ホメーロスの叙事詩”オデュッセイア”を基に製作された作品。 トロイア戦争で勝利したイタカの王ユリシーズが故郷に戻るまでの冒険の旅を描く、製作ディノ・デ・ラウレンティス、カルロ・ポンティ、脚本、監督マリオ・カメリーニ、主演カーク・ダグラス、シルヴァーナ・マンガーノ、アンソニー・クイン、ロッサナ・ポデスタ他共演の、ファンタジー・アドベンシャー。 |
・アンソニー・クイン / Anthony Quinn / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:マリオ・カメリーニ
製作
ディノ・デ・ラウレンティス
カルロ・ポンティ
原作
ホメーロス”オデュッセイア”
脚本
エンニオ・デ・コンチーニ
ベン・ヘクト
フランコ・ブルサーティ
マリオ・カメリーニ
イヴォ・ペリリ
アーウィン・ショー
撮影:ハロルド・ロッソン
編集:レオ・カトッツォ
音楽:アレッサンドロ・チコニーニ
出演
ユリシーズ:カーク・ダグラス
チルチェ/ペネロペ:シルヴァーナ・マンガーノ
アンティノオス:アンソニー・クイン
ナウシカア:ロッサナ・ポデスタ
アルキノオス:ジャック・デュメニル
エウリュロコス:ダニエル・イヴェルネル
エウリュクレイア:シルヴィー
テーレマコス:フランコ・インテルレンギ
カサンドラ:エレナ・ザレスキ
アンティクレイア:エヴィ・マルタリアティ
アレテ:ルドミラ・ドゥダロワ
レウカントー:タニア・ウェーバー
アキレス:ピエロ・ルッリ
メントール:フェルッチョ・スタグニ
ディオメデス:アレッサンドロ・フェルセン
カロプス:オスカー・アンドリアーニ
ポリュペーモス:ウンベルト・シルヴェストリ
ラエルテス:グアルティエロ・トゥミアーティ
メランソ:テレサ・ペラーティ
エウリュマコス:マリオ・フェリシアニ
レオデス:ミケーレ・リカルディーニ
イタリア/アメリカ/フランス 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1954年製作 117分
公開
イタリア:1954年10月6日
北米:1955年8月17日
日本:1955年3月8日
製作費 ITL 500,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
古代ギリシャ。
戦いから戻らないイタカの王ユリシーズ(カーク・ダグラス)の帰りを待つ王妃ペネロペ(シルヴァーナ・マンガーノ)は、王族から再婚を迫られていた。
木馬を作りトロイア戦争に勝利したユリシーズだったが、女神カサンドラ(エレナ・ザレスキ)の呪いにより、ポセイドンの怒りにふれる。
ユリシーズの生存と戻ることを信じるペネロペは、エウリュマコス(マリオ・フェリシアニ)ら求婚者たちを非難する。
ユリシーズの息子テーレマコス(フランコ・インテルレンギ)は、我慢の限界に達するものの、求婚者たちを追い出すことができなかった。
父を捜す旅に出ることも考えるテーレマコスは、それをペネロペに伝え、悲しむ母を気遣う。
ポセイドンの怒りにふれて嵐に遭い、その後、様々な体験をしたユリシーズは、フェアーチ人の島に流れ着く。
海岸で倒れているユリシーズを見つけた王女ナウシカア(ロッサナ・ポデスタ)は、目覚めた彼に、アルキノオス王(ジャック・デュメニル)の国だと伝える。
この場がイタカの近くだと知ったユリシーズは、ナウシカから名前を訊かれるものの、何も覚えていないと答えて再び気を失う。
回復したユリシーズは、アルキノオス王に歓迎される。
ユリシーズは、王の賓客にも拘わらず格闘に参加し、相手を倒して人々に称えられる。
ナウシカは、そんなユリシーズに心を寄せる。
