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運命の女 Unfaithful (2002)

1968年に公開された、クロード・シャブロル監督、脚本によるフランス映画”不貞の女/The Unfaithful Wife”のリメイク。
出会った青年と恋に落ちた女性とそれを知った夫の心の葛藤を描く、製作、監督エイドリアン・ライン、主演ダイアン・レインリチャード・ギアオリヴィエ・マルティネス他共演のラブ・サスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:エイドリアン・ライン

製作
エイドリアン・ライン
G・マック・ブラウン
製作総指揮
ピエール・リチャード・ミューラー
ローレンス・スティーヴン・マイヤース
アーノン・ミルチャン
原作:クロード・シャブロルThe Unfaithful Wife
脚本
アルヴィン・サージェント
ウィリアム・ブロイルスJr.
撮影:ピーター・ビジウ
編集:アン・V・コーツ
音楽:ヤン・A・P・カズマレック

出演
コンスタンス”コニー”サムナー:ダイアン・レイン
エドワード・サムナー:リチャード・ギア
ポール・マーテル:オリヴィエ・マルティネス
チャーリー・サムナー:エリック・パー・サリヴァン
ビル・ストーン:チャド・ロウ
トレーシー:ケイト・バートン
フランク・ウィルソン:ドミニク・チアニーズ
サリー:マーガレット・コリン
ディーン刑事:ジェリコ・イヴァネク
ミロジニック刑事:ゲイリー・バサラバ
リンゼイ:ミシェル・モナハン
ジョシュ:マイケル・エマーソン
ベス:リサ・エメリー

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2002年製作 124分
公開
北米:2002年5月10日
日本:2003年1月11日
製作費 $50,000,000
北米興行収入 $52,775,770
世界 $119,137,780


アカデミー賞
第75回アカデミー賞

・ノミネート
主演女優賞(ダイアン・レイン


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ニューヨーク州ウエストチェスター郡
エドワード・サムナー(リチャード・ギア)と妻のコニー(ダイアン・レイン)は、8歳の息子のチャーリー(エリック・パー・サリヴァン)と共に平穏な日々を送っていた。

ある朝、エドワードとチャーリーを見送ったコニーは、チャーリーの誕生日プレゼントを買うために”メトロノース鉄道”でマンハッタンに向かう。

買い物を済ませ、強風の中を荷物を持って歩いていたコニーは、本を抱えていたフランス人青年ポール・マーテル(オリヴィエ・マルティネス)とぶつかり転倒してしまう。

膝を怪我したコニーは、手当てをした方がいいと言うポールに誘われて、彼のアパートの部屋に向かう。

バスルームで怪我の手当てをしたコニーは、電話を借りてチャーリーに連絡する。
...全てを見る(結末あり)

