をダゲットに押収されたイングリッシュ・ボブは、彼に叩きのめされてしまう。 ダゲットはイングリッシュ・ボブを見せしめにして、娼婦の報奨金欲しさに、町に来ている無法者達を威嚇する。 キッドとの合流地点に近づいたマニーとネッドは、彼から発砲されてしまう。 ネッドが同行することを嫌うキッドだったが、マニーが手を引くと言い出したために、仕方なく3人で町に向かうことになる。 キッドの様子がおかしいため、ネッドが探りを入れ、彼が近視だということが分かる。 イングリッシュ・ボブとボーシャンを拘留したダゲットは、ボーシャンの書いた小説”死の公爵”で、伝説的なガンマンに描かれているイングリッシュ・ボブの、真実の姿を語り始める。 ボーシャンを牢屋から出し、自分の伝記を書かせることにしたダゲットは、彼に拳銃を渡して、自分を撃たせようとする。 さらにダゲットは、その拳銃をイングリッシュ・ボブに渡すようボーシャンに指示し、イングリッシュ・ボブを挑発する。 しかし、イングリッシュ・ボブは拳銃を受け取らず、ダゲットは、拳銃を手に取っていたら殺したと、再び彼に脅しをかける。 翌日、ダゲットはイングリッシュ・ボブを町から追い出し、娼婦達は、彼が町を去ったことで復讐を諦めようとする。 町に着いたマニー達だったが、雨に打たれ寒さをしのぐための、ネッドからの酒も断っていたマニーは体調を崩してしまう。 ダゲットは、拳銃を持ったよそ者が来ているという報せを受けて酒場に向かう。 キッドとネッドは娼婦の元に向かい、残されたマニーの前にダゲットと助手が現れる。 ダゲットはマニーの銃を奪い、無抵抗な彼を容赦なく痛めつけ酒場から放り出す。 ネッドとキッドは、アリスらの助けで窓から逃亡し、それを知ったダゲットは女達を締め上げ彼らの魂胆を聞きだそうとする。 マニーを救ったネッドとキッドは、アリスから言われた町外れの小屋に向かい、病に倒れたマニーの傷を手当する。 娼婦達に食料などを運んでもらい、ネッドとキッドはマニーの回復を待とうとするが、彼は死の間際を体験し、それを恐れていることをネッドに伝える。 やがて、病の峠を越したマニーを、傷ついたデライラが献身的に介抱する。 回復したマニーは、ネッドとキッドが二人組を仕留めに行ったことを知り、自分を気遣う、顔の傷も痛々しいデライラを労わる。 その後マニーは、ネッドとキッドに谷で合流し、二人組を殺そうとするが、”スペンサー・ライフル”の名手ネッドが、相手を殺すのをためらってしまう。 マニーが一人の腹を撃ち抜くが、彼は撃った相手に情けをかけてしまう。 自分達が、昔とは違うことを痛感するマニーとネッドだったが、何とかもう一人を殺そうとする。 しかし、ネッドは人を殺せなくなった自分に気づき、故郷に引き返してしまう。 その頃、ダゲットは二人組の内の一人が殺されたという報告を受ける。 ダゲットは、ネッドを捕らえて鞭打ちで拷問し、仲間のことを吐かせようとする。 もう一人の男を見つけたマニーとキッドは、その男を仕留めるが、キッドは、人を撃ったのは初めてだと告白する。 娼婦から報奨金を受け取ったマニーは、金を三等分してネッドにも渡そうとする。 しかし、ネッドがダゲットに捕まり、拷問の末に殺され酒場の前で、さらし者になっていることと、自分の正体を知り笑いものにしたことをマニーは知らされる。 マニーは、ダゲットへの憎しみから、断っていた酒を口にして、キッドから拳銃を受け取り町に向かう。 金をキッドに渡し、子供達に届けるよう伝えたマニーは単独で酒場に向かう。 その頃、ダゲットはマニーとキッドを逮捕する準備のため気勢をあげていた。 そこに、ショットガンを構えたマニーが現れる。 マニーは、ネッドをさらし者にしている酒場の主人でもあるスキニーを射殺し、ダゲットに銃を向けて、ネッドの仇を討とうとする。 ダゲットを射殺しようとしたマニーだったが、銃は不発に終わる。 