宮殿を訪れたアンティノオス(アンソニー・クイン)はペネロペと話し、求婚者たちを追い払うことを約束して彼女に結婚を迫る。 ペネロペは、アポロンの競技会で結婚相手を決めることをアンティノオスに伝えて、求婚の返事はしなかった。 その後ユリシーズは、ナウシカとの結婚を決意する。 婚礼の日、何かを感じて海岸に向かったユリシーズは、カサンドラの呪いとポセイドンの怒りにふれ、暴風雨に遭ったことを思い出す。 難を逃れたユリシーズらは、狩りをするためにある島に上陸し、巨大な足跡を発見する。 洞窟で羊を見つけたユリシーズは、その場にあるものがすべて巨大であることに気づく。 足跡などをが気になるエウリュロコス(ダニエル・イヴェルネル)は、船に戻ろうとするものの、ユリシーズはその場にとどまり食料などを確保する。 そこに、一つ目の巨人ポリュペーモス(ウンベルト・シルヴェストリ)が現れ、ポセイドンの息子だと言ってユリシーズの部下を捕らえて食い殺す。 ポリュペーモスを恐れないユリシーズは、彼にワインを飲ませる。 ワインが気に入ったポリュペーモスは、それがブドウから作れることを知り、採りに行くと言うユリシーズらが逃げようとしていると考え、自分で採りに行く。 入り口を岩で塞がれ出ることができないユリシーズは、脱出方法を考える。 戻って来たポリュペーモスが摘んできたブドウで、ユリシーズらはワインを作り、それを飲ませて酔わせて眠らせる。 こん棒で目を突かれたポリュペーモスは苦しみ、ユリシーズらは、彼が入り口の岩をどかした隙に食料を奪って逃げる。 船に戻ったユリシーズは、岩を海に投げ込むポリュペーモスを気にせずに出航する。 セイレーンの岩場に着いたユリシーズは、その歌声を聴かぬようエウリュロコスらに指示するが、自分だけはそれを聴こうとする。 ペネロペとテーレマコスの声を聴いたユリシーズは苦しみ、危機は去る。 その後、船は別の島に引き寄せられ、ユリシーズらは上陸する。 エウリュロコスらは姿を消し、現れた魔女チルチェ(シルヴァーナ・マンガーノ)に迫られたユリシーズは、彼女がペネロペに似ていることに気づく。 ユリシーズは、ペネロペであれば見知らぬ者には抱かれないと考えるものの、チルチェの誘惑に負けてしまう。 翌朝ユリシーズは、エウリュロコスらがブタに姿を変えられたことをチルチェから知らされ、元に戻すよう指示する。 エウリュロコスらは元に戻るものの、ユリシーズはチルチェの魅力の虜となり、その後も島で過ごす。 半年も滞在したことで時間を無駄にしたと考えるエウリュロコスらは、ユリシーズを説得して旅立とうとする。 チルチェから嵐になると言われるものの、それを無視して出発したエウリュロコスらは、荒れ狂う海で溺れ死ぬ。 自分の行いを悔いたユリシーズは、イカダを作り旅立とうとする。 チルチェから、不死の命を授け神にすると言われたユリシーズは、人間として生きることを選ぶ。 アキレス(ピエロ・ルッリ)ら死んだ仲間たちが現れ、島に留まるようにと言われたユリシーズは、母アンティクレイア(エヴィ・マルタリアティ)からは、故郷に戻るよう指示される。 それを母に約束したユリシーズは、チルチェに見限られ旅立ったのだった。 ユリシーズは、ナウシカと共に現れたアルキノオスに、記憶が戻り、自分はイタカの王だと伝え、この場にたどり着いた経緯を話す。 アルキノオスはユリシーズの要望を受け入れ、彼のために船を用意し、ナウシカは呆然とする。 競技会が迫るアンティノオスは、テーレマコスを邪魔者と考える。 ペネロペと話したアンティノオスは、愛を受け入れる条件として、テーレマコスを守ることを約束させられる。 ユリシーズのことを知る乞食(ユリシーズ)の話を聞いたペネロペは、待ち続けて苦しんだことをその者に伝える。 ペネロペは、明日、新しい夫を選ぶことを乞食に伝え、ユリシーズが婚礼の日に射った矢の弓を張れるのは彼しかいないと言われ、去ろうとする彼を手厚くもてなそうとする。 