息子の話をしたコニーは、自己紹介をしたポールが28歳だと知る。

帰ろうとしたコニーは、今日の思い出だと言われて、ブック・ディーラーであるポールから、本を一冊贈られてその場を去る。

帰宅したコニーは、エドワードに怪我のことを話し、親切な青年に会ったことを伝えて、お礼にワインでも贈るようにと言われる。

翌日、ポールから贈られた本に名刺が挟まっていることに気づいたコニーは、その日もマンハッタンに向かい、駅で彼に電話をする。

誘われたコニーはポールのアパートに向かい、コーヒーだけ飲んで帰る。

会社を経営するエドワードのオフィスを訪ねたコニーは、彼にセーターをプレゼントする。

学園オークションの資金集めのために、友人のボブに会うことをコニーはエドワードに伝える。

その夜エドワードは、何かを考えている様子のコニーが気になる。

翌日もポールに会いに行ったコニーは、欲望を抑えきれずに愛し合ってしまう。

帰りの電車の中でもその行為のことを思い出したコニーは、興奮してしまう。

駅に着いたエドワードは、一緒だったボブから、資金集めの件ではコニーとは会っていないと言われて不思議に思う。

その夜、今日、一日のことをコニーに尋ねたエドワードは、普通の日だったと言われる。

エドワードから、自分を愛しているかと訊かれたコニーは、もちろんだと答える。

その後、チャーリーの誕生パーティーが開かれ、コニーはポールに連絡する。

ポールとの密会を繰り返すコニーは、カフェで彼からキスされ、それをエドワードの部下ビル・ストーン(チャド・ロウ)が目撃してしまう。

帰宅して入浴していたコニーは、ポールが下腹部にいたずら書きしたことに気づき、それを完全に消すことができない内にエドワードが浴室に入って来る。

エドワードに迫られたコニーはそれを拒み、バスタブから出てしまう。

翌朝、コニーとランチの約束をしようとしたエドワードは、彼女の新しい下着や靴に気づく。

エステの予約があるのでランチは無理だと言われたエドワードは、コニーにキスして出かける。

オフィスでエステに電話をしたエドワードは、コニーが予約をしていないことを確認する。

ポールのアパートの前で友人のトレーシー(ケイト・バートン)とサリー(マーガレット・コリン)に出くわしたコニーは、二人からカフェに誘われたために仕方なく付き合う。

電話でポールに遅れることを伝えたコニーは、トレーシーとサリーには気づかれないようにして、現れた彼とトイレで愛し合ってしまう。

テーブルに戻ったコニーは、カウンターにいるポールが魅力的だと思うサリーから、夫や子供がいても彼に誘われれば付き合い、新しい経験になり、ものの見方が変わると言われる。

一方トレーシーは、結局は悲劇に終わると二人に話し、かつて経験した辛い思い出があることを伝える。

そのことを考えながらポールのアパートに向かったコニーは、彼と再び愛し合う。

転職を検討しているビルと話したエドワードは、忠誠心の問題を語り彼を解雇する。

自分の家族の心配をしたビルは、会社も家族だと言うエドワードに、その資格があるのかと伝えて、何も知らない彼を罵倒してその場を去る。

探偵のフランク・ウィルソン(ドミニク・チアニーズ)に会ったフランクは、コニーの尾行を依頼する。

その夜、食事の最中にエドワードは、シカゴに出張することと、自分を裏切ったビルを解雇したことをコニーに話す。

翌日、ポールに会い映画館で愛し合ったコニーは、フランクに写真を撮られていることに気づかなかった。

チャーリーの迎えに遅れてしまったコニーは、学校に向かい彼を連れて帰宅する。

涙しながらポールに電話をしたコニーだったが、彼は留守だった。

調査を終えたウィルソンは、コニーの浮気相手であるポールの名前と住所をエドワードに伝えて、二人の行動を話し証拠の写真を渡す。

買い物に出かけたコニーは、ポールに会わずにはいられなくなり、車で彼のアパートに向かう。

ポールが別の女性と歩いているのを目撃したコニーは、二人が入った書店に向かい彼に襲い掛かる。

取り乱すコニーを制止したポールは、彼女を連れてアパートに向う。

別れると言って帰ろうとするコニーを追い、ポールは強引に愛し合う。

ポールのアパートに向かったエドワードは、一旦、離れた間にコニーが建物から出て行ったことに気づかない。

アパートに入りポールの部屋に向かったエドワードは、コニーの夫であることを彼に伝えて話すことになる。

コニーとの出会いを訊いたエドワードは、会っている場所などを確認して、自分達は結婚11年目で子供もいることを伝える。

冷静に話をしたエドワードは、ポールがブック・ディーラーであることを知り、自分がコニーに贈ったオルゴールが寝室にあったために驚く。

耐えられなくなり気分がっ悪いと言うエドワードは、オルゴールでポールの頭部を殴ってしまう。

ポールが死んだことを確認したエドワードは動揺し、落ち着こうとする。

警察に通報しようとしたエドワードは思い止まり、自分の指紋を拭いて死体を隠そうとする。

そこにコニーからの電話が入り、エドワードは、別れ話をメッセージに残す彼女の言葉を聴く。

部屋を掃除して死体をカーペットで包んだエドワードは、電話のメッセージを消去してその場を去る。

デスクの上のメモには、コニーの電話番号が書かれていた。

死体を運び出して車のトランクに入れたエドワードは、チャーリーの発表会に向かい、コニーと共に息子の演技を楽しむ。

後片付けをすると言うコニーを残してチャーリーと帰ろうとしたエドワードは、友人に車をぶつけられてしまう。

トランクが開いてあいまい焦るエドワードは、そのままの状態で家に向かう。

夜中にコニーが寝ていることを確認したエドワードは、ゴミ処理場に向かい死体を捨てて車を洗車する。

翌朝、朝食をつくるコニーは、いつもと様子が違うエドワードのことを気にする。

訪ねて来たニューヨーク市警のディーン刑事(ジェリコ・イヴァネク)とミロジニック刑事(ゲイリー・バサラバ)を迎えたコニーは、ポールのことを訊かれて、彼の部屋のデスクに電話番号があったと言われる。