拳銃に持ち替えたマニーは、ダゲッと助手達を次々と銃撃し、怯えた者達を酒場から追い出す。 ボーシャンを生かし、ネッドの”スペンサー・ライフル”を受け取ったマニーは彼も追い払う。 そしてマニーは、瀕死のダゲットに止めの一撃を加える。 マニーは、酒場の外で待ち構える者達に脅しをかけ、ネッドの死体を埋葬し、娼婦達を人間らしく扱うようにと警告して町を去る。 町の者達は怯え、娼婦達はマニーに感謝して、いつまでも彼を見つめていた。 その後マニーは、子供達の元に戻り妻の墓前にたたずむ。 数年後、マニーの妻の母親が家を訪ねるが、彼らは既にそこを引き払っていた。 マニーは、サンフランシスコで商売に成功したいうことだったが、妻の母親は、なぜ娘が、酒浸りで人殺しの悪党と結婚したのか、ついに分からなかった。
...全てを見る(結末あり)
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*(簡略ストー リー)
かつては女子供までを殺した極悪人ウィリアム・マニーは、自分を立ち直らせてくれた妻を亡くし貧しく空虚な毎日を送っていた。
ある日、マニーは、流れ者のキッドから、賞金稼ぎの話を持ちかけられる。
マニーは、惨めな生活から抜け出すためにその話に乗り、かつての仲間ネッドを誘い、三人で娼婦の復讐に手を貸そうとする。
しかし、町の秩序を保ち、何よりも自分のプライドが傷つくことを嫌う保安官ダゲットが、娼婦達の金を当てにする、現れたマニーら、賞金稼ぎらを排除しようとする・・・。
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クリント・イーストウッドが、恩師であり盟友のドン・ シーゲルとセルジオ・ レオーネに捧げた作品。
自らが成功するきっかけとなった西部劇を、この時代まで作り続けたクリント・イーストウッドが、それで評価されたことが非常に意義深く、彼の映画界への貢献度の高さと共に、作品は大絶賛された。
2004年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。
第65回アカデミー賞では9部門でノミネートされ、イーストウッドは主演賞は逃すものの、念願の作品、監督賞を受賞した。
他、ジーン・ハックマンが助演男優を、また編集賞も受賞している。
・ノミネート
主演男優(クリント・イーストウッド)
脚本・撮影・録音・美術賞
興行収入も、全世界で約1億6000万ドルのヒットとなった。
*北米興行収入 $101,157,450
レニー・ニーハウスの、美しいメインテーマも忘れ難い。
アカデミー賞にノミネートされた、ジャック・N・グリーンの撮影も素晴らしい。
これでもかと言うほど、冒頭で哀れな男と生活を見せた主人公(イーストウッド)が、クライマックスで、かつての悪党に戻る凄みと迫力は見ものだ。
そのイーストウッドを殴り倒し、凄腕の殺し屋イングリッシュ・ボブを虫けらのように叩きのめすジーン・ハックマンも、凄まじい威圧感で存在感を示し、見事にアカデミー助演賞を受賞した。
そのどちらとも違う、モーガン・フリーマンの、落ち着き払った初老の元ガンマンの演技も素晴しく、主人公のマニー(イーストウッド)ほど腕も落ちていないと言いながら、人が撃てなくなり、うろたえたりする、人間味のある人物を深く演じている。
伝説の殺し屋にしては、簡単に叩きのめされて侮辱を受ける、ベテランのリチャード・ハリス、やんちゃ坊主のような流れ者ジェームス・ウールヴェット、気弱で神経質そうな小説家ソウル・ルビネック、当時のイーストウッドの恋人で彼の子供までもうけた、気が強く正義感ある娼婦フランシス・フィッシャー、痛めつけられる娼婦アンナ・トムソン、そして、「夜の大捜査線」(1967)での犯人役が印象的だった、娼館酒場の主人アンソニー・ジェイムスなど、個性的な共演者が顔を揃えている。