話せただけで十分だと言う乞食はその場を去り、忠実な猟犬アルゴスが自分を主人だと気づいたため懐かしく思う。 ユリシーズは、その場に現れた青年が、幼き日に別れた息子テーレマコスであったために、再会を喜ぶ。 ユリシーズは、復讐の準備をすることをテーレマコスに伝え、ペネロペに何も知らせてはならぬと指示する。 翌日ユリシーズは、アンティノオスら求婚者の元に向かい、乞食として施しを受けようとする。 ユリシーズは、テーレマコスは友人だと伝えるものの、アンティノオスから、直にいなくなる男だと言われて侮辱される。 現れたテーレマコスは、競技会が終わるまでは自分には宮殿での権限があると求婚者たちに伝え、ペネロペは、夫の弓で矢を穴に通し、的に当てたものと結婚することを伝える。 アンティノオス他、誰も弓を張ることができずにいたが、乞食が試す許可を求める。 ペネロペに許可を得た乞食は、難なく弓を張り矢を放ち的に当てる。 乞食の衣を脱いだユリシーズは、自分に気づいたペネロペを守るよう指示し、アンティノオスとエウリュマコスを矢で殺し、テーレマコスと共に反撃する求婚者たちを倒す。 ペネロペは、女神アテナに感謝して祈りを捧げる。 ユリシーズは、共に穏やかな日々を送ることをペネロペに伝え、愛を確かめ合う。
...全てを見る(結末あり)
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*(簡略ストー リー)
トロイア戦争で勝利したイタカの王ユリシーズは、女神カサンドラの呪いにより、ポセイドンの怒りにふれ、記憶を失い故郷に戻れずにいた。
ユリシーズの戻りを待つ王妃ペネロペは、王族から求婚されるもののそれを拒んでいた。
一方、アルキノオス王の国の海岸にたどり着いたユリシーズは、記憶を失っていたために、王女ナウシカアとの結婚を決意するのだが・・・。
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ホメーロスの叙事詩”オデュッセイア”を基に、ディノ・デ・ラウレンティスとカルロ・ポンティが製作し、ハリウッド・スターのカーク・ダグラスを迎え、シルヴァーナ・マンガーノ(ディノ・デ・ラウレンティス夫人)、アンソニー・クインが共演した大作。
王族に結婚を迫られながら、国王の帰りを待つ王妃ペネロペの苦悩を描く物語と共に、故郷に帰ろうとする主人公のユリシーズが体験する、様々な冒険の旅が興味深く描かれている。
野性味あふれる武闘派のユリシーズを演ずるカーク・ダグラスと、妖艶さと品格を備えた、魔女チルチェと王妃ペネロペを演ずるシルヴァーナ・マンガーノの美しさが話題になった作品でもある。
ペネロペに結婚を迫るアンティノオスを演ずるアンソニー・クインの、存在感ある演技が印象に残る。
ユリシーズと結婚を約束するものの夢かなわない王女ナウシカアのロッサナ・ポデスタ、彼女の父である王アルキノオスのジャック・デュメニル、ユリシーズの仲間エウリュロコスのダニエル・イヴェルネル、ユリシーズの乳母エウリュクレイアのシルヴィー、ユリシーズの息子テーレマコスのフランコ・インテルレンギ、女神カサンドラのエレナ・ザレスキ、ユリシーズの母アンティクレイアのエヴィ・マルタリアティ、アレテのルドミラ・ドゥダロワ、レウカントーのタニア・ウェーバー、アキレスのピエロ・ルッリ、メントールのフェルッチョ・スタグニ、ディオメデスのアレッサンドロ・フェルセン、カロプスのオスカー・アンドリアーニ、一つ目の巨人ポリュペーモスのウンベルト・シルヴェストリ、ラエルテスのグアルティエロ・トゥミアーティ、メランソのテレサ・ペラーティ、求婚者エウリュマコスのマリオ・フェリシアニ、同じくレオデスのミケーレ・リカルディーニなどが共演している。