ポールの家族から行方不明の届け出が出ていると言われたコニーは、彼の別居中の妻が心配していることを知らされる。

何かあったかを調べていると言うディーンから、情報の提供を求められたコニーは、彼が帰った後で、ポールから受け取った本を捨ててしまう。

警察官が家に来たことを知ったエドワードは、その理由をコニーに尋ね、本を買った業者の行方が分からなくなり、自分の電話番号がアパートにあったと言われる。

感謝祭で家族が集まり、エドワードとコニーらは楽しい時を過ごす。

その頃、ゴミ処理場で死体が発見される。

翌週、コニーと庭の手入れをしていたエドワードは、現れたディーンとミロジニックから、ポールの死体が発見されたことを知らされる。

戸惑うコニーは、ポールと出会った場所を訊かれて、思い出せないと答える。

ジュリアード音楽院”かもしれないと話すコニーは、エドワードもその場にいたが覚えがないと言ったために驚く。

写真を見せられたエドワードは会っていないとディーンに伝えて、コニーはポールだということを確認する。

コニーとポールの関係を聞き出そうとするディーンは、アパートに行ったことがないと言う彼女に、4週間前に、その場で駐車違反をしていると伝える。

友人のトレーシーとサリーとカフェに行ったと答えるコニーは動揺して座り込み、エドワードから、十分に話したと思うと言われたディーンとミロジニックはその場を去る。

エドワードは、涙するコニーを見つめる。

その後、クリーニング店でエドワードの上着のポケットに会った自分とポールが写っている写真を見つけたコニーは驚き、現れたトレーシーが話す夜のパーティーの話も聞かずに立ち去る。

その夜、トレーシーらを呼んだホームパーティーが開かれ、コニーは、その場にポールに渡したオルゴールがあったために、エドワードが何かをしたことに気づく。

皆が帰った後で、その件をエドワードに問い詰めたコニーは、自分こそ何をしたのかと訊かれる。

ポールと愛し合い裏切ったことを追及されたコニーは、家族のために全てを捧げたと言うエドワードから責められる。

最初の日から感づいていたと言うエドワードは、ポールではなく君を殺したかったとコニーに伝えて涙する。

その後、平穏な日々に戻ったコニーは、オルゴールの中に隠してあった、結婚25周年まで開けないでほしいというエドワードのメッセージを見つける。

エドワードの気持ちを察したコニーは、写真を燃やしてポールの想い出を消し去ろうとする。

自首すると言うエドワードに思い止まるよう説得したコニーは、真相は誰も知らないと伝える。

チャリティオークションが開かれ、エドワードとコニーは愛を確かめる。

車で帰る途中に信号で停車したエドワードは、コニーから外国への逃亡を提案される。

エドワードは、涙するコニーを慰めて抱きしめる。

車は警察署の前で停止していた。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ニューヨーク州ウエストチェスター郡
会社を経営するエドワード・サムナーと妻のコニーは、8歳の息子のチャーリーと共に平穏な日々を送っていた。
チャーリーの誕生日プレゼントを買いにマンハッタンに向かったコニーは、強風の中、ブック・ディーラーのフランス人青年ポールとぶつかり倒れて膝を怪我してしまう。
ポールのアパートに誘われて手当てをしたコニーは、その場を去るものの、彼が気になる存在になる。
翌日もポールに会いに行き、成り行きで愛し合ってしまったコニーは、エドワードを裏切っていると知りながらも情事に溺れるのだが・・・。
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ナインハーフ」(1986)、「危険な情事」(1987)など話題作を手掛けるエイドリアン・ラインによるラブ・サスペンス。

何不自由ない日々を送る平凡な専業主婦が、偶然に出会った青年と恋にをちて情事を繰り返す不倫映画かと思いきや、それに気づいた夫が犯す殺人事件にまで発展するサスペンス・ドラマでもある。

エイドリアン・ラインが得意とする独特の官能的な描写は健在であり、青年との恋に溺れる女性を演ずる、撮影当時37歳のダイアン・レインの体を張った演技が話題となった。

そのダイアン・レインの演技は高い評価を受け、第75回アカデミー賞では主演女優賞にノミネートされた。

妻の浮気を知り動揺して殺人を犯してしまう夫を演ずるリチャード・ギアダイアン・レインは「コットンクラブ」(1984)以来の共演で、実際には16歳の年齢差があるものの、それを感じさせない良き夫婦を好演し、「最後の初恋」(2008)でもコンビを組むことになる。

北米興行収入は約5300万ドル、全世界では約1億1900万ドルのヒットとなった。

主人公と恋に落ちるブック・ディーラーのフランス人青年オリヴィエ・マルティネス、主人公の息子エリック・パー・サリヴァン、エドワード(リチャード・ギア)の部下チャド・ロウ、主人公の友人ケイト・バートンマーガレット・コリン、エドワードが雇う私立探偵のドミニク・チアニーズ、事件を捜査する刑事ジェリコ・イヴァネクゲイリー・バサラバ、エドワードの秘書ミシェル・モナハン、主人公の友人マイケル・エマーソンリサ・エメリーなどが共演している。


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